推定100キロオーバーの「マダラエイ」を仕留めるまで@八丈島遠征

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マダラエイ
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※新型コロナウィルス禍における八丈島観光の注意事項(車中泊の禁止)等を本文末尾に追記しました。緊急事態宣言以後、自粛緩和が行われる日がくると思いますが、地域に心配や迷惑が掛からないように釣行を楽しみましょう。2021-01-19

昨年末、初めて八丈島へ遠征しマダラエイを狙った。

八丈島の豊かな自然を存分に楽しみ、目的のマダラエイも釣ることができたのだが、満足のいく結果ではなかった。

どうして獲れない大物に終始翻弄され弄ばれたのだ。

そのモンスタークラスのマダラエイは幾度もアタックしてきては、敗北という現実を突きつけられた。

ようやく手にできたのは30㎏クラス。これはマダラエイの中でも小学生サイズだ。

この一匹は小型とはいえ、負け続けたこともあり心底嬉しかった。しかしながらこのサイズであれば瞬殺サイズ。

一度水面まで浮かせた50㎏クラスも、完全に抑え込むことが出来ていた。

勝負にならなかったモンスターサイズのマダラエイ。

昨年末以来、このサイズを獲ることが目標になった。

目次

巨大マダラエイ狙いを獲るための3つの改善点

去年の敗北から学んだことは非常に大きかった。

大きく分けて3つの敗北要因があった。

  1. タックル面:タックル強度が不足していた。好きなように走られた挙句根に巻かれてラインブレイク
  2. フィジカル面:高負荷ドラグに身体が耐えられなかった。体勢が悪いため腰を痛めてポンプアップできなくなった。魚に対しての力の掛け方、ドラグをMAXまで効かせるタイミングなど。体力を消耗するファイト方法をしていた
  3. ノット強度面:ノットの結束強度不足があった

この3点をクリアしなくてはモンスタークラスとは戦えない。

まずは①をクリアする。

タックルについてはイメージ出来ていた。

まずは竿が短いこと。竿は長いほど人間に掛かる負荷もテコの原理で大きくなる。マダラエイを狙う場合、堤防足元に落とすだけで問題ない。長い竿は必要ないのだ。

そして高負荷のドラグ値に耐えられるもの。去年は相棒「スタンディングロック」で挑んだ。ドラグ値は最大10㎏程度。これ以上は怖い。実用でいくと8㎏程度だろう。

しかしこの程度では相手にならなかった。最低で10㎏、実用で12㎏以上を安心して使えるもの。こうなると選択肢は非常に少ないのだが一本だけ知っている竿があった。

ダイコーの「サザンクロススティック STC-70x」だ。

以前持っていたのだが、硬くて強すぎるため、使用する機会がなく一度手放していたのだ。

この竿はドラグ16kgまで対応していて、長さも2.1mと短い。

ネットで探すと中古ですぐに見つかり購入した。

そしてリールは「TICA TEAM ST668R」 。これはこのままで問題ないと思う。最大ドラグ値は数値上で11.5kg。しかし実際は13㎏くらいまで掛かる。

去年PE10号を巻いていたが根ずれした瞬間に弾けた。

今回は瞬間的に力を掛けて止めるつもりでいたため、選択肢はナイロン一択。根ずれにも強い。ナイロン40号を巻いた。リーダーはなし。余計なものは取り除いた。

①のタックル面についてははこれでクリアした。

そして②のフィジカル面。これは鍛錬あるのみ。

まずは体勢から。高負荷を掛けた時に最も楽な姿勢を見つけた。この体勢であれば腰を痛めずに10分以上継続することができた。

そして③の結束部分。

これについては実は最も苦労した。いろいろ試したのだが安定した強度を出すことが出来なかったのだ。

結局のところ強度自体は最高ではないものの、最も安定した強度を出せる「ダブルクリンチノット+編み込み」に落ち着いた。

こうして1年間かけて準備をしていって出発の日に至った。

ついに出発。巨大「マダラエイ」リベンジに燃える

今回は仕事の休みの都合に合わせて12月25日出発~1月1日帰宅というスケジュール。

東海汽船の大型客船「橘丸」での旅だ。

世間はコロナウィルスで騒がれている。島へウィルスを持ち込むことは断じてあってならない。そのため直前に検査を受け、無事陰性の結果となり船に乗り込んだ。

席は、Go to トラベルでチケットを取ったので奮発して特2等室。が、ご存じの通りGo to トラベルが中止になってしまったため、しっかり満額支払うことになってしまった(笑)。

