TwitterやFacebookを見ていると、折れた釣り竿の写真をアップしてメーカーに呪いの言葉を吐いているひとをみることがあります。
特に釣り関連のFacebookグループで、
「〇〇が折れた!〇〇〇ふざけんな!」
という具合に怒りをこめて発信しても、事態はなんにも解決しないのは誰もがわかっていることではありますが、一定数そういった方をみることがありませんか?
Twitterで、「竿 折れた」という検索キーワードで一通りみたところ、竿が折れたときに人は以下のように感じるようです。
- 悲さ
- 怒り
悲しさについて。
値段はもちろんのこと、「大物を釣ったことがある」「はじめて○○を釣った」などのように大切にしている釣り竿が折れたときは確かに悲しいですね。
次に怒りについて。
これは、どちらかというと、釣り竿が折れたことに対しての責任をよその誰かにぶつけているような論調が多いようです。
形あるものはすべて壊れるこの世界のできごとですし、釣り竿は本来とても繊細な代物。
初期不良というものも勿論あるものですが、様々な釣り場で釣り人をみていると、それは折れるよなという釣り竿の取り扱い方ことを目撃することもしばしばです。
今回は、釣り竿に関してこんな扱い方をしていませんかという観点で取りまとめてみます。
釣り初心者はもちろん、ベテランの方もあらためて見つめ直してみてはいかがでしょうか。
釣り竿を購入するとき
まず釣り竿を買うときは三つのチェックポイントを理解しておきましょう。
釣り具メーカーは完璧ではない
釣り具メーカーは神ではありません。
ノーメンテで100万年使えるダイヤモンドの釣り竿を販売しているわけではありません。
生産される釣り竿には程度の差はあれ、ばらつきがあることを理解しておきましょう。
<ばらつきの例>
- カーボンやガラス繊維を巻き上げる際の均一さや傷の有無
- ガイドを取り付ける際の巻き上げ
メーカーに求められているのはできるだけ高品質で均一な製品を作って消費者に提供することですが、上記のような工程は機械+人で成し遂げられることであり、どうしても不備がある製品も含まれます。
企画→開発→テスト→販売
というサイクルの精度がより高い大手メーカーほど、安定した品質の釣り竿を提供しますが、それでも釣り竿は折れるものです。
新品の釣り竿でも誰かが触ったものかもしれない
釣具店で新品の釣り竿を手に取る。
もしかしてそれはあなた以外のだれかが開封して手に取ったものかもしれません。
たとえば、その誰かは錘をつるして調子をみたり、天井に押し付けていたかもしれませんね。
世の中、丁寧さや慎重さがある人間ばかりではないので、場合によってはこうした流れの中で、程度を超えた負荷をかける人もいて、穂先やガイドが破損している可能性もあります。
釣り竿の品質確認を店舗スタッフに任せない
店舗で釣り竿を購入する際は、店舗スタッフが開封して傷等をチェックすることが一般的です。
この工程をまかせきりにしていませんか?
もちろん店舗スタッフはプロですが、プロだからと言ってミスがないとはいいきれません。
釣具店のスタッフも色々。
なーなーで仕事をしているスタッフもいるかもしれませんし、セール時は、忙しくてざっくりしかチェックができないかもしれません。
みなさんは自分の眼で、釣り竿のグリップエンドから穂先までじっくり確認して問題ないと確認していますか?
何事も自責としてとらえるか。他責にするか。
もし、不幸にも釣り竿が折れてしまった場合でも、自分が納得して判断した答えであるならいくらか納得感もあるのではないでしょうか。
釣り竿を保管するとき
釣りをしないときの釣り竿はどのように保管していますか?
- 楽ちんなので車の中に釣り竿を入れっぱなし
- 丸裸の釣り竿を家の中においてある
- 釣り竿が水等で汚れたまま放置
前者の場合は季節にもよりますが、車内が高熱になり塗装や接着面に悪影響を与えている可能性もあります。
次に丸裸の釣り竿を家の中においてある場合、自分がしらない間に塗装面やロッド繊維に傷がついていることがあるかもしれません。
家族がいる場合は、釣り竿は手の届かないところにおいておくことがよいですね。知らず知らず傷がついてしまうかもしれません。
また水分がついたまま放置したり、保管場所の湿度や温度によっては塗装面が水膨れして劣化していくということもあります。
釣り竿を利用するとき
釣り場に行って釣り人による竿の扱い方をみていると、こんな人がいます。
- 平気で釣り竿を堤防のコンクリート上に置く
- 釣り竿を引きずって歩く(特に磯竿等長いものはこのような扱われ方をされていることも)
- 摩擦しやすい材質の岸壁や柵に、釣り竿を直にたてかける
- 人があるく通路に釣り竿を寝かせておく
- 根がかりしたときに釣り竿を無理にあおる
- 魚がかかったり、寄せる際に、急角度で竿を立てる
- 明らかに荷重オーバーなものを配慮なくキャストする
- 穂先のからみを1回1回確認せず、そのまま投げる
- 必要以上に巻き上げる(船釣り)
- 竿に負荷がかかった状態で、グリップエンドではなくバット(胴)部分をもって魚とやりとりする
- 無駄に急激なアワセやシャクリをしている
- 無理な力がかかるような投げ方をしている
このように釣り場ではいろいろな形で釣り竿が折れやすく、壊れやすくなるためのポイントがあります。
まとめ
安い竿だからいいだろう。それも一つの考え方です。
一方、自分であれこれ考えてよい釣りを楽しみたいとおもって買った釣り竿であれば、できるかぎり長く有効活用したいですよね。
今回は、ネット上の「釣り竿折れた メーカーふざけんな」といった発言をみて、改めてお伝えしたいと思った次第です。