どうも平田です。
年々船の「エギタコ」が人気になっていますね!
素朴な味わいのあるテンヤと比べると、手軽さもあり、攻め方も多彩。
ところで、みなさんはエギタコのリールって何をつかってますか?
わたしは、2020年まではアブのWM60というイカツイリールをつかってたんですね。
アブ・WM60。ビグ・ザム級の筐体。やらせはせん!
ロープロリールなのに、ビグ・ザム級にデカいヤツです。
ハイギアではあるものの、最大ドラグ力も10キロ。
だから、大ダコがヒットしたり、中ダコが岩を抱いてきても余裕でゴリゴリ巻いてこれたんです。
ドヤ太郎。底にはりついた超大型マダコ4.8キロもゴリゴリ巻き巻き
とはいえ、気になっていたのはエギタコには「貴殿ちょっと重いよねー」という点なんです。
なんせ、自重406g。
手持ちで誘いつづけるにはちょいキツメイシ。
オシアコンクエスト300番でさえ、340or345gなので、その重装歩兵ぶりがよくわかるかと思います
ってことで、先日サクッと買ったダイワ「フネ XT 150P-OP」の使用感について紹介したいと思います。
ダイワの「フネXT」シリーズについて
フネXTは、ダイワが販売している船釣り用のリールです。
「幅広いターゲットに対応できる スーパーメタルフレーム採用のパワフル手巻きリール」という売り文句。
ダイワの船手巻きリールの中では、「フネX」の強化版だと思っておけばよいと思います。
シマノには「ゲンプウ」があって、その上に「ゲンプウXT」がある構図と一緒です。わかりやすい。
主な違いは、ダイワ側が「マグフォースブレーキ」と「スーパーメタルフレーム(フネXTのみ)」という点。
その分、実売価格もフネX&フネXTのほうがちょい高めです。
フネXTは150番台の販売なのですが、もともとハイギアとパワーギアモデルがありました。
ダイワの打ち手とテイルウォークのエギタコリールとの比較
そこに今回、エギタコを視野にいれた150P-OPモデルが加わったわけです。
これはマーケティング的に素晴らしい打ち手だなと感じてます。
今後もタコの湧きによるシーズン差はありながらも、エギタコは伸びていくマーケットだと思われ、そこに攻め手を投入する。
結果的にシマノより同マーケットで先行することができます。
どう考えても今シーズン(2021年夏~)にエギタコ専用リールを買うなら、ダイワのフネXTーOPだよなーという状況になっています。
何を隠そう、亡くなった祖父の遺言により「両軸リールはシマノしか買わない派」に所属している、このわたしがダイワのリールを買ったぐらいです。
快挙。
さて。
もともと、エギタコ(船タコ)専用リールといえば、テイルウォーク(エイテック)しかなかったわけです。
テイルウォークのタコ用リールは、以下の通り。
「オクトパスライト」と呼ばれるモデル
- ELAN OCTOPUS WIDE VTN(エラン オクトパス ワイド VTN)(NEW)
- OCTOPUS LIGHT-PLUS(NEW)
- ELAN WIDEPOWER OCTOPUS SPII(エラン ワイドパワーオクトパス SPII 64BR)
- OCTOPUS LIGHT REEL
それぞれ、高ドラグ力×ブレーキ性能等が特徴です。
そこに2台巨頭の一社、ダイワからの殴り込み。
テイルウォークの船タコリールが実売価格15,000円~というマーケットに、実売13,000円台で販売されるリールを売り出したのです。
もともと、エギタコリールはその振り切った特徴から汎用性が低いものです。
比較的流用しやすいのが以下の通り。
- ヒラメ泳がせ
- 岸からのぶっこみ釣り(特にラインアラームがついていると便利)
- 大きめの根魚
- ノーマルタックルでのビシアジ(とはいっても電動が圧倒的主流)
なので、多くの人が購入検討をするときに「うーんやっぱり買わなくていいかなー」と、買い控えしやすいアイテムかと思います。