初めての特2等は快適だった。2段ベッドで構成されていて、床の雑魚寝とは違いベッドと同じ感覚で寝れる。Go to トラベルが中止になったこともあり乗客は少ない。

船内はとても暑く、気持ちも高ぶっておりしばらくは風に当たることにした。

いつもであればテラスでは人が夜景を楽しんでいるはずだが、寒いこともあり誰もおらず静かな甲板で缶チューハイをあおり作戦練る。

どの堤防でやろうか、餌のムロアジは回ってるか、アジがだめなら餌はどうしようか。数本開ける頃には身体も冷えてウトウトしてきたので船室に戻った。

イヤホンをして音楽を流しながら横になるとすぐに眠りの中に。

目が覚めると八丈島到着20分前。

毎度ながら危うい(笑)。急いで準備を済ませると到着のアナウンスが鳴った。

島はやはり暖かい。本土の冬とはまるで違い春のようだ。

まずは買出しと「餌」確保

釣り遠征は車のレンタルがほぼ必須

手配していたレンタカーもすぐに見つかり、無事に相棒もゲットした。

まずは買出しを済ませることに。

あさぬま。八丈島の釣り遠征で重要な物資補給拠点だ

向かったのは「あさぬま大賀郷店」。

ここではひとまず3日分の飲食料やコンロ用のガスを手に入れた。

そして釣具屋でオモリとアミコマセを購入。

話を聞いてみたがムロアジはあまり回っていないものの、それでもポツリポツリは釣れるとのこと。

餌の確保に苦労しそうだったのでオキアミも追加で購入。これは「オヤビッチャ」や「ダツ」などの餌を確保するようだ。

彼らはサビキの針はきれいに避けていくためサビキでは中々釣れない。

買出しを済ませたら早速、島裏の港で餌の確保へ。

ここは車で近づけて尚かつ小魚の魚影も濃い。

足元をのぞくといきなりマダラエイが回遊していた。それほど大きくないがテンションは上がる。

しかしここでは掛けても取り込めないので狙うことはできなかった。

コマセを打つと無数のオヤビッチャは浮いてきてまずはそれをかけていく。浮きフカセで1時間ほどで20匹ほど確保。

これで今日の分は大丈夫かな?

コマセの下のほうではカラフルな魚が乱舞していた。

即席で胴突き仕掛けを作り底付近を探ると「ヤマブキベラ」がヒット。

ヤマブキベラ

この魚カラフルでめっちゃきれい!釣ってみたかった魚だったのでとても嬉しい。

イシガキダイ

餌をつけなおして落とすと、すぐにゴツゴツとアタリがある。

何度かスカった後にようやく掛かったのはイシガキダイ。見えないだけでかなりの数いるようで次々掛かってきた。

しばらく遊んでいるとなにやら大きな魚がヒット。一気に沖に走りしばらくすると動かなくなってしまった。

この引きは…奴だ!去年見つけた最高のターゲット「カンムリベラ」だ。

ハリスが1.5号のため無理はできない。根に潜った奴へ少しずつプレッシャーをかけていくと嫌がって根から出てきた。

騙し騙し浮かせてくるとやはりカンムリベラ。

カンムリベラは八丈島の岸壁際に多く生息している好ターゲット

コバルトブルーの眼。とても綺麗だ。

しかもナイスサイズ。この魚もやっぱりきれいだなー。

本命ポイントへ 仕掛けを変えて食わせた

確保した餌。エイ狙いの場合はぶつ切りにしてつけエサとコマセに使用する

餌確保が順調に済んだので16時くらいに本命ポイントへ。

コマセのためにオヤビッチャやベラを切り身にして足元に放り込む。

すると1時間ほどで黒い影が2つ現れた。

マダラエイである。

「姿を現したな」

奴らはグルグルと動き回りながらゆっくりとコマセを食べているようだ。

仕掛けはベストポジションへ入れている。その場所は、周りの岩礁から少し開けた2m四方が砂地になっているところ。最もエイが捕食しやすいという判断から狙っている。

マダラエイがコマセに寄って、最後につけエサに食い込む瞬間を今か今かと待ち続ける。

が、期待に反してなかなかヒットしない。

仕掛けには近づいてきているようで、糸に触れるようなアタリはあるもののヒットはしない。

暗くなればさらに警戒心は薄れるだろうと判断し、ここで仕掛けを変更。

ハリスの長さを1m→2.5mへ。これで仕掛けの上にエイが乗っても垂直に立つ道糸がヒレに触れることない。それに餌を捕食する際の違和感はより少なくなるはずだ。

すると15分ほどでアタリ。ゆっくり糸が出ていく。

20m程走ったところで糸の角度がちょうどよくなったのでここで思い切りアワセる。

身体の芯まで響くような衝撃!

