東京湾・横須賀沖に位置する猿島は都内からのアクセスもよく沢山の観光客が訪れます。
実は釣りもできるのですが、釣りができるエリアが決まっています。
またエリアによって適した釣りがあり、事前情報を把握してから釣行するとよいでしょう。
今回は猿島の釣り場を「釣れる魚」「ポイント」など詳しく解説します。
※記事後半ではアクセス方法や周辺の釣具店(釣具・釣餌の確保など)なども紹介します!
猿島の概要
猿島は東京湾に浮かぶ周囲約1.6kmの自然島で、横須賀・三笠公園の東方約1.75 kmの沖合にあります。
「猿島」という名前の由来は、日蓮が千葉側から鎌倉に布教に行く際に海路で時化にあい、「白毛の猿」に導かれて島にたどり着いた言い伝えに由来します。
第二次大戦中は首都東京を守る要衝として砲台などが築かれ、侵入する船舶や航空機を監視しする役目がありました。
現在は戦争遺産としても有名で、残された建造物や自然の豊かな植生から多くの観光客が訪れます。
夜間に出入りすることはできず、日中に三笠公園の渡船に乗り、10分程度かけて渡る必要があります。
猿島の釣り場ポイント解説(特徴・おすすめの釣り方)
釣りができるのは南西部Aの砂鉄の浜と北東部Bのオイモノ鼻のみ
現在釣りができる猿島の釣り場は大きく分けて南側のサーフエリアのA(砂鉄の浜)と北東部の小磯エリア(オイモノ鼻)です。
以下のポイントは釣り禁止もしくは立ち入り禁止です。
<釣り禁止>
- フェリー桟橋付近
- 西側海岸
<立ち入り禁止>
- 東側海岸(ゴロタ場)
- 北西部ヨネノ根
つづいて、A (砂鉄の浜)とB(オイモノ鼻)について解説していきます。
A 砂鉄の浜(釣り初心者におすすめ!)
横須賀市街を望めるサーフ。季節によっては海藻が多く釣りづらくなる
砂鉄の浜は猿島海水浴場にあたるエリアです。
横須賀方面を臨むU字に広がったサーフで、砂粒に砂鉄が混じっているのが名前の由来です。
遠浅で、シロギス・マゴチ・カレイ・シーバスを狙うことができます。
満潮前後がねらい目で、水温があたたかい季節はやや立ち込んで沖まで遠投するのも一つ。
秋から春にかけては海藻がかなり多いのですが、桟橋に近い側(北側砂浜)は比較的藻が少ないのでちょい投げにおすすめです。
トイレや水場も近いので家族連れで釣りをするのは絶好のポイント。
釣り初心者もまずはここでキス釣りをするとよいでしょう。
水温が高い季節はちょい投げで十分キスが釣れる
<適している釣り>
- ちょい投げ:夏場はちょい投げ程度でキスが釣れる
- 投げ釣り:干潮時や秋~春は遠投が有利
- ルアー:マゴチ、ヒラメ、シーバス狙い
砂鉄の浜
BBQがてらちょい釣りをするのも楽しい
船着き場近くはシーバスやドチザメがチラホラ
クロダイもチラホラ
B オイモノ鼻(穴釣りと浮き釣りはこちら)
オイモノ鼻は岩礁帯エリア。穴釣りや浮き釣りが主体
オイモノ鼻は中央部の通路をぬけてたどり着ける猿島北東側に位置する小磯です。
南風であれば波立たないのですが、北風が吹いている際は波が強く、釣りには適しません。
オイモノ鼻での釣り方は3種類にわかれます。
一つは足元の穴釣りで、ギンポ・ムラソイ・カサゴ・クジメなどが釣れます。
もう一つは遠投してやや深いエリアを狙うライトショアジギングや遠投カゴ釣りです。
ルアーで狙う場合、夏以降はイナダの回遊を狙え、それ以外の季節はシーバスがよく釣れています。
他に、ウキ釣りでメジナ・ウミタナゴ・メバルなどを狙うこともできます。
沖目は根混じりの砂地なので、ぶっこみ釣りでアイナメ狙いも可能ですが、根がかりしやすいので注意しましょう。
ぶっこみ釣りの場合、ムツ針系のハリを使い、キャスト後仕掛けをさびかないのがポイントです。
<適している釣り>
- 足元の穴釣り
- ショアジギング
- 遠投カゴ釣り
- ウキ釣り
オイモノ鼻へ降りる道
オイモノ鼻からみた砂鉄の浜(岬のむこうがわ)方面
猿島で釣れる魚
猿島で実際に狙うことができる魚は以下の通り。
- シロギス(キス)
- ギンポ(ダイナンギンポ)
- アイナメ
- クジメ
- カレイ
- クロダイ
- カサゴ
- ムラソイ
- ウミタナゴ
- メゴチ
- マゴチ
- メバル
- スズキ(シーバス)
- ヒラメ
釣果情報は対岸にあたる海辺つり公園やうみかぜ公園の釣況を参考にしましょう。
砂鉄の浜で釣ったシロギス(6月)
キューセンも多い(実はおいしい)
過去に猿島で釣れたという釣果記録
