海の岸釣りで最もお手軽な釣りの一つ『ちょい投げ』
専用の投げ竿をつかって100mなど飛ばす釣りではなく、イソメなどをエサに軽めのオモリで気軽にキャストして、色んな魚が釣れることから初心者や子供や女性にも人気の釣りです。
ちょい投げでは、釣り竿は3号ぐらいまでの磯竿を使ったりしますが、コンパクトなルアーロッドを使うとさらにお手軽です。
淡水であればバスロッド。海の釣りであればエギングロッドやシーバスロッドなどでも十分成り立つのですが、そんなコンパクトロッドのちょい投げに適している仕掛けが『ジェット天秤です』
ジェット天秤とは
ジェット天秤は富士工業から発売されている投げ釣り用アイテム。
オモリの先端にオレンジ色のプラスチック製のスクリュー(羽が3枚)がついていて、リールを巻くことによりこの部分が回転します。すると、手前に巻いてくればくるほど浮き上がるわけです。
では、なぜ仕掛けが浮き上がるとよいのでしょうか。
堤防釣りなどでは足元に根と呼ばれる堤防基礎の石積みや海藻があるので、仕掛けの回収時足元で根がかりしてしまうこともしばしばです。
一方、ジェット天秤のように浮き上がる仕掛けを使うと足元で頻繁に仕掛けが根がかってしまうような心配が少なくなります。まさにジェット天秤はちょい投げのために生まれてきたアイテムといってもよいでしょう。
ジェット天秤のラインナップ
ジェット天秤には重量やサイズに応じて3つのラインナップがあります。利用するシーン、既に持っているタックルによって選ぶアイテムが変わるので注意しておきましょう。
ジェット天秤は一番重い
Size 希望小売価格(円) 15号 400 18号 430 20号 460 23号 500 25号 510 30号 570
出典:https://www.fujitackle.com/product/detail/2JO
まず一番大きく重いラインナップが『ジェット天秤』
オモリの号数が15号(約56g)から30号(約112g)までといった比較的ヘビーなラインナップです。
このサイズですとルアーロッドではショアジギングロッドでないと投げられないですし、ちょい投げといったサイズ感ではないので、堤防から気軽に釣りたい人はパスした方がよいでしょう。
このアイテムは主にサーフからキスの投げ釣り等をするときに使うことを想定したものです。
エギングロッドやシーバスロッドでこのサイズを投げるとロッドを破損してしまう可能性もあります。注意しましょう。
ミニジェット天秤は一番ちょうどいいサイズ
Size 希望小売価格(円) 6号 300 8号 320 10号 350 12号 370
出典:https://www.fujitackle.com/product/detail/2JO-S
『ミニジェット天秤』はオモリの号数が6号(約22g)から12号(約45g)までのラインナップ。
主にミディアムクラス前後のシーバスロッドを使ってちょい投げをする場合に適した天秤です。ちょい投げとはいえ、比較的重量があるので、ポイントがやや遠い場合など、PE1号程度の道糸を使えば堤防や岸壁から最大100m程度は飛ばすことも可能です。
シーバスロッドでは8号(約30g)が使いやすいのですが、潮の流れが強く隣の釣り座が近い場合はさらに重いものを、それほど潮が流れないでポイントも近い場合は6号(約22g)7号(約26g)を使うとよいでしょう。
こちらはコンパクトロッドでも使える『ミニジェット天秤』
折り曲げるとだいたい手の平サイズ。
ミニ ジェット天秤は『チョイ投げ専用』とのこと。
ミニ ミニ ジェット天秤
Size 希望小売価格(円) 3号 270 4号 280 5号 290
出典:https://www.fujitackle.com/product/detail/2JO-SS
『ミニ ミニ ジェット天秤』は、3号(約11g)~5号(約18g)までのラインナップ。
バスロッドやエギングロッドでのちょい投げ釣りに適したサイズです。
堤防や岸壁などでポイントが50m以内、特に流れが速くなく隣の釣り座も近い場合はこのサイズでも安心です。
ちょい投げにもっとも適したサイズ感なのかもしれません。
3号(約11g)であればライトクラスのバスロッドでも問題なく使用でき、5号(約18g)はエギングロッドにちょうど良い重さです。
ミニ ミニ ジェット天秤は堤防からの釣り以外にもボート釣りでのカレイやシロギス狙いでも活躍します。
スパイク天秤や鯉オモリのように海底で固定される仕掛けと異なり、海底で転がる傾向にあります。
一般に仕掛けが転がってしまうと使いづらいイメージがありますが、アンカーを打って狙うカレイやシロギス釣りの場合、ほどよく餌の位置が移動していくため、考え方によっては使いやすいと言えます。あまりにも流される場合は問題ですが、潮がとろとろと流れているような状態では好都合です。
ジェット天秤のかしこい使い方
ただ餌をつけて投げれば釣れる便利なジェット天秤のちょい投げですが、使い方を覚えておくとさらに釣果を上げることができます。
電車釣行派にはパックロッドも便利(写真はショアガン)
まずルアーロッドを用意しておきましょう。
