たも網はお好きでしょうか。
海水浴シーズンが終わったサーフの水温もだんだんの下がってくる10月。
夜の海岸にたも網を装備していってきました。
波打ち際に寄せてはかえる魚はどなた?
ヘッドライトにたも網兵あらわる。
波打ち際に5cmぐらいの小魚がいて、水深数センチのすぐにかわいてしまうようなところと沖側をいったりきたりしています。
波が寄せてくるとその勢いで岸際にいって、波が戻るとその動きにのって帰っていく。
誰なんでしょうね。
こんなとき釣り竿よりはたも網が便利です。
ソイ!
速いな。
銀色の魚群がかなりの速さで移動していきます。
これはあれだな、たも網術『天地落とし』でいくしかないな。
と、
横すくいではなく、波が引いて逃げていく銀色の魚の頭上からたも網を
ばほら!
・・・
・・・
・・・
む。
これは・・・
コトヒキの幼魚ですね。
南の魚で関東ではあまり大きいものが見られないようですが、関西では30㎝ぐらいのものが見られ塩焼きなどで食べられるとのこと。
河川の汽水域でもよく見ます。
なぜこのコトヒキの幼魚が波打ち際にいるのかなと思っていたところ、おそらく満潮にむけて砂浜に塩が満ちていくときに砂が削られていき、そこにいるゴカイ類などが露出するのを食べるんじゃないかなと。
あとはプランクトン類が食べやすい場所なのかもしれないなと。
深夜の浜をしばらく歩いてみると、どこでもこのコトヒキの幼魚がいます。
シマイサキと似ている魚ですが、棘がでているので、網目の細かいたも網でも容易に引っかかります。
関東で堤防釣りなどをしていて、立派なサイズのコトヒキを釣ることはまずないわけですが、水温が下がると死んでしまう、もしくは南の海に南下していくのかもしれないですね。
タイワンガザミの幼体
サーフを観察していると、砂地を徘徊しているガザミ類をみることもあります。
砂にまぎれて蟹のシルエットが浮き上がり、ライトを照らしすぎると器用に砂の中に潜ってしまうんですが、軍手などをしていて、もぐってすぐであれば引き出すこともできます。
こちらタイワンガザミメス。
脚の先がやや青いですね。
大人になったタイワンガザミのメスにはこの青さがありません。
こちらは別の機会にとった成体のタイワンガザミメス。
こういったサイズを獲るのには河川の近くにある漁港に蟹網を仕掛けるのがベストです。
こちらはタイワンガザミ青。
砂地を好むのでサーフや河口域でもみかけます。ライトで照らすと、青白いのでかなり目立ちます。
蟹に詳しい人の話では、ワタリガニとして市販されているガザミより、このタイワンガザミのほうがよく目立つようになってきたとのこと。
海も確実に秋になってきている
サーファーの方々は肌で水温低下をかんじているんだろうなーと、ハーフパンツで水深1m以下のエリアを移動しながら気づきました。
9月はまだぬるかった水温が台風の通過によって確実に下がってきています。
ときおりセイゴをみたり、群れずさまよう単体のシロギスをみたり。
負傷した25㎝級のコノシロが波打ち際でもがいていたり。
これは、フッコなどに食べ損なわれた個体なのかもしれません。
もし夜の砂浜にいくことがあれば潮があまり動いていない時間帯だと海面が湖のようで海底もよくみえるのでおもしろいですよ。
夜サーフたも網ノウハウ
<危険回避ノウハウ>
アカエイ、ツバクロエイなどが砂浜には隠れている可能性があります。アカエイは良くいます。ツバクロエイもたまにみます。移動する際はたも網の柄を前に出して砂をかき回しながら移動するとよいです。濁ったサーフでは判断がつきにくいのでできるかぎり澄んだ海水のエリアで楽しむことをオススメします。
クラゲ類は夏場と比べると少なくなってきていますが、たまにみるので好奇心で触れないように。小さい頃、なぜか海パンの中にクラゲを入れて悲鳴を上げた覚えがあります。
<装備>
- 10月であれば海水パンツ、上半身TシャツorUNIQLOなどの薄手パーカーで大丈夫
- 足元は波に流されないウォータシューズ類、クロックスは流されることもあるのでやめておいたほうが
- たも網は粗い目であればカニなどがとれますが、コトヒキやイワシ類はすり抜けるので細かいものと2種類装備
- ライトは光量が高いものをつかうと広範囲に見通せて便利です。文字通りヘッドライトを頭につけるとよいです
<その他>
- 魚などは持ち帰らない場合は、すぐに観察して撮影などをすませてリリース
- 泳がせながら撮影ができるアクリルケースも便利です
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