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折れた穂先の美しい修理法を和竿職人に学ぶ|釣人割烹さんからの寄稿

TOPガイドの修復

ORETSURIをご覧のみなさん、こんにちは。

サラリーマン・アングラーの釣人割烹です。

愛用する釣り竿が破損すると、まことに悲しいですよね。

  • 道糸をつい巻きすぎ、仕掛けを結ぶサルカン等でトップガイドに強い衝撃を与えてしまう
  • 船釣りでオマツリした相手の仕掛けを巻き込んでしまう
  • 砂浜や堤防での投げ釣りで大遠投を試みたら、竿先に道糸が絡まっていたのに気づかなかった

そんなこんなで穂先がポッキリいくわけです。

筆者もビギナーのころ、よくやりました。

でも、穂先が折れたくらいで捨てるのはもったいない。穂先を修復し使い続けましょう。補修の仕方についてはORETSURIにもいくつか記事があり、とても参考になります。

さて、筆者は最近、懇意にしている和竿師にトップガイドの修理を頼みました。今回はプロの技術を紹介しましょう。

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釣り竿の穂先修理の流れは「ガイド接着→糸巻き→コーティング」

プロのわざを見る前に、筆者の自己流穂先再建法を紹介します。

流れはざっと以下の通りです。

① 折れた部分をきれいに整える
穂先が折れ、カーボンやグラス繊維がギザギザに毛羽だった部分をニッパーやハサミで切断し、サンドペーパーで磨きます。

② サイズの合うトップガイドを選ぶ
トップガイドは、安いものなら1個100円ほど。通販でも買えるのですが、削って磨いた穂先を釣具店に持参し、実際に差し込んでみた上で購入する方が確実。

ピタッとはまって動かないか、差し込みにくいくらいのものを探しましょう。必要に応じて穂先にする部分をさらに削り、磨いてガイドをフィットさせるのです。竿の素材や特性によっては折れた穂先につくトップガイドが再利用できる場合もあります。

③ 接着剤でガイドを固定する
トップガイドをつける穂先部分に接着剤をたっぷり塗り、ガイドを差し込みます。接着剤がはみ出したら布でふき取りましょう。接着には「アロンアルファ」を使うとよいでしょう。すぐに固まるので直ちに次の作業に入れるが、トップガイドを差し込む角度を間違えると修正が難しいところもあります。慎重を期すなら、エポキシ接着剤などゆっくり固まるものを使いましょう。

④ 穂先に補修糸を巻く
ガイドを接着剤でつけるのは「仮留め」に過ぎません。入念に糸を巻き、エポキシで固めることで強度を出していきます。糸はミシン糸など細いものならなんでもよい。

⑤ エポキシで固める
補修糸を巻いた上から必要なら塗料を塗り(筆者は水性ポスターカラーを使ってます)、乾いたらエポキシ接着剤でコーティングします。エポキシが固まれば作業は終了。

この写真は、船用カワハギ竿の穂先が折れ、トップガイドと第2ガイドを新たに自分でつけたものです。

先調子で穂先に非常な敏感さが求められるカワハギ竿。穂先が折れたぶん竿先は硬く、鈍くなるわけで、「これはダメかなぁ」とあきらめかけました。でも、直した竿でもカワハギはしっかり釣れています。

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和竿師はコーティングに「合成漆」を使う

筆者は関東地方の某和竿師と親しくしており、彼の竿をふだんから愛用しています。

2本継ぎで手元が竹、先はグラスソリッド材。リーズナブルな値段ですが、頑丈かつ実用的で柔らかさと粘りを備えた逸品です。

先日、愛用する竿の1本でトップガイドにトラブルがあり、彼の工房に穂先を持ち込んでガイドのつけ直しをお願いしました。「この場で直しましょう」と言うので、そばで作業を見守ることができ、撮影も許可してくれました。

流れは筆者の自己流と基本的に同じで、最後にエポキシではなく「合成漆」でコーティングするところが違うだけ。でも、さすがはプロ。作業の質は雲泥の差です。

接着剤ですが、彼は「セメダイン3000ゴールド」を竿作りに用い、ゼリー状(青剤)と液状(赤剤)の2種類を使い分けています。

まずは穂先を削って磨き、青剤を塗ってガイドを固定します。

そのあと、糸を巻く部分に「青剤」を塗り、その上に糸を簡単な「止め結び」で固定します。

余分な糸をハサミで切ります。

次に巻きつける糸を右手にしっかり握り込み、力をかけて引っぱり、穂先の方を左手でゆっくり回しながら巻いていきます。肝心なのは、糸を巻き進める方向。

手元寄りから穂先のガイドに向かって巻いていきます。この糸巻きが穂先再建で最も肝心な部分のようです。わかりにくいので、動画でどうぞ。

写真でも、しっかり糸を張りながら巻いているのが分かります。

筆者は自己流で、強度に不安がないようにと補修糸を二重に巻いていますが、和竿師の場合は1回巻きで終わりです。
このあと糸をハサミで切り、巻いた部分に「赤剤」を入念に塗布。

そして、5分間ほど穂先をゆっくりと回転させ、ときどきフーフーと息を吹きかけながら、接着剤をなじませます。接着剤が乾けば糸は1回巻きでも一体化し、ガイドを強固につなぎ止めるでしょう。

乾いたあとは、合成漆をきれいに塗るために、目の細かいサンドペーパー(320番)で穂先を磨きます。

こちらがサンドペーパーで磨いた状態。

磨いた穂先のうえに、合成漆を塗り乾かします。

 

すばらしい仕上がりですね。

折れた穂先を自力で再建すると、少し調子は変わってしまいますが、世界で唯一の竿になります。

破損は悲しいですが、再建を「カスタマイズ」と前向きに考えるとよいのではないでしょうか。

自力で直した竿で釣果を上げると自作の仕掛けと同じで、実にうれしいものです。

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寄稿者

釣人割烹

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