船釣りでは軽い竿とリールをつかったライトゲームと呼ばれる釣りが主体になってきています。
同じ魚を釣る場合でも、従来の強めの竿(ノーマルタックル)よりアタリがわかりやすく、魚の引きも強く感じられるからです。
ライトゲームで使用される竿は「ライトゲームロッド」と呼ばれ、ダイワからは「ライトゲームX」、シマノからは「ライトゲームBB」が販売されています。
今回は、2019年にリニューアルしたシマノのライトゲームBBについて、スペック・使用感・旧モデルとの比較を解説します。
ライトゲームBBシリーズについて
<新型ライトゲームBBのスペック>
出典:シマノ
2019年モデルのライトゲームBBは全部で10モデル。
以前は品番だけでは竿の調子がわからないものもあったのですが、現在はTYPE○○という表記で、調子が一目瞭然です。
<旧型ライトゲームBB(一部)>
品番 全長(m) 継数(本) 仕舞寸法(cm) 自重(g) 先径/元径(mm) 錘負荷(号) カーボン含有率(%) S190 1.90 2 98.5 82 1.4/6.7 15~50 86.8 M190 1.90 2 98.5 87 1.6/7.3 20~60 88.3 H190 1.90 2 98.5 95 1.6/8.0 25~80 88.6
出典:シマノ
新型では、ライトゲームBBモデラートで対応していたようなやや硬めのモデル「HH」が登場して、オモリ負荷120号まで対応しています。
オニカサゴなどライトに深場を攻める場合や、エギタコを視野に入れたラインナップ。
全モデルの平均的な自重は旧型ライトゲームBBより増えていて、これは以下の影響かと。
- ①全長が長いモデルがでている
- ②ハイパワーX等による補強
- ③カーボン含有率の低下
によるものかと思われます。
オモリ負荷が15号~のモデルがあるのも特徴で、マゴチなどの15号オモリをつかう釣りではより扱いやすいと言えます。
ライトゲームBB実機インプレ
それでは、ライトゲームBBの実機をみていきましょう!
購入したモデルは、ライトゲームBB「TYPE73 MH195」です。
オモリ負荷20-80号で、最も汎用性が高いモデルです。
同じスペックで長さだけ225㎝の「TYPE73 MH225」があるんですが、小物釣りでつかうなら195㎝が軽くて扱いやすいです。
ライトアジなどは短めの竿のほうが手返しがあがりますしね。
長竿のメリットが出てくるのはエビメバルみたいな仕掛けが長めの場合や、置き竿や手持ちで狙うマゴチでよりタナとりをしやすくしたい場合です。
こちらがグリップ部分。
旧型のライトゲームBBと並べてみました。
EVAの形状あたりはほぼ変わらないものの、リールを固定するネジ部分がちょいスタイリッシュになっています。
旧型がはリールを固定するとこのようにネジ山が露出していたのえ、それがちょっとダサめではありました。
こちらはバット部分から2Pのジョイント部分。
シマノではライトゲームSS以上に搭載されていた「ハイパワーX」の技術がつかわれています。
要はブランクの外側をX状のカーボンテープで補強する技術で、負荷がかかったときに竿がゆがみづらく、パワーロスが軽減します。
実際につかってみたところ、ライトアジやライト五目系で、しゃくりを入れる際に、よりシャキッとロッドを振ることができる気がしました。
「ハイパワーX」は他にも、TYPE82 HH190をエギタコに使う際のキャストのしやすさに効果があるはずです。
こちらも「ハイパワーX」。
「ハイパワーX」の部分が穂先のグラスソリッドティップ手前まで続いています。
ダイワのライトゲームXの場合、「BRAIDING X」という同等の技術がつかわれているんですが、対応しているのはバット部分のみ。
なので、そのあたりはライトゲームBBとの差異と考えてもよいと思います。
こちらはダイワ・ライトゲームX。BRAIDING Xはバット部分のみなので、2ピースの先側で恩恵は得られない
ライトゲームBBにもどって、こちらは穂先。
上が旧型で、下が新型のライトゲームBBです。新旧一緒のシルバーカラー。スレッドの色は新型がややメタリックな赤。
人によるとは思うのですが、シルバーは黒系統よりは見やすいものの、白よりは見づらい気がします。
ガイドの形状は旧型と変わらず、TOPガイドだけSiCなのも変更なし。
