おいしい酒を飲むために魚を釣っていると言っても過言ではない。
いや?過言かな。どうもなかけんです。
さて、今回は前回釣ってきたヒラメを捌きたいと思います。
「ヒラメとかカレイとか薄っぺらな魚をどう捌けばいいんの?」とお嘆きの方、これを読めば3割程度の手助けはできるかと思います。
ちなみにヒラメもカレイも左右対称になるだけでさばき方は変わりません。
難関は最初にやってくる!ヌメヌメ地獄だ
まずヒラメの表面がすごくテカっているのが、おわかりいただけますでしょうか?
そう、この魚すさまじくヌメヌメしているのですよ。
そこで取り出したるは金たわし。これでヒラメの表面をなぞると・・・
あら不思議!ヌメリと一緒にウロコもとれていきます。
ウロコが細かい魚の場合「すき引き」という職人芸を駆使してウロコをとる必要があるのですが、面倒くさいのでこの方法で処理してしまうといいですよ。
表の黒い部分はもちろん、裏の白い部分にもウロコがあるのでしっかりと両面ゴシゴシしてください。
ちなみにウロコとヌメリで排水ネットはあっという間に許容量MAXとなるのであしからず。
ウロコをとると真っ黒だった体がこのように綺麗になります。
簡潔にかいておりますが、このゴシゴシ作業が結構大変な作業だったりします。
ヒラメは三枚ではなく五枚に卸す
さてさて、うろこをとったら頭を落として内臓をとり出し、血を洗いながします。
内臓を取り去る際においしそうな肝がとれたので、塩と酒を入れた氷水に漬けておきます。
これは絶品なので絶対に捨てないで!
身を取る前に、まずヒラメのヒレがあるところ(エンガワ部分)に、中骨に当たるように頭からしっぽまで切り込みを入れておきます。エンガワがもったいないからなどと思わず、ここはしっかりと切込みを入れるようにしましょう。
しっぽの部分にも切れ込みを入れます。
いよいよ身を取り出します!背中のラインに沿って、しっかりと背骨にあたるまで包丁をさしこみ、先ほどのしっぽの切れ目まで切れ込みを入れましょう。
真ん中にいれた切れ目から、背骨を中心に中骨に沿って外側に身を切り離して行きましょう。一気にそぐのではなく、ヒラメの中骨はしっかりしているので中骨にあてながら徐々にそいで行けば綺麗に離れます。
そしてはじめのエンガワ部分にいれた切り込みまでいけば身が剥がれます。
反対側も同じ要領で切り離し、これで3枚。
こんな姿になります。
ヒラメをひっくり返して裏側にし、表側と同じようにエンガワ、シッポ、切り離しを行うと身が4枚、骨が1枚となります。
これがヒラメの5枚卸しですね。
サクにしたヒラメの熟成について
さて、釣ってすぐの白身魚は歯ごたえこそ抜群ですが、うま味成分が出ていません。
ということで、この状態(頭と内臓を取り出した状態)で1日寝かせると身が少し落ち着きたんぱく質がアミノ酸に分解されうまみがでてきます。これは魚の種類によって最適な日数が変わります。
ざっくり言うと死後硬直して実が硬くなると、その後は徐々に腐り始めるという工程にはいるのですが、ほら腐る手前が一番美味いっていうでしょう?
頭(エラ)と内臓を取りのぞいておくことで、腐りきるまでのスピードを遅らせ、身がおいしい状態を長く保つことができるのです。
熟成肉とかいい例ですね。
寝かせ方は釣った後の処理や魚種により異なりますが、僕はキッチンぺーパーとラップにくるんで半日置いてから一度キッチンペーパーを取り出し(臭みを取る行程)、水気を摂ってから今度はラップだけで巻く(熟成行程)ようにしています。
ヒラメを刺身を食べてみよう
カレイの場合はこのまま皮つきで煮つけなどにしても美味しいのですが、ヒラメはやはり刺身を頂きたいですよね。
まず皮を引きます。尻尾側の部分に皮を切らないように気を付けて、ちょんと切込みを入れます。
包丁をまな板から30度くらいの角度をつけるようにし、片方の手で尻尾の部分を抑えつつ皮を引いていきます。あまり歯を立てすぎると皮が途中で切れてしまうので注意。
※この皮引きですが、魚によっては皮がもろい魚もいるので若干方法を変える必要があります。
皮をはがすとエンガワ部分がポロリととれます。
カレイは冬に釣って捌いた時があるのですが、「エンガワなんて全然無いじゃん!」と思っていましたが、今回初めてヒラメを捌いてエンガワというものをまのあたりにしたとき、こう思いました。
「エンガワ少なっ!! 」
というわけで、皮を引いたら薄切りなぞにしてムシャムシャ食べましょう。
にしてもエンガワ少ないなぁ。
刺身以外も楽しめるヒラメ料理
昆布締め
折角なのでこぶ締めも作っておきましょう。塩をふって15分くらいすると水分が出てきます。
この水気を拭き取り昆布で挟み、ラップでグルグル巻きにして冷蔵庫で1日放置。
すぐに食べない場合は、昆布は捨ててラップで直に巻いて保存しましょう。
味を濃くしたいのであれば2日くらい締めても良いですが、昆布の方が早く腐り始めてしまうので最大で2日程度にしておきましょう。
白子と肝ポン酢
白子とキモをさっとゆでてポン酢で食べたり
ヒラメ茶漬け
アラで出汁をとって、
ヒラメ茶漬けにしたり
刺身やカルパッチョなど
刺身はもちろんカルパッチョなど色々な料理方法でも楽しめます。
まとめ
ヒラメをさばくのはアジなどと比べると難易度が高いものの、さっと湯引きして叩いたキモと醤油を和え「キモ醤油」を作り、それで食べるヒラメの刺身は絶品だと思います!是非お試しあれ。
<ヒラメを調理するときにあるといいアイテム>
- 金たわし
- 排水ネット
- ビールw
なかけん
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