そう、これだ!この感覚だ!

去年同様に沖に向かって走り出したエイに少しずつドラグ負荷を強めていく。

全く止まらない。相変わらずの強さだ。

ドラグを最大まで締め込むと・・・。止まった!

これで勝負できる!戦える!

と、思ったのも束の間、沖がダメだと思ったのか奴は右に旋回した。

まずい!根に巻かれる!

そう思ったときにはすでに遅くゴゴゴゴゴ…フッと道糸が弾けた。

負けたのだ。

でも今回は止められた。これは本当に大きな成長だ。

去年みたいにどうしようもなく勝負にすらならなかった状況とは違う。

これならもしかしたら勝てるかもしれない。チャンスはあるかもしれない。そう思うには十分な成果だった。

よし、いける。そう信じ再度仕掛けを組み直す。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1342773860299509765

夜の静かな堤防で・・・

仕掛けを打ち返し、しばし時間を持て余す。

そういえば去年は夜の堤防でオキアミを投げるといろいろな小魚が釣れたことを思い出し早速やってみる。

すると一投目からアタリがきた!

フグ。

そして二投目も。

三投目からは着底すらしなくなった。

うーむ。去年は全然いなかったのになぁ。

しばらく遊んで眠くなったので車で少し休むことにした。

ヘッドライトもメガネも装着したまま。センサーが入りヒットしたらすぐに叩けるように準備は済ませてあるのだ。

どれくらい寝ただろうか。突然センサーが鳴り響いた。

来た!

飛び出そうとするが頭につけていたはずのヘッドライトが見当たらない。メガネもない。

え!?

大慌てで探すと後部座席に転がっていた。無意識のうちにぶん投げてしまったのだろう。

慌てて車を飛び出すとギギキィっととんでもない勢いでリールから糸が出ていた。

これはまずい。走らせすぎだ。

竿を持つと案の定何かに擦れている。

そしてどうしようもなくブレイク。うーん情けない。寝相に負けるとは。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1342809078825807872

ラインをチェックすると40mくらいのところで大きく傷ついていた。

ここまで切るとなるとラインの残量が心もとない。

替えのラインを持ってきて本当によかった。全部巻きなおして準備OK。

マダラエイの方が上手なのか・・・

同じ過ちは繰り返さない。ヘッドライト、軍手など必要なものは竿の後ろに並べた。メガネは助手席へ。

これで課題はクリア。寝相になんか負けない。

熟睡していると再びセンサーが反応。

車を飛び出すとエイはまだ足元にいる様子。竿先がわずかにふわふわと揺れている。

餌を食っている最中なのだろうか。

竿を持ちそっとラインを張ってみると重みが乗っている。

そのまま大きくアワセる。

今度は最初からドラグはMAXで勝負。走らせたら敗北する。

それでも奴はラインを出していく。すると15m程で止まり、今度は左に全力疾走を始めた。

これはまずい。左には漁船が停泊してあるのだ。ブイもロープもある。

ここでの判断が遅れロープの向こうに回り込まれてしまい、そこで張り付いたのか動かなくなってしまった。

万事休す。堤防は狭く動き回れず回り込めない。しばらく引っ張ったり緩めたりすると動き出した。

しかしここでラインブレイク。無念。

魚を止めるところまでは出来た。課題はそのあとだ。

旋回した奴を止められない。どうしたものか。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1342857288806100992

夜明けの勝負

夜中はそのままアタリが途切れた。

そのまま眠りにつき、朝起きると餌がとられていた。

オヤビッチャを付け直して打ち返す。ついでにコマセも数匹分だけ追加。これで昨晩の残りがいれば寄ってくるだろう。

八丈島と言えど夜や朝は寒いため、ひとまず車に戻りツイッターを眺めた。

1時間ほど立っただろうか。センサーON!

