【高コスパ】「タナトル8」は8本編の船釣り用PEライン。「タナトル4」との使い分けを解説

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船釣りのPEラインでは、シマノの「タナトル4」が高コスパ。極端にシビアな釣りでなれば選ばない理由はないよー。

そんな記事を書いたことがあります。

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主にコスパという観点で「タナトル4」を買っておけばいいじゃない?といった観点なんですが、「タナトル8とどう違うの?どっちを買えばいいの?」という質問をもらったので本記事で回答したいと思います。

つまり「PEラインの4本編みと8本編みの違いがわかる人」は読まなくても大丈夫。

でも、まわりに、わからない人がいたら以下の記事をシェアしてあげてください。

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以下、はじめて船釣りをやる方向けの内容です。

はじめて買う船用ラインは「タナトル」で問題ないのですが、ゆくゆくタナトル4とタナトル8のどちらを選ぶか迷った時の参考にしてください。

目次

「タナトル4」「タナトル8」の違い

PEライン

タナトル8。滑らか

タナトル4とタナトル8は、両者ともにシマノから販売されているコスパに優れた船PEラインです。

違いは、撚糸(よりいと)であるPEラインの編み数の違い。読んで字のごとく、タナトル4は4本編み。タナトル8は8本編み。

使用されている原糸は、両者ともに高分子量ポリエチレン「IZANAS」なので変らないんですが、性能の違いを簡単にまとめると以下の通りです。

<「タナトル4」と「タナトル8」の比較>

  • 値段:タナトル8 < タナトル4(安価)
  • 耐摩耗性:タナトル8 < タナトル4(根ずれ・オマツリで切れにくい)
  • 結び目の強さ:タナトル8 < タナトル4
  • 表面のなめらかさ:タナトル4 < タナトル8 (ガイドの音鳴り、潮受け、飛距離に好影響)
  • 伸びの少なさ:タナトル4 < タナトル8(深場や繊細な釣りほど影響があるとされる)

ざっくりいえば、「タナトル8」は高価で比較的摩耗(根ずれやオマツリ)には弱いものの、音鳴り・潮受けしにくく、飛距離も伸びるよ。結び目の強度はタナトル4より落ちるけどね。ということですね。

「タナトル8」を選んだほうがいい釣り物・シチュエーション

弱ったPEライン

PEライン摩耗の様子。根ずれ以外に、スプール軸に巻き込んでしまってもこうなる

さて、実際に釣りへ行く前に、どちらのラインを選べばよいのでしょうか。

もうね、LTアジやシロギスなどで肩ひじ張らず釣るならば「タナトル4」でよいです。あんまり深く考えないで、「号数(太さ)」さえあっていれば極端にトラブルなどもおきないです。

PEラインの号数だけは船宿ごとのルールを守りましょう。いつもいっている船宿でも季節・潮・水深によってオモリの変動もあるので船宿に確認します。

が、さらに狙っている釣り物の釣果を上げたくなってくると、8本編みのPEラインである「タナトル8」の出番です。

具体的には、以下のような釣り物・シチュエーションでは「タナトル8」が有利です。

  • アマダイ
  • 深場のタチウオ
  • ビシアジ
  • エギタコ
  • カワハギ
  • シロギス
  • スミイカ
  • タイラバ

<より垂直に落とし込みたい釣り物>

黄アマダイ

「アマダイ・深場狙いのタチウオ・ビシアジ・タイラバ」あたりは、タナトル8を使うことでより快適に釣りをしやすくなります。

回数を重ねれば、平均釣果も伸びるはずです。

比較的深場での釣りや釣速が速い傾向にある釣り場では、より細糸で強度が出せる8本編みのPEラインを使うとよいでしょう。表面が滑らかなので、潮受けもしにくくなるため、以下のメリットがあります。

  • 「タナ」への到達スピードが上がる(魚に早く餌やルアーを届けられる)
  • 糸ふけが少なくなりオマツリが軽減する(他の釣り客のタックルとの関係性にもよります)
  • タナボケ(タナがズレてしまう)を防ぎやすくなる
  • アタリを出しやすくなる
  • アタリを感じやすくなる

