竿なんて飾りですよ。幻の手ビシ釣りイベントに参加してきた

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手漕ぎボート漕ぐ平田剛士
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~この記事は約 9 分で読めます~

どうも平田です。

世の中には「ありそうでなかったイベント!」みたいなものがありますが、「なさそうでなかったイベント」というものもあるはずです。

お前は何をいっているのか。

いいですか。要は存在しなさそうで、実際にないイベントのことですよ。

って、説明しても一緒ですね。

今回は、そんな「なさそうでなかったイベント」を横須賀・大津港のまるまつ丸さんと共催してみましたので、そんな話です。

目次

「手ビシ」×「手漕ぎボート釣り」イベントを共催した

まずね、「手ビシ」って聞いて何のことだかわからない人が多いと思うんです。

説明しよう。

手ビシとは、釣り竿を使わないでビシ仕掛けでアジなどを狙う釣り方をいうのだ。ってな具合です。

手ビシタックル

これが手ビシだ!漁師感がすごい。

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それに加えて、手漕ぎボートですよ。さらにマイナーっすね。

マイナー×マイナー=超マイナー

といったところでしょうか。

人間だいたい30も半ばをこえたぐらいになって、子供なんかできると考え方も保守的になり、いろいろ合理的になってくるんです。

時間も少なくなるわけで。

そうなると便利な乗合船に対して敬遠しがちなのが、この手漕ぎボート釣りというジャンル。

「なんだか漕ぐのが辛そう」

「釣り船と比較するとちょっとアレだよね」

「危なそう」

「そんなに沖目じゃないし、大したもん釣れないんでしょ」

というイメージをもっている人も多いんじゃないでしょうか。

なにがアレだよ、このモグリ野郎!

いやすみません、怒ってはいないんです。

どちらかというと、文字のフォントだけ大きくしただけなんです。

まあ釣り船に乗っている人からすると、船の上からみて、「わー手漕ぎ大変そうだなー」みたいに、ちょっと距離感がある。そんな手漕ぎボートなんですが、意外と大物が釣れているんですよね。ご存知でしたか?

ほらね。

大津沖じゃあ、ご覧の通り34キロのマダイとか、ワラサとかヒラメとかドラゴンタチウオとか、40UPの大アジと1キロに迫るトロサバとかフツーに釣れているんです。

え、何それ凄くないですか。

そうですよね。わたしもそう思いました。

なんで大津が釣れるかというと、実は港から鼻歌まじりでちょっとオールを漕ぐだけで、水深20~25mぐらいまでいけてしまうんですね。

最早、釣り船で釣る水深とそうそう変わらない。

東京湾の手漕ぎボートで釣れたワラサ

ドヤ顔の釣り人が大津で釣ったワラサ。たしか3キロ級

そのぐらい水深があれば、真冬でもアジが釣れるし、そのアジの群れを狙ってワラサは春頃まで回遊しているし、なんなら2、3キロのヒラメもいるわけです。

そんな大津の知られざるボート釣りの魅力をもう少し発信したいっていう話を前から、まるまつ丸さんとしていまして、じゃあイベントをやろうということになったんですね。

それが手ビシ釣りイベントです。

竿にかまけて、ほぼすべての釣り人がやったこともない手ビシで色々狙って、釣果を競おうというイベントだと思ってください。

朝から雨スタート。でも凪。

大津港入り口。京急大津から歩いて7分ぐらい。途中のセブンイレブンで兵糧を買うのが吉

前日の天気予報は北風4mだったんですが、まるまつ丸さんと協議して、やろうよ、そうしようよ、ということに。

一夜明けたら、いい凪でした。いい判断だったな。

参加者は親子、ご夫婦の方をあわせて10名ちょっとでしょうか。

ORETSURIにたまに寄稿くださっている通称「割烹さん」こと釣人割烹さん(@tsuribitokappou)の活性がやけに高く、早く出船したい、俺にアジを釣らせろ感が満載だったので、開会のあいさつもそこそこにして、順次出船。

