釣り船には「乗合」と「仕立て(貸し切り)」の2種類がありますが、いずれも「釣る人」と「釣れない人」というのが明らかに存在します。
釣り物によっては、釣り座による影響も大きいのですが、すぐ隣の不利な釣り座が釣れているのに自分だけ釣れないということもしばしば。
今回は、船釣りで「自分だけ釣れない時」に確認したいポイントを紹介します。
一人だけ悔しいを思いをしたくない人はぜひ参考にしてみてください。
①タナ(仕掛けと餌の位置)があってるか?
なぜ○○が釣れたのか、なぜ○○は釣れないか?を自問自答するのも一つ
まず船釣りで重要なのが「タナ」です。
エサ釣りでいえば、仕掛けと餌の位置だと思ってください。ルアー釣りであれば、ルアーがある場所です。
どんな釣り船でも、狙っている本命の魚がいるわけですが、本命魚がいる場所と異なる場所に餌があっても一向に釣れません。
「水深○○m、底から2mでやってください」というようなややざっくり目のアナウンスがあったとき、その意味がわからない場合や、釣り物相当詳しくない限りは、必ず船長にタナとタナの合わせ方を聞き、腹落ちしてから釣りをしましょう。
どんな釣り物でもそうですが、活性が高いときや運まかせで釣れるときは雑なタナ合わせでも釣れますが、シビアなときにはタナにドンピシャであわせ、魚の鼻先に餌をもっていかないと釣れないというシーンがあります。
②タックルがズレてないか?
明らかに釣り物にあってないタックルNG
タックルとは、竿やリールなどのことを指します。
このタックル選びに変なこだわりがあったり、こだわらなさすぎる人がいます。タックルが釣り物とズレている場合は釣果につながらないこともしばしばです。
たとえば、コマセマダイの釣りで、他の釣り人が3m強の胴調子の竿をつかっているのに、自分だけ2m程度の先調子気味の竿をつかったとします。
仕掛け・タナ・コマセの撒き方も、待ち時間なども他の釣り人と同じ。それなのに自分だけ本命のアタリがでず、小物しか釣れない。これはなぜなのか。
そんなときに原因は竿にあることが推測されます。波による船の上下運動を他の釣り人は竿の長さと柔らかさで吸収してコマセカゴがそれほど動いていないのに、自分のコマセカゴは上下してしまい、本命の真鯛が警戒して遠のいてしまっているのかも。
このように、釣り物ごとに適した竿というのは確かにあります。「この竿を使いたいから」「この竿が使いやすいから」という考えの前に、タックルとしてその釣り物に適しているのかを今一度見つめなおしてみるのも一つです。
③仕掛けが独自過ぎないか?
一人だけ釣れてないときは考えをリセットして船宿仕掛けにすると釣れることも
どんな釣り物にも、セオリーとされる仕掛けがあります。長年、様々な釣り人や船長により、試行錯誤されて最適解とされてきた仕掛けの数々。
船釣りの仕掛けは、同じ魚を狙う場合も地域や船宿によって異なります。なかには明確なロジックの裏付けがなく、慣習的に引き継がれているものもありますが、多くは以下の理由からです。
- 潮の流れの違い
- 狙うポイントの地形の違い
- 釣り方の違い
この仕掛けの選択も熱中していくと、やがて自分のノウハウをこめた手作り仕掛けになりがちです。そのノウハウの方向性があっていればよいのですが、時として「答え」とは別の方向に進んでいる場合もあります。
船中で自分だけ釣れていないときに、同じ仕掛けを使い続けるのも一つですが、思い切って「船宿仕掛け」にしてみるのも一つです。
オリジナル仕掛けをつかって釣行する場合は、予約時に船長に注意点を確認しておくとよいでしょう。自分の考え方が狙うポイント・釣り方にあっているかを事前に確認できれば、手間をかけてつくる仕掛けも無駄になりません。
④道具の使い方はあってるか?
道具ごとになぜ使うのか意味を理解して使いましょう
タックルや仕掛けを「道具」と呼んだときに、この道具のつかい方が間違っている人というのは確かにいます。
どんなに優れた道具でも使い方が間違っていれば、本来持っている性能を出し切れません。
たとえばクッションゴム類をコマセ系の釣りでつかうときに、装着する場所は天秤の先のハリスとの連結部分です。人によってはこれを天秤の道糸側に装着していたり。これでは、コマセをシャクル際の力をクッションが吸収してしまい、適切な位置でコマセが撒けなかったりします。
どんな道具も、その存在の意味と、使い方を正確に理解してつかうとよいでしょう。わからなければ船長に聞く。これた鉄則です。
⑤エサの種類やルアーのつけ方はあってるか?
