先日、ドバミミズをとってきてウナギ釣りにいってきました。今年はじめてのウナギ釣りなのですが、ノウハウ面を解説しながら釣行の様子をお送りします。
それほど太くはないが、活きのいいドバミミズたち
ウナギは真冬でも河川に生息しているものの、護岸の割れ目などの障害物にじっとしています。
それが、だんだんと水温もあがる5月ぐらいからねらって釣れはじめるんですが、その後6月に入り梅雨の増水で川が濁る機会が増えるとさらに活性があがってよく釣れるようになるのです。
その後、真夏の高水温期をへて、晩秋までウナギは釣れます。
天然ウナギの味の旬はこの晩秋から冬場だといわれていて、長い冬にそなえて脂肪を蓄えるからなのです。
こちらは雨後の河川。
上流から土砂がながれているため、ミミズやその他の虫類なども多いことが想像されますね。濁った水中ではウナギが狂喜乱舞しているのかも。ウナギのエサになるボラや稚鮎などの魚類も濁りによって視界が効かなくなるため、こういった状況ではウナギに食べられやすくなるのかもしれません。
3月~4月の春先の降雨は河川の水温を一気に下げるため、ウナギの活性も下がるのですが、梅雨であれば、さほど影響はないように思えます。
ウナギが釣れる川、釣れない川
ウナギは以下の条件を満たしていれば、いわゆる都市河川にも生息しています。
- 海とつながっている
- 堰がない、もしくは堰や魚道が魚にフレンドリーにできている
- 3面護岸でも河川の地形に変化があり、植物や岩などの隠れ処がある
- 餌がいる
このように護岸に囲まれていても、岩や堆積した土砂によって変化があればウナギは生息しています。
水深は膝下程度ながらも、よくみると護岸に割れ目があり、ウナギの住処になっていたり。
こういった河川は魚やエビ・カニが豊富です。また上流に山や畑があると雨後にドバミミズが流されてくるという好環境。
こういったコンクリートがちがちの河川にはウナギはあまり生息してません。水深はあるものの、生物が少ない典型的な川です。が、川の底や側面は牡蠣殻に覆われていて、その隙間に生息している個体もいます。
こういった河川もうなぎが生息するための条件が整っています。
海から堰がなく、水中の障害物や川岸に芦原があり、ウナギが好むテナガエビや小魚が豊富。中央部にうまっているのは増水時に魚が避難できるブロック(中が空洞)ですが、鯉などの他にウナギもこのような障害物を寝床にしています。テトラも同様です。
実際にウナギ釣りにいってみよう
今回のポイントは海から近い汽水域で、堰がなく、モクズガニやウナギが比較的自由に行き来できる河川です。
足場が5mほど高い護岸エリアで、足元にエグレがあり、日中のウナギはこのエグレに潜んでいます。
それが、日没以降2時間程度住処から外にでて餌をとってまたこのエグレに帰宅するという行動パターン。
タックルは、
- 8フィート程度のパックロッド(ショアガン+メジャークラフト)
- スピニングリール3000番
- PE1号、1.5号
- ナイロン8号
- 網付きの水汲みバケツ
- 虫よけ
などなど。
特に夕マズメから夜釣りをしていると、蚊がわんさかよってくるため虫よけは必須かなと。
ナス型オモリを軽くして仕掛けを流す。
ポイントによるのですが、ウナギは岩がゴツゴツしているエリア付近に多く生息しています。いわば、「根」ですね。
市販のウナギ仕掛けはハリス3号~5号が一般的なのですが、今回はさらに根ズレ対策を考えてハリス部分をナイロン8号にし、根がかりの際のロスト被害を低減するためにナス型オモリ3~6号+がまかつ管付うなぎあなご14号で構成します。
このがまかつの管付うなぎあなごは便利なので、ウナギやアナゴを釣る人はぜひ買っておいたほうがよいです。軸も太目で丈夫。
ナイロンのハリスは底上15cm以内を這わせるために短めに設定。あまりハリスが長いと、そこから浮いてしまい、ウナギが捕食しにくくなってしまうわけです。
意外なんですが、やる気があるウナギはボラなどをおいかけて水面をわちゃわちゃいうこともあります。が、基本的に彼らは底上で餌をとっていると考えておく方が無難です。
ナス型オモリはスナップをつけず、PEラインとナイロンラインを直結。PEの先糸にフロロカーボンを結んだほうがさらに根ズレ対策にはよいかと。
・・・
日没後、30分。
中サイズのドバミミズを3本ほどつけた仕掛けにヒット。
ウナギの場合、周期的な引きが竿にでます。
ビビビビン。
ビビビビン。
ビビン。
というような。
基本的に向こうアワセで、竿先がもっていかれたら、ゆっくり竿先をあげると、独特のうねった引きを感じます。