車から出るとセンサーのスイッチは入っていたものの走ってはいない。

竿先はわずかに揺れていた。上からそっと覗き込む・・・。

…いた。

とんでもなくデカいマダラエイが仕掛けの上にいた。

ヒレをヒラヒラと動かしているので、仕掛けの餌を食っているのだろう。

上からみても4人掛けのテーブルくらいありそうなサイズ。

一瞬恐怖を覚えたがこれを獲りに来たのだ。

竿を取って糸を張ってみると、しっかり重みが乗っている様子。

そこで、アワセを入れると一気に右に泳ぎ出した。

これならいけるかもしれない。右側はスロープで浅い。

ドラグはMAXまで締めこんだ。それでも奴は難なく糸を出していく。

15mほど走られたが、それ以上は根があるので勝負に出る。

スプールを手でロックして無理矢理魚を止める。

一瞬止まって魚が向きを変えた!よし!と思った瞬間。

仕掛けが宙を待った。

今度はハリスの結束から切れていた。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1342964554926452736

ハリスはナイロン60号。昨夜の3バラシの焦りから結束が不十分だったのか。

無念。悔やみきれない。

もうバラせない。次はない。

モンスタークラスがいつまでもヒットするなんて到底思えない。チャンスはもうじきに終わると直感的に感じていた。

ここで結束をもう一度見直すことに。

結束切れの原因はなんだろう。

恐らく魚とドラグとの引っ張り合いで締めこみ切れていなかったところに一気に力が掛かったことによるものだと思われる。短くカットしていた端糸が結束に巻き込まれたのだろう。

そこで事前のテストでは最も高い強度を出していた完全結び+編み込みに変更した。

安定しない強度については納得がいくまで何度もやり直した。

これなら大丈夫。そう思える結束を作り上げ次のヒットは必ず獲ると心に誓った。

その後昼前まで粘るも奴は姿を現さなかったため、再び餌の確保へ。

ようやく本命マダラエイの顔を拝む

餌の確保は順調に進んだ。

オヤビッチャを必要量確保し、その後はライトブッコミでベラやイシガキダイを釣っていく。

これが本当に楽しい。

着底後数秒でガツガツとアタリがあり20~30cmほどのイシガキダイやベラなどが釣れてくる。

なかにはアカハタなども掛かってきた。成長速度の遅いハタはリリース。

ときたま訪れる強烈な引きはカンムリベラだ。この魚は相変わらず楽しい。強烈、強引そのものだ。

一時的にムロアジも回遊し、少量ながら確保できた。これはエイが寄ってから食わせるための特餌にしよう。

あとはナンヨウカイワリ。この魚は遠征中どの堤防でもよく釣れていた。

見た目はカスミアジに近い。引きもかなり強く、35㎝程度なのに3号程度のハリスはぶっちぎっていく。

食べるとかなり美味しいらしいが、私にとってはもちろん餌だ。

餌も十分な量の確保が済んだので早めに本命ポイントへ。

途中、昼食を確保。昼食と言っても15時半なんだけどね。

今回はカルビ弁当と島寿司。島寿司は高いけど美味いんだよなー。なかでもカンパチが大好き。

コマセを撒いて様子を見るとすぐにエイが出てきた。

そんなに大きくはない。コマセと仕掛けの周りをグルグル回っている。警戒しているようだ。そのうち誘惑に負けて仕掛けを食うだろう。

しばらく待つと1時間半ほど経ったところでようやく仕掛けを食った。

アワセを入れると軽い手応え。先ほどのエイだろうか。ドラグをロックしそのまま一気に浮かせてスロープへ誘導した。

大きさは30kg程度だろうか。ひとまず安心した。

これでボウズは無くなった。あとは獲れていないサイズを獲るのみだ。

しかしかっこいいなぁ。まさに悪役。見た目が悪役すぎる。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1343106570608001024

決着の時

サイズはともかく1匹獲れたことで安心した。

まだ2夜目だ。時間はまだある。

そう思いながらも仕掛けを組直し再び撃ちこむ。

餌のチェックは1時間ごとにしっかりと。

オヤビッチャはフグには突かれているものの餌持ちはいい。ほぼ無傷だ。

ムロアジは30分と持たない。食いはこちらのほうがいいだろうが、あまりポイントを荒らしたくはない。

そして2時間後。センサーが入った。

車を飛び出すが糸は出ていないようだ。穂先がフワフワと揺れている。

そのまま竿を持ち様子をみるとゆっくりとやつは動き出した。

ここで思い切りアワセた。

重い!ビッグサイズ確定。

昨日の連発バラシから走らせたら獲れないことはわかっていた。

見直した結束を信じてドラグはフルロック。それでも滑るスプールを手で抑え込んで糸は出してやらない。

身体が前のめりになり腰が破壊されそうになるがしっかりと腰を落として溜め込むと奴は左に旋回しロープのほうへ走り出した。

それでも糸は出さず、自分は右に移動して更にプレッシャーを掛けていく。

すると奴は糸を出せずに少し浮き上がりそして右に反転した。明らかに嫌がっている!

