「サバ」は、日本人にとってなじみ深い魚ですね。
釣りをしていると、サイズによって「大鯖」「中鯖」「小鯖」というように呼ばれますが、どのような基準があるのでしょうか?
今回は、「大鯖」「中鯖」「小鯖」の違いについて解説します。
サバの呼称は目安。人によって異なる
はじめに結論です。
サバの呼称(サイズ)には、明確なルールがありません。人によって異なるものと覚えておきましょう。
日本で釣れるサバは、マサバとゴマサバですが、この二つは特に区別されず、サイズによって呼び名が変わります。
概ね、以下の通りです。
- 小鯖:20cmぐらいまで
- 中鯖:30cmぐらいまで
- 大鯖:30㎝以上。最大は50㎝程度
<その他の呼称>
- トロサバ:秋冬に釣れる大鯖を指す。脂ノリがよいので人気
- 深海サバ:水深100~300m程度の深場で釣れるサバ。型と脂ノリがよい
- 根(瀬)付きサバ:周年沿岸部の根周りに居ついているサバ。脂ノリがよい。黄金サバとも呼ばれる
次に、「大鯖」「中鯖」「小鯖」それぞれのサイズの特徴について解説していきます。
「小鯖」は岸からのファミリーフィッシングで人気
小鯖と呼ばれるマサバやゴマサバの幼魚は、春から夏にかけて沿岸部に現れます。
餌となるシラス・動物性プランクトン・稚鮎などを追って身近な堤防にも登場します。
特に、稚鮎については、「サバが少なくなると稚鮎が増え、サバが多くなると稚鮎の遡上が減る」という人もいます。
どんな魚でもそうですが、小鯖も子供であるだけ数が多く、5月~7月ごろに堤防でサビキ釣りをすると、誰でも数十~100尾程度は釣れてしまいます。
コマセをまいて、サビキを落とせば延々と釣れるターゲットといっても過言ではありません。
一方、小鯖は脂がほとんどなく、淡白なため、食味は良くないという認識が広まっています。
脂を補うために、揚げたり濃いめに味をつける調理が適していますが、比較的グルメな船釣りや磯釣りなどをする人からはあまり好まれていません。
小鯖は、どちらかというと岸釣りのファミリーフィッシングの対象魚として人気です。
<小鯖の釣り方>
- サビキ釣り
- ウキ釣り
- ライトソルト(ワームなどのルアー釣り)
「中鯖」から脂が乗りはじめる
中鯖か大鯖か人によって判断が変わりそうなサイズ感
どのサイズを「中鯖」とするか。これは小鯖や大鯖よりわかりにくいかもしれません。
むしろ「中鯖」という名称自体もあまり使われません。
目安として、20~30㎝、もしくは35㎝ぐらいまでを中鯖と呼ぶ人が多い印象です。
人間で言えば、青年期のようなイメージで、この頃からすこし脂が乗り始めます。
中鯖サイズから、しめさばや、味噌煮にすると、まろやかな旨味を感じられるはずです。
<中鯖の釣り方>
- 遠投カゴ釣り
- ショアジギング
- 船のコマセ釣り
「大鯖」は船釣りでも好まれるサイズ。市場価値も高い
35㎝~40㎝ぐらいの鯖は立派な「大鯖」かも。脂がのっていればなおさら
「大鯖」は、脂ノリがよい個体が多く、サバのなかでも最も人気です。
マサバの場合、最大50cm程度まで成長するのですが、沿岸部の釣りでは目安として、35~40㎝ぐらいの個体が釣りやすいと言えます。
マサバは初夏が産卵シーズン。産卵後はかなり痩せるが初秋になると脂が戻る
大鯖は初夏(梅雨)の産卵後に激やせをするのですが、そうした個体でない限り、食味はよいと言えます。
なかでも、秋冬に釣れる大サバは脂ノリがよく「トロサバ」とも呼ばれ、その味は最高です。
岸釣りでは多くの人が狙うターゲット。
船釣りでは、サバはアジ釣りのゲストとして考えられています。
「エサ取り」「お祭りの原因」として、サバは嫌れる傾向にあるのですが、「大鯖」サイズになると、微笑む釣り人が多いのが特徴です。
<大鯖の釣り方>
- 遠投カゴ釣り
- ショアジギング
- 船のコマセ釣り
まとめ
今回は、日本人にとってなじみ深いサバのサイズと呼称について解説しました。
近年、「大鯖」サイズは、体感値でも明らかに数が少なくなってきています。
これは魚種交代以外に、漁業や遊漁で小型の小鯖・中サバを取りすぎていることが原因ともいわれています。
脂ノリが求められる魚なので、できれば「大鯖」サイズを釣りたいところ。
岸釣りならば、小鯖は食べきれる量だけ釣る。
安価な鯖缶(小鯖・中鯖を使用)を買い控えるなどが消費者としてできることなのかもしれません。