東京湾の秋冬シーズンを代表する釣り物「スミイカ」をスッテで狙ってみた

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スミイカ(コウイカ)
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今回は東京湾の秋冬シーズンを代表する釣り物「スミイカ(コウイカ)」を、スッテ(ダウンショット)で狙ってみた話です。

目次

江戸前で特に珍重されるスミイカ。食と釣りについて

テンヤで釣れたスミイカ(コウイカ)

伝統釣法シャコテンヤで釣ったスミイカ

東京湾では「コウイカ」を「スミイカ」と呼びます。

これは、他エリアの釣り人からするとあんまりなじみがないかもしれません。

で、近縁種の「シリヤケイカ」や「カミナリイカ(モンゴウイカ)」と区別して、珍重しています。

どれも墨を一杯吐くから全部スミイカでよいんじゃないか。

そう思う人もいるかもしれないんですが、「スミイカ=コウイカ」で「スミイカ≠シリヤケイカ・モンゴウイカ」なのです。

それにしても、なぜコウイカが珍重されるのか。

これは、3種のうちで食味(食感・甘み)が一番よいからです。

モンゴウもシリヤケも料理法によっては旨いけども、素材の味が一番でる刺身や江戸前寿司の握りにしたときに、滅法旨いのは、コウイカなわけです。だから浜値も一番高い。

このスミイカなんですが、特に「はしり」のうちは「新子」「新イカ」「子イカ」と呼ばれて大人のサイズよりキロ単価があがります。8月ぐらいに職人技でさばくアレです。

釣り船で言うと、東京湾では10月中旬ぐらいからチラホラ出船する船宿が登場。

湾奥にあたる船宿は、お手軽な中オモリ+エギやスッテ(ダウンショットリグ=胴突き)が多く、横浜から三浦半島東岸になってくると、シャコの生き餌をつかったテンヤの釣りが多くなったり。

テンヤの釣りも、6,7割ぐらいの人は、スッテを併用して狙うのが一般的。

どの釣りも面白いとは思うのですが、個人的にはテンヤの釣りが一番好きです。

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シャコについては、東京湾奥での漁獲量が激減してしまい、崩れやすい冷凍品が使われることも。だからエギやスッテが普及しているんですけどね。

そんなこんなで、今回は金沢八景・弁天屋さんから午後餌木スミイカにいってきました。

「餌木スミイカ」という釣り物なので、全体の9割が中オモリ10~20号に2.5号前後の餌木でしゃくっているんですが、ダウンショットでのスッテもチャレンジOKとのこと(2020-10-20時点)。

ひさしぶりの弁天屋で午後餌木スミイカ

そういえば、弁天屋は久しぶりに訪れたなと。

釣り物が他の船宿とかぶっていない、午後マゴチや午前タチウオでサクッと釣るときに通っていたわけですが、最近は通り過ぎてばかりだったなと。

そんなときに、午後餌木スミイカがスタート。

とはいっても、しばらくあんまり釣果がふるわずのようで、様子をみていたわけです。

が、大潮某日にTOP10杯超えになり、300gぐらいのスミイカも混じり始めたようで、これは良さそうだな。そろそろいこうかなと。

そうなると、いてもたってもいられずに即電話予約ですよ。ええ、「船釣り病」ってやつです。

もともと、予約不要の乗合出船なのですが、新型コロナウィルス対策で予約が必要なので注意です。

いつも通り、女将さんの電話対応が親切で、「スッテもだいじょうぶでしょうか?」と聞いたら「だいじょうぶですよー」とのこと。念のためオモリの号数を聞いたら「うーん、何号だったかしらぁ。アハハハ」とのこと。

そういう女将さんのほんわか対応も好きな船宿です。

オモリは結局、餌木のみなさんに合わせて、10号~20号ぐらいをメインに持参することに。実際は25号まで持っていきましたが、中ノ瀬の浅場を攻めるのであれば20号がジャストかなと。