猿島の釣りにおすすめの釣り具
砂鉄の浜でのキス釣りはミニジェット天秤8号とハリス1号以下の組み合わせがおすすめ
ちょい投げ・ルアー・穴釣り用万能タックル
▼ちょい投げや穴釣りはシマノのシエナコンボが糸付きでお得。竿やリールもすぐにつかえなくなるものではなく、長くつかえるちゃんとしたものです
▼オイモノ鼻での穴釣りは軽量ブラーやブラクリで。軽量ジグヘッドなら根がかりしてもハリを伸ばして回収できるのでゴミを残しにくくなります
▼砂鉄の浜でのちょい投げはミニジェット天秤8号に2本針仕掛け
小型クーラー
▼シロギスなどを夏場狙う場合はしっかり冷やして持ち帰りたいもの。小型のクーラーボックスがおすすめ
水汲みバケツ
エサや魚で汚れた手は水汲みバケツで洗いましょう。夏場以外は、ある程度魚を活かしておくことも可能。透明なものを買ってオイモノ鼻のタイドプールで魚をつかまえれば子供も楽しめます
フィッシュグリップ
▼磯場はハオコゼやアイゴといった毒魚が釣れることも。フィッシュグリップやハリ外しを持参しましょう。
猿島で守りたいルールとマナー
フェリー桟橋からみた猿島西側の切り立った崖(釣りは不可)
釣り場のルールを守る
猿島は上記にあげたエリア以外にも釣りができそうな場所はありますが、管理上立ち入り禁止や釣り禁止になっているので注意しましょう。
根がかり対策
磯場の穴釣りは重いオモリをつかうとすぐに根がかりしてロストします。
穴釣りをする場合は、軽めのオモリに太めの道糸を使用し、できるだけ根がかりを回避する努力をしましょう。
キャスト前の確認
観光客が多いので、キャストの際は毎投周りを確認して行いましょう。
猿島へのアクセス
猿島側のフェリー発着所猿島には渡船としてフェリーが運航されています。
乗船場所は三笠桟橋です。
三笠桟橋までのアクセスは以下の通り。
- 電車の場合:京急横須賀中央から徒歩15分
- 車の場合:品川から約1時間(横須賀IC経由)、最寄り駐車場は三笠公園駐車場
フェリーの時間帯はシーズンによって変わります。
夏場は特に混みあい、目的の便に乗れないこともあります。できるだけ早めに向かいましょう。
▼夏の運航時刻表
▼冬の運航時刻表(最終便が1時間早まります)
▼往復の乗船料(実際は猿島入園料が+大人200円かかります)
出典:株式会社トライアングル
三笠桟橋の向かいにチケット売り場があります
フェリーの発着時間に注意
釣具・釣り餌店
猿島への釣行に便利な釣り具屋を紹介します。
猿島レンタルショップ
猿島上陸徒歩1分
島内にあるレンタルショップです。つりエサとして青イソメが500円で購入できます。
釣り具のレンタルも可能なので手ぶらでもOK。
観光のついでならレンタルショップが便利です。
ただし、夏場や春や秋の連休などハイシーズンの昼以降は釣り具のレンタル品とイソメが品切れの可能性もあります。
心配な方は事前に用意しておきましょう。
レンタル品
○バーベキュー用品: 詳細・ご予約はこちらをご覧下さい
○釣り用具
・釣りセット(釣り竿・しかけセット・つりエサ):2,000円
※冬期は疑似餌使用のため2,300円
・しかけ各種(市販しかけ、ブラクリ、おもり、ウキほか):300円~
・しかけセット(投げ釣り用・浮き釣り用):500円
・つりエサ(青イソメ):500円
※貸出時に別途保証料として2,000円をお預かりいたします。
※レンタル用品は数に限りがあります。
※レンタル機材は14:30までに返却をお願いいたします。
※青イソメの他に疑似餌もございます。お気軽にスタッフにお尋ねください。
※営業時間 10:00~14:30
出典:株式会社トライアングル
つり具の上州屋横須賀中央店
活餌・ルアー・仕掛けが豊富な上州屋
猿島から一番近い大手釣具店です。
釣り具・餌・ルアーなどをしっかり用意していきたい人向け。
横須賀中央徒歩の場合はかなり遠回りになるのでおすすめできませんが、車で横須賀IC経由で到着する場合は上州屋で調達するのがよいでしょう。
まとめ
砂鉄の浜側からオイモノ鼻側まで歩く道の散策も楽しい
今回は東京湾最大の無人島である猿島の釣り場を解説しました。
横須賀市のほかの釣り場と比べて、取り立てて魚がよく釣れるわけでもありません。
一方、船で渡船する一連の流れや自然の多い島内環境に触れることで、とてもよい時間を過ごせるはずです。
島内ルールに気を付けて安全に釣りを楽しみましょう。
参考:猿島公式サイト
▼実際の猿島釣行記事