最近忙しくて、釣りにいった後のORETSURI寄稿が滞り、ややプレッシャーになっている木田です。こんにちは。
9月1日土曜日、羽田えさ政さんにお世話になり、生まれて初めてのショウサイフグ釣りにいってきました。
ところで釣ったフグってどうするの?
フグは種類は色々とありながらも、それぞれが高級魚として名高い一方、卵巣などに猛毒を持つことから、資格を持つ調理師(や、各県の条例によって、処理者、取扱者などの名称があるようです)だけがさばけるもの。
私も最初「フグ釣っちゃってどうするの?」と思っていました。
そういえば、タチウオを釣っていてのラストミステリーでトラフグが釣れてしまった平田編集長による「フグ調理屋放浪記」もありますしね。
ところが心配ご無用な世界のようでして、今回お世話になった船宿「えさ政」さんをはじめ、フグの乗合船を出している船宿では、釣れた後に資格を持つ方が釣り人に代わって毒の部位を取り除くという下処理サービスがあるのです。
これで、どれだけフグが釣れても安心ですね。
遠慮がちに撮影したので、写真はいまいちですが・・・
ちなみにこちらは船長がフグの下処理処理をしてくれているところです。
1匹30秒くらいでガンガンさばいてくれます。この作業も見ものです。次行ったら動画で撮ろうっと。
ちなみに、処理済の可食部分だけになったフグは「みがき(身欠き)」と呼ばれます。
実際の姿はこんな感じ。
という訳で、意気揚々と出船です。
ショウサイフグ釣りの仕掛けについて
今回は釣行決定から釣行日までに時間的余裕がなかったので、いくぶん知識的な準備不足での出撃となりました。これは反省点ですが後述します。
準備時間がなかったため、釣り竿とリールは船宿でレンタル。仕掛けは同行の下衆大将こと北條さんに用意してもらいました。
フグ狙いの竿は繊細なアタリが感じられるよう9:1の先調子が良いとのことです。レンタル竿についていたリールは小型ベイトリールでした。
仕掛けは、市販の「カットウ釣り」用のものです。
「カットウ釣り」とは餌を付けた針に魚を掛けるのではなく、針についた餌を食べに来た魚を別の針で引っ掛けて釣る釣り方を指します。
そのため針は(最低でも)2つあり、上部の重りのすぐ下には親針と呼ばれる餌をつける針があり、下部にはフグを引っ掛けるカットウ針があります。この針は3本針であることが多いようです。
リールに巻いてある1号程度のPEラインに、持参したフロロカーボンリーダーと呼ばれるラインを1m程度直結し、その先にこの仕掛けをつければ完成です。
ショウサイフグの釣り方
カットウ仕掛けでのショウサイフグの釣り方ですが、餌を親針にかけて仕掛けを投入し、「ゼロテンション」と呼ばれる状態を維持します。
ゼロテンションとは、その名の通りテンションが0な状態。
つまり、海底に着底した重りからリールまでの糸にたるみがなく、かつ引っ張っていない状態を指します。
カットウ仕掛けのフグ釣りでは基本的にこのゼロテンションを維持します。
フグは海底にいるのと、エサを2枚のクチバシで少しずつかみ切るように食べるためアタリが分かりづらいので、そのようにするようです。
いざ、アタリやアタリらしきものがあれば竿を30cm程度しゃくってフグがカットウ針に乗らないかどうか確認する。乗れば重さやフグの暴れる様子で分かるので、そのまま同じテンションをたもってポンピングせず巻き上げる。
アタリがない場合には、5秒とか8秒とかの一定の間隔で、アタリは感じられないがしゃくっってみる「空合わせ」が有効だとのこと。
と、
書くとそれほど難しい感じはしないのですが、やってみると、船には多少の上下の動き(この釣行当日は体感で1mくらい)がありますし、重りが落下するときに「コンコン」と海底を叩いてしまうようだとフグが逃げてしまうとのことで、「ゼロテンション」をキープすること、さらにアタリを感じて狙ってフグをかけることは難しく、ある程度の経験が必要な釣りだと思いました。
餌は船宿で配られる「アルゼンチンアカエビ」。
乗船代金に10匹程度は含まれていますが、エサがよくかじられる釣りなので途中で必ず足りなくなります。足りなくなった場合は、現金で購入することができます。10匹で500円。
で、ショウサイフグは釣れたの?
エビの頭を取って、しっぽの先を切り、親ばりにつけたところがこちらです。
で、戦うこと数時間。
・・・
・・・
・・・
3匹のショウサイフグをゲットしました。
大きさもまずまず。見るからに美味しそうです。
それに、フグって顔が可愛いんですよね。この釣り、すっかり好きになりました。
同行の下衆大将氏は4、5匹釣り上げたとのことですが、すべてリリースサイズだったとのことで、お持ち帰りはゼロ。アラフィフ3人衆として最近ご一緒させて頂く機会が多い青山さんも私く同じく3匹ということで、釣果自体には満足です。
また、帰港途中の船内で、もう10回くらいは来ているという常連さん(以下、10回常連氏)とお話したところ、「初回で3匹は立派」とのお言葉をいただきましたので、まずは及第点なのだと思います。
一方、その『10回常連氏』の釣果は9匹と、私と比べて3倍の生産性ですし、隣の釣座の方が竿頭(船の中で一番釣った人)だったのですが、釣果は15匹でした。なんと生産性の差は5倍です!