エサ釣りもこだわりの方向がズレると、あれこれ無駄なものを付けたり
エサ釣りでもルアー釣りでも同じなのですが、装着方法が間違っていたり、余計なものをつけているから釣れないというのはよくある話です。
LTアジの釣りで、渋めのときに「アピール力をあげよう!」と思って、アオイソメを1本つけたり。
そうするとイシモチやカサゴがかかりやすくなったりするのですが、アジの場合、バイトしたときにハリまで吸い込みにくくなるので、フッキングする確率が下がります。
ほかに、オキアミを使った釣りで、ハリへの差し方が曲がっていたり、ごちゃごちゃとワームなどをつけすぎると、潮受けしてしまい餌が水中で回転して、魚に違和感を持たれてしまうこともあります。
釣り人の中には釣れないと、いろいろと餌をデコレーションしてしまう人もいて、気持ちはよくわかるのですが、デコレーションしたときと、してないときと比較したとして平均釣果はどうでしょうか?
個人的にはシンプルが一番な気がします。
⑥釣り方が独自過ぎないか?
どの釣り物にも基本の釣り方というのはあるのですが、慣れてくると独自の道に進みがちです。この道がたとえ曲がりくねっていても「釣果」という答えにむかっていればよいのですが、中にはまったく見当違いの方向に続く道で、やがて迷子になってしまう人も。
やっぱり、基本の釣り方の意味合いというのは大切です。
たとえば独自の釣り方は、「むかし○○をしたら爆釣した」というような経験に裏付けされていたりするんですが、海の中は365日異なりますし、○年前の海と、目の前の海のコンディションは全く異なるわけです。
過去の栄光にすがりすぎてしまうと、基本の釣り方だったり船長のアドバイスに耳を貸さなくなったりします。
船長としては、全員に釣らせてあげたいという想いでアドバイスをするものの一向に聞かないでドツボにハマっていく釣り人というのもしばしば。
やはり釣り方は状況によって変えていくもので、独自の釣り方をいつまでもやり続けるのは、考えなおした方がよいかもしれません。
⑦まわりを見ないで視野が狭くなってないか?
周りの釣況を見ず、視野が狭くなっているから、釣れてないということもよくあります。
これは船釣り初心者のうちというよりも、ベテランのほうが多い現象です。
自分の腕や経験に自信があるがあまり、ヒントをまわりにもとめず、自分がおろす竿の先のみに求めてしまう例です。
「おかしいな。なんで釣れないんだろう。こういうときは、○○したらアタリがでるはずなのに」
ここで他の釣り人の状況を観察してみたり、船長にアドバイスをもらうという要素もとり入れてさらに多角的に考えていければよいわけです。
やはり釣れている人には釣れている理由があるので、なぜ釣れているのか?を聞いたり、観察しながら、自分の頭で考えるのが、平均釣果を上げるコツです。
⑧船長にアドバイスをしてもらうのを遠慮してないか?
釣れなくても楽しいのが釣りではある!けれど…
自分だけ釣れてない人の特徴として、船長や中乗りスタッフにアドバイスを積極的に求めなかったり、せっかくのアドバイスを無視してしまうという点があります。
後者は、独自路線にクセのあるベテランに多いのですが、前者は船長や中乗りスタッフにアドバイスを求めることを遠慮しているわけです。
いろんな船長と中乗りスタッフがいますが、その多くは釣り客に魚を釣ってほしいと思っていますし、なにより楽しんでもらいと思っているはずです。
一見強面の船長でも、話してみると、思いやりがあって良い人だったというのは良くある話です。
船長や中乗りスタッフといえば、言葉遣いが荒い場合もしばしばありますが、そのあたりは前提条件として積極的に相談してみましょう。
ヒントというよりも、ドンピシャな答えが手に入ったりすることもしばしばです。
状況によっては、船長や中乗りスタッフのオススメのルアーを貸してもらえたり、仕掛けをもらったりと、おまけがついくてくることも。
まとめ
今回は、釣り船で「自分だけ釣れない時」に確認したい8つのポイントを紹介しました。
釣りの目的は人それぞれで釣果がすべてではないというのありますが、たくさんの釣り人がみんな釣っているのに自分だけ釣れなかったり、ボウズだったりするあのかなしさはなんとも言えません。
自分だけが釣れないという状況に陥りたくない方、または釣行中に「自分だけがボウズ」という状況になったら、今一度今回紹介したポイントを見直してみるとよいかもしれません。
やっぱり誰でも魚は釣りたいもんです。