テンヤの場合、初期の中ノ瀬は15号ぐらいに落としてフォールスピードを遅くしてノリをよくする技があるんですが、ダウンショットの場合は、オモリ位置とスッテが離れているので、そこまで関係性もなさそうなので。

タックルについて言えば、中オモリ&餌木と違って、ダウンショット&スッテは潮上へのキャストによって釣果が伸びます。

だから、バックラッシュをさけるためにスピニングタックルもよいかもしれません。

ベイトタックルの場合、細糸だとバックラッシュの呪いで、解けないor高切れでオモリ&スッテロストが連続するので、PEは1.5号or2号がよいかなと。わたしは、2号にリーダーは4号にしました。1.5号に巻き替えるのがめんどくさかっただけです。

リーダーは3号だとキャスト切れしやすいのと、5号だと結び目がガイドに干渉しやすくなるかなと。

仕掛けは、親子サルカンに枝ス45㎝~50㎝、下糸35㎝~40㎝ぐらい。

潮流が速い場合は、下糸を短くして、枝スと調整するんですが、スッテのカンナがゴミを拾いはじめたら要注意です。スッテをひきづってしまい、スミイカに視認されにくくなっているぞ、というわけです。

スミイカシーズン初期、11月中ぐらいに狙う中ノ瀬エリア自体は砂泥や貝殻エリアメインで、根がかりはしません。

なので、仕掛けはハリス4号に統一でよいと思います。ハリスを3号に落として、フィネス的に攻める技もありそうなんですが、一説によると、ハリスは太いほど潮受けしてフォースピードが遅くなるからよいのだと。なるほど、そうですか。

このあたりは、浮力体やスナップ類で調整してもよいですが、そうするとスッテのバランスが崩れたり。

テンヤスミイカと違って、ダウンショットのスッテでは、スッテとオモリしかない。なので、スッテがやらかしたら、まー釣れないわけですよ。スッテにすべての権限が委任されている状態といっても過言ではないです。

なので、ちゃんとまっすぐに水平姿勢で浮くスッテを選びましょう。

ヤマシタとヨーヅリのスッテが一般的ですが、個人的にはスッテに関してはヨーヅリ・ウルトラスッテ派に所属しています。

さて、弁天屋さんの朝便は船にクーラーボックスを置いて実行支配するスタイル。

一方、午後便は席札を取るスタイルです。

この日は10人弱とのこと。北風に下げ潮。

これはミヨシ源十郎だなー、だれだそれ?ってことで、空いていた左舷ミヨシをゲット。この時点では大勝利の香りしかしません。

こちらは店頭で購入できる、エギ王Liveと三日月オモリ(FUJIWARAバランスシンカー)&ヤマシタシャクリシンカーⅡ

弁天屋さんは初期シーズンのみ出船なので、餌木は2.5号主体のようですね。

一見マゴチのオモリが利用できそうな気もしますが、10号も必要。

スッテをやる人は、六角オモリはありますが、スッテは販売されてない点に、注意しておきましょう。あくまでメインはエギなのです。そのあたりはふまえておきたいところ。

受付で支払いをしたあとは、外の机で記名。スタッフにお渡しして、受付は完了。

午後船は12時30分出船なのですが、揃い次第出船なので、いい大人があんまり油を売るのはやめておきましょう。

近くのローソンで昼飯何にしようかな。おにぎりがいいかな、いやサンドイッチかな、やっぱりカツサンドがいいけど、チキンカツサンドはなー、とはいっても、おにぎりの種類が少ないし。うーむ、ここはポテサラサンドにしよう。

そう、思って、12時15分ぐらいにお店にもどったら、午後餌木スミイカ担当の木村船長が待ち構えていて、「全員揃いましたんで、もうでますよー」とのことでした。いやはや、お待たせしました。ポテサラサンドは美味しかったです。

