遊漁船の船釣りでは、釣り物にもよりますが「釣る人」と「釣れない人」に明らかな差が出ることがあります。今回は船釣りで釣れない人を観察していて共通してある特徴を紹介します。
運以外で、平均的に釣れる確率をあげたい人はぜひ参考にしてみてください。
①そもそも準備がおろそか
釣れない人は釣行前の準備があまりできていない印象です。行き当たりばったりで釣行したりすると、対象魚や釣況に応じた道具や釣り方がわからず、なんとなく釣ってしまうことにつながります。
「あれ、ハリス○号を忘れた」
「そもそもオモリの号数が違っていた」
などなど、準備不足から勝負にならないこともあります。
備えあれば患いなし。
釣行前の準備はしっかりするとよいでしょう。
②タックルにこだわらない
船釣りには専用竿と汎用竿があります。特に専用竿ではないと魚が釣れないなどはありませんが、特定の釣り物に対して、まったく適していない釣り竿をつかったりする人を見かけます。
たとえば、メバル釣りに短い先調子の竿をつかったり、マゴチの釣りに穂先が極端に硬い竿を使っている人はやはり釣果が伸びません。
隣で見ていると、アタリを弾いているのが見て取れたり。
どんな釣り物にも適した道具があるので、釣果を伸ばすためにはタックルにはこだわったほうがよいでしょう。はじめはレンタルタックルでもよいですが、レンタルは毎回異なる道具のため、手になじむまでに時間がかかったり、性能にばらつきがあります。
長く船釣りを続け、釣果を上げたいなら、自分にあった竿とリールを用意したほうが近道です。
③仕掛けやルアーにこだわらない
性格面にもよりますが、仕掛けやルアーにまったくこだわらない人は釣果を伸ばせていないことがほとんどです。
道糸やハリスが傷んでいるものを使い続けたり、針先が甘くなった針を使い続けたり。せっかくアタリがあっても、道糸の高切れやハリス切れ、フックアウトなどの確率が高くなってしまいます。
④仮説と検証ができていない
船釣りで毎回釣果が伸びない人の中には、物事をあまり深く考えないで、ただ餌を落として釣っているような人がいます。
ビジネスと一緒ですが、はじめに仮説をたてて仕掛けや釣り方を試し、反応を検証して、釣況によって打ち手を柔軟に変えている人は、平均的な釣果が高いことがほとんどです。
船釣りでは、時に粘ることも重要ですが、意味もなく粘ることは、ただただ時間を浪費していくばかりです。
釣果は二の次ならば、それはそれでリラックスできてよいとは思うのですが、釣果を上げたい場合は、刻々と変化する水中を想像しながら打ち手を変えていくとよいでしょう。
⑤観察ができていない
船釣りで釣果が伸びない人は、周りの観察があまりできていない印象です。
潮色、潮の速さはもちろんのこと、回収した餌の様子など、観察によってわかることは多岐にわたります。他に、まわりの釣り人の様子を観察し、打ち手を変えることで平均的な釣果は確実に上がっていきます。
特に「釣れている釣り人」には注目してみるとよいでしょう。
- どんな餌をつかっているのか?
- 仕掛けはどんなものか?
- 誘い方はどうやっているのか?
