多摩川下流域は東京・神奈川東部(川崎)でも有数のハゼ釣り場です。
ハゼの数も多いのですが、釣りにいったものの「あまり釣れなかった」という人もいるかもしれません。
本記事では、多摩川でハゼを釣るときのポイントやたくさん釣るためのコツを紹介します。
次はバッチリ釣れるはず!
多摩川下流域のハゼ釣りシーズンについて
六郷橋上流の京急線付近。ハゼやテナガエビがよく釣れる
多摩川下流域のハゼ釣りシーズンは、7月から10月頃が盛期です。
シーズンごとの特徴を紹介します。
7月~8月=初期
梅雨時から盛夏はデキハゼの数釣りシーズン
梅雨時から盛夏にかけては、いわゆる「デキハゼ」と呼ばれる小指程度のハゼが多いシーズンです。
まだ魚や鳥に食べられたり、人間に釣られていないのでとにかく数が多いのが特徴。
とにかく数を釣りたいという場合はシーズン初期の釣行がオススメ。
特にテクニックはいりませんが、ハリのサイズや餌が大きいとフッキングしづらいので注意しましょう。
9月~10月=盛期
成長の差はあるが天ぷらサイズが主体
夏の終わりから初秋にかけては、多摩川のハゼは型と数が安定して釣れるタイミングです。
特に9月は足元でも大型のハゼが数釣れるのでぜひ釣行したいシーズン。
11月~1月頃=落ちハゼ
落ちハゼ(深場に移動したハゼ)
多摩川のハゼは肌寒くなる10月中旬をすぎると、浅場から少なくなり、徐々に澪筋(船道)や深場に移っていきます。
下流部は、全体的に水深が浅いエリアなので、とにかく水深があるエリアに仕掛けを投入して待つ釣りになっていきます。
冬期は日中より夜間に釣れる傾向に釣れやすくなります。
多摩川のハゼ釣り場
多摩川下流域
多摩川で「マハゼ」が釣れるのは、主に丸子橋(調布取水堰)から下流です。
同エリアは潮の干満の影響が強く、ハゼ以外にもスズキ・テナガエビ・黒鯛が多く生息しています。
一方、マハゼを確実に釣るのであれば、六郷橋付近から下流にかけてがオススメ。
どこにでもハゼはいますが、ファミリーで釣りやすいのは護岸・運河や水門との接続部・船溜まり付近です。
★印の数はオススメ度です
六郷橋付近 ★★★
六郷橋付近は上流・下流ともに右岸(川崎側)の足場がよくハゼ釣りに適しています。
左岸側(東京都大田区側)でもハゼはよく釣れるのですが、水辺まで距離があります。
緑地をぬけてアクセスしたり、ブルーシートテント群を抜けることになるので家族連れには適していません。
<電車でのアクセス>
JR川崎駅から徒歩12分程度
<トイレ>
近隣コンビニ・オーケー川崎本町店
六郷水門付近 ★★★
六郷水門は多摩川左岸(東京大田区側)にあるハゼ釣りポイントです。
水門の内外ともにハゼが生息しています。
満潮前後以外は澪筋を狙いましょう。
<電車でのアクセス>
京急線雑色駅から徒歩15分程度
<トイレ>
六郷土手河川敷公園 公衆トイレ・近隣コンビニ・オーケー南六郷店
大師橋・羽田第二水門付近 ★★★★
大師橋付近は、東京大田区側に護岸があり、ファミリーでも釣りやすいエリアです。
羽田第二水門付近を中心にハゼがよく釣れます。
係船されている釣り船にむけてのキャストはトラブルの原因です。控えましょう。
<電車でのアクセス>
京急線穴守稲荷駅から徒歩12分程度
<トイレ>
近隣コンビニ
羽田第一水門~下流 ★★★★
大師橋下流の羽田第一水門付近から下流は護岸があり、ハゼも多く生息しています。
<電車でのアクセス>
京急線穴守稲荷駅から徒歩12分程度
<トイレ>
近隣コンビニ
海老取川(弁天橋~天空橋付近)★★★★★
海老取川は多摩川の分流で昭和島・京浜島側と繋がっています。
川幅が狭く、魚が溜まるのか、一帯はハゼの魚影が多摩川でも随一。
弁天橋付近が一番釣れます。
天空橋付近へ歩いていくと船溜まりがあるのですが、その付近もよく釣れます。
<電車でのアクセス>
京急線穴守稲荷駅から徒歩9分程度
<トイレ>
弁天橋公衆便所・近隣コンビニ
海老取川・呑川合流部(大森第一中学校付近)★★★★
