どうもテンヤスミイカマニアの平田です。
毎年10月から3月ぐらいまでは東京湾でスミイカにいそしんでいます。
さて、今回は東京湾で楽しまれているテンヤスミイカに適したおすすめのリールを解説します。
一読いただければ、これからはじめる方も無駄な買い物がなくなるはず!
テンヤスミイカのリールに必要な7つ条件
①糸巻量(PE1.5号~2号を200m巻ける)
テンヤスミイカはスッテをつかったスミイカ釣りに比べて衝撃力が圧倒的に高いのが特徴です。
これは、ハリの太さや竿の固さからくる特徴で、釣趣にもつながります。
衝撃力を楽しむという点、アワセ漏れ(テンヤの針が貫通しない)を回避することから、ドラグを使うことがありません。
そのため号数によってはPEラインの高切れもしばしば起こります。
テンヤスミイカではPE1.5号~2号を使用するため、いずれかが200m巻けるリールが最適です。
※ジギング用のリールなどは剛性がさらに高く、糸巻量が多めなのですが、自重も増しテンヤスミイカにはオーバースペックです。
②重量(適度な重さ)
軽すぎるリールは不適
カワハギなど感度を重視する釣りでは、リールも驚くべき軽量化が実現されています。
一方、テンヤスミイカに使用するリールには適度な重さが必要です。
まず、使用する竿が2.4mが多く、自重もあります。
そのため、軽すぎるリールでは穂先側の持ち重りにつながってしまうわけです。
テンヤスミイカの基本のシャクリ姿勢は、リールを腰横にためて竿先をあげるようにして行います。
リールにも一定の重さがあったほうが正しい姿勢を保ちやすいのです。
③利き腕巻きがおすすめ
テンヤスミイカは竿の細かい操作はないため、竿を利き腕で持つメリットは全くありません。
利き腕とは反対で巻きなれている場合以外は、利き腕巻きのリールを選びましょう。
④剛性の高さ
テンヤスミイカで使用するリールに大切なのは筐体・ギア・クラッチの剛性です。
11月頃から500g級のイカが釣れはじめます。そして年明けから3月ごろにかけては700~900gの個体が登場し、ヒット時の衝撃はかなりのものです。
エリアによっては1.5~2kg級のモンゴウイカ(カミナリイカ)もヒットするのですが、巻き上げ負荷はかなりのもの。
また冬場は水深50~80m程度のポイントも多く、リールの剛性が求められるジャンルです。
スミイカは単純な重さでいえば、タコより軽いわけですが、袋型の胴が潮受けしてかなりの負荷を生むのです。
特に腕力に自信がない人ほど、剛性の高いリールを選ぶとよいでしょう。
ほかに、テンヤスミイカはクラッチのオンオフを繰り返す釣りです。
メーカーの基本性能によりますが、安価なリールはクラッチが弱いことも多く、あまり適していません。
⑤キャスト性能(サブブレーキがついている)
テンヤスミイカではしばしばキャストによって釣果が伸びます。
船下にイカがいない場合、潮上の釣り座で不利な場合も、ロングキャストすることで釣果を伸ばすことができます。
通常リールにはメカニカルブレーキがついています。
そこにシマノであればSVSと呼ばれる遠心力ブレーキやDC(電子制御)といったサブブレーキが追加されます。
ダイワやアブではマグネット系のブレーキが中心です。
※投げ慣れていない人のキャストは下手投げとはいえ危険です。練習をして、問題がない状態で実釣に臨みましょう。
⑥パワーハンドル
晩秋以降のスミイカは巻き上げ負荷が高く、ハンドル長が短いタイプや、小型ノブのリールでは手指への負担が強めです。
特に深場のスミイカはハンドル長が長く、ノブも大きいパワーハンドル一択です。
※バランサーのないパワーハンドルリールはクラッチ戻りが起こりやすく、下手投げとはいえ危険です。キャストに自信がない人は控えた方が無難です。
⑦ハイギア
シーズン後期の深場の釣りはもちろん、初期や中期でも回収速度をあげられるためハイギアのリールが有利です。
また、スミイカが乗った瞬間にハイギアのリールであれば巻きアワセ(乗ったあとに数回高速巻きして針を貫通させる)も容易です。
浅場の釣りや腕力に自信がない人や、あまり手返しの速さを考えなくてよい場合にはパワーギアでも問題ありません。
テンヤスミイカでこんなリールはつらい
さて、テンヤスミイカに適したリールの7条件を解説しました。
以上を踏まえ、テンヤスミイカにあまり向いていないリールは以下の通りです。
※平均的に腕力が高くない女性や子供の場合特に
- 樹脂複合素材系の軽量リール
- 極端に重くでかくパーミングできないリール
- 右利き左巻き
- ハンドル長が短くノブが小さい
- ハイギア(上記の条件と組み合わせた場合巻きがつらくなるため)
これらのリールで11月以降のテンヤスミイカに参戦すると、不要な筋力を使い、集中力が続きにくくシャクリが安定しません。
また、釣行後の疲労がかなりのものになります。
テンヤスミイカにおいてリールは釣果にかかわるのか?
