相模湾で、秋口あたりから釣れる底ものの超高級ターゲットの一つにアマダイがある。
もともと関西で珍重されていた魚であるが、最近では関東でも高値で取引されている。
アマダイ自体は年中釣れるといわれているものの、潮が澄んでいる期間や食味のあたり、他の釣り物との収益バランスを考慮してから各船宿では秋~春先ぐらいまでがシーズンだ。
先日、FMヨコハマのちょうどいいラジオに出演させていただいたときに、
DJの光邦さんへ、
「神奈川の秋冬の釣りでオススメなのはアマダイですねー!」といったものの、それほどアマダイを釣ってないということに気づき、
今回、茅ヶ崎港の一俊丸さんへ。
茅ヶ崎港一俊丸さんは分煙がナイス
こちらの船宿では船上での分煙をルール化している。非喫煙者としてはありがたい。
喫煙者の権利にも配慮しつつ、船宿がみんなこうなってくれればよいなと。
夜明けが遅くなる秋冬の釣りもまた、いとおかし。
だんだんと夜明けも遅くなるわけで、秋冬の釣りは出船とともに夜明けになりなんともいえない味があるなー。
船釣りあるある
さっそく船へ乗り込み、タックルをいそいそと用意しはじめる。いそいそ。
暗い時間にタックルを用意するとありがちなのが、PEラインのガイド通し忘れだ。
手早く道糸をガイドに通したつもりなのに、いつのまにか2番や3番ガイドあたりを飛ばして天秤やら仕掛けやらを用意してしまう現象。
で、
船長の「どうぞー」の声とともに仕掛けを落とし込むと、ん?なんだか落ち方が怪しいよな、絡んでいるのかなーと穂先をみてみると、
あ、ガイドが通ってないやんけ。
ということになり、他の釣り客に遅れをとってしまう自分の確認不足ながらよくある話だ。
それと、過去の釣行で両軸リールが軽くバッククラッシュしたあとに、よくしらべないでタックルをセットすると、あれ、ラインの出が悪いぞ・・・と思い、調べてみると、あ、下糸にあたるPEと絡んでいるのか。
これもよくある。
ということで、備えあれば憂いなし。
リールをはじめとしてラインとガイドがあたりは念入りにチェックしておいたほうがいい。
風が強い日は、このようなラインをガイドに通すアイテムをつかうのも便利だ(簡単な仕組みなので自作もいいだろう)
夜明けの海
そうこうすると、だんだんと夜も明けてくる。
烏帽子岩と江ノ島。
ほほう。おそらく今日のアマダイポイントはあの奥あたりだろうな。
LTアマダイ釣りは人気であって、この日は土曜日ということもあり満席のようだ。
今回はおっさん2名との釣りである。写真右の下衆大将、この人もよう釣りするようになったなー。
ということで出発。
アマダイ釣りには、オキアミの大き目サイズ(LL・3Lなど )が使われることが多い。
いままで利用したオキアミでは、マルキューの船丸(発泡スチロールに入った不凍品。スーパー生加工)が一番良質である気がする。
イソメやホタルイカなどでも狙えるらしいが、いろいろな球種で狙うほど釣り慣れていないのでオキアミオンリーで今日も行きたい。
アマダイ釣りはオキアミのつけ方が重要
どの釣りでもそうだが、アマダイ釣りのポイントでも重要なのは、釣り針へのオキアミの付け方だ。
黒い両目がそろって全体的にひしゃげていない優良オキアミをポイントへの移動時間にチョイスし、一定数尾部分をハサミでカットし針にまっすぐつける。
市販のアマダイ仕掛けを選ぶときは、エサがずれないようにケンという返しが釣り針の軸に1つもしくは2つついているものがいいと思う。
また針の形状は好みだが、丸海津のように軸が長いものを選ぶとアマダイやゲストの黄鯛に飲み込まれてハリスが傷つくのを防ぎやすいし、オキアミの姿勢も安定させやすい。
※後述するが、シャクリにより仕掛けを誘い上げているときではなく、落とし込んで仕掛けをたるませているときにバイトがあるとほぼ100%針が飲まれ、ハリスがざらつく。大物狙いのときにラインブレイクする原因になるのでハリスは毎回チェックしたほうがいい。
アマダイ実釣スタート!
