どうも木田です。
今回は東京湾アカメフグ釣行と仕掛けと竿などについての考察です。
直前で釣りを断るのは勇気がいる
1月某日のこと。いつも船釣りにいくアラフィフ三銃士でアカメフグを釣りにいく予定のところ、ひとりが「今の体調だと、今日の海況での釣りはちょっとキツイです~」とのことで、アラフィフデュオで行ってまいりました。
仲間で釣りに行く予定を立てる方はたくさんいると思います。
で、直前に「行けない」と断るのは非常に勇気のいることだと思うのですが、やっぱり体調不良のときは釣りはいかない方がいいですね。
だって魚は逃げませんし(というか、魚はいつでも逃げてますし)、体調が悪いと船酔いになりやすかったり、釣っている最中集中できなくて釣果が上がらなかったり、なにしろあまり楽しくない。
釣りはアウトドア・スポーツで意外と体力を使いますので、この季節の寒さもあり体調悪化に拍車をかけます。
明日は我が身。お互い様だと思います。私も昨年最終釣行予定を体調不良でキャンセルしてますしね。
羽田えさ政のアカメフグカットウ釣りは「左舷がいい」という都市伝説
今回お世話になったのは羽田えさ政さんです。
非常に気温が低く(最高気温9℃)、北風強く、波も午前0.5m、午後1.5mの予報。
出船前から厳しい海況が伺われる日でしたが、えさ政さんのアカメフグ船は人気ですね。左舷には9人、全体でも20人弱は乗っていたかと思います。
7:15の出船予定に対して、5時半過ぎには釣宿に到着しました。
釣座はうねりの影響を比較的受けづらいトモ(船尾)狙いです。
が、既にその時間でも左舷トモ2席は埋まっており、3番目です。
ちなみに、えさ政さんのアカメフグは左舷の方が良いという説があるようですが、どうも同船者の釣果を総合すると都市伝説のようです。が、今回はいずれにしても左舷狙いです。
私のアカメフグカットウ釣り釣行歴
私のアカメフグ釣行歴は以下の通り、今回の釣行が3回めです。
第一回:2018年12月初旬
このときは全長20cmくらいの非常に小さいフグ1匹。今にしておもうと、あのフグはアカメじゃなくてショウサイフグだったような気がします。ド本命に限って言うとボウズということになりますね。
おっかしいなー、秋のショウサイフグは7匹釣れたのになー。
第二回:2018年12月初旬
第一回のアカメフグ釣行が悲惨なことになったので、二週連続でアカメフグにチャレンジです。このアカメフグ釣行第二回は船宿えさ政さんが主催する「アカメフグ教室」に参加しました。
先生はDAIWAのテスターをされている林良一さんです。林さんはブログで日常的に情報発信されていますので、興味のある方はご覧頂くと、その博識、お人柄などに触れることができると思います。
教室では最初に20分くらい、船の上でレクチャーがあります。そして、釣っている最中は先生が回ってきてくれて、一人一人からの質問に非常に丁寧に回答してくれます。
私は釣友の青山さんと一緒に参加したのですが、二人で20もの質問を事前に準備して臨みました。「目からうろこ」のレクチャー内容で、自分の釣り方が間違っていた点、もっと繊細に気を使うべき点が分かりました。
ですので、これは釣れないわけがない!
という状況です。実際、青山さんは、連続して大型を釣っています。大量という訳ではありませんが、3、4匹釣ってましたかね。一方の私はたった1匹、しかもキープギリギリサイズの25cmほどの小型。
こちらがその貴重なアカメフグです。
見かねた青山さんが沖あがり後、1匹恵んでくれまして(ありがとう!)持ち帰りは2匹。そのフグたちをまな板の上にみかんと一緒に載せてみた写真がこちら。
上の小さいのが自分で釣ったもの。下の大きい方が頂いたものです。どれだけ自分の釣ったのが小さいかがわかり、愕然としますね。
という訳で、2週連続してアカメフグに挑戦し、2週連続で撃沈。しかも2回めは”教室”だったのに!という状況で2018年は暮れていきました。
三度目の正直はアカメフグも良型4匹が釣れて満足!
