小田原の酒匂海岸のシロギス釣りでさまよう

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ミズチさんの奥さん
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公称全国400万人のORETSURI – 俺たちの釣り読者のみなさん、

どうも。ミズチです。さて、自己紹介は以前させていただきましたが、私ども夫婦は釣りをはじめてこの1年はてしなく悩んでいることがあります。

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目次

キスとの出会い

そもそも釣り自体は友人のすすめではじめたのですが、その直前、私ども夫婦を延々とさまよわせることになる「釣り」を意識するきっかけとなる出来事があったのです。

それは1年前の7月、静岡県の沼津港に立ち寄った際です。堤防にずらっとファミリーが並んでいて何かを釣っています。

「何が釣れるんですか?」と聞くと、

「キスくらいしか釣れませんよー」という答えが。

おばちゃんが無造作にイソメを付けて投げ込んで、1分もせずにキスを釣り上げる動作。これはまさにキス釣りロボットのようです。

そんな事務的に機械的に繰り返される釣りをぼんやり眺めていると、

妻が「えーすごい。キスって美味しいですよね」とおばちゃんに水を向けますが、

おばちゃんは「キスなんてハゼと同じで簡単に釣れるしねぇ」などと、ぼやいていました。

その時は釣りの道具も持っていませんし、興味もさほどなかったので、挨拶してその場を去りましたが、その時点でなんとなく「釣り」と言う物が私に刷り込まれたのでしょう。

そうこうして2週間後には、友人の誘いに乗って釣りをしておりました。

キスが釣れない

そんな状況ではじめた釣り、特に何がという狙いはないものの、やはりどこかで

  • すごく簡単に釣れる(らしい)
  • 美味しい=嫁満足
  • あまり魚を食べないため、他の魚をよく知らない(今は食べますが)

という条件が効いていて、なんとなくキスを狙うようになりました。

ですが、いざ釣りを初めて1年。全く釣れませぬ。1匹も釣れたことがありません。

ほぼ毎週どこかに釣行し、毎回必ず1本はキスの仕掛けを投入しますが、毎回違うものが釣れます。

アナゴ、カレイ、舌平目、タコ、無論ゴンズイやフグetc.

満を持して、昨年と同じ時期に沼津港に出撃するも、「あー今年は鵜が多くてキス壊滅状態だわ。全く見ないな」と、サービス業にあるまじき釣具屋スタッフの冷厳な一言。

それでも私はキスが釣りたい!

キスが釣りたいんです!小さくてもいい。少なくてもいい。とにかくキスが釣れれば、私の釣りライフに新しい何かが見えてくるような気がするのです。

今年は全国的にキスが釣れない、というならば諦めもつきます。

ですが釣り雑誌を見るにつけ、キスは確実に釣れています。

沼津のおばちゃんがぼやいていたように、キスが簡単な釣りものだとはもはや全く考えません。

我々にとっては眩しいくらいにレアな魚と化しています。ですが、キスは確実に関東で釣れている魚なのです!

気になる釣り場

そんな中、以前から気になっている釣り場がありました。

曙光の中、長い竿を天空に向けた軽装の男性が、輝く砂にその足を踏みしめ、連なる銀色の魚体を掲げている写真。

そうです、サーフです。大体サーフの釣り風景ではキスを釣り上げています。

『サーフならキスが確実に釣れる』

まぁ単純バカにこういう写真を見せると、こうなりますね。

『あまつさえ、釣ったキスを餌にヒラメやマゴチまで釣れてしまうらしい!』

もう頭の中はイソメorジャリメ → キス → ヒラメ → σ(゚∀゚ )オレ

・・・という食物連鎖の頂点に立った己の画像しか浮かんでおりません。

酒匂海岸に出撃

以前にも書かせていただいたように、妻は安定した釣果となじみのある場所を好む傾向にあり、今年のキスについては潔く諦めている妻をなんとか騙すことに成功し小田原は酒匂海岸まで出撃しました。

酒匂海岸

酒匂海岸は小田原、鴨宮、国府津のだいたい中間地点にあります。

釣具店で呪いの言葉を発せされる

海岸から2キロくらいの地点に、24時間やっている「かめや釣具小田原店」があるので、便利ですね。

釣具屋スタッフに状況を尋ねると

「キスは・・・厳しいかもしれませんね」とのこと。

・・・わぉ。

「全く釣れないんですか?」

「いえ、そんなことはないのですが、今日は厳しいかもしれませんね」

「い・・・イシモチとかは」

「イシモチはこの辺にはちょっといないですね」

「他に何が釣れますかね」

「ボラとかベラとか・・・もし青物が回ってくれば、遠投カゴが有効ですよ」

・・・今日はキス+αしか考えていないので、カゴ装備は全て置いてきてしまいました。

店内をぶらぶらしていた妻が、私とスタッフさんの会話が聞こえる範囲まで近寄ってきたので、軽く蹴って追い払います。夫は士気を高める義務があります。ま、もし釣り場着く前に聞きとがめられてしまったらテンションダウンが半端じゃないからなんですけどね。

会話を終え、ジャリメとイソメを購入。

「どんな感じ?」と聞いてきた妻に、

「割と」と、どの意味にもとれる返答で受け流し、なんとなくヒラメ用のルアーを2つ買い足します。

海岸到着&キャスト!