ではテンヤスミイカの釣りで、リールは釣果にどうかかわるのでしょうか。
大きくわけて4つあります。
- 剛性:快適。疲れにくさから集中力が続きやすい
- パワーハンドル:上記同様
- ハイギア:手返しが上がる。追いあわせ(高速巻き)が決まりやすくチップが減る
- ブレーキ性能:広く探りやすくなり、イカの出会える場面が増える
スミイカをもっと釣りたい人はリールにもこだわったほうがよいですね!
テンヤスミイカにおすすめのリール8選
次にテンヤスミイカにおすすめのリールを紹介します。
ある日の船上をみると、リールのメーカーでは、シマノが7割、2割がダイワ、1割がアブ(アンバサダー系。昔は主流だった)という構成です。
今のところシマノの一人勝ちといった情景が広がっています。
オシアコンクエスト200HG
夢屋パワーバランスハンドルカスタムのオシアコンクエスト200HG。スミイカにはこれ!
★人と被ってもOKな方はこちら。ハンドルのカスタムで差別化しよう!
シマノが誇るオフショアフラッグシップモデルがオシアコンクエストです。
テンヤスミイカには200HGが一番適しています。
費用対効果で考えると、テンヤスミイカに最も適しているため、スミイカ船での使用率も異常に高く、ほぼ確実にだれかと被ります。
20人中6人ぐらいがオシアコンクエスト200HGという場合も。
ただし、標準パワーハンドルにバランサーがないため、キャストが苦手な人の場合、クラッチ戻りが起きやすいです。
夢屋のパワーバランスハンドルのようなバランサー付きのハンドルに変えると、キャスト時のトラブルも減ります。
カルカッタコンクエスト200HG
★ブレーキ性能はオシアコンクエスト以上。ちょっとかぶりたくない人はこちら!
シマノが誇るルアーフィッシング用フラッグシップモデルがオシアコンクエストです。
バス釣りやシーバスのビッグベイトパターンなどでよく使用されています。
テンヤスミイカには200HGが一番適しています。
よりトラブルレスにロングキャストしたいテンヤスミイカフリークに愛され、こちらも人と被りやすいリールです。
サブブレーキが外部ダイアル式のため、オシアコンクエストと比較するとキャスト時の微調整もしやすいという特徴があります。
デメリットはダブルハンドルでハンドル長が短い点です。
深場からの巻き上げは力を入れづらく、手指に疲労が蓄積しやすいので注意しましょう。
こちらも夢屋のパワーバランスハンドルをはじめとしたバランサー付きのパワーハンドルに変えたほうがテンヤスミイカには快適です。
カルカッタコンクエストDC
★最高のブレーキ性能。向かい風でもトラブルレスにキャストしたい人、両軸リールのキャストが苦手な人はこちら!
人とは違うリールを選びたい人にはこちらです。
さらなる高価格帯のため、テンヤスミイカ用途で手にする人は、ほんの1部です。
モード設定できる電子制御のブレーキにより、バックラッシュのリスクを低下させます。
一般的なSVS(遠心力ブレーキ)でバックラッシュさせてしまう人にもおすすめです。
カルカッタコンクエスト同様、デメリットはダブルハンドルのハンドル長が短い点です。
もともと深場から巻き上げるような用途は想定していないため、ノーマルの小型ハンドルノブでは手指に疲労が蓄積しやすいので注意しましょう。
こちらも夢屋のパワーバランスハンドルをはじめとしたバランサー付きのパワーハンドルに変えたほうがテンヤスミイカには快適です。
オシアカルカッタ200HG
★価格を抑えて堅牢なリールがほしい人向け
オシアカルカッタは、ジギングで人気のオシアジガーの性能をそのままに小型化したモデルです。
SVS(遠心力)ブレーキ付きのため、キャストにも適しています。
テンヤスミイカでの使用率も比較的高く、金の筐体はちょっとかぶるし、目立つからいやだよねーという人にも人気。
カルカッタシリーズ全般ですがハンドル長が短いのはデメリットです。
ベイゲーム150
シマノのベイゲーム150。一定層に長く愛され、予備用に数台保有している人も多いリールです。ギア比も深くなりすぎると巻取りはつらめなものの、浅場ならばちょうどよく。シングルハンドルは巻き負荷強めの釣りに、ダブルハンドルはテクニカルな釣り向けです。https://t.co/thpLNSYh92 pic.twitter.com/zpWEO1MfzC
— ひらっさん@ORETSURI (@tsuyoshi_hirata) November 1, 2022
★価格控えめで堅牢なリールがほしい人向け(ロープロリールで)
ベイゲームは基本性能を必要十分に備えた汎用リールです。
ノーマルギアのみですが、パワーハンドルモデルがあり、テンヤスミイカでも快適に使用できます。
ロープロ型のため、手指が小さい人で、よりしっかりパーミングしたい場合に最適です。
パワーハンドルはオシアコンクエスト200HG同様、バランサーなしモデルです。気になる人はカスタマイズするとよいでしょう。
ちなみにロープロ型とはいえ、ベイゲームは剛性が高いためダブルハンドルモデルでも問題なく使用できます。
バサラ150
★ダイワ党で金属丸型筐体ならこちら!