ここでまごまごしているとウナギが団子状になり仕掛け(PEライン+ナス型オモリ)に絡むので一気に抜き上げましょう。
45センチ程度。シーズン一尾目はやはりうれしい。
天然ウナギはそれほど肥っていないためこのぐらいからがやっと蒲焼サイズ。
だんだんと潮が下げていき、足元の水深は1mない程度。
川幅が10m程度で浅いのもあるのですが、ポイント自体が足元なので、あんまり勢いよく直撃して落とすとウナギに警戒されると想定して、すこし遠くになげて手前にもってきてステイ。
このとき点在している岩に仕掛けがハマるとウナギがヒットしても、あいや無念、そもそもそ根がかっておりまする。という具合にとれません。
なので、ぼんやり待つ前に、仕掛けがきちんと流れにのっていることを確認しておきます。
暗号「S」
続いて、小型うなぎ。30cmぐらい。
これは、リリース。
ウナギ釣りでは多くの場合針が飲まれてしまうのですが、ぶら下げたり、仕掛けに強く絡んで自分で締め付けない限りはハリスを切って逃がすとよいです。ウナギは針を外すのがうまいとされ、飼育しているといつのまにか針がはずれています。
このあと、鯉かクロダイか銀鮒がヒット。
突如鈴がけたたましく鳴り響き、島津隊の敵中突破をほうふつさせる猛烈な勢いで対岸の芦原に突っ込んで巻かれてしまい、家康危うし。
これはハリス切れ。鯉にしては軽かったような、なんだったんだろう。
あたりが遠のいてきたなー。
と、
そのとき、鈴が、
リンリン♪リリリーン♪
あ。
【ご報告】足元の護岸の隙間にもぐられた件について
うーむ、やられたなー。やられましたな。油断してた。
ひっぱると、ぐにゅっと、タコにも似たような重みがあって、これはなにかに巻き付いているんだろうなと。
ウナギは淡水魚界でも有数の雑技力で、尻尾から後退して、尾でなにかに巻き付いて固定しちゃうんですよね。これはアナゴもウツボも同じなんだけど。
是非にあらず。
やむなし。
一旦、ドラグをゆるめて、川の下におりてみることに。
ちょうど、潮もさらにさがって水深60㎝程度。
この護岸の一番下、20cmぐらいの溝にナイロン8号ハリスが入っている
さて。
そろそろ本題に入ろうか。
ナイロン8号ハリス部分が護岸下にひきこまれて角にPEラインが当たっている状態。これは無理に引っ張ると切れるな。
できるだけ干渉しないように、手を前方の闇にのばす。川の方にハリスをひっぱると・・・・
ムニュ。
うーん。
グニュ。
あ、はずれた。
ヌルリーンS。
おう、やはりウナギ氏ついてたのね。
これも45cmクラス。
干潮間際、足元にはたくさんの生き物が
そろそろ干潮。
河川の水もすっかり引いて、水深は30cm程度。せっかくなのでどんな生き物がいるか観察してみることに。
ボラの幼魚が多いなーと。
テナガ。
テナガ。
テナガ。
テナガエビはメスがほとんど。
モクズガニ。
こちらもモクズガニ。
可愛いサイズ。
と、
順次チェックしてまわると、怪しげなものが。
こちら。
うなぎの尻尾ですね。ここで軍手していたもんで、ちょっと早まり素手で捕獲しようとおもって、そろりそろり攻め込んでみたところ、
ヌルリ。
そりゃ逃げますわな。泥の煙幕をひろげてどっかにいってしまいました。これも45cmぐらい。
が、同じような地形に生息しているウナギもいるはずとチェックしていると・・・
ご覧いただけただろうか。
ウナギの尾である。
しかも先ほどと比べるとやけに太い。
これは60㎝超えてるな。
部長、やっぱりウナギは穴釣りにかぎるとおもうんです
ちょ、顔見えてるし。
手づかみ…いや、無理だな。
地形が複雑すぎる。まさに蜀の桟道・水中版みたいなもんだからなこれ。奥行きがないとはいえ、手をつっこむと左右にいくらでも逃げられるし、杭によって手がガードされるという布陣。
よし、穴釣るか。穴釣ろう。そういうことになった。
圧倒的な集魚力、それがドバミミズのメデューサ付けである。
ハリス8号+管付きウナギ針14号+ドバミミズのメデューサ付け。
勝ったな。
が、この時間帯のウナギは、夕マズメ2時間のピークタイムで散々餌を食べた状態なので満腹状態なわけですよ。実際のところ口をつかうのだろうか。
次に活性があがるのは深夜23時~1時ぐらいのはず。が、そこまで待てないので、今やるしかありませんな。
よーし、まだいる。
ここでライトを消し、ウナギの鼻先あたりにオモリをつかないでドバミミズを落とし込む。さあ、メデューサの力を思い知るがいい。
・・・
あれ、食わないな。
ん?
