釣った魚を美味しく食べるためのコツをご存知でしょうか?
- 適切な締め方をする
- 適切な下処理をする
- 保冷と温度管理
- 保存期間と適した料理
この4点を押さえておけばだいたい大丈夫ではあります。
▼詳しくはこちらの記事でチェックください。
今回はさらに美味しく魚を食べるコツとして「魚に塩をふる」意味を紹介します。
魚に塩をふる意味
釣った魚でも買った魚でも、下処理をする際に塩をふるテクニックがあります。
では、塩ふりにはどのような効果があるのでしょうか?
実は以下の3つの意味合いがあります。。
- 味付けの意味
- 水分をぬいて保存性を高める意味
- 水分と一緒に臭みをぬく意味
それぞれ説明していきます。
①味付けのために塩をふる
一番わかりやすいのが「味付けのために塩をふる」という意味です。
塩焼きにするときが一番イメージがつきやすいと思うのですが、適した量の塩で味付けをすることで、魚の皮と身に塩分が浸透して味わい深くなります。
カルパッチョはソースをかける前に身に塩をふると一体感がでて美味!
たとえば、カルパッチョを作る際に、刺身そのままを盛りつけてソースをかけて食べてみましょう。
すると、どことなく、一体感がありません。
次に、刺身に塩をふってしばらくしてから、ソースをかけて食べてみましょう。
実は後者の方が一体感がでて、味をしっかり感じられます。
これは塩をふることで身に塩分(味)の通り道ができソースと一体感がでるからです。
塩振りというひと手間により、一味違うので、ぜひやってみてください。
②塩をふって水分をぬいて保存性を高める
イシモチは刺身にするまえに塩で水分をぬくと食感がもちっとして美味
塩をふることにより、魚の水分を抜くことができます。
一般に、水分が多い魚ほど鮮度劣化しやすく、早く腐ります。
そういった魚の下処理をする際に塩をふっておきましょう。
身に含まれる水分量を減らすことにより、保存性を高めることができます。
<水分が多い魚の例>
- アマダイ
- イシモチ
- ベラの仲間
たとえば、釣りあげて適切な下処理をしたアジに塩を振ります。
次に、出てきた水分(ドリップ)をしっかりふきとって保冷しておくと、1週間程度は食べることができるようになります。
③塩をふって水分と一緒に臭みをぬく
青物のアラは臭みが出やすい部位。塩ふり+霜降り処理で下処理
魚に塩を振る意味としてもう一つあるのが、「臭みを抜く」という観点です。
種類にもよりますが、釣ったばかりの魚や、適切な処理をした魚には嫌な臭みはありません。
一方、死んでから時間が経過した魚や、処理が不十分な魚には臭みがあります。
この臭みは主にトリメチルアミンと呼ばれる物質です。
この魚の臭み問題にも、塩ふりが効果的です。
魚の種類・部位・鮮度状況によって、使い分けるとよいでしょう。
<塩をふることが効果的な魚の種類や部位>
- 青魚(鮮度が劣化しやすく、臭みが出やすい)
- アラ(頭部や骨などは血液も残るため臭みが出やすい)
- スーパーで購入した魚や切り身(流通までに時間がたっているため臭みが出やすい)
わかりやすいのがサバの切り身や魚のアラで、臭みが出やすいのが特徴です。
サバも状態がよいものはいやな臭いがしない
締めサバやサバの味噌煮を作る際は、事前に塩を振り、水分と一緒に臭みを抜くとクセなく美味しく仕上がります。
▼魚の臭みを消すための詳しい方法を解説!
魚に塩をふるときの量と待ち時間
次に、魚に塩をふるときの量と待ち時間についてお話しします。
棒身に塩を振る
イシモチに塩をふったもの。腹部にもしっかり塩をふるのが美味しくするコツ
下処理した魚(内臓とエラと血合いをとったもの)を塩焼きするときは、全体に軽く塩をふり10分程度置いてから焼きましょう。
スーパーで購入した魚で消費期限がせまっているものは、臭みが出ていることもしばしば。
状態が悪い魚を塩焼きにする際は、塩をふったあと10分待ちます。
夏場は冷蔵庫にいれて待ちましょう。
待ち時間のあとは、水道水でドリップと塩をさっと洗い流します。
次に、キッチンペーパーなどで水分をふきとり、再度塩を振ってから焼くと、臭みが軽減できるのです。
あまり長い時間置いておくと、魚の旨みも出てしまいます。10分程度が基本です。
切り身やアラに塩を振る
魚の切り身やアラに塩をふる際も、塩を少々ふって、10分程度待つのが基本です。
やはり状態の悪い切り身などは、塩ふり後にでてきたドリップをふき取るのではなく、流水で洗い流してから調理するのがオススメです。
サクに塩を振る
刺身やカルパッチョを作る際に、魚をサクにすることがあります。
サクにした魚は塩分を吸収しやすいので、塩ふりはほんの少々で、10分程度おきましょう。
さらに、水分を吸いやすいので水洗いせず、水分をふきとって調理をすすめます。
塩をほんの少しふって水分をぬいたアジやイシモチの刺身などは、もっちりとした歯ごたえ。
旨みが凝縮して最高の美味です。
イシモチの刺身はサクにしたタイミングで水分をぬくのが美味
締めサバ用に塩をふる際は「強塩(ごうじお)」
強塩。さらに塩を足してもいい
締めサバをつくるときにサバのサクに塩を振る際は「強塩(ごうじお)」とよばれる処理をします。
強塩とは、食材の表面が白くなるほど塩をふることです。
「え、こんなにふって大丈夫なの?」
そう思うかもしれませんが、気にせず雪が降ったかのように塩をしましょう。
締める時間は1時間程度です。
強塩により、サバ独特の生臭みや水分がしっかり抜け、身をしめることだできます。
締めサバの食感や保存性を高めるためには必要な工程です。
塩と一緒に旨みを足す技
塩には「魚の水分や臭みをぬき、保存性をたかめる効果がある」という話をしてきました。
塩をふる意外にも、塩分を含んだ昆布で締めることを「昆布締め」といいます。
昆布にはアミノ酸もふくまれるため、淡白な白身魚の旨みを高めるのにも効果的です。
また塩で締める際、使用する塩の種類を工夫することでも、素材の旨みを高めることができると覚えておきましょう。
魚介類の場合、ヒマラヤピンクソルトや藻塩(海藻と一緒に海水を煮詰めて精製する)などがオススメです。
まとめ
今回は、知ってそうで知らない人も多い「魚に塩をふる」効用について紹介しました。
魚料理初心者でも、塩ふりが適切にできると、よりおいしい魚料理をつくることができるはずです。
魚を釣って料理する際、スーパーで魚を買う際にぜひ工夫してみてください。
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▼魚の旨みを引き出すのに、ヒマラヤピンクソルトと藻塩はシンプルで効果的。
▼淡白な魚はうまみ成分を足した塩で締めながら味付けるのも良い。醤油はつかわず酢橘などをしぼって食べると最高