という訳で、今回の釣行が三度目の正直だった訳ですが、良型4匹を釣り上げることができました。
数からいうとそれほど多くはないですが、自己ベスト大幅更新ですし、海況が厳しい中での釣りだったので、満足度は大変高いです。
ちなみに4匹で満足できたのは、3つ理由があります。
満足のその訳1:自作の仕掛けでアカメフグが釣れた
その1つ目は、自作の仕掛けで釣れたことです。
実は2回目の釣行も自作の仕掛けだったのですが、貧果だったのです。
「仕掛けも、腕もだめ」状態だったのですが、今回の釣行で、自作の「Aタイプ:チラシ針放射状」を使用して同行の下衆大将が3匹の超良型を釣り上げてくれました。
こちらが、同型の製品の親ばり部分です。針が放射状に広く広がっていますね。
自分で使ったのは「改良Bタイプ:チラシ針直線状」です。
親ばりの直線性を維持するように、一番長い針を通すパイプに小さい穴を開けて、そこから真ん中の針を出しています。
仕掛けの全体図はこちら針が直線状に素敵に並んでいるのが見て取れますね。
こちらの仕掛けでアカメフグを4匹釣りました。今回、自作の仕掛け2タイプとも釣果が出たので、「仕掛けの作り手」としての満足があったのが1つ目の理由です。
満足のその訳2:湾フグ専用ロッドへの投資が成果につながった
第二回の貧果のあと、もちろん仕掛けの改良もしたのですが、湾フグ専用竿を投入することにしました。湾フグっていうのは湾内で釣れるアカメフグやショウサイフグのことを指している用語です。
金額的にいうと、いままで買った竿の中で一番高いです。
DAIWA アナリスター 湾フグ
これまで専用竿に対しては、「もちろん、あった方がいい」という気持ちと「けれど、釣具メーカーのマーケティングにまんまと乗っているだけでは?」という気持ちの間で揺れ動いていました。
が、この竿には大満足で、「もちろん、あった方がいい」派にころっと転向いたしました。ま、魚種にもよりますが。
この竿は体感した重さがなにせ軽いんです。
スペック的には、所有する汎用竿「DAIWA ライトゲームX 82 M-190」の105gに対して、91gと、14gしか差がないのです。
が、体感的にはもっと断然軽いです。
感度(=魚が餌を食べに来ていることがどの程度繊細に感じられるか)に関しても、第二回釣行時には、湾フグ釣りにはカワハギ用の竿が流用できるという通説に従い「DAIWA カワハギX M-180」を使ったのですが、断然高感度に感じました。
こうした「投資がリターンにつながった」というのも満足度を高めてくれますね。
満足のその訳3:粘って釣れたのが心地よかった
満足のその訳3は、「釣れた時間」です。
昼もとうに過ぎて、13:50。
船長から「あと40分くらい、14:30には仕舞っていきます。頑張ってくださいね。」とアナウンスが入ります。
と、同時に仲乗りさんが、釣り人のところにザルを持って来て、釣れたフグを預かってくれて、船の上で捌いてくれます。釣行も終盤モード満点です。
どの釣り人もこの時点で「あと一匹は」と思うんですね。
確かに40分あればもう一匹釣れる時間的な余裕はあります。
私はその時点で2匹。同行の下衆大将が3匹釣っていたこともあり、あと1匹は釣りたいと思いました。他人との比較で競うわけではないのですが、それでも心理的に影響を受けるわけです。
そこで一工夫してみたのです。
エビ餌が余っていたこともあり、チラシ針に1匹の餌をまるのまま切らずに付けてみました。
チラシ針の仕掛けの意図は、「ノーマルカットウの大きめの針では餌と針が遠くなり、また、針自体が大きくなるので、フグの微細なアタリが分からない。その点を、針を小さくし、また3つにすることで、いわば”エビ餌における針の密度”を高めることで解消する」ということだと思っています。
