にわかにORETSURI界隈で人気が出てきている気がする「テンヤスミイカ」。記事を読んではじめてチャレンジしてみた人もチラホラいるんではないでしょうか。今回も飽きず、釣行の様子と気づきをお話しします。
一緒にいった釣り人のテンヤスミイカ釣行記事はこちら
それぞれの記事タイトル通り不穏な釣行だったわけです。
「テンヤスミイカ」釣行後には必ず筋肉痛になっていた
テンヤスミイカ釣りで使う専用竿はライトゲームロッドなどより長く、硬く、重め。かつ、それを1日中しゃくり続けるという動作が必要。
冬の東京湾は北風で揺れがちなんですが、船上で体勢をキープしながら誘い続けていると、いつの間にか消耗。酔い止めアネロンの効果もあって、帰り路の電車ではいつの間にか寝腐ってよだれを垂らし、ぼんやりしながら帰宅していたもんでした。
そんでもって、釣行日の夜から筋肉痛がはじまるわけです。全身の。足腰、それと、腕や肩などなど。これは、シャクリのせいだから、仕方ないものだと思ったんですね。
が、今回の釣行後、この筋肉痛がなかったわけです。海は荒れて、姿勢キープだけでも大変だったのに。
もうこれは何かが前進したなーと思ったよね。では本記事では何が前進したかお話しましょう。
東京湾は海悪く、北風ビュービュー。スミイカ乗り悪く
金沢八景には未明に到着。5時30分前ぐらいだと思ってください。
テンヤスミイカ船が出船している一之瀬丸。右舷のトモ2番目から5席を確保。
ここでコンビニへいき、兵糧を物色。いつもの流れです。
おにぎりエリアにすっぽんスープを置き、アドオンを狙う商法。思わず手に取ろうとおもったものの、そうは問屋が卸しませんぞという具合に、人が設計したマーケティングの流れには逆らって泳ぐ主義です。
やがて、夜明け。
平潟湾が燃えていく・・・。
乗船後釣り方がわからない人向けに渡辺船長からレクチャーがあり。わからない人は素直に聞いておいた方がよいですよ。ほんと。
はじめは八景沖(中ノ瀬?)あたりへ。
ピンク夜光のテンヤから。シャコはやや大き目をチョイス。
風が強く、ノーバイト。
後半戦は深場と浅場。サバフグ地獄の下に良型スミイカがいる
大きく移動して、金田湾の沖目へ。
回りでアタリがでるも、「うわ、泳いでる」「わ、こっちも泳いでる」みたいな苦しそうな声がでて。
わたしにもガツンとヒット!
良型スミイカ・・・
と、おもったら大間違いだ。
もしもし、俺、俺だよ俺。
俺?
貴殿でしたか(シロサバフグ)
が、今回のわたしは睡眠もしっかりとっているので士気100.サバフグでメンタルをやられることもありませんぞ。
という具合に丁寧に底上50cm以内をシャクって探り続けると・・・。
ガツン!
ぐ、デカイ。
これは、サバフ、いや、泳いでないよね。
ということは・・・。
良型スミイカデス!
うれしさ。
いやー、一杯釣れると気持ちが軽い。
時は11時ちょっと前。昼前になんとかかけて折り返せるということで精神面も安定。
となりのjomoさんはテンヤ竿の長さからくるキャストのしづらさに苦しみながらも、一杯。
みていると、スッテの色をどんどん変えたり、輪ゴムの色を変えたりして、無事テンヤスミイカ地獄にはまっている様子。しめしめ。ここは、一気にリードに持ち込んでやるぜ。
よし、俺のターン。
ピンクテンヤにウルトラスッテDX夜光ピンク(アワビシート貼り)を召喚。キャストしてボトムを感じて、鋭く短くしゃくってターンエンド。
5秒ほど短めにステイして、からの、再度シャク…。
ガツン!
堅いテンヤ竿が一気に止まり、衝撃が手首から脳天まで駆け巡るぜ。
ニヤリ。
上がってきたのは、沖上がり時測定「700g超」のスミイカ。デカい。
東京湾のスミイカの生態データをみていたら、どうやらこのイカは年内は成長するものの、年明けからはそれほど成長しない模様。ということは11月後半から12月にも最大サイズが釣れるのでしょう。思わずにやけてしまい記念撮影。
この時点で、3杯行きたいと宣言しつつ、続行。
久里浜沖。
サバフグコンボ。
弱、中、強という具合に小型から大型のサバフグがむれていて、シャコがズタズタになり、その現象にうんざりしているメンバーも。
ここはスッテをはずしてアピールを抑えてという攻め方を選択。
テンヤスミイカ竿の高射砲がこちらです
あともう一杯。
木田さんはおつかれの様子
もう一杯。
夜光グリーンテンヤに変更して、チップ(かすりアタリ)が1回。明らかにヒットして巻き上げ途中に軽くなったのが2回。
そろそろ試合終了かな。
と、集中力を取り戻し、キャストしてから船下で探っていたテンヤを軽めにシャク…
ガツン!
大きくはない。だけども300gぐらいはありそうな水の抵抗ではある気がする。泳いでないし、これはフグではないと思う。じゃあなにかというと、これはスミイカだと思うよ。だって泳いでないからさ。
さ。
さ。
さ。
貴殿でしたか(カワハギ)
おまえかー。うん、いや、うれしいけどー。
掛かりどころが背びれの後ろ側で、泳ぐにあんまり泳げなかったんだね。血抜きして、美味しくいただくので、ゆるせよ。
そんなこんなで沖上がり。良型2杯。1杯は700g強。
船中は0-5杯。
海悪く、とくに前半北風がビュービューで、長いテンヤ竿が煽られ海底にステイさせたテンヤのまわりにスミイカを感じるのが難しかった印象。後半は風波がすこしおさまったことと、船下を丁寧に釣ることを意識したので、追加で1杯増やせたなと。
スミイカの数を伸ばせなかった理由はなんだったの?