など、釣れている人のコピーを一度はやってみるとよいでしょう。釣り座の要素を超越して釣果を上げている人には、なんらかの釣れる要素があるはずです。
また「釣れていない人」に注目して、なぜ釣れていないかを釣れている人との差で考えてみるのも一つです。
⑥細かい作業が苦手&集中できていない
釣果が伸びない人は釣りに集中できてないこともしばしばです。
- 投入の手返しが遅い
- 餌のつけ方が雑
- 手前マツリしながら投入している
- シャクリが雑
- よそ見しすぎている
など。
細かい作業が苦手で、目の前の釣りに集中できていない人は結果的に平均釣果が高くありません。
⑦そもそもの釣り方が違う
どんな釣り物にも確立されている釣り方というものがあります。
あまり釣果が伸びない人はそういったセオリーをあまり調べず、自分の思った通りに釣りをしがちです。
たとえば、エビメバルの釣りで、生きたモエビにオキアミをつけるように鈎掛けして、死んだエビを投入している人がいます。こうなるとなかなかメバルのアタリがでないで、釣果が伸びないわけです。
チャレンジする釣り物について自分のなかで一定釣果をあげられていないときは、一度スタンダードな釣り方を調べたり船長に釣り方を聞くとよいでしょう。
⑧船長や中乗りスタッフのアドバイスを聞かない
釣り船の場合、船長は釣り客の様子をみて、それぞれがきちんと釣れているかどうかを確認しています。
やはり船長としては、釣り客全員に釣らせてあげたいという気持ちがあるはずですし、ボウズがでてしまうのは翌日以降の集客にも響いてくるわけです。
そのため、あまりにも釣れていない釣り人には船長や中乗りスタッフがアドバイスをすることもあるわけですが、このときに、言うことを全く聞かなかったり、聞いてもすぐに自分の釣り方に戻してしまう人がいます。
それで釣れていればいいのですが、周りは釣れているのに、まったく釣れていないのはやはり自分の釣り方などに原因があるわけです。
- LTアジ釣りで底べったりにビシをおいたり、底をたたいている
- 海面からタナをとる指示がでているのに、底からタナをとって魚を散らしている
- 派手に誘わない方が釣れると言われているのに、派手にしゃくっている
- タコ釣りで、底の形状を考えず小突きつづけて根がかりを連発している
などなど。
船長のアドバイスは、まずは素直に聞く。
これがどんなベテランになっても平均釣果を上げるコツです。
⑨諦めが早い
船釣りで、平均して釣果が良くない人にみられる特徴としては、諦めが早いという点があります。
冗談ならばよいのですが、まだ時間があるのに、「今日はダメだ」と決めてしまい、竿を早じまいしてしまったり。魚は海の中にいるので、仕掛けを垂らしていないかぎり釣れない可能性が100%。
海の中に仕掛けがあれば、1%でも釣れる可能性ができるわけです。
自分で可能性を減らしていることに気づかない人はあまり釣果を伸ばすことができません。
⑩基本を守らないで自己流を試しがち
船釣りで釣果をあげられない人ほど、釣り物ごとの基本の釣り方を知らなかったり守らないことが多いと言えます。
どの釣り物でもセオリーがあり、それは先人がいろいろな条件下で試してきた結果、一定の効果があると認められたから残っているわけです。
- LTアジでイソメを長くつけすぎる、イソメの端ではなく真ん中に餌をつける
- タコ釣りで蟹の背を上にしてテンヤに縛る
- マゴチの釣りでサイマキのエサに小型のチヌ針を使う
などなど。
平均釣果が低い人ほど、これらのセオリーを知る前に、自分の頭だけで考えてしまい、結果的に見当違いな釣り方を継続してしまう傾向にあります。
まずは、釣り物ごとの基本を知り、それから応用として自分の釣り方を試してみましょう。
⑪手返しが悪い
数釣りでも大物釣りでも、投入の手返しは大切です。
餌釣りであれば、餌をきちんとつけた状態でいかに海中に長く置いておくかは釣果の最大のポイント。
1回の再投入スピードの遅れが1日になると、かなりの時間になるわけです。
釣り座を整頓して、仕掛け類も最適化して手返しを上げましょう。
間違いなく平均釣果は上がりますし、次の一投で大物が釣れるかもしれませんよ。
⑫釣りが上手くない人に教わっている
釣りをスムーズに上達させるためには、自分より上手な人にならうのが一番です。
一方、どれだけ経験年数を積んでも釣りが一向に上手でないという人が一定数存在します。
そうした人のなかにもアレコレ人に教えるのが好きな人もいます。
が、そもそもの釣り方の勘所がズレている場合は、学ぶだけ無駄になってしまうこともあります。
- 間違った道具選び
- 間違った釣り方
などなど、経験しなくてもよい間違いをしないためにはどうしたらよいのでしょうか。
これは、自分から見て釣りが上手と思える相手ではなく、他人からも釣りが上手いとされている人に学ぶとよいでしょう。
そのほうが、上達の近道であるのは間違いありません。
まとめ
今回は、船釣りでいつも釣れていない人の傾向について紹介しました。
もし「釣れなくてもいい」というスタンスであれば、人に迷惑をかけないかぎり自由に釣りをすればいいとは思います。
一方、釣り船に乗るならば多くの人がより多くの魚を釣りたいはずです。
心当たりがある人は、一つ一つ改善してみると、釣果につながるかもしれません。ぜひ試してみてください