海老取川の河口付近(昭和島・京浜島側)にある呑川合流部もハゼがよく釣れるエリアです。
森ケ崎水再生センターからの温排水の影響から、水温が安定しているため、真冬でもハゼ・ウナギ・シーバス・黒鯛がよく釣れます。
晩秋から真冬に石組みの隙間で穴釣りをするの楽しいひと時。
ただし、温排水の流れ込みは都市河川独特のニオイが特に強いので、食用目的では気になる人もいるかもしれません。
北側の大森エリアには潮見児童公園があり、付近もよくハゼが釣れます。
<電車でのアクセス>
京急線穴守稲荷駅から徒歩23分程度
<トイレ>
森ケ崎公園内のトイレ
殿町第二公園下流 ★★★★
多摩川右岸、川崎側に位置する殿町第二公園下流付近は護岸されていて足場がよく、ハゼもよく釣れます。
干潮時は足元がすべて干上がるので、満潮前後に釣りをする必要があります。
<電車でのアクセス>
京急大師線小島新田駅から徒歩16分程度
<トイレ>
殿町第2公園 公衆トイレ
浮島つり園(休業中)★★★
浮島つり園は、落ちハゼを狙うのによい釣り場です。
足元は2、3m程度ですが、遠投すると駆け上がりがあり、砂泥エリアで落ちハゼがよく釣れます。
<電車でのアクセス>
京急大師線小島新田駅から徒歩57分程度
※川崎駅前から川03系統バス「浮島バスターミナル行き」 浮島町公園入口下車
<トイレ>
浮き島つり園 公衆トイレ
多摩川周辺の釣具・釣り餌店
<東京側>
<川崎側>
多摩川でハゼを釣るコツ①下流は浅いので満潮前後の釣行がおすすめ
多摩川下流部は干潮になると釣りにならないエリアが多い
多摩川下流部は潮の干満の影響を大きく受けるエリアです。
上流から流れてくる砂泥が積み重なり、澪筋以外は水深1m~1.5m程度がほとんど。
干潮前後で釣り場につくと、護岸から降りないと釣りができない状態の場所が多いと言えます。
六郷橋上流。干潮時岸際には干上がるのでノベ竿で釣りはできない
また、護岸から降りると砂泥(しばしばヘドロ)に足をとられ、汚れも多くなるのでおすすめできません。
ハゼは上げ潮に乗って澪筋から上流へ移動し、下げ潮になるとより深場・下流側にいってしまい釣れません。
多摩川にハゼを釣りに行って、ダボハゼ(チチブ・ヌマチチブ)しか釣れなかったーという方は満潮前後に釣行時間を合わせてみましょう!
多摩川でハゼを釣るコツ②餌は「中太アオイソメ」が最適
ハゼの餌は中太イソメ一択
ハゼを釣る餌として、ネットでいろんな餌が紹介されていますね。
- ベビーホタテ
- 魚肉ソーセージ
- かまぼこ
- ミミズ
- イカ
- ジャリメ(初期の小型を釣りやすいが高価)
- イワイソメ(集魚効果は高いが動きが弱く高価)
などなど。
いろいろな餌を試したいのもわかりますし、YouTubeで「マル秘餌でハゼが最高に入れ食い状態!」というのをみて、一つチャレンジしたいのもよくわかります。
が、筆者が試して来たなかで、ハゼがもっともよく釣れ、費用も低価格なのはやはり「アオイソメ」です。
どんなハゼ釣り名人に聞いても、つかっている餌はアオイソメです。
ということもあり、素人であるわたしたちは、アオイソメだけ用意すれば大丈夫。
そう考えておけば、悩む必要もありません。
アオイソメ以外にあれこれ考えるのは楽しいひと時なのですが、釣果は増えません。
<ハゼ釣りでのイソメ使用量>
- 半日(4時間程度)の釣りで30g
- 1日(8時時間程度)やよく釣る人で50~60g
以上がハゼ釣りで使うアオイソメの使用量だと思ってください。
上州屋等の量販店ではイソメの量り売りがあるので、半日程度であれば最小ロットの30gを購入しましょう。
ちなみに、アオイソメには太さがありますが、初期は細目、盛期以降は中太がおすすめです。
太・極太等は、イソメの直径が太くなるので吸い込みが悪くなります。
特にデキハゼシーズンでは極端に釣果が下がります。
電車釣行で当日餌が買えない場合、数日前に購入し、新聞紙にくるんで冷蔵庫の野菜室にいれておくと長持ちします。
多摩川でハゼを釣るコツ③餌は長くつけすぎない
イソメ垂らしは1㎝以内!