深場移動でリールを変更したが、キャストには扱いにくかった
数が伸ばせなかった理由としては、リールを変更したことによりキャストしづらくなったというのが一点。後半の浦賀航路移動時に、バルケッタ300HGに巻いてあるラインが70m弱しかなく、深さ的にちょっときついかもと思い、移動中にバルケッタプレミアム150DHXG(PE1.5号200m)に変更したんですね。
そしたら、このバルケッタプレミアムはフォールレバーがついているということもあってブレーキ調整がうまくいかず、軽度のバックラッシュが発生したりして飛距離が伸びなかったのです。前半は30m今日飛ばせたものが、後半は30m飛ばせることもあれば、15mぐらいでトラブったり。
スミイカの場合、ポイント流し変え時は船下を狙うのがオススメなんですが、それ以降はやっぱりキャストして広く探ることで釣果が伸びるわけです。単純に自宅の周りをうろつくよりは、渋谷などの繁華街にいったほうが、出会えるイカの数が増えるんです。おい、おまえは何を言ってるんだ。
このあたり、巻き上げ大変なのと、手返しが悪くなるのでスピニングリールに変更しようとは思わないのですが、両軸リールでもより投げやすいモデル(ブレーキ調整)である「アンバサダー」だったりを買おうかなと思ったり。
スミイカ釣りでは、他に「シマノのオシアコンクエスト」のハイギアや「ダイワのミリオネア」あたりがよくつかわれているようです。
所有しているリールだと「アブのブル―マックス船」だと、ブレーキ調整がメカニカルブレーキだけではなく「Magtraxブレーキシステム」があるのでよいのかもと。
いずれにせよ、ノーマルバルケッタではトラブルなしに遠投できたので、もっとPEを巻いておけばよかったなーという反省です。まさか深場にいくとは思ってなかったので。
小僧、甘いな。ここは戦場だ。スミイカのアタリは気を抜いた瞬間にくるものだよ
昼過ぎに浦賀航路付近でしゃくっているときに、食後というのもあって一旦中だるみしたんですね。で、東京湾をゆくタンカーなんか眺めたりして。
すると、来るんですよ。
ガツン!
と。
が、ボケーっとしていると、シャクリのあとの2段アワセに反応できず、即バレということがありました。ぐぅ。勝手にかかって釣れる釣りではないので、竿をしゃくっているときは常にアタリが来るという前提でいないとなーと思った限りです。
スッテにアタリが集中したときに発生した「身切れ」
ある流しで、バタバタっとまわりでスミイカが釣れていたんですが、その場所のみみんなスッテにバイトしていたんですね。
で、スッテをつけてシャクったり、ボトムにテンヤをつけたままスッテだけをゆすってみたり。すると微妙なモタレ気味のあたりがあったんですが、即アワセをしてしまったわけですよ。
そしたら、かかりが触腕部分だけだったようで、身切れしたという。
レオナルド=ミギーレ(Leonardo Migire 1452~1519)は15世紀末から16世紀にかけて、ローマを中心にスッテで身切れによるバレを連発した釣り人。スミイカのパスタが好き)
いきなりなんだこいつ。
・・・
ということで、身切れをしたということは抱きが甘かったというわけで、もうすこしスッテをゆすりつつ、重みを感じてからシャクればよかったかもなーと。
このあたり、スッテだけとかテンヤだけとはことなり、合わせ技による弊害かもしれません。片方だけの釣りであれば、迷いはないものの。二兎を追う者は一兎をも得ずとはよく言ったものですな、大将熱燗2合ください。
「テンヤスミイカ道」をすこし前進したかもしれない
さて、まとめです。
この日11月30日に釣行した人は同感だと思うのですが、なかなか酷い海だったんですね。うしろで操船している渡辺船長が無線で「なんだよこの風は、やになっちゃうよー。どこいってもフグ云々」みたいなことをいっているような状況でした。
とはいえ、個人的には、前進した気もするんですね。
胴の間でもなんとか2杯釣れたし、2杯ともサイズがよかったし。アタリも出すことはできたし、後半風が弱まってからは、船下でスミイカの気配を感じながら釣りができたし。
何より、シャクリを力まないで、丁寧にできたなと。
テンヤスミイカの竿は物干し竿みたいなもので、シャクろうとおもうと、道具が重いこともあり自然と力をいれてしまうわけです。
で、釣行後全身筋肉痛(別名「テンヤスミイカ痛」)にみまわれる。が、今回は、シャクリは「かける」じゃなくて「誘い」というのが、自然と繰り返せて、釣行後も余裕綽々でしたよ。おほほほ。
これは次回海が落ち着いているときにいけば爆釣間違いないのではないかなと。
ということでまたレポートします。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
お世話になった船宿
関連アイテム
▼今回利用したタックル。海人スミイカは比較的手に入れやすいスミイカ専用竿。テンヤの着底を感じつつ、シャクリもしっかりできます。リールはハイギアタイプでキャストしやすい慣れたものがオススメ。わたしはやったことはないんですが、長竿でのキャストは公園で練習してもよいかもですね。