ということもあり、いかに釣果を高めたいからといって、高額のエギタコリールを買うかというと、そうでもない気がします。
オシアコンクエストとかミリオネアあたりは、汎用的に使えるものの、あまりにもローギアにふりすぎたリールはちょっと使い勝手が狭まる。
だからそれほど、投資しにくいわけです。庶民は。
テイルウォークは新しく2万円台のエギタコリールまで追加していますが、やはり、よりライトで低価格なリールのほうが台数が出るはず。
そこにきてフネ XT 150P-OPは、1万3,000円台。
これなら「買ってもいいかなー」という、ちょうどいい値段感であるわけです。
▼競合商品テイルウォーク「オクトパスライト」のインプレ記事
フネ XT 150P-OPのラインナップと特徴
出典:ダイワ
「フネ XT 150P-OP」は、右ハンドルのみ国産4本編PEライン150mが巻かれている商品があります。
従来の150P(パワーギアモデル)に対して、ギア比が4.8になり、1ハンドル回転アタリの巻き取り長が51㎝。
最大ドラグ力は5キロから9キロにUP。
筐体のカラーが、テイルウォークのタコリールのカラーに寄せられている印象で、黒地に差し色が赤。ゲンプウXTにもよく似てます。
その他、基本機構は従来品と一緒で、実売価格は1000円ほど高め。
だいたい13,000円台で購入可能です。
フネ XT 150P-OPの使用感
さて、実際に購入して愛でてみた様子と、つかってみた印象です。
まずボディの大きさから。
右が、フネ XT 150P-OPなんですが、かなりコンパクトですね。
もともとのフネXTがコンパクトなわけなんですが、左側のビグ・ザムWM60と比較すると「小錦」と「寺尾」みたいな感じです。
んなことをいっても、おっさん界隈しかわからないですね。
ハンドルは、シングルのパワーハンドル。
フネXT-150Pと比較すると、ハンドル長さが5mm長くなっていて、より力を入れやすい仕様に変更。
たまに傾き者よろしく、以上に長いハンドルをつかっている武将がいるのですが、あんまりハンドルが長すぎるとキャストしづらくなり、回しづらくなります。
なので、ちょうどよいバランスだと思います。
正面。
手前から見た様子。
フネタツ・深場タチウオ200(現在、エギタコに使っている竿)に装着。
白い竿には全く合わないんですが、まーそれはそれで。
シマノで言えば、ゲンプウレベルのボディなので、パーミング性能もバッチリ。
さて、実釣にいってみましょう!
ボディの塗装が艶黒単色なので、発色というか、光沢具合がちょい安っぽく見えるのがネックです。
これは実際に手に取って見るとわかるはず。
個人的にはマットブラックがよいなーと。
川崎→本牧→中ノ瀬と1日やってほぼ、あたりなく、2ハイ。
中ノ瀬でやっとこさ、持ち帰りサイズに出会いました。
船中半分ぐらいはボウズだったんじゃないかなと。
日にもよるかもしれないのと、今後ポイントが広がってくるとまた違ってくるんでしょう。
使用していて、感じた点は以下の通り。
- MAGFORCEブレーキはサイドカバーを開けないでダイアルで負荷調整できて便利。シマノのSVSは都度蓋を開ける必要があり
- 大体50%程度のブレーキをかけておいたところ、深刻なバックラッシュはゼロ
- 下手投げで35mぐらいはトラブルレスで簡単に、すーんと投げられる
- 700g程度のタコはスイスイ。お隣さんとオマツリしていたんですが、それでもサクサク巻き上げられた
フネ XT 150P-OPで5キロの鉄アレイを釣りあげてみる
さて、ここで気になるのが大ダコが掛かったときに、スムーズに巻き上げられるのか?という点です。
というのも、高ドラグ力のタコ専用リールという存在は大ダコとか、岩に貼りつかれた中ダコあたりを強引に引きはがすためにあると思っているからです。
それ以外のライトなエギタコであれば、最大ドラグ力5キロぐらいのノーマルギアorパワーギア&パワーハンドルのリールであれば全然問題ないはず。