わたしは大学生の大井くん(@KT_Fishing1018)と同船。

装備はこの通り。

大津港内は乗合船もでるので、邪魔にならないように出船を待ってからでることに。

それにても、手ビシタックルがなぜか4つある理由は、ロスト対策と、泳がせを意識して2刀流だったんです。

が、ハッキリいって両手で手釣りは無理でしたね。

大津の手漕ぎボート釣り第一級ポイント「ガレ場」にはフグしかいない

ということで、7時30分頃出船。

まず、一応北風向かい風に漕いでいくので、漕力からいって、武力100のわたしが漕ぐことに。

協議の上、まずは沖目からみていこうということで、港を出て猿島方面に2、30分弱漕いだところにある遠目のポイント「ガレ場」へ。

途中、手ビシでやっている親子がいたり。

「釣れてますか?」

「いや、いま1投目です!」

みたいな。

いいですなイベントって。

そうこうして、ガレ場周辺へ。

どこがガレ場なのか、山立て方法についてはまるまつ丸さんに聞いてください。わかりやすいポイントマップも製作中とのこと。

ポイント近くについたらやることがあります。

ここでクエスチョン。

なにをやるんでしょうか?

偵察を制する者、手漕ぎボートを制す

ハイ、偵察です。

まわりの手漕ぎボート勢・船外機勢がどんな釣りをやっていて、釣れているのか、釣れそうなのか、士気はどれぐらいか?

このあたりを的確に状況分析します。

本来これは漕いでないで、あくびばかりしている大学生の大井くんがやるべき業務なんですよね。

が、「大井くん、みんなどう?釣れてる?」って聞いたら、目を凝らしやがって、「どうなんでしょう。いや僕、目が悪いんで、実際あんま見えないんですよね」ときたもんだ。

なんそれ。眼鏡かコンタクトしろや。

それにしても、これが社会人だったらどうだ。

「えーっと、大井くん、○○の商談について競合の具合はどうかな?」

「いや僕、目が悪いんで、実際よくわからないんですよね」と。

これが戦場だったらどうだ。

所謂「うちの社員だったらなぐってますわ状態」といっても過言ではありますまい。マネーの虎。

一方、わたしも、もうすぐ四十路。

いかに大学生が目の前であくびばかりかましているからといって、そう一つ一つのことに腹を立てているわけにもいきません。

だから偵察をする。

するとどうだ。

誰も釣れてない件について。

朝一出船組は30分前には到着して釣っているはず。

なので、コマセも効きはじめてつれてもよいところ。が、釣れてない。

潮をみれば、澄み潮ながらも、クラドが流れている状態。これはあんまりよくないかも。

とはいえ、沖に出た釣り人は寝るか、飯を食うか、釣るしかないわけです。

他のポイントに大きく移動するのもつらいし。手漕ぎだもの。

仕掛けは二人ともプラカゴにアミエビをつめこみ、ハリス6m一本針でマダイ&トロサバ狙い。

水深は20m程度。

40号ビシを着底させる。

あーちょっと流れますね。渋糸が太いから。糸巻きでやるんなら、80号ビシぐらいをつかったほうがよいかもしれません。道糸が立つんで。

着底されたら、目測で1m糸を回収して2回ほどしゃくり、3mぐらいでしゃくってきて、さらに3mから4mビシ位置をあげてステイ。

あとは待つだけだ。

コマセが効けば奴が来る。

マダイだ。

それも大型の。

3キロ、4キロ、喜んで。

・・・

・・・

・・・

あれ?