スッテはこの通り。

布巻とそうでないのがあるんですが、イカの場合はタコと違って、吸盤が歯状になっているので、布のほうが抱きやすいといわれています。

無駄に数をそろえるのもよいんですが、以下の色を2~3個ずつそろえておけばOK。

  • ピンク系
  • オレンジ系
  • 緑か青などの澄み潮カラー(ナチュラルカラー)
  • レッドヘッド

基本的に、若い時のスミイカは好奇心旺盛で目立つほうがよいんだと思います。

ただ、そのときの濁り、光量によって視認されやすかったり魅力的に見える色合いがあるようですね。

このなかで、2つ選ぶならば、ピンクかオレンジですね。この日は、曇り→雨+澄み潮気味だったのですが、エギでよく釣ってた人はオレンジ系+金系の下地でした。ゴールドもよいのかもしれません。

ということで、12時20分頃岸払い。

タックルは、サクラの金剛大潮スミイカ+オシアコンクエスト200HG。やけに高級タックルですね。

エギスミイカは船下オンリーの釣りで、繊細なアタリをとるので、ライトな短竿。

そこに、一人、物干し竿みたいなテンヤ竿で挑戦です。佐々木小次郎感はありますね。

予備竿はアルファタックルの深場タチウオ。9:1でよさげだったので。

中ノ瀬までは、猛ダッシュで30分ぐらい。

仕掛けは、去年の内房岩井海岸ボートスミイカのときに、名手Aさんからもらった仕掛けをメンテしたもの。

ウェイトスイベル+ビーズ+熱収縮チューブ+ササメ スプリング回転ビーズで構成されているこだわりの逸品。

特にマニアックなんですが、スプリング回転ビーズによって、枝スが下糸に絡みづらいんです。あとスイベルの重量によって、スッテがよく動くと。

このウェイトは諸刃の剣っぽいんですが、潮状況・スミイカの浮き具合や活性によって、よさそうです。

そんなこんなで、東扇島の南にあたるポイント到着。

一投目。

みんなが船下を攻める中、一人船首側にキャスト!

オシアコンクエストのSVS(遠心ブレーキは2個オン)のせいか、まったくバックラッシュする気配はありませんな。いいぞいいぞ。

着底後、PEラインにたるみをつくるようにして、5秒ほどスッテを揺らし、ひと呼吸「抱きの間」をいれて、30~50㎝ほど素早くしゃくる。浅いので、あまり激しく小突く必要はないと思います。

この繰り返し。

・・・

・・・

・・・

ちょうど、手前10mぐらいまでしゃくってきたそのとき。

シャク!

グーン!

よーし、キタ。

一投目で一杯目のスミイカをゲット。

これ何グラムなんだろう。

まー今はそういうことを言うシーズンでないので、とりあえずうれしい。

続けて2杯。

ガツン!

さらに、一杯!と、おもったら、これはおかしい、魚みたいな引きをしてやがるぜ。

巻いてきたらうろこが3枚ほどカンナに。シーバスっぽいなと。

ここで、ウルトラスッテDXの夜光ピンクのカンナが鈍くなってしまいベンチ入り。

布部分もよくフグにかじられるわけですが、これがあまりひどいと、イカが警戒するのかノリが悪くなります。

そこから2時間ほど釣れず。

まわりを観察すると、ははーん、オレンジ×金系のエギを使っている人が釣れているな。

こういうのは素直にまねしましょう。

どんぴしゃりカラーはないけど、似たようなのを。

こちら。ウルトラスッテDXの地味目カラー。なんとなくオレ金っぽかったので。

すると乗る。

テンヤ竿でスッテをやる人はあまりいないかもなんですが、このように竿先をあげて、PEラインにたるみをつくってちょんちょんやると、オモリが動きにくいです。

そうこうしていると、大きなアタリが!

ガツン!

あれ、これ、冬に釣るスミイカのサイズじゃ?