よくアブのブル―マックス船をつかっていて、ドラグが滑ったというのを聞きます。
これは、以下の 理由じゃないでしょうか。
- 根にはりつかれてしまった
- 獲物大きすぎ
- PEラインのスプール接続が今一つで空回りしている
- ドラグワッシャーにオイルがしみこんでしまっている
とかなんじゃないでしょうか。
ブルーマックス船でも、2キロ級ぐらいまでなら、なんとか底から剥がして釣れる気がします。
が、いつか出会うかもしれない4キロ、5キロ、6キロといった超モンスターマダコあたりと一騎打ちするには不安が残るわけです。
平場だったらいいけど、根にはりつかれたらまず引きはがせないという。
そんな超モンスターがヒットした瞬間にスプールが逆転せず、合わせて、ゴリゴリッと根から引きはがせれば、あとは釣り人の勝利です。
もち身切れしなければ。
ということで、大ダコはいつ釣れるかもわからないので、室内で5キロの鉄アレイをつかって実験してみました。
実際のタコとの違いは以下の通り。
- 海中のタコは軽くなる
- だけど、タコは腕を広げて上がってくるから潮受けして重さが倍増
- 根にはりつかれると、さらに重さが倍増
- 岩や貝殻を抱いているとさらに重さが倍増
穂先が折れるのが嫌なので、フネタツ深場タチウオの強力なバット部分を使用します。
ドラグをフルロックして巻いてみると・・・。
・・・
・・・
・・・
あ、上げられるか・・・
ちょ、これは無理か・・・
・・・
やらせはせん!
・・・
・・・
・・・
ま、巻けるぞ!
浮いた!
という具合に、ロッドをつかわないでリールだけで巻き上げても、ドラグが出ないで巻けました。
このあと、竿を水平にしたわけなんですが、フネタツ深場タチウオのバットとリールシートもよく耐えてました。
実際に無理くり5キロの鉄アレイを持ち上げたときは、リールとロッドの接続部分がたわんでいる印象が手首から伝わってきました。
おそらくリール側というよりも受け皿のリールシート側と思われます。
高ドラグ力や巻上力が高いリールを快適につかうには、竿側にも高剛性のリールシートが必要なんでしょうねー。
ドヤなんですが、2021年はフネ XT 150P-OPを使ってます。大ダコをゴリゴリ底から引きはがせました!
こちらは脚が6本の2キロ級
フネ XT 150P-OPのエギタコ以外の使い道について
ライトなぶっこみ釣りにもよさげ
さて、勢いで購入したフネ XT 150P-OPですが、エギタコ以外には以下の用途につかう予定です。
- 手巻きノーマルタックルビシアジ
- ライト手巻き泳がせ
- マゴチ
- ライトアジ
- 船クロアナゴ(かなりニッチですね)
- 岸からのエギタコ
- 岸釣りからのライトぶっこみ釣り(メーターウツボも余裕で引っこ抜けるハズ)
軽いので、特に船で女性や子供に釣り具を貸すで、浅場&巻き上げ負荷を軽減したい場合にはよさげです。
ライトアジとかマゴチとか何気に巻き上げ負荷が強いですからね。
ライトアジではすでに何度か使用しているんですが巻き上げが異常に軽い
3フィンガーグリップできない年齢では、簡易竿受けに竿をおき、グリップを握ってもらいウインチ的に巻く技も
船釣りではクセがついていないときに3フィンガーグリップになれるとよいと思ってます。が、ちびっこはパーミングできません。簡易竿受けに竿をおき、グリップを握り、パワーギア&ハンドルリールでウインチ的に巻く技があります。動画の子は5歳で、40号ビシ+中アジがついてます。ちゃんと巻けてますね pic.twitter.com/33QXfKcP9r
— ORETSURI(俺釣)の人 (@tsuyoshi_hirata) July 19, 2021
ビシアジをハイギアのWM60でやったときは巻き上げ負荷が半端なかったのですが、キーパーに置いた状態のフネ XT 150P-OPならスイスイ巻けそうな気もしています。
