船釣りでの「プラビシ」と「アンドンビシ」の使い分け解説

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船釣りでコマセを使う場合、おもに2種類の道具を使います。

一つ目が、プラスチック製のコマセカゴ「プラビシ・プラカゴ」で、二つ目が、金属の針金を溶接して成型された「アンドンビシ」を使うものです。

この使い分けについて、船釣りに慣れていないうちは間違えしまいがち。

先日も、LTアジ釣りの乗合船で「『サニービシ』は使えますか?」という質問を受けました。きっと、同じような疑問を持つ人も一定数いるはずです。

「プラビシ」と「アンドンビシ」の道具特性や使い分けの理由などがわからない方はぜひチェックしておいてください。

目次

「プラビシ」を使う釣りはアミエビやオキアミエサがメイン

サニービシ

お馴染みのサニービシ

まず、「プラカゴ・プラビシ」ことプラスチックと金属のオモリで成り立っているビシについては、サニー社の「サニービシ」などが多くつかわれています。

これらは、主にアミエビやオキアミを想定した設計です。

アミコマセとオキアミをブレンド

小さいのがアミエビことアミ。大き目の粒がナンキョクオキアミ

機種によってアミエビに対応したものと、アミエビとオキアミを撒き餌として想定した設計のものがあります。

このプラビシに、LTアジ釣りでつかうような「イワシミンチ」を入れると、海中でコマセがうまく撒けず、釣果が伸びません。

また、LTアジ釣りの船では、規定のオモリ号数のアンドンビシ(30号か40号が多い)を釣り客が使っているため、プラビシを使うと、サイズにもよりますが潮受けの強さが変わり、オマツリしやすくなってしまいます。

そのため、LTアジ釣りではアンドンビシを使うのがルールです。

よく知らないうちにLTアジ船にプラビシを持ち込むと、船長から「プラビシは使わないで」というような注意をうけると思います。

はじめは、「なんでだろ?」と思ってしまいますが、これは「ちゃんとアジを釣らせたい」「オマツリをさけたい」という2種類の思いがあるわけです。

冷凍オキアミブロック

オキアミは撒き餌として使用できる海域、つかえる量が決まっている

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アンドンビシを使う釣りは主にイワシミンチをつかう

アジビシ

次にアンドンビシについて解説します。

アンドンビシは、その形状が行灯(あんどん)に似ているからついているコマセカゴです。ワイヤーで成型された網目部分の下に鉛の錘がドッキングされているシンプルなつくりです。

どれも同じように見えますが、網目の細かさや形状はメーカーや船宿によって異なります。

米元丸のビシ

コマセの出をよくするために網目をわざとカットしてある船宿も@金沢八景・米元丸

これは使用されるイワシミンチの細かさや、船長による釣り方の狙いによって異なると覚えておきましょう。

アンドンビシはイワシミンチをつかうときに必須のアイテムです。網目に海水が入り、狙い通りに水中で撒き餌ができます。

アミエビをつかうことができる細かい目のアンドンビシもありますが、撒き餌の量が調整できないため、イワシミンチのためのビシと考えたほうがよいでしょう。オキアミについても同様で、アンドンビシにつめると、網目に詰まってしまい撒き餌がうまくできません。

地域ごとのコマセカゴ使用にはルールがある

神奈川、コマセカゴのルール

神奈川県でのコマセカゴ使用ルール

コマセが使用できない海域もありますが、使用できる場合にも、使用できるコマセの種類や量、コマセカゴについての形状等仕様についてのルールがあります。

過度にまき餌がまかれると、海が汚れ、漁場環境が悪くなる恐れがありますので、必要以上にまき餌を使用しないよう心がけましょう。

まき餌の使用量は概ね5kg以内として下さい。

出典:神奈川県

理由は、海洋汚染や漁場環境を悪化させないためとされています。

神奈川県における、釣り船でのオキアミ撒き餌ルール

出典:神奈川県

遊漁船でも、プレジャーボートや手漕ぎボートの釣りでも、撒き餌の使用については一度自治体単位でのルールを確認しておきましょう。

まとめ

釣り コマセを入れる小学生

今回は船釣りでコマセをつかった釣りで使われる「プラビシ」と「アンドンビシ」の使い分けについて解説しました。

使い方を間違えても魚は釣れますが、乗合船の場合はオマツリの原因になることもあります。また、撒き餌が意図したとおりに撒けないということもあり、全体的な釣果は下がるはずです。

釣り物ごとに適した道具を使うのが船釣りの基本です。オモリの号数については船宿・船長に確認して準備しましょう。

また、特にライトタックル系の釣りではPEライン1号~2号と細めであるため、摩耗による劣化とあわせて、シャクリ負荷を原因とする高切れが発生する場合もあります。

多くの船に予備の天秤やビシは積んでありますが、使いなれたものをつかうのが釣果を上げるコツでもあります。好みのプラビシ、アンドンビシを複数用意しておくのもよいでしょう。

関連アイテム

▼サニーのサニーライトFL40号。アミエビとオキアミの両方に対応したプラカゴ。ライト五目系の釣りで使いやすい。

▼サニーチビライト40号。ライト五目系でつかうとさらにシャクリ負荷が少なく疲れにくい。潮受けもしにくい。

▼サニービシFL60 号。80号と合わせて、コマセマダイ、ワラサの釣りなどで使用される。

▼ヤマシタのライトビシ40号。船宿でもよくつかわれているタイプ。スリム形状で潮受けしにくく、オマツリの原因になりにくい。シャクリの負荷も少ない。

▼ヤマシタのライト天秤。30cmのタイプが中間にあり、LTアジからライト五目など様々なコマセ釣りにつかいやすい。弓型の天秤では、船宿のレンタルタックルでもよくつかわれているアイテム。

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