04:15 海岸に到着します。気温11度。まだ辺りは真っ暗です。ここは駐車場が無料かつ広いので車人間には非常にありがたいですね。

何となく人が集まっているところまで1分ほど歩き、お隣さんと十分な余裕をもって釣り座を構えます。

サーフロッドにキス仕掛けを付け、果てしなく広がる水平線に向かって、力いっぱい振りぬく!

ん・・・どこに飛んで行ったか暗くて全くわかりません。

こりゃあ明るくなるまで話にならんなと、仕掛けを作ったりしている間に、少しずつ空も明るんできました。

酒匂海岸のサーフ釣り

キスよ来たか!?

気を取り直して投げ、少しずつさびいてきます。

グンっ・・・ググンっ・・・。

お!? おお!?

巻き上げてみます。魚はついていません。そしてジャリメも残っていません。

「反応来てるぞこれ!」思わず叫ぶと、妻も負けじと投げ入れます。

グンっグググンッ。

相変わらず、掛かりはしないが投げてすぐに一定のリズムで引きが来ます。

これか・・・これがキスの引きなのか。

ポイントを変えてみようと、少し妻から距離を取って投げていると、杖をついたおじいちゃんが後ろを通りかかります。

「兄ちゃん何狙ってんの?」

「一応、キスを」

「あーダメダメ。ボラきてっし。こういう日はキス逃げちゃって来ないよ」

何を言いやがる。さっきから手元にはビンビン反応が来てるんだ。

「いや、でも投げるとすぐグイグイ引きが来るんですよね。感覚がボラとは違うし、これはキスじゃないかと思うんですが」

「兄ちゃん・・・・・・・・それ、波じゃないの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

「いや波だろそれ。波が来たり引いたりするので勘違いしてるんじゃねぇの?」

「・・・い、いやでも、ジャリメもなくなってるし・・・」

「そりゃああんた、波で海底こすってたら、ジャリメもとれちまうよ。今日波強えっし」

「・・・おおう。えーと・・・やっぱり、ダメなんですかね」

「そうだねぇ。波高いしねぇ。今日はダメな日だろ」

「・・・でも、初めて来たんですよ?そこを何とか。」

「いや・・・そういわれてもなぁ・・・」

「も、持ち場を離れるな!」こちらに近寄ってこようとした妻に叫び、会話を聞かれないように遠ざけます。

「とにかく兄ちゃん。狙うならボラにしなよ。この時期はカラスミ作れるぞ」

と言い残し、おじいちゃんは去っていきました。

「・・・・・・・・・」

すっかり心が折れた私は、先ほどの釣具店で購入したルアーに変更し、何の当てもなく投げる釣りに切り替えました。投げてすぐにそのルアーも、グンっグググンッと引きます。

「あー・・・・・・・・・・・・・・・・・なるほどね。波か・・・」

ぼんやり海を眺めていると、波はますます高くなっていきます。1mくらいの波がどしどし押し寄せてきます。
酒匂海岸の波

あれ・・・これ、サーファーが喜ぶタイプの波じゃね?

時間がたつにつれ、釣り人は徐々に増えていきます。ですが、誰一人として釣れている気配はありません。

目的ももはや見失ったまま、機械的にルアーを投げていると(2個なくなりました。。。)、妻が向こうから走ってきます。竿の先には・・・何か魚が!!むむっ、キスか?先に釣りやがったのか!?

妻がフグを釣った

「みてー。フグー。かわいいー!」

「食えるかっ!とっととリリースしろ!!!!!」

「ぶー!!なによー!」

釣れず

結局、朝4:30から8:00まで粘って、釣果は妻のフグのみでした。

そして、ウェーダーも何もなく波に突っ込んでルアーをぶん投げていた私のジャージはずぶ濡れとなり、妻からの厳命により帰りはパンツ一丁で東京まで運転して帰るはめになりました。

何というか、キスがどうのこうのというより、もうちょっと釣りについて勉強しなければダメだなぁ、と思った一日でした。

ではみなさん、またお会いしましょう!

ミズチ

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