なんだかすこし引いているような…
ニュルンニュルン、ニュルンベルク。
うお、喰った!
すかさずライトをつけてみると、この通り。堅牢な蜀の桟道に複雑にまかれている状態。
これは無理にひっぱると顎がちぎれるパターンだな。ウナギ釣りあるある、でもある。
殿、果報は寝て待て。と申します。
ということで、ひっぱらず待っていると…
お、出てきた。
ここですかさず抜き上げる!
63cmの良型ウナギ。食後ということもあり太い。
大勝利。
おめでとうございます。わが軍の勝利です。
このような地形でした。河川の河口部によくある地形ですね。
葦原は生き物のゆりかご
「アシ」とも「ヨシ」ともいわれる植物の足元は「屁鯉」などの掃除機系大型モビルアーマーが入りづらく、平和が保たれていました。
テナガとメダカ(画面左下)
テナガも巨大なオスはいないようで。
抱卵した雌が多い。うめよふやせよ。
こいつは、ウナギの幼魚ですね。「クロコ」と呼ばれるサイズかな。去年の初春に海からあがってきたシラスウナギが1年ちょっとかけてここまで大きくなるのでしょう。
これは、ミシシッピアカミミガメかな。亀って頭を泥に突っ込んで寝るんですね。かわゆす。
ハゼの類。
モクズガニも一応手づかみして状況確認。
小型なので、逃がすんですがね。一応手づかみしたい。
帰宅後、英才教育のために息子に天然ウナギを対面させてみました。
一尾、めちゃ太いな。
古いクーラーボックスに水道水をはり、エアーポンプをかける。
すると、ウナギがソロバン状の謎な組織を吐き出すんです。なんこれ。
【教えてTwitter】
釣りあげたウナギが吐き出すこのソロバン状のものはなんですかね?全部で5つありました。タコの吸盤みたいな触感で pic.twitter.com/ygCTS7Avls— 平田 剛士@ORETSURI (@tsuyoshi_hirata) 2019年6月17日
まさに、「ウナギそろばん」
この謎は、また別のお話でお会いしましょう。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
関連アイテム
▼がまかつから販売されている「管付きうなぎあなご」。太糸も結びやすいので穴釣りや障害物が多いエリアのブッコミ釣りにおすすめです。ケンもついているのでドバミミズがずれにくい!アナゴ釣りにも使えて、安いのでロットで買いたいお得アイテム。5袋ぐらい常備していて損はないでしょう。
▼ハリスはナイロン8号。市販のうなぎ完成仕掛けはハリス5号がだいたい最強ながらも、岩場などでは不安が残るわけです。管付きと合わせれば暗い釣り場でも結びやすいですし、ウナギはあまりハリスの太さは関係ないので、やや太目で確実に釣りあげたいところ。穴釣りなら10号などでもよいと思います。それでも問題なくウナギは口を使うので。たくさん巻いてあるバルクラインならば1,000円以下でほぼ無限につかえます(ハリス目的)
▼ナス型オモリはハリスと道糸と直結します。流れがそれほど早くなければ3号程度であえて川を流したり。流速によって10号ぐらいまで調整していくとよいでしょう。ジェット天秤やサルカンを使用すると仕掛けの単価が高くなるので、特に根がかりしやすいところはこの「かんたんぶっこみ仕掛け」がベスト。
▼パックロッドは電車やバイク釣行で便利。8フィートぐらいのエギング、シーバスロッドがウナギ釣りにはむいてます。メジャークラフトのエギングロッドはコスパが高いですね。