せっかくの釣行予定日が、あいにくの雨。
そんなことってよくありますね。以前、雨は釣果にプラスの効果をもたらすこともあると解説しました。
一方、晴れた日と違って、雨の日独特のリスクもうまれてきます。
今回は、雨の日の釣りのリスクと、快適に過ごすノウハウを紹介します。
雨の日に釣りをするリスク
足を滑らせて落水しやすい
雨によって、靴底と着地点との摩擦抵抗が減るため滑りやすくなります。
苔が付着したテトラや護岸、粘土状の土手などは、湿り気を帯びることによって特に滑りやすいと言えます。
油断をしていると滑って落水してしまいます。
晴れた日以上に注意しましょう。
岸際の浸食
大量の雨が河川に流れると、地形が変わります。
このとき、特に危険なのが岸際の浸食です。
もともと岸際は水流により、足元から内側にえぐれていることがほとんどです。浸食によってさらに崩落しやすくなっている場合があります。
何の気なしに足を踏み入れたら岸際が崩落。怖いですね。
釣り場に着いたらすぐに仕掛けを投げたいものですが、不用意に岸際に近づかないようにしましょう。
増水・鉄砲水・ダム放水による危険
河川の場合、降雨後の増水による危険があります。
ダムが上流部にある場合は、放水によって急激に水位が上昇することがあります。このとき、放水前に、アラートの放送やブザーがなります。特に上流部での釣りは気をつけましょう。
また、最上流部については鉄砲水の恐れもあります。
鉄砲水は、河川上流部の川幅が狭いところが土砂でせき止められ、あるときに決壊して、下流部に急激な土石流が流れていくことを指します。
山間の河川では以下の点に注意しましょう。
- まだ雨が降っていない場合でも、上流部の雲行きが怪しい場合
- 河川の流れが急に少なくなってきた
- 泥水のように濁りはじめた
これらの条件は以下の状況を示しているかもしれません。
- 上流部では雨が降っている
- 河川が自然のダムによってせき止められてしまい、流量が少なくなっている
- わずかな流れに土砂が混じっている
落雷
7月8月の夏場を中心に積乱雲と一緒にやってくる大雨の場合、落雷の危険も高まります。
雨の有無にかかわらず、雷が鳴り始めたら速やかに避難しましょう。
道路の冠水(車への浸水)
大雨が降ることによって、釣り場周辺の道路が冠水することがあります。
このとき水深が浅いと思い、過信して車ごと突っ込んでしまうと、意外と深く、車の中から出られなくなってしまうことがあります。
特に土地勘がない場所での運転は気をつけましょう。
釣り具が傷みやすくなる
雨によって釣り具が濡れることによって、リールなどの釣り具は劣化しやすくなります。
晴天時の釣行以上に、帰宅後の釣り具のメンテナンスに気をつけましょう。
風邪をひきやすい
雨の日に釣りをすると、体が濡れることにより体温がじわじわと奪われます。
体温が下がることにより、免疫力が下がり、風邪などを引きやすくなります。
もともと体調が悪い場合などは雨の日の釣りを控えたほうがよさそうです。
雨の釣りを快適に過ごすノウハウ
濡れない服装・体温の維持
雨の日に釣りをするとき、一番大切なのが濡れない服装と体温の維持です。
防水性能と透湿性能が重要で、できる限り濡れないようにし、湿気がこもらないようにしましょう。
ゴアテックスなど最上級の素材を用いたレインウェアでも、使用しつづけることにより性能が低下している場合もあります。
毎シーズン、防水性能などを確認して問題があれば買い替えるようにすることをおすすめします。
個人的には比較的安価な釣り具メーカーやワークマンなどのレインウェア上下を、比較的短期間で買い替えることをお勧めします。
これらは5000円~7000円程度なのですが、1年に一回買い替えて3年つかっても15,000円~21,000円です。
ゴアテックス素材のウェア自体は最低20,000円程度。
3年以上ゴアテックスウェアをしっかりメンテしながら使用できるかどうか、今一度、考えてみるのも一つです。
着替えの持参
意外と忘れがちなのが、着替えです。
釣行後に移動する際に、車でも電車でも着替えをしてからのほうが快適です。
濡れた服・靴下・靴をつけていることで体温が奪われ続け、体に負荷がかかりやすくなります。
車などに退避できるようにしておく
車が横付けできる釣り場などは、常に車に退避できるようにしておきましょう。
一方、港湾施設などでは落水の危険もあります。
しっかりとした靴を履き、アクセルとブレーキの間違えなどに注意しましょう。
時合などに集中して短時間釣行
魚には釣れる時間と釣れない時間があります。
雨天の釣りはとくに疲労しやすいため、時合にだけ釣行して集中するというのも一つです。
餌をぬらさない
降雨によって餌が濡れると、状態が悪くなってしまい、ハリ持ちが悪くなったり集魚力が低下します。
- アオイソメ:真水で弱る
- オキアミ:真水でゆるんでしまう
- アミエビのコマセ:水分量が多くなりすぎてしまう。
釣り餌は蓋ができる容器やバケツにいれて雨から守るようにしましょう。
釣行後に入浴プランを予定しておく
雨が降っているときの釣りは何かと消耗します。
そんなときに、あらかじめ近隣のスーパー銭湯や温泉などの入浴プランを計画しておくと気も楽です。
営業時間や休業日などを事前にチェックしておけば安心。冷えた体も温泉で温まりリラックス。
車で帰る場合なども、休憩室で仮眠をしてから混雑時をさけるとよいでしょう。
まとめ
今回は、雨の日の釣りにひそむリスクと、快適な釣りをするためのノウハウを解説しました。
雨だから釣れる魚もいれば、雨だからこそやめたほうがいい釣りもあるわけです。
雨の日に釣りに行く際は、安全面や健康面にも十分に配慮して楽しんでください。
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▼雨具は釣り具メーカーのスタンダードクラス(7,000~8,000円程度)やワークマンのアイテムがあればまずは十分。
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