どうも平田です。
タコ釣りをしていると明らかな根がかり以外に、「タコに張りつかれて、はがれないのでは?」という時がありますね。
タコ独特の触り。
ははーん、触手で俺っちのテンヤ(エギ)を触っているな。いいよいいよ、どんどん乗っちゃいなよ。遠慮すんなよ。テイクイットイージーでやんなよ。てんで、そのまま小突いていると、明らかに粘着質のノリがある。
ぐにゅん。
が、素知らぬふりの後白河ってんで、引き続き小突き続ける。
で、完全にタコが覆いかぶさったところで、一撃必殺の大アワセをいれる!
ぐにゅわーん。アイヤー根がかりアルヨー。
みたいなやつです。
とにかく、エギもテンヤもデカダコにホールドされ、にっちもさっちもいかない。
本人がいくらアタリがあったといっても、実際根がかり以外のなんでもないこともあるんですが、どっこい超弩級の大ダコが海底にはりついてしまって動かないということもあるんです。
2キロ、3キロ、4キロ、もしかして5キロかも。まさかの将門、6キロ超だったんじゃ。
これが軟派なタックルだと剥がせないんだな。
ここで岸釣りだと自分のペースでちょっと待ってから巻き上げるなどができるんですが、乗合船だと常に船は動いているし、放置してから相手を油断させて引っこ抜くみたいな計略が使えなかったり。
かれこれなんどもそんな経験をして気づいたのは、やっぱりタックルは、ある程度硬派なもので強度が欲しいよねということです。
大してタコ釣れてないけど、数はもういいんだ。
俺はでっかいタコを釣りたいんやで。
そういった思いで、7月1日の富岡沖(金沢八景・小柴沖)タコ解禁後に行ってまいりました。
タコテンヤ原理主義者とは?
デカ蛸といえば、テンヤに限る。
そう思います。
蟹によるアピールが強く、いかにも大きめのタコが抱き着きやすそうにみえる。カンナがデカくて、フッキング性能もバッチリ。
それに対してタコエギはどうだ。
ちょっと頼りない。
はっきりいって軟派なんだよ。
フックも小さいし、これで大ダコが釣れるのかね?
小から中ダコまでを広く拾っていくには間違いなくエギだけど、安エギの場合、いざというときにカンナがすっぽ抜けることもあるんじゃないだろうか。
本気で大ダコを狙うなら、テンヤだ。
タコエギの販売もスタート@一之瀬丸
とはいえ、世の中は空前のフィーバー。
船中約20名中、15名ぐらいがタコエギ兵だったんじゃないかなと。
そこにきて、わたしは、大ダコ一本槍なもんで、硬派にテンヤですよ。
ご覧ください。
タコシャトルの挑戦的なカンナ角度。シンプルかつ必要最低限の集寄
そう「八景の白い悪魔」とは、このことです。
東京湾奥の船タコ釣りは、6月に川崎・横浜エリアが解禁。
7月1日に富岡沖(金沢八景・小柴沖)がスタートします。
6月の川崎新堤界隈は、川崎ブラックホールみたいな状況でタコエギは向いてないんですが、八景・小柴沖の場合は、ガラ場と呼ばれる貝殻エリアがほとんどで、あまり根がからないわけです。
そして、このエリアには毎年巨大なタコがあがるという。
根がかりしないという条件に、大ダコを狙うという目標に絞ればテンヤ一択。
この中年男性、楽しそうですね。
毎年「大ダコ」が上がる富岡沖(金沢八景・小柴沖)へ
この日の一之瀬丸のタコ船は2隻出し。休日は4隻出しなどもやっているようです。すごい繁盛でなによりです。
7時50分ちょっと前にポイントに到着すると、船はあたりを回りながら、時間を待つ。
そこにボートタイプの遊漁船がすでに竿を出している。
すると、一之瀬丸社長が「8時からじゃないとだめだよ。組合から連絡きてるでしょ」とたしなめる。
そうだそうだ。
そういうルールは大事だよなと。守ろうよと。
むしろ俺の大ダコを8時前に釣るなと。
言いたいことはそれだけです。
そうこうして8時ジャスト。
「どうぞー」の声で、一斉にテンヤやエギを投入する一同。
幸浦沖で、水深10m程度。
根がかりはほぼないので、ある程度投げて引きずったり、小突いたり。
周りでは、エギを中心に小型のタコが上がっているが、どうなんだろう。
・・・
すると、待望のアタリ。
あーこれ小さいなー。
かわいいサイズ。300gないぐらいかな。
え?
リリースの件でしょうか?