これはいけるかもしれない。奴はそのまま右の平場へ入った。ここなら巻かれる心配はない。

ここまで多分1分くらいだろう。思ってたよりこちらも消耗が激しい。

数回走ろうとしたが先手必勝で先にロックし走らせない。

15分ほどの攻防の末、ようやく少しずつ奴は寄ってきた。

それにしても重い。全身を使い全体重を掛けないとリフトできない。

リフトしても僅かにしかリールが巻けないのだ。奴にもう抵抗する力は残っていないのか。

ライトに浮かび上がったのは恐怖すら感じる巨体。

これランディングできるのか…。

そして抵抗する力の無くなったエイはこちらが休むと自重で沈んでいく。

つまり常にパワー全開で持ち上げていないと勝手に沈んでしまうのだ。

浮き袋を持たないエイは全体重をこちらに預けてくる。

これがとにかくキツかった。

竿を支えているのがやっとでとても移動できない。

やむを得ずギャフを撃ち込もうとするが、少しでも緩めるとすぐに沈んでしまいギャフが撃てない。

それでもなんとか口にギャフを撃ち込み浅瀬まで誘導することが出来た。

改めてデカい。

こんなサイズが堤防にいるのか。

そしてこんなサイズとずっと戦っていたのか…。

サイズの割には模様もとても綺麗なマダラエイだ。

マダラエイは大型になると黒っぽくなり、模様がわかりづらくなる。そう聞いていたがこの個体は綺麗なマダラ模様だ。

今回スケールを忘れてしまったのが惜しい。正確にはは計測できなかった。

それでも体幅は150㎝以上、重さも100kgはゆうに超えているだろう。

デカすぎる。

良く見ると仕掛けが2つ掛かっていた。1つは今回の物、もう1つも私の仕掛けで昨日切られたものだ。

どちらも口には掛かっていない。

口内は肉が厚すぎて貫通できずフッキングできていなかったのか、ファイト中に外れて身体に掛かり直したのか。

それは不明だが中途半端なファイトではダメージすら与えられていなかったのだろう。

奴は翌日に再び餌を食べたのだ。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1343330658630782976

撮影を終え、ギャフを外しリリース。マダラエイは静かにゆっくりと消えていった。

ようやく獲ったのだ。

ここまで本当に失敗が多すぎた。

そこから学んだことも本当に大きかった。

今まで大きい魚を釣ってはいたが、体力も道具も技術もここまで限界の勝負にはならなかった。

極限でのファイト。ここで学べたことは今後私の釣りの考え方を変えるには十分すぎた。

全身が痛い。しばらく道具はそのままにし横になった。冷えたコンクリートが心地よい。

今日はもう戦えないな。しばらく横になり散らかした道具を畳んだ。

雨上がりの勝負

昨夜の興奮冷めやらぬ中目を覚ました。

日中は雨。昼間の釣りはむずかしそうだ。

ひとまずゆっくり温泉に入り美味しい物を食べることにした。

向かったのは「末吉温泉 みはらしの湯」。

ここで汗と汚れを流しゆっくり湯につかる。

騒いでいた若いグループもしばらくするといなくなり、静かな露天風呂で海を眺めた。

昼食は去年も食べた「名代一休庵」へ。こちらではカツカレーウドンを頼んだ。

ガッツが湧いてくる。スープまで残さずに頂いた。ご馳走様。

その後は「八丈ストア」へ買出しへ。

到着すると雨も上がった。ラッキー。

と、思いきや、買い物を済ませると外の様子がおかしい。

滝のような雨と突風が吹き荒れる状況。とても車まで戻れない。

スーパーの入口には買い物客が集まり、雨が上がるのを待っていた。やっぱりここは南国なんだなぁ。

それも10分ほどで上がり、堤防へ向かう。

天気予報だと暗くなるころには雨が上がるようだ。

先にコマセだけ入れて様子を見るが、エイは姿を現さない。雨もなかなか上がらずに降り続いていた。

暗くなりしばらくするとようやく雨が上がったため釣り開始。

オヤビッチャを付けて足元に落とす。

コマセが効いていたようで、すぐにアタリ。しかし食い込まないようで中々掛からない。

そんなアタリが数回続いた。

常夜灯の下には小魚が群れている。

オキアミを投げるとすぐにアタリがありフグが無限に釣れてくる。

壁際には小魚を待っているのかヤガラが浮いていたので、オキアミを目の前に落とし軽くアクションさせるとすぐに食ってきた。


アオヤガラかな?