ネガティブな話をすると、もともとエギタコ自体がドラグを一切使わない釣りなので、ドラグ性能は高くありません。
ライトアジでドラグをゆるゆるにして置き竿にしていたんですが、すべりだしが良くないですね。
なので、細ハリスで大物を獲るとかの釣りには当然向いてません。
まとめ
ひと仕事を終えた感が漂うフネ XT 150P-OP
さて、わたしはダイワのベイトリールは買わない主義だったんですが、ついに封印をやぶっただけあるリールでした。
実釣でも、去年のWM60を使ったときと比べて疲労感が軽減され、小突きもやりやすいという。
あと、余談なんですが、「左手にロッドを持ちながら、右手をバットに添えて小突く」というテクが持ち手を変えずエンドレスにできます。
これは、軽くてハンドルが長いので、ラインのたるみをリールシート下から回した指で回転させやすいからです。
それにしても、今後シマノが、エギタコを視野にいれたリールを出してくるのか気になるところです。
ゲンプウXT-TAKOEGI(イージーマグ機構搭載)とか、ベイゲーム150XPG-TAKOEGI(SVS搭載)とかね。
はたまた、タコというような名称は出さないでギア「XPG(エクストラパワーギア)」みたいなのを出してくるとか。
単体で製品を新しく出すというよりも、もともとある両者から新モデルがでるというほうが考えやすいですね。
現行のゲンプウXTでも、エギタコはできますが、サブブレーキがついていない点と、モンスタークラスなどではちょっと役不足感はあります。
それまでは、エギタコシーンでは、コスパの点でダイワ一強なのでしょう。
または、人と違うリールが欲しい&さらなる強さをもとめて、テイルウォークを買うという人が多そうです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
追記
しばらく使い続けてみて気づいた点は以下の通り。
- 現時点で最も合理的な選択肢なので船上でかぶりやすい(船上で)並び4人がフネ XT 150P-OPでした(笑)。
- 2キロ強の個体でも巻き上げは楽
- キャストに不慣れな人が使うとパワーハンドルのバランスが悪いのでクラッチ戻りがおきてキャストミスや怪我につながりがち
※パワーハンドルについてはオクトパスライトなどの競合機種もバランサーなしのため、同じ条件です。投げるときに曲線の軌道で手や腕を動かすとハンドルが回転してしまいクラッチ戻りがおきます。クラッチが戻るとラインが放出されなくなるため、エギやオモリが反動で自分や第三者に飛んでいき危険です。無理のない範囲でキャストしましょう。心配な場合はバランサー付きのハンドルにカスタマイズしましょう。
▼キャスト主体のエギタコでは、バランサー付きハンドルか、ダブルハンドルに変更したほうがトラブルレス。
ゴメクサスのダブルハンドル(FH105)につけかえたフネXT
▼ゴメクサスのハンドル(取付部8×5mm用)がフィットします。
ギャラリー
フネ XT 150P-OPの右巻き・左巻き。巻き上げは利き腕がオススメ。
利き腕とは逆巻きの場合は利き腕で小突きをしやすくキャストからの持ちかえがないというメリット
ダイワ・エギタコXと合わせたセッティング
パーミングはこの通り。アワセ負荷・巻負荷が大きい釣りなので3フィンガーでグリップするのがおすすめ
フネXT150Hとの比較
▼「フネ XT 150P-OP」を使った東京湾エギタコ釣行です。
<参考リンク>
関連アイテム
▼フネ XT 150P-OPなのですが、ECサイトでは国産4本編PE3号150m付きと糸なしがほぼ同じ価格or糸付きのほうが安かったりすることもあります。糸付きおすすめです!
飛距離重視なら8本編の3号に巻替え、強度をさらに高めるなら4号を巻いちゃいましょう。
▼もっと汎用性が高いリールがよいなという場合は、ノーマルの「フネ XT 150P」もおすすめです。