あーいやまあ、ボウズの可能性もあるんで、キープしますけどね。おほほほほん。
あっさり「タコエギ」思想へ転向
それにしてもどうだ。
周りで釣れている人といえば、タコエギをつかっている人ばかりじゃないか。
ここで、浮上してきたのは、「テンヤ不利説」です。
どういう説なのか。
いいでしょう。説明しましょう。
もともとこの富岡沖は、年をまたいで成長した大ダコの巣窟として名高いんですが、今年はちょっと怪しいということなんです。
大ダコがいない。
子ダコが多い。たまに中ダコもいるけど。
去年のうちにさんざん釣られてしまったんだろうなー。
そこに、馬鹿の一つ覚えでテンヤを投げ込むこと。これは本当に賢いやり方なのか。
目的のために、ボウズになるということ。
はたしてそれは本当によいことなのか。お前の家族はそれで満足するのか。
そういうことなんです。
ってことで、あっさり、タコエギ派に転向しました。
どれぐらいあっさりしていたかというと、マルクスかぶれの学生が長髪にラブ&ピースで日米安保反対とかいってデモっていたのに、いざとなったら髪を切ってサクッと就職、フツーの人生をおくっておっさんになっていたぐらい、あっさり転向しました。
あれは、思想というよりも、スタイルだったんだろうなと。
反権力をしているのが、かっこいいという。若いうちは仕方ない。
そいうポーズがあっても仕方ない。そういうのがモテる世界だし。
が、わたしも、もう若くないんです。
モテとかもどうでもいいんです。
とにかくタコを釣らせてほしい。
諭吉をはたいて、タコ釣りにいき、おほほほーん、ボウズだったよーみたいなセリフを家庭で吐けません。
目的のために手段を選ばず。
法と道徳を守ったうえであれば、どんどん手段は変えていく。
それがわたしの主義だ。
と、ここで、さっそくアタリです。
「ケルベロス仕掛け」に変えてからの一投目ですよ。
え?
ケルベロス仕掛けですか?
しようがないなー、企業秘密なんですが、減るもんじゃないんでこっそり教えますね。
まず、タコ用のツイン系のサルカンのオモリ装着部分にタコやんの夜光ピンク。オモリはタコやんに装着して夜光で25号。その上部にタコエギ用のツインのスナップで、スミイカ用のスッテとタコエギ。
ケルベロスという中二的な名前の通り、3つのルアーを装着していてアピール度は極大。タコもこの仕掛けが近くを通ったら思わず絡まずにはいられないし、実際絡んだら、どれかにヒットして抜けることが少ない。
まー、合計2,500円ぐらいにはなっちゃいますけどね。
・・・
グニュ。
ははーん、触ってんなー。
いいよいいよ。落ち着いて触んなよ。乗りなよ乗りなよ。わっしょいわっしょい。
という風に、小突きつづける。30秒ぐらい。
やがて聞き上げる。ぐにゅーん。
そこで同行者に、いい?合わせちゃうよ?とか無駄な確認を入れる。こういうやついるよなと。勝手に合わせろといつも思う。
・・・
ラインの余りを海面まで巻き取り!
南無魔蛸大明神!
ガツーン!
す…
祇園精舎の鐘の声。盛者必衰の理をあらわす。
えーっと、順当に高切れましたね。薄々気づいてはいたけど、使い古しのPE2号ではだめだったかと。
いやね、いろいろ気落ちですよ。
心構えがなってないなと。
ゴミも増やしてしまったし、何しろモノが大きかった。
あれはもしかして4キロ、いや5キロあったかもしれないなと。
タコはでかくなるほど、こういう愚かな釣り人の高切れなどで生存率があがるんでしょうね。
備えあれば憂いなし、予備リールをもっていったのがよかった
なぜおまえはPE2号だったか。
そのあたりを聞いておきたい。
いやね、子ダコしか釣れないんだったら、飛距離重視のほうがいいなーとおもったからですよ。
それ以上でもそれ以下でもない。
そこに大ダコが来やがったと。
最早、PE2号のブルーマックス船3を使い続けるのは自殺行為。
・・・
ご安心ください。
わが軍には重装歩兵がいますんで。
よし俺のターン!WM60+PE4号にチェンジ。ターンエンド!
一人だけ竿が違うよね
ロッドはアルファタックルのスミイカ竿「海人スミイカ」。
スミイカのテンヤ竿といえば、実は意外とタコ釣りにむいていて、長いからキャストしづらいというのはあるんですが、穂先が柔らかいので、根がかりとタコの触りの差がわかりやすいんです。
それに、穂先以外がほぼ曲がらない物干し竿みたいな特殊な調子。
だから大ダコが底石あたりに張り付いても、よっこさらせと剥がせるはず。去年も2キロクラスまでは剥がせたのでね。
大ダコ襲来!