2m前後のルアーロッドを使う場合は本格的な投げ釣り仕掛けよりボート釣りや船釣りのシロギス用仕掛けが適しています。これは仕掛けの全長が短いためトラブルなく投げられるからです。
エサはアオイソメが基本です。シロギスやハゼをメインで狙う場合はジャリメが適しているのですが、アオイソメよりやや割高のためこだわりがなければイソメを選びましょう。
キャストする際は一投ごとに周りをみて安全を確認してからロッドに負荷が生じないようにキャストします。
バス釣りなどのルアー釣りの場合、垂らしを短めにとって反動をつけてキャストするのが一般的ですが、重めのオモリをつける海の釣りの場合、垂らしを長めにとり基本的には天秤の重さでキャストするのがロッドを破損しないですむコツです。
シロギスを狙う場合は、着底後、30cmから1m程度竿を横にさびいていきます。途中でストップさせてキスが口を使う間を与えると効果的です。
浅場で水深2,3メートルのところでもシロギスは狙うことができます。
こちらはクロダイの幼魚。秋に多く釣れます。
フグもたくさん釣れますね。釣れた場合は堤防の上に放置せず海に返してあげましょう。
ジェット天秤につけるエサを変えれば大物も狙える
ちょい投げでジェット天秤の仕掛けにつけるエサは、イソメが一般的ですが、つけ方やつける餌によっても釣れる魚が変わるので色々と試してみましょう。
サバやサンマの切り身
サバやサンマの切り身をつけることで魚食性の高い魚を狙うことができます。
ジェット天秤をほぼ足元に置いておいたところ釣れたカサゴ。根回りの砂地では餌のニオイで誘い出せるかも
<サバやサンマで釣れる魚>
- カサゴ
- アナゴ
- イシモチ
- アカエイ
- フエフキダイの仲間
イソメの房掛け
<アオイソメの房掛けで釣れる魚>
- アナゴ
- イシモチ
- カレイ
カレイを釣る際は、アオイソメの房掛けが定番。岩イソメを1本含めると集魚力UP
ジェット天秤を利用する際の注意点
ジェット天秤は根がかりしにくいがロストの可能性もあり
ジェット天秤は根がかりの回避性能が高いものの、完全にロストを防ぐことができるわけではありません。ポイントに慣れているかの違いもありますが、予備をふくめて最低3つは持っていきましょう。
毎投周りをしっかり見てキャストする
ちょい投げ釣りをしている人をみると、人が頻繁に通るところなのに周りを確認しないでキャストしていたりします。
ジェット天秤はオモリの塊ですし、その先には針をつけて投げるわけですから、万が一人に引っ掛けてしまっては大変です。一投ごとに周囲を確認してからキャストしましょう。
ロッドパワーに応じたジェット天秤を使用する
ジェット天秤はちょい投げでよく用いられる仕掛けでまわりで使ってる人も多いと言えます。一方、キャストをしていてロッドを折っている人もしばしば見かけます。
これは、ロッドのパワーと使用するジェット天秤の重量があっていないため折れていることがほとんです。前述のラインナップを確認して自分がもっているルアーロッドに適したアイテムを選びましょう。
キャスト時の高切れに注意
ロッドを折る以外によく見かけるのがキャスト時に高切れさせて仕掛けごとロストしてしまう例です。
道糸が弱っている場合などで起きるのですが、釣行前にしっかり道糸のほつれなどをチェックしておき、釣行後も弱った部分などをカットしてメンテナンスするなどしてキャストするようにしましょう。
雑な釣り人ほど頻繁に海にジェット天秤を奉納しています。
ガイドへのラインからまりに注意
夜釣りなどでよくおきるトラブルですが、ロッドの穂先に道糸が絡んだままジェット天秤をフルキャストしてしまうとロッドが折れてしまいます。
毎投穂先へのからみがないか道糸をすこし垂らしてみて確認してからキャストしましょう。
根が比較的荒いエリアの場合は着底後動かさない
ちょい投げ釣りは砂底や砂泥底がベストですが、根回りを狙うことで大型の魚を狙うことができるのも事実です。比較的根が荒いエリアでは、キャスト後のずる引きなどはせず、着底後はそのまま餌を潮になびかせる程度にしておくのがオススメです。
回収時はロッドを高くしてリールを速めに巻いて回収する
堤防や岸壁などの岸釣りポイントの場合、足元から数十メートルが根であることもしばしばです。
こうしたポイントでゆっくり仕掛けを回収していると根がかりの原因となるので、回収すると決めたらロッドをできるだけ高くたててリールを速めに巻いて回収しましょう。
特に2m程度のルアーロッドの場合は、投げ竿などより根がかりやすいので注意です。
置き竿にする際はドラグをゆるめたり尻手ロープをつけておく
ジェット天秤につける餌によってもことなりますが、活餌や切り身などで狙っている場合、アカエイやサメ、またはその他の大物がかかることがあります。
とくに身近な魚がアカエイですが、置き竿にしておき、大型のものがかかると、釣り竿一式を一気に持っていかれてしまいます。
悲しい思いをしないためにも、リ―ルのドラグはゆるめておき、竿尻に尻手ロープなどを装着して竿が持っていかれないように注意しましょう。
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