バサラ150はテンヤスミイカでも快適に使用できるリールです。
ノーマルギアですが、1回転最大71㎝巻き取りのため、深場でも安心して使用できます。
俺はダイワなんだよ、という人はこちらですね!
フネXT150H
フネXT150Hはテンヤスミイカでの使用率も高い
★低価格&必要十分なスペック
フネXTはロープロ型のリールで金属部分もあり比較的しっかりとしたリールです。
パワーハンドルにハイギアという条件もそなえ、外部ダイアル式のマグネットブレーキのためキャストもしやすいです。
実売価格13,000円以内で購入できるため、テンヤスミイカ入門者に最適なリール。
ゲンプウXT150
ゲンプウ200PG。深場を考えるとテンヤスミイカには150のほうが向いている
★低価格&必要十分なスペック
ゲンプウXTはロープロ型のリールで樹脂複合素材ですがクラッチ部も頑丈です。
ベースになっているロングセラーのゲンプウは5年以上雑につかってもクラッチが壊れません。
パワーハンドルのパワーギアモデル(200PG)もありますが、手返しを考えるとXT150のほうがテンヤスミイカには向いています。
メカニカルブレーキのみのため、キャストには適しておらず、投げたい人はフネXT150Hかベイゲーム150を選びましょう。
スピニングリールってテンヤスミイカにどうなの?
よく聞かれるのですが、スピニングリールはテンヤスミイカに向いているのでしょうか?
これは人によります。
「遠くにテンヤを投げたい」というニーズがありながら、両軸リールのキャストが苦手、かつ練習する気もない場合は、スピニングリールのメリットがあります。
スピニングリールであれば取り扱いが簡単で、誰でもトラブルレスにキャストできるからです。
ただし、ベールの動作は両軸リールのクラッチ操作より工数がかかります。
また、平均的な巻き上げ力もスピニングリールが劣るため、竿を上下しながら巻くポンピング動作が必要になってきます。
ポンピングはイカがバレる原因でもあります。
以上を考えると、多くの人にとってスピニングリールはメリットがありません。
※スピニングリールの場合、イカが乗った瞬間にベールの付け根部分にかなりの負荷が生じます。低スペックのモデルはそこから折れるので注意しましょう。
電動リールってテンヤスミイカにどうなの?
深場のテンヤスミイカをやると、「えっと、この水深って電動リールでやるレベルじゃないんだっけ?」と思うかもしれません。
実際に冬場は下浦沖から剣崎沖で水深80mというようなアナウンスもよくあります。
そこから700~900g等の最大級スミイカを手巻きで巻き上げるのは、なかなか痺れる経験です。わたしはホクホク巻いてますが。
そこで、電動リールを使うかどうかは好みの問題。
メリット・デメリットで言えば以下の通りです。
<メリット>
- 巻き上げの疲労がなくなる
<デメリット>
- ギア比的に乗った瞬間の追い巻きをしづらくなる
- 筐体が重いため、シャクリの釣趣が損なわれる
- キャストできなくなる
どうでしょう。デメリットのほうが多いですね。
一方、体力に自信がないけどスミイカを深場で釣りたい人には一つの選択肢なのかもしれません。
まとめ
スミイカ=かわいい
今回はテンヤスミイカに適したおすすめのリールを解説しました。
一読いただければ、これからはじめる方も無駄な買い物がなくなるはずです。
一方、道具については好みの問題も多いもの。
実際は壊れて使えなくなるもの以外であればどんなリールでも楽しめますので、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
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