夏から秋にかけて各地でショアジギングや弓角の釣りが盛んになります。
釣れる魚は回遊魚ですが、もっとも多く釣れる魚の一つがブリの幼魚である「ワカシ」。
今回は岸からライトショアジギングで狙うワカシの釣り方について解説します。
ワカシについて
ワカシはブリの幼魚。
地域にもよるが、関東では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリというように呼ばれる出世魚の代名詞です。
相模湾や東京湾では真夏から秋にかけて回遊します。
時期が秋になるほどサイズが大きくなり、やがて40㎝1キロ程度のイナダサイズも頻繁に混じるようになります。
ワカシのポイント
岸釣りの場合、エサとなるシラスやイワシを追ってワカシが接岸しているかが重要です。
外海に面していて、潮通しのよい釣り場で狙いましょう。
相模湾の場合は藤沢～国府津あたりまでのサーフが主戦場です。
ワカシが釣れるタイミング
こちらは大磯海岸。鳥山が岸近くに発生している時は大チャンス。
青物というと朝まずめ・夕まずめが最重要時間とされますね。
一方、ワカシの場合、真昼間でも釣れます。
時間帯として朝夕のマズメを攻めるのもよいですが、それよりはベイトの接岸を意識しましょう。
だだっぴろい海岸でも、エサとなる小魚の寄りはその日によって場所が異なります。
いきなり釣りはじめるよりは、まず以下のアプローチをしてみるとよいです。
- 釣り場全体をみて鳥山の有無を確認
- 近くで釣っているルアーマンなどの反応を見る（青物ではなくヒラメ等を狙っている場合もある）
- 反応が悪そうな場合は、2，3投しながら海岸をどんどん移動してみる
良くないアプローチとしては、以下の通りです。
- とりあえず釣りはじめる
- 釣れないのに同じ場所で釣り続ける
ワカシも回遊してくるので、同じ場所で釣りづければやがて釣れるということもあるのですが、数投しながらポイントを素早く移動していったほうが釣果を伸ばしやすくなります。
ワカシを釣る手段
釣り方としては、ルアー釣りや弓角（和製ルアー）がメインです。
ルアー釣り
ルアー釣りは、メタルジグやメタルバイブが中心です。
シンキングミノー等より飛距離もでて、より遠くの魚を狙うことができます。
特に魚が沖目にいる場合は、遠投が必要です。
姿勢が安定して飛距離がでるジグを選びましょう。
弓角
弓角はサーフトローリングの遠投マウスやジェット天秤をつけて巻いてくるとよい。
遠投カゴ
かご釣りでオキアミをつけてもワカシは釣れるが、効率が悪いので適してはいません。
まずめに回遊する大型のアジを寄せて釣りつつ、ワカシも釣る場合はオススメです。
ライトショアジギングがオススメ
ワカシはそれほどサイズが大きくないこともあり、本格的なショアジギングタックルではオーバースペックです。
30～40gのルアーが投げられるライトショアジギングで狙うと飛距離も出つつ、ヒットしたときの魚の引きも楽しめます。
ジグサビキも効果的。
ワカシ釣りのタックル（ライトショアジギング）
ここではライトショアジギングでワカシを狙う場合のタックルを紹介します。
ロッド
ロッドは40g前後のルアーを無理なく投げられるものが適しています。
シーバスロッドでも可能ですが、キャスト方法に気をつけないとロッドを破損する可能性があります。
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リール
ライトショアジギングではPEラインを利用します。
PE1.0号が200m巻け、ロッドに装着したときに持ち重りしないものを選びましょう。
ライン・リーダー
PEラインは2号だと太すぎて、1号未満だと慣れないとキャストミスで高切れすることも増えてきます。
はじめる人はPE1号からチャレンジすると、遠投もできて強度もあり安心です。
また、遠投して高切れした際のことを考えて、最低200ｍは巻いておきたいところ。
万が一のときを考えて替えスプールかPEラインの予備をもっていくとさらに安心です。
アブ・ガルシアのカーディナルなどは替えスプールがついてくるのでお得。
リーダーはフロロ4～5号がおすすめ。