テンヤで釣ったタチウオ

PEラインはタチウオの歯に弱い

タチウオについては、鋭い歯によってPEラインの高切れがよくおこります。

とはいえ、同じ号数のタナトル4を選べば切れにくくなるかというとそんなことはありません。

タチウオの歯にタッチした場合、PEラインの細糸であれば太さに関わらず瞬断されやすいので、あえてタナトル4を選んでもメリットを得にくいという考えておくのも一つです。

<飛距離を伸ばしたい釣り物>

エギタコ・カワハギ・スミイカ・シロギスなどでは、タナトル8の使用で下手投げの飛距離を伸ばしやすくなります。

これらの釣り物は、個体数や釣り場の地形にもよるのですが、積極的にキャストして飛距離を伸ばしたほうが釣果を上げやすくなります。

▼PEラインの編数よる飛距離の違い。4本編み→8本編みで飛距離が110.5%UP。使用ラインはタナトルと原糸が同じピットブル

出典:シマノ

一方、海底の根が著しい場所の場合、キャストをすることで根がかりがしやすくなるのも事実です。場所により、外せない根がかりが発生する場合は手返しが悪くなります。

そうなると、ロストによる様々な負荷が増えるので、キャストは控えるのが基本です。

タナトル8を選ばないほうがいいシチュエーションってあるの?

では、タナトル8よりタナトル4をリールに巻いて釣りをしたほうがよい状況はあるのでしょうか。

コスト面以外は、岸釣りとは異なる船釣り独特のリスク「オマツリ」に起因する高切れ回避が主な理由です。

  • 細糸使用で釣り座間隔が狭くオマツリしやすい場合
  • 使用するPEラインに幅があり、オマツリ時に細糸だと瞬断される可能性がある場合
  • 根が特に荒い場合で「深めの穴」を釣るような場合

「細糸」という定義は人それぞれですが、ここではPEラインの1.5号以下の場合だと思ってください。

細糸を使用している状況で、あまりにも釣り座間隔が狭くオマツリしやすいと、ラインが高切れしやすくなります。

また、昨今アマダイの釣りによくみられることですが、ライトタックル(PE1号~2号程度)とノーマルタックル(PE3~4号など)の釣り客が混在している場合もあります。

それぞれがお祭りし、気づかず電動リールなどで綱引きをしてしまった場合、ライトタックル側は高確率で高切れしてしまいます。

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また、海底の地形の隆起が著しいところや、深い穴状の根を攻めるような釣り物もあります。

そうした釣りでも岩礁帯や漁礁がPEライン部分まで達しやすく、摩耗して高切れの原因になります。先糸にフロロカーボンライン1、2mを使用しても、PEライン部分に根が至るようなシチューエーションというのがあるわけです。

このような状況が想定されるときには、リスクを軽減するために、より太い号数を使うことにあわせて、より耐摩耗性の高い「タナトル4」を使うのも一つです。

また、さらに耐摩耗性を考えるときには、シマノであればPEラインの原糸「スペクトラ」を使用した「パワープロゲーム」を使用するのもよいでしょう。

タナトルシリーズは「イザナス」を使用しているのですが、「スペクトラ」は原糸の繊維がより太く耐摩耗性が高いとされます。

タナトル8の摩耗(傷)。タチウオ???

まとめ

今回は、8本編みPEラインにもかかわらずかなりお手軽な価格設定の「タナトル8」を使用する場面について解説しました。

PEラインについては、事前知識がない場合、何を選んだらよいのかわからなくなってしまうこともしばしば。

タナトル8を選ばなくても号数さえ合っていればタナトル4で十分な場面も多いのは事実です。

一方、さらに快適な船釣りを味わいたい場合や、釣果を向上したい要所要所では、タナトル8を巻いて遊んでみるのもよいでしょう。

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