はじめて釣ったが面白い魚だ。

1時間ほど経ったところでようやくブッコミのほうにヒット。

ゆっくり糸が出ていく・・・。

アワセを入れるとそんなに重くないためそのまま浮かせる。

これも30㎏くらいかな?

そのまま浅瀬に誘導し捕獲。

リリースすると元気に帰っていった。これでマダラエイは3匹目。もうお腹いっぱいだ。

https://twitter.com/BigGame_BigOne/status/1343550407063171073

その後はアタリなく翌朝に撤収。

マダラエイとの知恵比べ

撤収後は再び餌の確保へ。

堤防にはダツが群れている。オキアミを落とすとすぐに掛かり大量に確保できた。

沖ではキハダマグロが跳ねている。

堤防の周りでは青物がボイルしているが、ルアーマンにも泳がせの人にもヒットはなかった。

やっぱりこういうのを真剣に狙ってみたいね。次回は狙える道具も持ってきたい。

昼過ぎで十分に確保できたため今度は私の栄養補給だ。

「酒池肉林」へラーメンを食べに。

ラーメン餃子ライスセットを注文。ラーメンは魚介とんこつだ。

去年も食べたがこれが美味しい。餃子も美味い。

ラーメンで腹を満たした後はちょっと気になってたソフトクリームを食べに「八丈ジャージーカフェ」へ。

明日葉ソフトとノーマルのミックスを頂く。

明日葉感も割と感じて美味しい。

その後はポイントへ。

コマセを入れてダツを落とす。

しばらくして餌をチェックすると針の手前で噛みちぎられていた。

やるな。頭いい。

その後も定期的に餌が取られたり、アタリがくるものの食い込まない。そういう状況が続いた。

見えているエイは50kgくらいだろうか、適度なサイズだ。

しかしながらなかなか食わせられない。ハリスを長くしたり60号→40号に変えたりしたが食わなかった。針を完全に餌に埋め込んで隠した時に一度5mほど走ったのだが離されてしまった。