はじめは水深50メートルから。
初心者も多いとの判断で、浅場から慣れるという趣旨だった模様。
シュルシュルシュルー。
あ、となりで下衆大将が速攻で手前祭りをしているぞ。。。
軽くアドバイスがてら、ディスっておこう。
アマダイの釣りの場合、ハリスをまず潮に流して錘をもちながら天秤をそっと海面におくようにし、ハリスを潮にながしつつ落とし込んでいくとよい。
このときオキアミのつけかたが甘いと回転しながら沈んでいくので、その場合はすぐ回収して付け直したほうがいい。
本当は下衆大将の一投目をみていたので、「あ、こいつ見ないで落としたな。餌回転してるし」と、思いながらも、放置しておいたのだ。
物事実際に失敗することも大事だからな。ざまあみやがれ。
と、思ったら、「はじめからおしえとけーバカー」というような逆切れをしてくるので、「黙れこの野郎!」と一喝しておく。
おっさんや爺というものは、古今東西甘やかしてはいけない。
そんでもって、奥の青さんは、アマダイ2回目ということで手慣れた様子。(丁寧に誘っていて、今回一番釣っていた)
うーん。にしても、アタリがない。
着底して、リールを巻き海面からロッドを1メートルあげる。
5秒程度まつ。
そこからさらに1メートル竿をゆっくりしゃくる。
ゆっくり竿をさげて仕掛けを落とし込んでいく。
ん、なにか当たったような。
・・・
・・・
・・・
あ、貴殿でしたか(エソ)
ハリスが飲み込まれてズタズタに。
このサイズのあたりにも、もうすこし敏感に気づくためにロッドは先調子かつ柔らかめのものがよさそう。
今回、3人ともシマノのライトゲームBBで、青さんが8:2のM・下衆大将が7:3のMH・わたしが7:3のHということで、わたしはちょっとオーバーススペックだったかなとこのあたりで感じつつ、続いて現れたのが黄鯛。
アマダイのタナより上ずって仕掛けが流れるとよくかかると言われている魚。
底潮が速いので仕掛けがふきあがり、黄鯛のタナをよこに流れていることが想定される。
うーむ。それにしても飲まれる。
釣れる魚はだいたいしっかりとした歯があるので、飲まれるともれなくハリスが傷つき、仕掛け交換を余儀なくされることに。
丸海津の釣り針だけも持参したので傷んだ部分から再度結んでもよいものの、効率を考え仕掛け全交換でいくことに。
が、
この日は二枚潮+底潮の流れが早めで、船が満席ということもありオマツリが各方面で連発して仕掛けがかなり消耗するという次第になった。
はじめに1セット2つ入りのアマダイ仕掛けを3セットもっていったところ、途中でオマツリにより戦線離脱しまくり船長から2セット買うことになった。
と、ここで、我らが下衆大将氏に小さめながらアマダイが。が。
「わあ、うれしいなー。アマダイちゃん、かわいいねー」とか言っているのが、妙にセクハラっぽく聞こえてくる。
まさに下衆。
この男がいつか仕事場でセクハラとして刺されないか心配ではある。
わたしには、ムシガレイ2尾・・・
一尾は逃がしたものの、もう1尾は針を飲まれたので唐揚げにしようと。ムシガレイの唐揚げはうまいのだ。
アラの幼魚。うーむ。貴殿には、あと数年後に出会いたかった。。。
ポイント移動、70メートルから90メートルへ
さて、そろそろ本気を出しますかね。
「フッフッフッ。電動リールと手巻きリールの性能の差が、
戦力の決定的差ではないということを・・・教えてやる!」
着底!
底立ち。
ラインを巻き取り穂先を海面にもっていき、そこから水平に竿をもってくる。
これで1メートル!
5秒待つ。
よし、そこからさらに1メートルしゃくる!
そして、ゆっくり沈下させていくのだ!
ググん。
む!
キタゾ!
これは、貴殿たちではなく、まさしく本命アマダイの引き!
巻き巻き、
重い。
そして、途中で暴れるこの引き・・・
巻き巻き、
という具合に90メートルえっちらほっちら巻いてくると、
おほほほほ。良型アマダイ36センチ。
や、やった…
この日は、前述の通り底潮が速かったので、ガン玉をつけることによって餌を底すれすれまで落とし込めたのがよかったなと。
40号→50号の錘だったので、巻くのが比較的楽だった。これがライトゲームの利点だな。むふふ。
ここで青さんは順調に良型アマダイを釣りつつ、当社の下衆大将といえば・・・
・・・
この通りの表情。
釣れず。
下衆大将安定の撃沈か!
