東京湾横浜~横須賀沖の浅場のアジ釣りは「LTアジ」と呼ばれる釣り物。
平均サイズは20cm程度でたまに25cm強が混ざるというのが一般的。これが猿島沖などやや深場になってくると黒アジの40cm近いのが混じったり。
この日はちょっとした工夫で大型のアジのアタリがでたのでそんな話です。あとヒラメが釣れたという。
横浜・幸浦沖で豆アジ連発の呪い。そして僥倖・・・
この日は、お母さんと子供ちゃん2名とアジ釣りに。
一之瀬丸の船長は瀧本さん。
ポイントは幸浦界隈の沖目。だいたい岸から500m~1km弱のところ。
何度も流し変えてみてもほぼアタリがでず、2時間程度経過して船中数尾。しかも左舷のみ。あとは豆アジしか釣れない。最近、このパターンがちらほらある。
釣れるのは豆アジ~小アジサイズ。「アジガラス」に最適なサイズも釣れたり・・・
このサイズはライトヒラメやマゴチなど泳がせ釣りをやっているときは、うれしいサイズ。
が、アジメインではちょっとなーというサイズ。このサイズは食べる場合は揚げる&南蛮漬けがメインになるので基本的にリリースするものの、なんとなくおみやげゼロの予感がちらほら漂ってきたので、一応バケツにいれて活かしておくことに。備えあれば患いなしってやつですよ。書経。
こういった小鯵がよく釣れるときは中・大型のアジが針がかりするまでに、真っ先に餌と針を食べてしまうんですよね。
なので、結果的に本命サイズのあたりが出ないわけです。しかもこのぐらいのサイズ感だと、手持ちにしてないとアタリがあったのがほぼわからないという。
感度の低い竿でぼーっとしていると、いつのまにかダブル豆アジがヒットしていて、そのまましゃくったり待ち続けることになったり。
右トモ置き竿。一切あたりなし。。。
わたしはといえば、置き竿にして親子のレクチャーをしていたので、ちらほら自分の竿の穂先を見ていたとしても、この豆アジ系のアタリはわからないという。
レクチャーがひと段落して仕掛けをあげてみると・・・
ちっこいのがついている。
が、ちょっとまてよ。このアジの尾部分、何者かに噛まれてないか?
ヒラメかマゴチか・・・
こうなると、豆アジの群れの下にヒラメがひらひらついているようなイメージが強くなってくる。
が、まずはアジだろ。
泳がせ云々などは、中アジの実績を作ってからだよ。まずは成果を出してから物はいえよ。はい、わかりました。
というように、律義に置き竿でアジを狙い続ける。
そして、親子にレクチャー。
数秒に一回、船尾の置き竿をチェック。
と。
アレ今、竿先のまがりがすこしなくなったような・・・
グーン!!!
一気に胴ぐらいまで曲がる「ライトゲームSS」。
こりゃあれだな、サバだな。と、思い、駆けつけてみる。この時期の大サバはうれしいし。
が、走り方がサバではなく、ヒラメっぽい水の抵抗。マゴチだったら首降るしねー。
ソゲ(小型のヒラメ)かなー。ソゲはソゲでも今はうまいからいいけども。
水深は18m程度。
ようやく、ものが海面へ登場・・・
わ。ヒラメやんけ!
一気に鼻息が荒くなる。
俺のハートがビートを刻む。
釣り座に立ち上がりつつ、颯爽にうしろにあるたも網を左手にシャキーンと装備!しようとおもったら、網に天秤とプラビシが3つぐらいついていて取れない件。
ま、まずいぞ。
どれぐらいまずいか。むかし営業をやっていて月末最終営業日に「ひらたさん、Aヨミです!」と部下がいっていたのに、電話させてみたら、実際んところ担当の上司(決裁者)が休んでいてハンコ押せない件について、というぐらいまずい。
どうしよ。これは予定を全変更して部下と同行、その上司の上司か社長に直接突撃して怒涛の営業力で社判をもらうしかないというアレだ。
「社長、○○を漢にしてやってください!はい、わたしの名前は平田です!」
という、宮本から君へ状態ではある。
こいつは長々と何を言っているのか。回想にもほどがあるぞ。
・・・
釣りに話を戻そう。
ビシアジ仕掛けだし、ハリス2号。
よく見えないけど、ムツ針は口の端にかかりやすいといっても、ヒラメの鋭利な歯に触れたら一発ゲームオーバー。
どうする俺。
ここで瀧本船長と目があう。
わたし「船長、網にビシとテンビンがついていて!やばいっす」
瀧本船長「そのままいれちゃっていいですよー」
よしきた。吉北産業(株)!神仏よ、照覧あれ!
必殺、待ち伏せたもあみ術!喰らえ!!!!!