いまなんか違和感あったな。手指につたわるかすかなアタリ。

そんでもって巻いてくる。

ぎろり。

#貴殿でしたか(コモンフグ)。

湾フグ船では喜んで釣られるこのフグも、一般の釣りでは「なんだコモンフグか」になる。これも釣りの謎ですね。

それにしても、手ビシの釣りはアタリがダイレクトにくるという噂だったんですが、やはりフグの場合は、フックを噛まないとそんなにわかりやすいアタリはでないようです。

その後もコモンフグやショウサイフグが続き。

まわりを見ても、釣れているのはショウサイ、ショウサイ、ショウサイ。

経験上、小型のフグが釣れているところにマダイなんていないんです。たぶん。

そんなときに、むこうの二人組がイナダっぽいのを釣ったな。

ふははは。神の目をごまかせても、わたしの目はごまかせんぞ。

という具合に、水すましのように、ずる賢く潮下側に移動。

コマセのおこぼれが流れてくるだろうあたりを計算。

おほほ。釣れたな。

・・・

・・・

・・・

えー。まったく釣れず。

と、ここで、アンカーが流れてしまっている、所謂走錨状態。

微速で南西側に流れてしまっているな。

と、流れた結果、7mぐらいまで近寄ってしまった釣り人と目が合い「釣れましたか」と。

内心むこうとしては、「こいつよくわかんないけどこっち流れてくるし。近寄んなし」といった心境だったことでしょう。

どうやら朝一で大アジが釣れたけども、単発だったようで。

ここで走錨するも、それほど速くないのと、アンカーを入れなおすのがめんどくさいので、そのままアジビシ仕掛けにして釣ってみる。

大井君が、アミエビの中にいるミミイカっぽいのを「これ釣れますかね?」とか言っているので、「それは、むかしアミ五目でハリがけしたら大アジが釣れたよ特餌だよ」と、経験者っぽくうそぶいておく。

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と。

「わ。来ました。なにこれ。デカいです。サバかな?大アジかも」

と。

内心おもいましたね。

口切れ、はよ。って。

・・・

・・・

・・・

無事ゲット。

やったね。

立派な大アジ。32、3cm程度。

このあとは大アジは続かず、豆アジが連発。

やはりアジを釣るには、ビシアジ仕掛けが有効ですね。

この日、オキアミ餌とパワーイソメしかなかったんですが、アオイソメかアカタンは必須だなと思いました。オキアミとパワーイソメを比較するとやはり極端にアタリが減るんです。餌持ちはいいんだけど。

これが冷凍アミエビにまじっている特餌。ミミイカかな?