このデメリットとして「エビ餌をぶつ切りにして3つの針に付けるので、手返しが悪くなる」、「ぶつ切りにするので、餌を遠くから見たときのシルエットが、生きているエビとは似ても似つかなくなる」の2点があるように思います。
ノーマルカットウの大き目の針(はじめてのショウサイフグ釣り@羽田えさ政釣船店)
少々乱暴な餌の付け方で、ネットにも本にも載っていませんが、これであれば上記2点のチラシ針のデメリットは解消できます。
この餌を付けて投入。
うねりで船が上がれば竿を下げ、船が下がれば竿を上げ、必死にゼロテンション(ラインが餌までピンと張らずゆるまずの状態)をキープします。
強い風が穂先を揺らし、アタリが全く感じられない状況。
・・・
5秒、7秒などの一定間隔で空アワセ(アタリは感じられないが、シャクリを入れる)を行う、いわゆる「タイム釣り」を強いられた時間帯もあったのですが、このときは風が比較的収まりましたのでアタリを感じ取れると判断、空アワセも入れず、目感度(穂先に出るアタリ)、手感度(差を持つ手に感じられるアタリ)に集中します。
3分程経過したでしょうか、
ガツン!
と比較的強いアタリを手を感じ、すかさず大きめに合わせる!
と、
見事良型の「3匹目くん」が上がってくれました。型が良い(=大きい)ので、取り込みは駆けつけた船長がタモで助けてくれます。
船長がダダっと駆けつけてくれると、「おぉ、船長見ててくれたんだ!」と、感動します。
という訳で残り時間のない中、3匹目のアカメフグを釣ったわけなんです。
そして、その後、例の「お疲れ様でした。仕舞っていきましょー」のアナウンスの5分前に、4匹目を立て続けにキャッチしました。
もうこのころの時間帯になると、いわば船中は”終戦ムード”なんですね。
「もう十分釣った」とか「今日はもう、釣れないや」とか「後片付けに時間かかるから、片付けを始めちゃおう」という釣り人も出てきて、竿を出す釣り人は船中1/3くらいに減っています。
そんな中、粘って釣り上げた「4匹目くん」を上げたときの写真がこちら。
さすがに嬉しそうな顔です。
アカメフグのカットウ釣りの気づきと所感
その1 アカメフグはチラシ針1拓かも。誘うためにシャクルを意識したほうがよさそう
ショウサイフグとアカメフグ。
もちろん両方ともフグです。フグは、カワハギとならぶ「エサ取り名人」などとも言われ、アタリがわかりにくいとされていますが、それはショウサイフグのことであって、アカメフグは意外とアタリが分かるケースも多いな。と思いました。
ショウサイフグ
アカメフグ
顔をよく比べてみると、口の大きさ全然違うんですよね。
アカメフグの口は大きい。比較的口が小さく、ついばむように餌を食べるショウサイフグとは自ずとアタリの出方が異なるのではないか。と。
実際、今回釣ったアカメフグ4匹も、カットウ(3本針のひっかけ針)に掛かって釣ったのは1匹だけで、残りの3匹は親ばり(仕掛けの上部にある、餌を付ける針)に掛かりました。釣り上げるときに暴れるので、カットウ針もお腹に掛かってましたが、どちらかというと、親ばりで釣り上げたんじゃないかな?と。
そうだとすると海底での仕掛けも、「空合わせ」としてシャクるのではなく、あくまでも「フグに対する誘い」のつもりで、シャクるのが良いのではないか?と思いました。するとシャクリ方も自ずと違ってくるのかな。と。
また、仕掛けもノーマルカットウ、チラシカットウ好みはあると思うのですが、アカメフグの場合はチラシカットウ一択かな。と。ノーマルカットウの大型の針1つでは、さすがにとてもラッキーでないと親ばりにはかからないような気がします。チラシばりなら針が3本なので3倍チャンスが有るのかなと。
その2 「放射状」と「直線状」のチラシ針、どちらがいいのか
仮に、アカメフグにはチラシばり仕掛け一択とすると、次に考えるのは親針の配置は「放射状」と「直線状」のどちらが有利かという点です。