しばらくタコエギでやっているも、小型のアタリはたまにありながらも、反対弦にラインが入ってしまい、合わせきれず。
まわりではMax1キロぐらいのタコが釣れているかどうかという状態。
うらやましいかぎり。
古今東西、「タコエギの色や集寄はあまり関係ない、なんでもタコは抱き着くよ」という話もあるんですが、やっぱりそのあたりはローテーションしたほうが、人間のモチベーションも続くわけです。
同じ色や同じエギやスッテでモチベーションを保てるならそれでもいいと思うんです。
が、人は飽きる。
何度目かのエギ交換。
オレンジ+レッドヘッドのスミイカ用スッテにダイワの快適シンカー夜光25号。
これをミヨシ側にキャスト。
竿が長すぎて投げにくいんですが、30mぐらいは、飛んでいるんでしょう。
ほどなくして着底。
5mぐらい小突きながら寄せてくる。
と…。
ぐにゅ。
あ、触った。
ちょっと送り込みつつ、小突き続ける。
ぐにゅ。ぐにゅ。ぐにゅ。ぐにゅ。
聞き上げる。
ぐにゅー。
なんどか聞き上げ、テンションを確認する。
ぐにゅー。
ぐにゅー。
ぐにゅー。
あー、来たなこれ。完全に上に覆いかぶさってる。
しゃ!
南無魔蛸大明神!
ガツーン!
・・・
ぐにゅわーん。
なんということかハリツキーノ状態。
こりゃ送り込みすぎたか。
と、一瞬思いながらも、スミイカ竿のバットの固さを利用し、WM60でグリグリ巻き上げる。
グリグリグリグリグリグリ。
・・・
あ!離れた。
重。
どれぐらい重いかって?
そうだなー、仮に、株式会社八景重工という企業があれば、だいたいそれぐらいだと思ってもらえればと。
・・・
とにかく巻き上げるが、ゆっくりとしか巻けない。
これは相当大きいんじゃ。3キロはありそうな。
・・・
・・・
・・・
すかさず、一之瀬丸社長が駆けてきて、タモ入れナイスイン!
どでーん。
こりゃヤバイ。
とにかくデカイ。
デジタルはかりで計測してみると、タコが暴れて5キロと4.4キロあたりを行き来して停止しないので、まー4.4キロということで。すんごい。
所謂「大勝利」。
個人的にマダコは2キロクラスしか釣ったことがなかったので、大幅にレコード更新でした。
全身をアドレナリンが駆け巡り、笑いが止まらない。
もうね、脚がすごい太いんだ。水ダコ並みだなと。
あと頭(胴体)がパナイんだ。
マイクタイソンのボクシンググローブぐらいはあったなと。うん。
後半はタコ不在の消化試合で候
時は11時10分ごろ。
もうやり遂げた感はあるんで、いいかなーと思いながらも、一応、釣りは真剣にやるわけです。
オレンジ勢+金メッキ錘で攻めたり
根岸沖あたりをぐるぐると
アカクラゲが相も変わらず
エギをシングルにして小型狙いにしてみたり(どの口が言うか!)
マゴチ船もタコと同じポイント
幸浦の岸壁沿いはやや不毛
いかにも釣れそうなセッティング
合わせたら強烈な根がかりで、右舷にまわったらスポット外れて身切れちゃん。
蛸も足先は細いわけで、これも大きなサイズだったのかしらと、身切れした2本を頬張る。
甘くてうまいなと。夏場は腸炎ビブリオの呪いもあるので、自己責任でどうぞ。
最後は八景沖で。個人的にこのあたりは去年大釣りしたので好き
最後はエギに飽きたのと、再度大型狙いということで「八景の白い悪魔」こと「最強テンヤ・タコシャトル」に再登場いただいたものの、不発。
まあ、あれですよ、いくら「白い悪魔」でも相手がいないんじゃあどうしようもありませんよ。
ということでこの日はテンヤはロスト0でした。
エギは、2セットほどロストする結果に。
獲物の首実検と再検量
当家では、釣果は必ず息子大将が確認する習わし。
「ほーん。そこそこ大きいのが揃っているようだな」
「って、おま、これ2杯でこのボリュームかよ。すごたん」
翌日。
冷蔵庫に単体でいれておいたものをはかったら、なんと・・・
4.8キロ。
吃驚。
あらかた海水がぬけた状態で、容器(ダイソーの4L用バット)の重さはありながらも、5キロに迫る巨ダコであったのでした。
いやはや、家庭内でも25,000回ぐらいは自慢しましたね。
息子も、父親になんども「このサイズはめったに釣れないんだよ。いやー重かったなー」とかいわれるもので、やがては声をかけても順当にスルーするようになった次第であります。
以上、ご報告です。
引き続きよろしくお願いいたします。
平田 剛士(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
関連アイテム
▼タコエギは、なんでも釣れると思うんですが、赤・オレンジ・ピンク・夜光白あたりがよいような。オモリは派手なものだとタコはオモリを抱いてくるような気も。サルカンが弱いとキャストミス等で開いてしまうので、強めのものがよいですね。フックシャープナーは軽視されがちなんですが必携です。