ハゼ釣りでイソメをつけるときは針に通し刺しにし、垂らしは1㎝以内にとどめます。
ちょんがけや縫いざしは食い込みが悪くなるため適していません。
垂らしを長くすると、垂らし部分だけかじり取られることが増えます。
イソメの頭部をつけるとハリ持ちがよくなりますが、活性が低いとき(アタリがでてすぐに離してしまう)は、頭部をカットして胴体部分をつけましょう。
多摩川でハゼを釣るコツ④針のサイズを工夫する
デキハゼは小型の針で
ハゼは初夏から秋にかけて急速に成長します。
季節によってハゼの平均サイズが変わるため、ハリのサイズを工夫することで釣果を上げることができます。
以下、「がまかつの赤はぜ」で最適な号数を紹介します。
- 7月~8月=初期:がまかつ・赤はぜ(キス)6号or7号
- 9月~10月=盛期:がまかつ・赤はぜ(キス)7号or8号
- 11月~1月頃=落ちハゼ:がまかつ・赤はぜ(キス)8号or9号
※落ちハゼの夜釣りは「OWNER(オーナー) OH 発光はぜ」も有効。また、投げて待つ場合はキス等の投げ仕掛け(2本針)のほうが釣果を上げやすい
多摩川でハゼを釣るコツ⑤釣り場にあった仕掛けを選ぶ
一口にハゼ釣りといっても色んな仕掛けがあります。
底の形状や潮位等で最適な仕掛けを選びましょう。
ミャク釣り
ミャク釣りは、主に足元から竿の届く範囲で底にオモリを完全につけながらハゼをさがす釣り方です。
胴突き仕掛けの他、ガン玉など中オモリの先にハリス止めをつけ、10㎝以内のハリスをつけて釣る釣り方が人気。
ハリス長さが短いほうが餌がよく動き、アタリもとりやすくなります。
ウキ釣り
ウキ釣りは、根が激しい場所で根がかりを避けながらハゼを釣るのに適している釣り方です。
ハゼのあたりでウキが沈む様子も楽しい釣り方。
シモリウキ仕掛けをつかうと、アタリへの反応速度を上げることができます。
風が強く波立っている日には不適。
ちょい投げ釣り
堤防釣り等で人気のちょい投げもハゼ釣りに向いています。
広く探れる釣り方ですが、ずるびくことで根がかりが増えるため、砂泥底のポイントで楽しみましょう。
天秤をつけることで手前マツリが減ります。
ハゼ用天秤はハリス止めがついているものが、仕掛け交換で便利。
多摩川のハゼは実際美味しいの?
ハゼ天と骨せんべい
多摩川というと都市河川の代表格。
釣りをしない人は、釣ったハゼを食べるのに抵抗があるかもしれません。
これまで多摩川のハゼを食べてきましたが、臭みがある個体などは1尾もいませんでした。
これはハゼが約1年で生涯を終えるため、餌から身に移る臭みが少ないと考えられます。
天ぷらにした場合、シロギスと比較してもよりクセが少なく、最高のあじわいです。
天つゆで食べ、残りを甘辛いつゆであたためて天丼にするのも美味。
揚げたてをスダチと藻塩で食べるのも至高の味わいです。
サイズが大きい落ちハゼを焼き干しにし、雑煮の汁・佃煮・そばにするのも真冬の楽しみです。
ハゼの焼き干し
ハゼそば
ハゼの甘露煮
まとめ
六郷橋上流。満潮前後は足元でハゼがよく釣れる
東京・神奈川東部有数のハゼ釣り場・多摩川下流域の釣り場情報を紹介しました。
誰でも釣れる印象があるハゼですが、潮位・ポイント・餌・仕掛けによって極端に釣果が出ないことも。
本記事を参考にすれば、釣果もUPするはずです。
ぜひ楽しんでみてください!
関連アイテム
▼お子さん連れの場合、落水の危険もあるので足場がよい場所でライフジャケット着用が安心です。
▼7月から9月末ごろまでは足元でハゼが釣れるので3~4mのノベ竿がおすすめ
▼少し遠目のポイントや干潮時の釣りはちょい投げができる2m程度のコンパクトルアーロッドがおすすめ
▼リールは安価なもので十分
<おすすめの低価格スピニングリール>
- シマノ(セドナ2500HG)
- ダイワ(クレストLT2500-CXH )
- アブ ガルシア(カーディナル3シリーズ2500番)
▼ラインは1号~2号程度
▼ちょい投げはハゼ天秤にオモリ2号・3号程度