「タコベイト」は餌やルアーのアピール力を増してくれる安価な釣り具。
本記事では、タコベイトの代表的な使い方を解説し、Amazonで購入したノーブランド品について紹介します。
タコベイトとは
タコベイトは釣りだけでなく漁業でもよく使われている和製ルアーの一つです。
もともと釣り具メーカーヤマシタの山下楠太郎氏が開発し日本の漁師に広めていたものが世界にも広がり、漁業だけなく釣りにも使われているものです。
今日広く販売されているものは、素材自体にハリのあるビニール製で吸水して劣化せず丈夫なものですが、かつては劣化しやすく添加材の工夫などの苦労があったようです。
<参考「タコベイトの歴史」>
ヤマシタのタコベイトはカラーリングに特徴があり、魚に反応されやすいカラーリングが豊富です。
その他メーカーではシリコン素材をつかったもので意匠登録されているものもあります。シリコン製のアイテムはビニール素材と比較してより自然と動くため有効とされます。
タコベイトの使い方
タコベイトはハリやオモリと組み合わせることで単体の疑似餌としてつかうことができるほか、その他ルアーと組み合わせる使い方も人気です。
代表的なタコベイトの使い方を紹介します。
「エギタコ」「タコテンヤ」用集寄として
「エギタコ」と呼ばれるエギやスッテでタコを狙うジャンルでは、タコを寄せるためにタコベイトをつける人もいます。
タコベイトの固定方法は半分にカットしたものを接着剤や結束バンドでエギに巻き付ける方法のほか、スナップで固定する方法もあります。
こちらはフック側に固定したもの。コロラドブレードの留め具で止めています。
タコテンヤ仕掛けにおいては、タコベイトをテンヤの前後に装着するほか、底上50㎝程度にあたるリーダー部分に「タコベイト含む仕掛け」を装着する方法が知られています。
なぜテンヤとタコベイトが離れているか。
これはテンヤから離れていて、視覚的にテンヤを確認できないタコがいるとします。
その際、タコがまず離れたところの底上に漂うタコベイトにつられて寄り、その後、タコベイトの下にあるテンヤに抱き着くことを想定しているからです。
この仕掛けではタコベイト部分に中オモリを仕込むことで、テンヤをゆする動作でタコベイト部分の動きを派手にすることもできます。
オモックを加工
タコベイトは「オモック」のカスタマイズ素材としても知られています。
オモックは中通しオモリなどにワイヤーを通し太目のPEラインとフックを結んだものです。
オモック単体でもメタルジグやブラーのような動きにより魚が釣れるわけですが、タコベイトをかぶせることで、より魚の本能を刺激することができるわけです。
スッテと組み合わせる
小形の天秤にタコベイトスッテを装着したもの。イイダコ用
タコベイトをプラ角やスッテにかぶせるだけで、強力なスッテが出来上がります。
イイダコやスナダコを釣るときに効果的。
タチウオやオニカサゴなど中深場釣りでのカスタマイズ
タコベイトはオニカサゴなど中深場の根魚狙いにも効果的。
天秤仕掛けや胴突き仕掛けのハリに身餌と一緒にタコベイトを装着します。
オニカサゴは比較的シルエットが大きい餌に食いつきやすいのと、暗い海底でも餌を目立たせるという効果があります。
オニカサゴ
タチウオを狙う場合、浅場のタナであればタコベイトはつけないほうが釣れる気がします。タコベイトの存在が見切られるのと、潮受けして餌が身餌単体より不自然に動くのかもしれません。
一方、深場であったり夜間に堤防から釣る場合、夜光カラーのタコベイトを装着すると一定の効果があるときもあります。
Amazonでノーブランドのタコベイトを買ってみた感想
ここからはエギタコのカスタマイズで購入してみたタコベイトのレビューです。
Amazonではノーブランド品のタコベイトが数多く販売されているのですが、コスト的にかなり安価です。イベントでタコ仕掛けがない人に集寄として配るときに利用してみました。
各釣り具メーカーのビニール製のアイテムが5本入りで5、600円程度(1本100円前後)だとすると、ノーブランド品は30本で1,000円程度(1本30円ちょっと)というコスト感。
ノーブランド品は、シンプルな色が多いのですが、エギタコではあまり複雑な色使いなどは不要のため、こういったロット販売のものもよいのかもしません。
実際の質感などはどうなんでしょうか?
はい、こちら。
今回は夜光ピンクと夜光白のタコベイトを購入しました。
それぞれ30本入りで1,000円程度。
蓋をあけるとこの通り。
ややビニール臭がするので、気になる人は蓋をあけて戸外の日陰にでもおいておくとよいと思います。
一つずつ手に取ってみました。
よく「大量に売られているタコベイトはくっついていたり、クセが強い」と聞くのですが、この商品はそんなことを感じない品質。
十分釣れそうですね。
実際につかってみても「劣化しやすい」などは感じられず、タコがよく釣れました。
まとめ
今回は、世界で使われる和製ルアー「タコベイト」で釣れる魚と仕掛けを解説し、最近増えてきたAmazonで購入したノーブランドのタコベイトの使用感などを紹介しました。
海外で製作したタコベイトを国内メーカーが販売するまでには、マーケティングコストや環境維持へのコストがどうしても乗ってきます。そのため、費用が割高になるのはいうまでもありません。
これから、単純に釣り具のコスト以外にも「メーカーのスタンス」などをみて買っていく時代がくるのかもしれませんが、用途によってはノーブランド品を購入するのも一つなのかもしれません。
ヤマシタのタコベイトは特に透明系タコベイトのカラーリングが美しい印象です。
色盲とされるタコであれば、濃淡や発光・無発光だけで考えればよいですが、より繊細なターゲットを狙う場合にはもっとカラーリングにこだわるのもひとつなのかもしれません。