淡水の魚介類はあんまり食べないという人でも好き好んで食べるのがテナガエビなわけですよ。
たまに、「多摩川などで釣ったテナガエビなんてよく食べられるな」というようなリアクションをする人がいるんです。
まーそれは自由なんですが、貴公は居酒屋で川エビの唐揚げって食べたことないのかね?あれは霞ケ浦産、いや中国産なんだよ。それと比べたらまだ多摩川の河口のほうがましだぜ。しらんけど。
というようなことを頭のなかでは思うんですが、とくにいいません。
人が何を食べるかは自由だからです。
テナガエビといったら素揚げがベストなんですが、あの揚げ油を捨ててませんかね?今回はそんな話です。
テナガエビは泥抜きしておく。泥抜きできないものは胃袋をぬく
こちらもちかえったテナガエビ。
水道水をはり、跳ねて逃げないようにしたあとに、エアポンプで酸素を補給しておきましょう。エビ類は酸欠や水温の上昇に弱いので、油断するとすぐに死にます。
どれぐらいすぐに死ぬのか。
いいでしょう。お教えしましょう。
たとえば、昼間釣りをして夕方あたりにテナガエビを持ち帰ったとする。
でもって、サクっと缶ビールをのんで、ちょっと買い物にいって帰ってから料理しようかなそうしようかな。そうしたよ。ってな具合で戻ってきたらもう死んでます。白くなってる。
それぐらいすぐに死にます。
エビやカニは死ぬと速攻で自己消化をはじめて臭くなりはじめるので、死んだらすぐに調理が必要なのです。が、釣ったその日に料理できる体力がない場合も30を半ばすぎてくるとしばしば。
いわゆるおっさんになるとそういったことが常態化してくるのです。
サラリーマンであれば、部下から依頼されているメンドクサイことを忘れたふりにする。自営業者であれば、毎月の領収書整理や経費計算を後回しにして気づいたら確定申告まったなしというあの感じです。
お前はなにをいっているのか。
ほらね、この通り、エビはけっこうな汚れをだすのです。
当日料理をするのがメンドクサイのではなく、自分は泥抜きをすることでさらに美味しくテナガエビを食べたいのだ。そういった言い訳に泥抜きは最適なのです。
▼ちなみに死んだテナガエビや当日生きたテナガエビを食べる場合は、エビの胃袋とよばれる部位をとることでクセなく食べることもできます。
生きているエビは盛大に跳ねるので、氷水で冷やすか、焼酎に漬け込むと一気に死にます。間違っても生きたまま油に突っ込むなどはやってはいけません。
写真映えまったなしの両爪がもげますし、水気をはらんでいると熱した油がテナガの呪いかのようにとびかかってくるからです。
君子危うきに近寄らず。
テナガエビを素揚げにする
角は折ったほうが口に刺さらず食感がよくなります
氷水で5分ほど締めたテナガエビはキッチンペーパーなどで水分をしっかりとっておきましょう。
このテナガたちを、素揚げするわけなんですが、フライパンをつかうと少量の油でうまく調理できます。
植物油を熱して、テナガエビをしずかに並べて両面をじっくり揚げていくだけ。
この通り。両面&内臓部分に火が通っていればOK。
これに塩をまぶせば「テナガエビの素揚げ」のできあがり。
が、今回はエビの風味がついたエビ油ごと手鍋に移しておきましょう。できあがったエビ油の量もちょうどいい。なぜか、それは後ほどわかります。
フライパンにエビ油をやや多めにたらして、目玉焼きをつくる。このとき底がカリっと揚がっているようにし、黄身は半熟がベスト。まさにフライドエッグというやつですね。
この目玉焼きは別皿にとっておきましょう。
その後、残りのエビ油全部をフライパンにもどして、ニンニクスライスを軽くいためて香りを出す。
これでエビガーリック油のできあがりですよ。
そこにキャベツをざく切りにしたものを投入して、できるだけ焦げないように炒める。今回キャベツだけなんですが、鶏むね肉や厚揚げを刻んだものもよく合います。
その後、焼きそば用蒸しそばを投入。今回業務スーパーの1キロ分を投入。たしかこれ150円ぐらいだったような。安すぎる。貧乏人は麺を食え。そういうことなのです。
おい、なかなかな量だな。
慎重に麺を炒めていきましょう。
ちなみに、茹で麺はビニール袋ごとレンジで2,3分ほどチンしておくとさらに調理時間が少なくなります。口を開けば「忙しい」が口癖の人はそうしたほうがよいと思います。それほど忙しくない人も、キャベツを炒める手前で麺をレンチンしておくとスマート。
そこに、以下の調味料を投入。
- ミーゴレンペースト
- フライドオニオン
- 黒胡椒
- ナンプラー
- 水or酒
以上。
ミーゴレンペーストがない場合は、
- ケチャップマニス(というインドネシアの甘醤油があるのです)
- 唐辛子ペースト
- トマトケチャップ
- にんにくペースト
- エビペースト
あたりで同じような味になります。
ケチャップマニスがない場合は、醤油にきび砂糖と味醂と水あめなどで同じような味わいになります。もしくは九州の甘醤油。醤油にコカ・コーラを混ぜて煮詰めても同じようなものができます。
あとは、よく混ぜ合わせる。
盛り付ける。
これで600g強あるはず。
まだ400g強残っているというボリューム感。
ユー、あしたの昼もミーゴレン確定ね。作る前からわかっているんだけどね。
ミーゴレン単体だとただの炒麺ながらも、このように具材を布陣させることによって、色鮮やかかつ鉄壁の防御に。
- きゅうり
- 小葱を15cmほどにかっとしたもの
- トマト
- パクチー
- ニラ(ほんとうは麺をあげる1分前ぐらいにいれるとちょうどいい)
そこに調味料でさらに攻勢。
- ケチャップマニス
- シラチャ―ソース(ホットチリソース)
- フライドガーリック
- クラッシュピーナッツ(ピーナッツをジップロックにれてガラス瓶の腹でゴロゴロつぶしておく)
- コリアンダーパウダー
するとこうなる。
ああ、旨そうだなー。
エビもカリッとあがっていること。
レモンを絞って食べてみましょう。
味は・・・
こりゃバリ島やマレーシアで食べたやつより旨いな。と。
なにしろベースのテナガエビ油が香ばしく、全体の兵力を底上げしている。そこに、この贅沢な具材。炒麺自体の具材はキャベツだけながらも、城壁の四方を様々な将兵がかためていることによって、もうなんというか無敵ですね。無敵です。
ふぅ。今日も元気だメシが旨い。
チリソースによってスパイシー感があり、全体的に味が濃い目なのでビールにもよく合う味。そう、酒ならビール。炭酸飲料ならレモン/ライムソーダあたりがよく合うのでしょう。
バリとかマレーシアあたりだと、カラマンシー(四季橘)というシークワーサーによく似たものがあるんですが、あれを絞ったのをライムソーダっていうんですね。ちょっとガムシロップをいれて。
あれが一番あう味です。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼ミーゴレンは便利な時代なので素をつかうと楽
▼調味料は好みでシラチャ―ソース(サンバル・アスリとほぼ一緒)とフライドガーリックがオススメ。ケチャップマニスはミーゴレンペーストにもともと入ってます。
▼インスタントのミーゴレンはこれが旨いです。癖になる味。