2016年9月に沖釣りの船宿を利用してから約1年半たったので、その間に船宿業界について感じたこと考えたことをまとめておきます。
全体的な感想としては、船釣りは釣果もあがりやすいという点でかなり有益だなと感じています。1回のコストが1万円前後で岸釣り専業や釣り入門者の立場からみると、一見割高なようにみえますが、やはり沖釣りだからこそ狙えたり、船長が操船してくれたりアドバイスをしてくれたりするメリットがありますね。
そんな釣り船について初めて利用してから、この1年半でいろいろ思うことがあったのでまとめておきます。
船宿のウェブページがひたすら見にくいです
これは仕方ないといえば仕方ないのですが、とにかくわかりにくいわけです。
- ユーザビリティがとても低いのレンタルサイト(自社ドメインではなく資産にならない)
- 釣果が更新されない、わかりづらい
- 予約から乗船までの流れがわからない(メニュー→決済→サービスの利用)
- 予約が電話からしかできない(または電話&メール)
- 専門用語多すぎ
- ブログで乗船客を揶揄しているところも・・・
世間はスマフォンやSNSが主体の時代であるのに、どこかの企業が提供するHTMLべた書きのようなサイトであったりアメブロのような無料ブログが情報発信主体であるのは、もうそろそろ経営者の方々も考えたほうが良いのかなと思います。
電話対応や受付方の対応レベルと意識が低くてビックリです
昔ながらのサービス満点のおばちゃんや朝から気合の入ってあかるい船長などはいいんですよ。ほんと。いつも楽しませていただいています。
問題なのは客を客とも思っていなかったり作業的にこなす人ですね。
取り立てて、へこへこせいというわけではまったくないのですが、やはり人間と人間、お金をはらう側とサービスを提供する側というのは平等で、お互いに礼儀というものがあるかと思います。
特に電話対応でめんどくさそうに対応され、投げやりだったりすると、その時点で予約する気をなくしますね。
また早朝の受付で、こちらから挨拶をしても挨拶を返せず目も合わせず、めんどくさそうに事務的に会計作業をこなしているような人がいる船宿をみると、これは本人というよりも経営者の問題なんだろうなと思います。
中には、経営者がそのような対応をしていることもあったり。。。
船長や中乗りの方の対応にもビックリです
これも、いい船長やナイスなサポートをしてくれる中乗りの方もいるなかでの話です。
釣り初心者で釣り船に乗ったことがあるものの、「もう絶対に乗らない」と言っている人の話を受けると船酔い以外の理由は以下のように共通している気がします。
「よくわかんない理由で船長にすごい剣幕で怒鳴られたんだよね」
「おまつりしちゃったら『あんた』呼ばわりで舌打ちされて怒られたんだよ」
いい大人が1万円前後の高いお金を払って、休日に楽しい時間を過ごそうとしたら、なんと怒られるというわけです。一般的な社会では、1万円もお金を払えば丁寧に教えてもらえたり、笑顔で対応されるものですが、
釣り船では、
キレられる。
初心者歓迎などとウェブサイトにうたっている船宿でもこうした対応を見かけるのだから困ったもんですね。
初心者なので不備があってあたり前で、そのあたりを踏まえてなんとか楽しんでもらい釣果もあげてもらいリピートをしてもらうという努力がない船宿は本当に困ります。
よく、海は危険なので、言葉が荒っぽくなる云々という言い訳や擁護をする人がいますが、勝手がわからない大人にむかって高圧的に怒鳴っても、意味合いが伝わらなかったりするわけです。
船長も中乗りの方も、「船全体の釣果を上げる」ということの前に、「乗船客全員に気持ちよく釣ってもらう」ということを意識したほうが良い気がします。
タバコのニオイが滅茶苦茶キッツイんですよね
これは船宿というよりも釣り客の話ですが、陸上でも船上でもあたりを構わずタバコを吸い続ける人が多いんですよね。
多くの船宿で船上は喫煙可にしているかと思うのですが、風上の釣り座にチェーンスモーカーの方がいるとかなりニオイがきついわけです。
タバコのニオイって船酔いを加速させる効果がある気がします。また、食事をしているときに、灰がとんでくると嫌がらせかよと思ったり。
世の中が分煙・禁煙に変わってきているので、船宿も分煙や電子タバコのみ許可するなどを推進してほしいなと思います。
これはタバコを吸う人の権利を抑圧し排除するというよりも、喫煙者より多い比率である非喫煙者の吸わない+ニオイをかぶりたくないという権利を守るという観点から思っています。
もう一律船上でも喫煙スペースを設けて分煙にしましょう。これを徹底すれば集客にもつながりますよ。
釣果を捏造する船宿はやめてほしい
どの船宿でも、その日の釣り物ごとの釣果をウェブサイトやSNSにUPしたり、FAXで釣具店に配信していたりするかと思います。
が、釣果をチェックしていないのにUPしていたり、明らかに水増ししているところは本当にやめたほうがいいと思います。だれかが見ているのでやがて露見しますよ。
釣り人はやはり釣り物を決めた後に複数の船宿の釣果をチェックするわけで、そこは正確に把握したいものです。