(網は固定して右手の竿のコントロールでヒラメを誘導)
・・・
やばい。左手だとうまく網のコントロールができねー。クリリン、オラに力をわけてくれ。
ここで、華麗に右手の竿と左手のたも網をスイッチ。このスイッチをするときにでもハリスをゆるめたら終わりなので、緊張の一瞬なのだ。無事スイッチ完了。やるね俺。流石俺。すごいよ俺。
が、さすがに海面で異変に気付いたヒラメが一気に海底へダッシュ。
ふはははは。甘いのだよ平田君。
ドラグがでる。
内心、もぐったタイミングでハリスがすれて死亡遊戯というイメージがよぎる。
・・・
ここで立て直し、再度ヒラメ氏がこちらをむいて、たも網のなかにゴール!
ナイスゴール!
ゴンゴール!
やったよ。
すげーうれしい。
海神さま、クリリン、むかしの俺の営業経験、マネジメント経験、有難う!
海風が壮快だぜ!
横幅はそうでもないけども身はプリッとしてそうなヒラメ。小鯵が主食なんでしょうかね。
ちょっと大袈裟太郎気味ですが、全長約50cm。
ヒラメとしては別段大きくはないんですが、アジ仕掛けでくるとちょっとビビるんですよね。置き竿でドラグ調整しておいてよかった。
ヒラメの顔ってほんとかっこいい。
ビシアジ仕掛けのムツ針10号は口のかなり端にかかっていて、歯に干渉しない位置だったのでよかったんでしょう。針先がねむっているムツ針だからこその芸当。むりやりひっぱりっこしないのもよかった。
その後、ひとしきり、鼻息荒く子供ちゃんに自慢したあとに血抜き。
「でけー!」
「すごーい!」
と、お母さんと子供ちゃんにいわれてまんざらでもない。うはは。
このあとも、アジは釣れず。船長もこれはちょっと苦しいよなーと思ったようで、大きく移動して八景沖へ。
八景沖で「大アジ」がちらほら。タナが高いかも
さっきから気になっていたのは、ポイント云々もありながらもイワシミンチの粘度が高いなという点。まるで、1歳の我が子の餅みたいなうんちに似ている。オムツを外すと、桃みたいなおしりの割れ目にぺったりはりついているアレ。
もしかして、コマセがうまく拡散できてないかもなと、海水をすこし足してみる。
あんまりシャバシャバにしない程度に調整。
ここで胴の間のお父さんだけが35~40cmの大アジを連発。
Why?なぜ?どうして?
上げ潮で、コマセは船尾側に流れているなかで、どうしてそこだけ釣れるのか。
潮も速めだし、コマセが吹きあがってタナが上になっているのではなかろうか?
という仮説がでてきたわけです。
ミヨシ側の人がまいた吹きあがったコマセに対して、すこし上側のタナを設定する。
と、すこし実験気味にタナを高めに設定。ハリスが1.8mで、タナは2.5m、次いで3mに設定(ビシの位置)。
と、連発で重い引きが。
大サバか?
お母さんが「私の力でも巻けないぐらいの引きです」と言ってるぞ。リールがハイギアというのもありながらも、たしかになかなか上がってこない。
これは・・・
45cmぐらいの大サバか?
・・・
・・・
・・・
どん。
大アジでした!
文句なしの大アジ。41cm。
その後、同じパターンで、36cm。
あと同じく40cmぐらいのが海面間際でハリス切れ。1.5号だとこのサイズはキツメなのかもしれない。枝針のハリスも結節部から切れてました。慎重にドラグをつかいながらだといけるのかもだけども、2号はほしいところ。
その後、あたりも遠のきタイムアップ。
午後は雨予報だったけども、結果的に晴れ。
兄妹のよい想い出になればよいなー。
この日の釣果
アジのサイズは伸びなかったけども、一家族分のアジとしては十分な量ですね。
シロギスも1尾混じりました。
中アジサイズ(25cm弱)と比べると大アジのデカさが引き立つ。
41cmと37cm。
色合いてきに黄アジ系にも見えるんですが、このサイズになってくると細くなりますね。いずれにせよ旨そう。
大アジのタナは上なのかもしれない
今回は潮にコマセが吹きあがっていたと仮説して釣ってみたわけなのですが、実は潮がゆるんでいたときも、タナをやや上めにしたときに大アジが釣れたことがあります。
アジングなどでのセオリーは、大きなアジが底上にして、中小型はその上にいるというものなんですが、沖目では潮流の関係からか浮いてる群れがいるのかもしれないなと。
もしくは、大きなアジほど遊泳力があるから、やる気がある個体であれば中小鯵より上側で食ってくるのかも。
実際のところはわからないんですが、ビシのタナはハリス分とるというのが基本ながらも、釣れないときはやや上をためしてみるのも一つの方法かなと思いました。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
金沢八景・一之瀬丸