手ビシ釣りも置き竿ができるんですが、簡単なのはこのようにオールに2、3回渋糸を巻く方法。

おにぎりなどを食べるときによいんじゃないでしょうか。

途中、まるまつ丸の船が回ってきて近況を教えてくれたんですが、「ガレ場は渋そうっすねー」とのこと。

こりゃ、移動だな。

古今東西、ビジネスの意志決定と手漕ぎボート釣りのポイント変更は早いほどよいといわれてますし。

その後、11時ぐらいまで粘って、走水側に位置する武山根付近へ向かうことに。

冬場は海苔棚も入っているので、だいたい30分ぐらいかかる航程。

漕ぎ漕ぎ。

漕ぎ漕ぎ。

それにしても、天気が良くてよかったな。

漕ぎ漕ぎ。

漕ぎ漕ぎ。

大井君、さいきんどうなん?へーそうなん。ほーん。まーそうだよね。

漕ぎ漕ぎ。

漕ぎ漕ぎ。

武山根出し付近

ということで、移動完了。武山根付近です。

大津港の手漕ぎボートエリアで言うと、ガレ場とならんで2大ポイント。

劉備からみれば「伏龍鳳雛いずれかを得れば天下は手中に」みたいな話です。ぜんぜん違うけど。

ま、どちらかのポイントでだいたいアジが釣れるということは覚えておいて損はないです。

すると、まつとも氏と、かっぽうパイセンがいるようで。

声掛けしてみると、アジは朝からよく釣れていると。

しまった、こっちだったか。

これが大津あるあるです。

すかさず大井くんが、ビシを落とし込む。

▼こんな風に手ビシは動かす

たのしそうでいいやね。手漕ぎボートは楽しい人と同船しましょう

すると、入れ食いでアジが釣れる。

ガレ場まで向かい風で漕いだのは全部無駄だったようだな。

わたしにも、中アジがきて。

それにしても、オキアミ餌に、ビシアジ仕掛けのムツ針だとどうしてもハリ持ちが悪いので、ウィリー三本仕掛けでやったほうがいいんじゃないかなと思って落とし込む。

・・・

・・・

・・・

あれ?沈まないな。

と、思ったら、渋糸が斜めに走って動いているぞ。

すかさず、渋糸を巻き取りフッキング。

と、凄い引き。

これはイナダだな。

「大井君たぶんイナダがきた」

・・・

・・・

・・・

と、上がってきたのが大サバ。

うれしい。

クッションゴム1mがあるのと、3本針なので手繰るのがやや大変でしたね。

1本針だと手指にハリが刺さらないので楽だと思うんですけどね。

その後は、コマセ切れに。

潮と風を分析したところ、流し釣りをすると港まで漕がないで帰れるということがわかり、ノーアンカーの泳がせ釣りへ。

ゆっくりゆっくり、ボートは港の方角へ。

もともと、帰りは大井君に漕いでもらおうとしたら、楽しやがってからに。

「いや実は僕もそれ考えていて、地味によかったです」とか言ってました。

手前の水深10~15mラインでも、マゴチかヒラメあたちがヒットすればよいかなと思ったら、アタリゼロ。

15時に沖上がりでした。

検量と表彰

一応、釣果を競うイベントなので、検量をすることに。

なになに、割烹さんの鯖が720gだと。ほーん。

え?我が軍で釣ったサバの重さですか?

834g!

わが軍の圧倒的勝利です。

長さは42㎝ぐらいだったんですが、体高があるマサバでした。

所謂トロサバと呼んでもよいサイズ感ですね。

各グループの釣果はこの通り。

みなさん、色々狙ってはいたと思うんですが、アジとサバが多かったようで。マダイも泳がせも不発だったようで。

やってみた結果、コマセマダイでタナをとるのはかなり難しかったですね。竿と比べて。アジなら楽。

40㎝のアジを釣った方も。

手ビシで大アジやサバはかなり引くんですよね。さぞ楽しかったことでしょう。

わたしも、なんだかんだでコマセ部門のチャンピオンになってしまい賞品をいただきました。

まんざらでもありません。ありがたや。

まとめ

平田水軍秘伝、流し泳がせ寝釣り!(進行方向は必ず確認しましょう)

さて、第1回の手ビシイベント。

振り返って気づいたのは、以下の通りです。

  • 竿とリールがないと行き帰りが手軽!
  • 竿とリールってなんて便利なんだ!当たり前におもっていてごめん!
  • 手ビシのアタリとやりとりはエキサイティング

どれもやるまえから想像がついていたんですが、やっぱり検索すればGoogle先生がなんでもおしえてくれる時代でも、実際に体感するって大事ですね。

肌でわかる、気づき。

竿だったら、コマセや泳がせの置き竿が楽で、漕ぎ流し釣りもしやすいし、サバがかかったとしても、リールの力でぐいぐい巻いてこれるという。

あるのが当たり前の釣り竿とリールですが、なくなるとその大切さがわかるというやつです。

道具って素晴らしいなと、改めて気づいた日でした。

まるまつ丸さんでは、手ビシも無料貸し出ししてくれるので、レンタル時にやってみたい人は「ORETSURIみました!手ビシ借りたいです」っていってみましょう!

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

お世話になった船宿

大津港・まるまつ丸

関連アイテム

▼手ビシタックルの場合はオモリ60~80号あるほうが釣りやすいですが、竿釣りの場合、大津沖ならば30~40号で十分です。アジ釣り&サバメインであればイワシミンチにアオイソメ餌が一番釣れます。

タカミヤ ライトタックルビシ SC-1141 40号

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手漕ぎボート漕ぐ平田剛士

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