時代と釣り客の変化
ここで、多くの船宿にとってのターゲットユーザーの優先順位を考えると、だいたい以下の通りかなと思います。
A(男性60歳以上)>B(男性36~59歳)>C男性(35歳~>D女性
このなかで船宿は主に釣り経験者であったA&B層を意識してきたわけですが、やがてA層の方は5年~10年の間に船での釣りを続けることがしんどくなるわけで、今後はB~D層の釣り初心者&女性をいかに集客するかがカギになってきます。
船宿は自社集客とサービス力向上に努めたほうがいい
船釣り初心者が多いC・D層からすると、船宿のサイトは未だにわかりにくいので、船宿に電話したりメール予約することとに心理的な壁があるのですよね。
そうなると、比較的わかりやすく、SEO(検索エンジン対策)で優る船宿予約ポータル経由になり1件あたりの予約手数料をとられるわけです。
船宿からすると、仮に船宿予約ポータル経由の予約であっても、2回目以降を直予約にしてもらえればよいのですが、船宿ポータルサイト運営企業は乗船あたりの予約ポイントを設けているので、なかなかそうはならないんですよね。
船宿ポータルサイトにリピートするわけです。そこには競合船宿もたくさんいますし、なによりポータルサイトにおける割引ポイントが意志決定の差になったりもします。
ここで船宿の経営者の立場になったときに、マーケティングの優劣は以下の通りです。
- 上策:自社サイト&SNSでの集客オンリー&基本サービスを徹底してリピートしてもらう
- 中策:船宿予約ポータルサイトで集客し、自社サイト&SNS&基本サービスを徹底してリピートしてもらう
- 下策:船宿予約ポータルサイト集客依存
では、今の状況をどうしたらよいかというとサイトをわかりやすくしてSNSの発信を考えて・・・云々というのは誰でもいえると思うのですが、やはり重要なのは経営者がやがて来る危機をしっかり認識し、ユーザーファーストの視点を持ち貫けるかだと思います。
- 創業○○年の老舗!
- 釣果をだせば勝手に客は集まるんだ!
- 俺の船に乗せてやってやる!
ではなく、釣り船商売も一般消費者向けビジネス(B to C)なので、ハードとソフト両面のサービスを提供しつつ、ユーザーであるA~D層に一定数以上満足をしてもら試みをしていけばいいのでしょうね。
近年は、ハード面(ウェブサイトや施設)の充実が集客につながると気づいた船宿もいてマーケティング部分にテコ入れをしたもののソフト面(人的対応力)が追いついていない事例もあります。
本当に難しいのはソフト面の拡充なのかもしれません。
ハード面は、マーケティング戦略をちゃんと考え、コストを重点投下すれば飾れますが、ソフト面は経営者やマネジメント層の魂からにじみ出てくるところであるからです。
たとえるならそれは愛なのかもしれません。
- せっかく来てくれたお客さんにたのしく釣らせてあげたい。
- その結果として収益をあげたい。
個人的にはハード面だけPRしている船宿よりも、ソフト面がしっかりしていてような愛のある船宿はどんどん儲かっていけばよいなと思います。
船宿は満足度調査をやったほうがいいと思いますよ
満足をしてもらうためにはどうしたらよいか?
これは飲食店やスーパーの事例がわかりやすいですね。
例えばアンケートをとって改善してみるのはどうでしょうか。
毎日乗船後のアンケートをとればよいのです。
アンケートに答えるインセンティブは、スタンプカード2倍や次回の乗船値引き+500円などにすればよいかと。スタンプカードがないところはアンケートと引き換えにスタンプを押すという仕組みでもよいと思います。
質問は以下のようなものでしょうね。
本日は乗船ありがとうございました。
「電話対応や朝の受付対応はご満足されました?」
「船長や中乗りのサポートはいかがでしたか?」
「釣果については満足されましたか」
「総合評価を教えてください」
「全体を通して気になることがあればお知らせください。サービス改善の参考にさせていただきます」
またのご乗船をお待ちしております。
回答の選択肢は、「大変満足・満足・ふつう・不満・大変不満」などでも数字でもよいと思います。
船宿は膨大なデータを持つわけでもなく、個人企業なわけですので、数値化をして前年比UPなどまでやる行為は無駄です。
それより、「ふつう・不満・大変不満」という回答が一つ一つあがってきたところを、船宿内で毎日・毎週まとめて、ミーティングをして対策を打っていけばよいわけです。
客にもいろんな人がいるので、中には見当はずれなクレームもあると思いますが、それはそれで流しておき、身に痛みがあるアンケートこそ、船宿の控室の掲示板やウェブサイトやブログに回答を公開していけばどんどん信頼されていくかと思います。
まとめ
今回は約1年半沖釣りの船宿を利用して感じたことをまとめてみました。いつも利用させていただいている船宿に感謝しつつ、いい船宿がどんどん広まっていき繁盛するとよいなと感じております。もしも困っている船宿の方がいましたらお気軽に相談ください。