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ルアー
ルアーはメタルジグやメタルバイブを中心に、イワシなどのベイトに似せたカラーと、赤金などのPR系カラーを最低2種類用意しておけばOKです。
ダイソーやセリアで販売されているメタルジグでも問題なく釣れますが、フックとスプリットリングだけは必ず交換しておきましょう。
サーフのルアー釣りは針先に注意
サーフの釣りの場合は、気づいたら針先が砂に接触して削れ、かなりのスピードでフックが劣化します。
フックシャープナーや替えの針を余分に用意して、針先が甘くなったらすぐに対応していきましょう。
特にロッドが短い場合は、ルアーを回収する際に波打ち際でフックごと引きずる時間が長くなります。
場合によっては数投でフックが甘くなるので要注意。
一投ごとにチェックしましょう。
これを怠ると魚がバイトした際にフッキングしにくくなるし、ヒットした後もバレやすくなります。
ちなみに、ワカシの場合はフロント側にシングルフックが2本ついていれば問題なくヒットします。
ポイントやメタルジグの着底姿勢によっては、リア側にトリプルフックがついていないほうがトラブルが減ります。
ワカシの釣り方
ヒットさせるまで
前述の通り、まずはワカシが狙っているベイトの有無を確認しましょう。
その後、基本的にはできるかぎり遠投します。
イワシやシラスなどを追っている場合は、着水してすぐに巻き上げ速いピッチでしゃくっては巻く。これだけで釣れます。
特に複雑なルアーアクションは必要ないものの、ルアーにすれることもあるので、アタリが遠のいたらルアーのカラーをローテーションしてみましょう。
表層付近でアタリがでないときは、中層、底付近と探っていきます。
ちなみに、ワカシは波打ち際ぎりぎりまでおってきます。
手前までルアーがきたら竿を下げ気味でアクションしましょう。
アタリはひったくるようなもので、よっぽどロッドが硬くない限りは明確に気づけるはず。しっかり合わせましょう。
ヒットしてから
ヒットしてからはロッドを立てて、ひたすら巻くだけ。
波打ち際では、寄せる波に合わせて一気に砂浜にずり上げます。
ネットは手返しが悪くなるので利用しません。
下処理
持ち帰る場合は、水汲みバケツなどを用意しておきエラをきって血抜きしてクーラーボックスに速やかにしまいましょう。
ワカシ釣りに関する注意事項
ワカシはブリの幼魚ですが、重要な漁業資源のため都道府県ごとの漁業調整規則によって採捕できるサイズが決まっています。
たとえば神奈川県の場合は、「全長15センチメートル以下」の採捕ができません。
もし釣ってしまった場合はできるだけダメージをあたえずリリースしましょう。
出典：神奈川県海面漁業調整規則
ワカシ釣りで釣れるゲスト
イワシやシラスなどのベイトをおっているワカシにはいろんな魚が混ざっています。
- シイラ（特にぺんぺんと呼ばれる小型）
- サバ（マサバ、ゴマサバ）
- カンパチ（数は少ない）
- イナダやワラサ（湘南地区であればショアからはワラサ以上は滅多に連れない）
- タチウオ（主に夜間やまずめ時）
- マゴチ
- ヒラメ
ワカシ料理について
ブリもイナダサイズまでは脂がほとんどのっていません。
脂がのっていないということは、前提条件ですので、以下の通り調理するのがオススメです。
- 干物にする
- 衣をつけて油で揚げる
- ハワイ風にポキにする（ごま油＋すりおろしにんにく＆生姜＋しょうゆ＋ネギなどとあえる）
- ユッケ風にする（ごま油＋すりおろしにんにく＆生姜＋焼き肉のたれ＋コチュジャン＋ネギなどとあえる）
ごま油で油分を補いつつユッケ風にしてもうまい。（写真はワラササイズ）
ワカシが釣れるオススメの釣り場（相模湾）
- 茅ヶ崎
- 平塚
- 大磯海岸
- 二宮海岸
- 国府津
8月前後の夏場であれば、相模湾沿岸のサーフや堤防であればどこでも釣れます。
魚の寄りが日によって異なるのでTwitterやInstagramの検索でチェックするのがオススメです。
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