ダイワのライトゲームXのガイドと比較すると、ライトゲームXのガイド形状のほうがPEラインの絡みがすくないと思われます。
ダイワ・ライトゲームX。こちらのほうがガイドは糸がらみしなさそう
つづいてライトゲームBBにリールを装着してみました。
しっくりしますね。
リールシート部分は旧型とほぼ変わらないので、ほとんど持ちやすさに変化がありません。
こちらはやや上位機種のスティーレSS。
メタル部分の赤色とライトゲームBBの赤色が同じなのでさらにしっくりきます。
さらに小型なので、パーミングもバッチリ。
ダイワのライトゲームXとの違い
<新型ライトゲームX・Rのスペック>
出典:ダイワ
ライトゲームBBを購入する際に、一番検討するのはライトゲームXだと思います。
チェックポイントは以下の通り。
- カーボン含有率はライトゲームBBのほうが高め(10~15%)
- 対応オモリ負荷の違い(ライトゲームBBは15号~)
- X状のカーボンテープ補強についてライトゲームBBはソリッドティップ手前まで、ライトゲームXはバットのみ
- ガイド形状はライトゲームXのほうが糸がらみしづらそう
- 穂先がライトゲームBBはシルバー、ライトゲームXは黒
あとはデザインの好みですね。
個人的には、現行のライトゲームBBとライトゲームXでは、ライトゲームXのほうがネーム部分からグリップはスタイリッシュだなーと感じています。
もともとライトゲームXのグリップやネジ部分はかなりダサかった(ライトゲームBBもネジ部分がダサかった)ので大幅な進化です。
▼ライトゲームBBとライトゲームXの比較をTwitterでまとめました!
【他で読めないライトゲームロッド(船竿)比較】
唯一神Googleで「船竿 選び方」などで検索すると、全く参考にならない記事がヒットしますね。ふざけんなこのやろいいますわ、うちの社員だったらなぐってますわ、よくわかります。
どういうことか。…
— ひらっさん (@tsuyoshi_hirata) August 13, 2023
まとめ
今回は2019年にリニューアルしたシマノのライトゲームBBについて、スペック・使用感・旧モデルとの比較を解説しました。
ダイワのライトゲームXと比較したときに実際にどっちを買うかは釣り人の好みなわけです。
二大メーカーがリリースしているだけあって、どちらを買ってもストレスなくライトゲームの釣りを楽しめるのはいうまでもありません。
手に持った時の肌感覚で言えば、ライトゲームBBは、しゃっきり。
ライトゲームXはカーボン含有率の低さからか、感度より粘りや丈夫さ振られている印象。
これは両者前モデルから変更がない路線だと思います。
それと気づいたのは、両者ともに入門機種であるBBとXの価格帯を上げてきているということです。
ダイワとシマノのスタンダードレベルの竿が高付加価値になってちょい値段があがっている昨今。マイロッド派ならば必ず通る道なので、得られる利益は最大化したほうがいいという考え方かな
https://t.co/y0Mv0EKHis— 平田 剛士@ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) June 16, 2021
前モデルと比較すると上位機種に搭載されていた機構「ハイパワーX」がBBに搭載されていたり。
結果的により高性能の竿ができあがるわけですが、一本目の竿としてはややコストが高くなりはじめています。
今後、ライトゲームBBがどう進化するのでしょうか。
「Xシートデュアルガングリップ」はタイラバ用の入門竿、エンゲツBBでは標準搭載
シマノ側の視点で考えると、薄利になっても入門機種から「Xシートデュアルガングリップ」を搭載しておくのもよいかもしません。
最初の1本を手に取る人が「ガングリップ」になれていくという考え方もありそうです。
そうなると、各社が提供するノーマルのトリガーシートに違和感を持ち、使いづらいと思う人が増えて、あとのマーケットもとりやすくなるという。
ただ、「ガングリップ」は重量が増すので、そのあたりはトレードオフの考えになりそうですね。
ということで、ライトゲームBBまわりの解説でした。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
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