祝解禁!群馬・渡良瀬川水系でイワナ・ヤマメを狙う。マル秘ポイントは本当につれるのか?

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ヤマメ
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~この記事は約 13 分で読めます~

どうも、もぐりやぼーいこと大谷賢史です。

やんごとなき事情により釣りにご無沙汰してしまいましたが、釣友・E氏とともに渓魚と戯れてまいりました。

とはいえ、解禁当初の渓流は混みに混んでいる。

なんでも長瀞あたりの荒川はバブル期の豊島園プール並に込んでいるとか。

【大谷メモ】古今東西、釣り人の話はいつも多少大げさ。

そこまでではないにせよ、せっかく大自然に立っているのに、両隣に釣り人がいたのでは趣に欠ける。

そうだ、山に行こう!

山岳渓流は『先行者絶対優先(南極条約)』が締結されているから、他の釣り人とカブるこはない。

【大谷メモ】山岳渓流先行者絶対優先(南極条約):山岳渓流では先行者がいる場合には、絶対に追い越して釣り上がってはいけないという暗黙にして絶対のルール。

もし先行者が居たら、その人の後ろを釣るか、別の川に移動するか、先行者に挨拶してどこまで遡行する予定か聞き、川を荒らさないように林道に戻って先行者の遡行予定ポイントの上流から入渓する。

というわけで、昨年の宿題(「源流イワナ釣行、秘儀『ちょうちん釣り』で狙う!@渡良瀬川巣系支流・枝沢』)の回収も兼ねて渡良瀬川水系にリベンジすることにしました。

目次

出発から上里サービスエリアまでの顛末

というわけで、あたりはまだ真暗い4時30分に、おらが村・板橋区赤塚を出発。今回のポイントまではナビ上では2時間15分の工程。割と近い。

渡良瀬川水系までは17号バイパスや国道122号線でもいけますが。今回は楽さを最優先にして、関越自動車道・練馬インターへ。高速道路利用の場合には、北関東自動車道・伊勢崎インターが便利です。

【大谷メモ】首都圏から伊勢崎インターに行く場合には、美女木ジャンクション経由で行く方は外環自動車道を左折して関越自動車道経由で行くほうが4.3㎞60円安いのでちょっとだけお得。

深夜もやってる上里サービスエリア

昨晩は終電近くまで飲んでいたので、ビタイチ腹は減っていなかった。が、山岳漫画『岳』に120%影響されている私は、山に入る前に何か胃の腑に落とし込んでおくべきと妄信して、上里サービスエリアで朝ご飯休憩。

本当にビタイチ腹は減ってなかったが、ここはお勧めの『上里ラーメン』を注文。

【大谷メモ】ご当地モノには積極的に飛びつく。

上里ラーメンは、いわゆる立ち食いのソレっぽくない、本格的なラーメンで中々の旨さ。

何のモチーフなのか今一つわからない、上里町マスコットキャラクラーの海苔が乗っていることがポイント。佐野ラーメンに近い感じでした。

これをペロっと完食。

同行のE氏は、齢38歳にして人生最高体重更新中の私の腹部をねめまわし、「朝ラーかよ」と、つっ込んだ。

【大谷メモ】「ラーメンはチャーシュー以外は野菜だからヘルシー」が持論

黒坂石川へ。衰えゆく体にムチを打つ

ETCバーが降りなかったり、道を間違えてすっごい峠を越えたりしつつ、なんとか現地に到着。

どこの川から釣るか迷ったが、入渓が楽な黒坂石川に向かう。

途中、野生動物とかなりの確率で遭遇するので注意しつつ、おっさん浸り旅でも「わーーw」「きゃーーw」と楽しめば万事OK!

この日は、ニホンザルの群れに二度遭遇した。

国道122号線を日光方面に北進。わたらせ渓谷鉄道・沢入駅の看板が見えたら左折。「沢入」という名からしていかにも山岳渓流に来た!いかにも釣れそうだ!という思いにさせてくれる。

沢入駅から黒坂石川までは数分。駅前には数店の店舗と家々が散らばっている。

何がどう違うのか説明はつかないのだが、いかにも山間部の家だと言わんばかりの冷たく、重く閉ざされた雰囲気がある。これがまた山の川に来たんだ!という気持ちにさせる。

ただ近くに商店はないので、草木ダム手前にコンビニで購入すべし。

つづいて、黒坂石川の脇を走る道路を登っていく。

ダムを過ぎるといくつか沢があるが、どこも車が止まっていたので、一番奥の沢(本流?)に向かう。

川が二股に分かれるところまで行くと舗装路が終わるので、その手前に車を停めた。

ハイエースが停められるので、だいたいの車はOK。道は割ときれいだが、落石や落木はそこいらにあるのでローダウン車やタイヤをインチアップした車は控えたほうが無難。

ここで釣りの準備をし、出発。

上流を向いて、左側の沢を登っていく。

右側の沢は私有地で、キャンプ場兼管理釣り場になっているらしいので無断で入れない。が、どうも荒れていて人の気配はなかった。

林道に入ると思った以上に急こう配。日ごろの不摂生がたたり、すぐにゼイゼイハアハア状態になった。

昨年は10分や20分でそんなことにはならなかった。身体が鈍っていることを如実に感じていた。が、同い年のE氏がグングンと進んでいくので、こちらの衰えを悟られぬように同じペースで登っていく。