ここでポイント移動で、再度流し直しに。
わたし「北條、予言しておこう。ここで貴殿釣れるよ。間違いない」
下衆大将「え、馬路で。がんばる」
素直に頑張るところがこの下衆氏のよさである。
・・・
・・・
下衆大将「うお、キタぞ!アマダイ!○△※✖!」
なにをいっているかわからないので、どうせ貴殿でも釣ってるんだろうとみたところ、
この通りのドヤ顔。
やりましたな。下衆。
よかったよかった。
その後、底潮の流れに対してガン玉をうった仕掛けで狙ったからか、もう1匹良型アマダイがわたしにもヒット。
おいしい貴殿、アカボラことヒメコダイも2匹ゲット。
目ん玉が飛び出ている。
アカボラはうまいとのことで、たのしみに持ち帰ることに。
ラストミステリーふしぎ発見!
アマダイが釣れるごとに、
「アマダイ顔見たよ」
「アマダイいいサイズ釣れたよ」
「次は90メートいきます」
と、説明が丁寧な後藤行介船長から、「あと20分ほどであがりますねー」
というアナウンスがあった。
そのとき・・・
あ。
キタ。
うわ。重いぞコレ!
しかもグングン引いていく。
PE1.5号でハリス3号では対応できそうもなさそうな引きが・・・
ドラグをフルロックしたら切れそうな・・・
わたし、「これ、まさか真鯛では・・・けっこうグングン引きこんだし」
中乗りさん「アカボラがオキアミにきてそれをヒラメが食い込んだりしたのかも・・・」
巻けども巻けども、上がらない・・・
水深100メートルぐらいだしなー、もしかしてドチザメかなー。
と思って、20分ほど巻いてはラインを出されと繰り返したところ、
ようやく上がってきが魚影は・・・
まさかの、座布団ヒラメか!?
・・・
・・・
・・・
あ、
貴殿でしたか(アカエイ)
あまりにもずるずるいくもので、反対側の釣り人の天秤まで巻き取りつつ上がってくるという豪快さ・・・
もう一度見てみよう。
気が動転しているからほんとはヒラメかもしれないしね・・・
あ、
正真正銘の貴殿ですね(アカエイ)
ここで、中乗りさんから「危ないし、姿もみれたので、もう切ってもいいですか?」と聞かれ、
「て、天秤だけは助けてください。あちらの方のやつもあるし」といいつつ、
プツンと切られたハリスをアカエイ氏は引っ張りながら水底へ消えていったそうな・・・
最後のあたりを青さんが動画にとってくれていた。
うーむ。諸行無常。
色即是空。
キャビン上で波風をよけていると、となりにいた方が、
「ナイスファイトだったですね」と微笑んでくれ、たしかにナイスファイトではあったのだよなーと左手首が腕相撲のあとのようにジーンといたんでいるのを右手で押さえつつ、だんだんと江ノ島が遠くなっていく・・・
帰りは江ノ島の一風堂で味噌スペシャルラーメンを食べたものの、味が薄いなと。高いなと。
釣りのあとは、くるまやラーメンの塩っ辛すぎる味噌ラーメンと縄文時代から決まっているだけに、くるまやラーメンにおきましてはがんばって店舗を増やして味がバラツキまくっている各店舗の統制をとっていただければと思うばかり。
今回隣りの下衆氏に注視していただけに青さんへの言及がなかったが、わたしなんかよりもバンバン釣っていた。
わたしからは以上です。
平田からのアマダイ釣り初心者向けアドバイス。
- オキアミはちゃんといいやつを選んでつけよう
- 底潮が速いときはハリスにガン玉をつけて底すれすれに落とそう
- ロッドは感度がよくハード過ぎないものがいいよ
- 道糸はPE2号が基本だけども、1号で錘40号ぐらいだと手巻きも楽。天秤の形状もシンプルで潮切れがいいものを選ぼう
- ケミホタルと水中ライトをつけたけど釣果の差はタナと落とし方で変わると思う。
<当日のタックル>
- ロッド:TYPE82 H200、ライトゲームBB H190(予備。こちらを使えばよかった)
- リール:SHIMANO(シマノ) リール 17 バルケッタ 300 HG
- ライン:東レ スーパーストロングPE船F4 200m 1号
- 常備薬:船酔い防止にはアネロン
- その他:ワニグリップ(黄鯛は素手でつかむとすぱっと手が切れるので注意)
- 天秤:リーディングアームⅡ、快適天秤ストレート(巻き上げやすさは快適天秤ストレートのほうが使いやすかった)
- 仕掛け:ハリスが2.2mなどのものを合わせてつかうよりは2mで固定されているものを使い、ガン玉のあるなしで差をつけたほうが安定して攻めることができそうな気がする