それらを考えると
釣果はまだまだ伸ばせるのだろうと思いました。
フグ釣り敗軍の将が兵を語る
ということでこれからショウサイフグのカットウ釣りにはじめて挑戦する方に参考になればと、敗軍の将が兵を語ります。
いくつか反省点がありますが、いつもとは違う「準備不足」(いつもは、前の晩寝れなくなるくらい準備します)と、いつもの「おっちょこちょい」の複合技ですね。
リーダーが太すぎたのでフグに見破られたかも
ショウサイフグ釣のリーダーの太さは3号~4号程度が適当なのですが、何を考えたか、私が当日持参したリーダーは12号。この12号のリーダーはパッケージに40bl(40ポンド)と記載があり、その「4」を勝手に4号と認識したのだと思います。
つまり、適正なリーダーよりも4倍は太いリーダーを使っていたことになります。
釣り人の中には、フグはなんでも食いつくイメージがあるかと思いますが、やっぱり狙ってみればそんなことはなく、フグも怪しいと気づくのでしょう。
このことは釣りの最中は気づかず、帰宅してしばらくしてからネットで最適なタックルを検索しなおしたときに気づきました。
当日に気がつけば、適正なリーダーを下衆大将や青山さんから恵んでもらうこともできたでしょうが、すでに後の祭りです。
チラシ針の仕掛けが良かったかも
仕掛けはもちろん問題なかったのですが、隣の釣座の竿頭氏は、「チラシ針」と言われる餌のエビを1匹つけるのではなく、親針が3本あり、その3本にぶつ切りにしたエビをつける仕掛けでした。
『10回常連氏』曰く、「チラシ針の方が釣れるけど、一本針の方が楽しい」とのことでしたので、であれば今回の仕掛けに悔いはないのですが、「チラシ針」の仕掛けの存在をそもそも釣行前には知らず、竿頭氏の仕掛けを見て「あ、自分のと違う」と気づく始末。
こういうの明らかの情報収集不足で、良くないですね。
しゃくりが強すぎた
フグを乗せるための空しゃくりですが、私は餌を食べにきたフグが逃げるスキを与えちゃいかん。と、「ピシッ」、「ピシッ」っと素早く強めにしゃくってたんですね。
ところが、帰宅後ネットをゆっくり検索すると、しゃくりはそれほどピシっとやらない方が良い、普通の速度でしゃくればよい。とのことでした。ピシッっとしゃくるとむしろフグが逃げます。と。アーソウダッタンデスネ(棒読み)
すこし投げたほうが良かったかも
竿頭氏は、お隣の釣座なのでよく見えたのですが、毎回ちょい投げしてました。私はといえば毎回真下に仕掛けを投入してました。その方がゼロテンションしやすいだろうと考えたんです。
今考えると、このちょい投げが竿頭氏の好釣果の理由ではないかと思いつきました。(現場ではそこに思い至らず・・・)
というのは、考えてみれば海底での親針とカットウ針の位置関係としてベストなのは、釣り人から遠い順に「カットウ針」、「親針」なはずです。しゃくった時に「カットウ針」がフグがいるはずの親針方向に動くからです。逆に「親針」が遠く、その手前に「カットウ針」があった場合、しゃくってもフグにかすらない。
ちょい投げして着底後、少しだけリールを巻けば、重りについている親針が海底を引きづられて釣り人の方向に動きますので、理想的な親針とカットウ針の位置関係が取りやすいのではないでしょうか?
真下への仕掛け投入では、親針とカットウ針の位置関係は偶然に任せることになります。
と、いくつもの反省点が見つかりました。ここまで反省点が見つかると、リベンジにまた行きたくなります
次回は「改善したら釣れたよ、ショウサイフグつ抜けの巻」のようなタイトルの記事を投稿したいものです。
今回釣ったフグは1匹を下衆大将に献上し、2匹を薄造りと唐揚げでいただきました。
自宅でフグですぞ、なんと贅沢なことか。やっぱり美味しい。
タックル類
- ロッド:船宿レンタル(マイロッドはカワハギタックル併用可能。ライトゲームロッドはアタリがとれないことも)
- リール:船宿レンタル
- ライン:PE1号(推定)
- リーダー:フロロカーボン12号(本来は4号程度であるべき)
- 仕掛け:市販のカットウ釣り用1本針仕掛け
お世話になった船宿
東京羽田 えさ政釣船店
http://www.esamasa.jp/
〒144-0043 東京都大田区羽田6-12-4
TEL03-3743-1585
都内の多摩川沿い羽田にある釣り船。羽田空港線天空橋駅下車徒歩6分。9月は湾フグと呼ばれるショウサイフグのほかに、アジ、タチウオなどで出船。
■寄稿者
木田 和廣
オフでは水泳と釣り。オンではGoogle アナリティクスによるWeb解析コンサルタント、Tableauによるビジュアルデータ分析コンサルタントをしています。Web解析に関する本も書いてますよ。
ORETSURIフィールドレポーターについて
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カットウフグ仕掛けで錘の号数は重要なポイント。季節や狙う海域によって変わるため予約時に船宿へ確認したい。またカットウ針は根がかり等で針先が甘くなりやすいため、フックシャープナーか替え針を用意したい。ボラの引っ掛け針等でない化学研磨フックはシャープナーではなく替え針に変更したほうがいい。