と、一瞬思ったのは大間違いで、泳ぎだしたぞ。

はい、フグですね。

良型サバフグかなー。

枝スを交換してビーズが上下に動く仕掛けに

この通り、アタリ色のスッテが容赦なくかじられみすぼらしくなっていくわけです。

その後、青、ピンク(負傷兵)、茶系(負傷兵)、レッドヘッドとローテーションしていくも、まったく釣れず。

序盤の入れ食いはどうなったんですかね。

・・・

これはもしかして、枝スの構成からスミイカのタナにあっていなくて、視認されにくくなっているのかもと。

ほう。なぜおまえはそう思ったのか。

いやね、カンナに底のゴミがかかることが増えてきたんですよ。これはウェイトスイベルによって、スッテが底にたれやすくなっているんだろうなと。

ここで自作「ビーズ遊動式仕掛け」に変更。

はたして、ビーズ遊動式仕掛けとは何なのか。

説明しよう。

ビーズ遊動式仕掛けとは、しゃくりのときなどに、下糸をビーズが上下する仕掛けである。

底上でじっとしているスミイカが、「わ、なんだこれ、餌かも」と、思わずやる気になってしまう恐ろしい仕掛けなのである。

ま、実際はよくわからないんですがね。

と、これまで一切アタリがなかったレッドヘッドカラーをチョイス。

スミイカ的には、シーズン後期の浦賀航路エリアで爆釣しやすいカラーです。あとは、多摩川河口のシーバスに有効なカラー。要は濁りや光量が少ないエリアによいのかも。

で、釣れる。

このレッドヘッドで2杯追加。

それにしても、この中ノ瀬、はじめから気づいていたけど、なんだか臭いんです。

硫黄というかドブっぽいニオイというか。

これはもしかして、今神奈川で話題の謎の異臭騒ぎと関連しているんじゃ。まわりにはタンカーぐらいしかないので、タンカーが怪しいな。タンカーに違いない。全タンカーを調査しろ。

そう思っていると、木村船長から「あと10分で締まっていきますんで」コール。

雨で正直、早くお風呂に入りたい感が強くなっていたので、有難い。

が、もう一杯釣りたい。

と、遠投を繰り返すこと、数投。

ガツン!

テンヤスミイカ竿だと、乗った時が楽しいなと。

小型だけど、この日釣ったなかでは良型でした。

帰りは八景島あたりで、もう一度バケツに水を流してもらえるので、バケツの中でスミイカをウォッシュ。墨をながしましょう。

合計6杯。

沖上がり後、桟橋で帰り支度をしていたら、木村船長がとことこ、わたしのところへ。

「お前遠投していた割には、そんなだったな」

とでも言われるのかと、ちょっとびくびくしていると、おぬしも悪よのう系の笑顔で「今度やるんならシャコもあるよ」とのこと。

なんという裏メニュー。

それにしても、テンヤ竿で一人、えっちらほっちら投げていたのを船長も気付いていたんですね。

いい人よね。

船中一番は7杯。6杯は善戦したほうかな。

まとめ

そろそろ10月中旬に入るわけなんですが、スミイカのサイズはこれからひとしおごとにでかくなっていき、12月までは急速に成長していくわけです。

それが1月になると、成長スピードが鈍化して、3月ぐらいまで釣れ続きというのが東京湾のスミイカシーン。

今回もっと釣果を増やすためにできたことは以下の通りかなと。

  1. アタリ色のスッテの在庫を増やす
  2. オレンジ×金系をもっておく
  3. スッテ以外のダウンショット仕掛けの構成を早めに変えていく

この3点。

最初の2つは、そもそも釣れるスッテは在庫しっかりということ。

3番目は、釣れない時間をしゃくりゾンビ化して長く過ごさないということです。

今回は、アタリがない理由がエギ以外の要素にあると気づくのが遅かったなと。

この3点をちゃんとやっていれば、10杯はいけたはず。

ということで、近隣のテンヤスミイカ船がスタートまでにまた試してみる予定です。

今回は冷たい雨で体力消耗も激しかったんですが、晴れた日ならば、午後にサクッと乗れてよいと思います。

ではでは。

平田(@tsuyoshi_hirata

使用タックル

▼スミイカの場合、スッテのハリは丸曲2段針がオススメです。特に12月~3月はノリがよくなりますし、バレも減らせます。ピンク系・オレンジ系はフグにやられたり高切れロストもあるので2~3個もっていくと安心。

お世話になった船宿

金沢八景・弁天屋

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