暗くなるまで何度もアタリはあったが結局食わせることができなかった。

その後はアタリもなく、夜中からは雨が振り始めたため撤収した。

悪天候により予定変更

翌朝も雨は降り続いていた。

天気予報を見るとここからはずっと天気が悪いようだ。海もかなり荒れるため船も危うい。

そのため、帰りは翌日31日の便に変更することに。現時点での予報ではなんとか明日は大丈夫そうだ。

お昼は「藍ヶ江水産」へ。

こちらでは漬け丼を頂いた。

この日はカツオとメダイの漬け丼。やっぱり漬けは最高。大好き。

それに小鉢とカメノテの味噌汁だ。

カメノテ汁もはじめてだったが出汁がものすごく効いていた。磯の香りを凝縮したような味で美味い。

小皿には見慣れない灰色の煮凝りの様な物が乗っていた。

添えられたマヨネーズを付けて食べてみる。

んーなんだろ。わからない。えぐみというか…臭みというか…それがとにかく強い。味はなんともいえない。あんまり得意ではない。

あとで店員さんに効いてみると「ブド」というらしい。カギイバラノリという海藻の煮凝りとのことで、貝やトビウオなどをまぜて固めるもの。

八丈島の郷土料理でお酒の席ではまずこれを頼むそうだ。こういう独自の文化に触れるのも楽しい。

その後は「ふれあいの湯」で汗を流す。

いよいよ明日で終わりだ。

天気も悪いので、今夜は釣りはできないだろう。

雨が強くなる前に車内も全て片付けておく。

これで明日はレンタカーを返却して船に乗るだけだ。

船が欠航し空路での帰京

翌朝最後の確認をするとなんと船が欠航となっていた。

八丈島側は大丈夫そうなのだが、東京のほうが荒れすぎていて出られないようだ。

慌てて調べると9時発の東京行き飛行機があり、これで帰ることとした。

8時にレンタカーを返却したのだが、店員さんと話が盛り上がり、いつの間にか出発30分前に。

慌てて空港へ向かった。

飛行機にもギリギリで間に合い無事に乗ることが出来た。

船では東京の竹芝桟橋まで片道11時間。飛行機だと羽田まで1時間。

なので、うとうとしているうちに東京に到着。はやっ。

こうして2020年末の遠征は幕を閉じた。

昨年とは違い、年越しとはならなかったが、昨年の雪辱を果たすことができ大満足だ。

この島はとても資源が豊で楽しい。

今度は大物のことは忘れて純粋に釣りを楽しみに来てみたいと思う。

それはそれで、今よりもっと楽しめるはずだ。

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<2021-01-18平田追記(1-19再追記)>

本記事に対して、Twitterに匿名アカウントを開設した方から「車中泊なのではないか?ルール上問題では?」というような連絡を受けました。

同アカウントは寄稿者と平田との共通の知人が作成したものですが、指摘自体はその通りです。

八丈島町の観光協会はコロナ禍においては「車中泊ができない」と明言しています。そのため、本記事を読んで「車中泊をしながら釣りができる」と思われた方は「そうではない」という点を理解していただければ思います。

同点について、経緯等を追記します。

本釣行は2020年12月末に行われたものです。八丈島町では2020年6月19日から来島自粛緩和のアナウンスを行っています。

2021年においては、1月8日から2月7日までの期間の来島自粛がアナウンスされています。八丈島ではこれまでレンタカー店が車中泊を容認している状況がありました。

一方、上記2020年6月19日の自粛緩和に際し、同町観光協会が以下の表現で、アナウンスを実施しています。

※来島自粛の「緩和」にあたり、宿泊施設事業者は「宿泊施設における新型コロナウイルス感染症防止対応ガイドライン」により、宿泊受け入れの準備を進めております。

※尚、底土キャンプ場・プラザ公園キャンプ場は閉鎖中となっております。車中泊やキャンプ場以外での野宿はできません。万が一島内で感染者が発生した場合には、皆様の行動履歴の把握と島内で観光中に濃厚接触した可能性の迅速な特定が必要となることからも、ご理解とご協力をお願いします。

車中泊に関する、八丈島観光における公式アナウンスは現時点でこちら及び、同観光協会がTwitterやFacebookで発信したもののみです。

車中泊については「行動履歴の把握がしにくくなる」ということから、条例等ではなく観光協会が独自ルールで定めて発信していたものです。

寄稿者は実際に車中泊をしたので、このルールを守ることができませんでした。

本人からは「『車中泊やキャンプ場以外での野宿はできません』という箇所を誤解し、結果的に車中泊となった。観光協会と該当レンタカー店へ謝罪連絡をした」と共有を受けています。

また以下の2点を寄稿者から要請したとのことです。

・観光協会へ:ウェブ上では上記ガイドラインにたどり着くため、ルールを誤解する人が実際にいる(八丈島に渡り、レンタカー店での受付時に気づく)という事実から、公式サイトでのアナウンスをより分かりやすいものにしていただきたい

・レンタカー店へ:SNS上でのアナウンスだけではなく、実際に予約を行うウェブサイトや店舗・契約書におけるアナウンスの実施

コロナ禍において、病院施設に乏しい離島地域はセンシティブな状況にあります。

ORETSURIをご覧の方におきましても、八丈島へ釣行の際は都度ルールを確認の上、楽しんでいただければと思います。

観光協会サイトの該当箇所についても「よりわかりやすい内容」に変更いただけるということです。

▼現在は以下のような表現に変更されています。

※尚、底土キャンプ場・プラザ公園キャンプ場は閉鎖中となっております。キャンプ場以外での野宿はできません。万が一島内で感染者が発生した場合には、皆様の行動履歴の把握と島内で観光中に濃厚接触した可能性の迅速な特定が必要となることからも、ご理解とご協力をお願いします。

また自粛緩和という時期がくるはずですが、旅行計画を立てる際は、観光協会サイトを確認しましょう。また記載事項に疑問点がある場合は、都度問い合わせると無用なトラブルも生まず安心です。

またレンタカー店においても、予約時に条件の有無について確認するとよいでしょう。

—————————————————-

筆者


まつともの釣師(@BigGame_BigOne

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