これについては、「直線状のほうが、ぶつ切りにして付けた餌が一列に並び、遠くから見た場合のシルエットが一匹のエビに似るので、直線状が有利」と思っていたのですが、今回の釣行で考えが変わり、「どちらでもOK」と思うようになりました。
放射状の針の配置にも「シルエットが大きく見える」、「食べやすい?」などのメリットがあると思うからです。
ただ、「満足のその訳3」に書いた、直線状の針にエビを切らずに一本掛けするという方法はノーマルカットウとチラシカットウの「いいとこどり」をできる可能性があるので、もう少し研究してみたいです。
ただ、絶対この方法が良いとも言い切れないのは、アカメフグを親ばりに掛けるなら、針が常に上向きになっている必要があるのです。
が、今のままでは、それが担保されていないのではないかと思うからです。やっぱり海中で仕掛けが潮に動かされてゴロゴロ転がり、針の向きが下を向く時間帯があることが想定されるため、仮にそういった状態では、親針ではフグを掛けることが難しくなります。
その3 船上で簡単にできるリーダーの結び方をマスターする
この日は出船前にPEラインとリーダーを船上でFGノットで結束しました。
このときは風もなく、自宅での練習の成果もあり、ま、余裕で結束できました。
で、釣っている最中、一度お隣の下衆大将とひどくお祭りしほどけなかったので、PEラインをカットして対処したんです。
結果、風がビュービュー吹く、うねりもある船上で再度PEラインとリーダーを結ぶ必要が出てきたんですね。
本当はオルブライトノットなど、もう少し簡単な方法が良かったのですが、自宅でずっとFGノットばかり練習してきて、他の結び方を練習してこなかったので、FGノットの結び方しか頭に入っていません。
あー、これ良くない。
ですが、5分程度で奇跡的にFGノットが結べました。やればできる子。
上の黄色いPEラインの方がその過酷な状況で奇跡的に結べたノット。下の黒いPEラインが出船前ゆっくり結んだものです。
もちろん、黒の方がきれいで、黄色はイマイチなのですが、2匹もこの船上結束のFGノットで釣れたので、合格。ということにしておきます。ただ、次回までにはオルブライトノットも練習しときます。
釣ったアカメフグ料理を釣行翌日に食べてみて思ったのは・・・
4匹のフグに、下衆大将から頂いた1匹を加えた5匹をキープしまして、釣りの翌日、唐揚げにしていただきました。
アカメフグは5日から10日ほど熟成させた方が美味しい。というのが定説ですが、「それは刺し身の場合であって、鍋や唐揚げ等、熱を加える調理法では熟成は要らない」という説もあり、熟成期間1日での調理です。
個体差なのか、部位なのか、揚げ方なのか、フワフワで美味しいのと、ゴリゴリとゴムみたいで食べづらいのと2パターンがありました。
なので、アカメフグは熱調理する場合でも熟成必要というのが今の私なりの結論です。
手前にあるのは「貴殿」として登場してくれたイイダコです。このイイダコの唐揚げは文句なしに美味しかったです。
こちらは、カットウ針に絡みつく(絡め取られる?)イイダコ氏。
厳しい海況の中、可愛い貴殿で癒やされます。
それでは皆さん、長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。ハッピーフィッシング!!
タックル類
ロッド:DAIWA アナリスター 湾フグ
リール:DAIWA ライトゲーム X ICV
ライン:PE0.8号
リーダー:フロロカーボン4号
おもり:なつめ型中通しオモリ10号(金色、夜光グリーン)
仕掛け:自作チラシカットウ(親ばり直線状)捨てカットウタイプ
お世話になった船宿
釣り人
木田 和廣
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。
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