イワナが俺を呼んでいる♪イワナが俺を呼んでいる♪イワナが俺を呼んでいる♪

そう心でつぶやいてなんとか気力で歩く。

【大谷メモ】この時、歩き始めてまだ5分。

最初の堰堤でドラマが

気持ちが高ぶっていたこともあり、E氏に気取られぬように小休止したい思いもあった。なので、見た目ではそんなに良いポイントではなかったが、一つ目の堰堤を目指して山の斜面を下ることにした。

急だな~、と思う斜面もやってみると結構上り下りできたりする。

ただ、斜面が砂利であったり、枯れ葉やかれき、ガレ場であったりした場合には、降りるの良いが、登る場合には表層が崩れて登れない場合があるので要注意。

私みたいな山初心者は、多少遠回りでも安全な入渓ポイントから入り、確実に帰れるという安全性を確保した上で、毎回少し挑戦する意味を込めて、退渓時に山の斜面を登るようにしている。

安全第一なのは言うまでもないが、挑戦なくして進歩はないので、少しづつ挑戦と経験を積んでいきたい。

E氏はルアー釣り専門なので、私は違う釣り方で魚の反応を見ようと秘儀『ちょうちんテンカラ』を選択。

私が仕掛けを作っていると・・・

E氏「おーたにーなんかきたーーー!!!」

私「おーーーーナイスバッティング(?)!!!」

E氏「うわあ、めっちゃ綺麗!!!」

私「めっちゃ綺麗だ。イワナの渓かと思ったらヤマメだね。グッジョブ!!」

E氏「1投目当たったけど乗らなくて、2投目で来た。」

E氏「やっぱりスピナーだな。」

E氏「アップでもダウンでもなく、堰堤下を横切るようにルアーを引っ張ってくることがポイント」

私「ほー。ヤマメが追い食いしてきたんだー。よかったじゃん。こりゃ今日はいいよ!もっと釣ろう!」

E氏「いや、俺は釣れるけど、お前はね・・・。申し訳ないけど、一緒に釣りいってオータニが釣ったとこ見たことないし、まあ、きっと釣れないよねえー、申し訳ないけど」

私「・・・。(こういうやつだったわ。)」

先行者により、南極条約発動

次のポイントへ遡行すると、人影が見えた。車はなかったが、まさかの先行者がいたのだ。

こうなると非常に後ろ髪惹かれる思いであるが、先行者絶対優先(南極条約)に従って、退渓することに。

山の急斜面を登り、林道に戻ると、林道わきに小型乗用車が停まっていた。り、林道まで車で入ってくるとは・・・。
しかも4WD車等でなく1300CCの小型車で・・・。

あれは、きっとベテラン氏だろう。

【大谷メモ】知識なく林道に車で侵入することは控えよう

まだ8時だ。次の沢へ行くぞ!!と先陣を切って川を下ると、運動不足で、とっくに足にキていた私は、川石で足を滑らせ濡れ鼠に。

背後から「大丈夫?」と、E氏が腹を抱えて笑いながら声をかけてきた。

結局ここでは釣りにならず、E氏が、出合い頭の美麗ヤマメ釣っただけで黒坂石川を後にした。

漁協のおじさん曰く「両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ」

林道に上がると、群馬漁協のおじさんとエンカウント。

ここは両毛漁協かと思いきや、おじさん曰く「群馬漁協と両毛漁協の共同エリア」とのこと。

人が良く、気さくで話好きな群馬漁協のおじさん二人。

話を聞くと、今年は雨や雪が少なく水がかなり少ないので、イワナも淵に溜まっていて、瀬には出てきていないので、水深のある所を釣るべきとのこと。

だが、もともと浅い黒坂石川には淵や滝つぼの白泡のような1級ポイントは少ない。

小川の小さな淀みからイワナを引き出すような釣りになる。

おじさんがいうように堰堤下のような水深があるポイントに、この川の魚の多くが集ってきてしまっては、全ての魚にエサいきわたらず、息絶えてしまう。

だが、近年まれにみるの暖冬の今年は残雪が全くなく、そのせいで水量が乏しいのも事実。

この情報を如何にして釣果に繋げるかが釣りの面白いところ。

今回の情報は以下の通り。

  • ルアー釣りならどこそこだ
  • イワナならどこそこだ
  • 解禁当初のヤマメの特攻エサは養殖ブドウ虫だ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • サクラマスも今年は良さそうだ
  • イワナならチョロ虫(川虫の一種)だ
  • チョロ虫ならイワナが食わないことはない
  • もう少し暖かくなれば渡良瀬川でたくさんとれる
  • 両毛漁協より群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • チョロ虫ならヘチマか濡れタオルにくるんでおけば1日持つ
  • その証拠に昨年、小中大滝下で40cmイワナあげた
  • 長竿に重い錘つけて、サビキ釣りのようにゆーっくりと竿を上下させんだ
  • チョロ虫なら岩の陰からイワナがスーっと出てくるからそれまで待つんだ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • ハコスチって知ってっか?なんちゃらスチールって魚と、箱なんとかって養殖のかけ合わせた、でっけーニジマスだ。これ引くぞー。利根川で釣れっから来いよ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ
  • 両毛漁協よりも群馬漁協のほうが範囲が広いからお得だ

【大谷メモ】ハコスチ・・・スチールヘッド(降海型の大型ニジマス)の雄と箱島養鱒センター産の大型ニジマスの雌を掛け合わせた大型で引きの強いニジマスのこと。参照:ネイティヴリバーで釣る!超美麗「ハコスチ」@群馬県上野村

漁協のおじさん:「兄ちゃんたち、右の沢行ったか?あそこは山の持ち主がいてな、キャンプ場みたいのやってんだ。それはいいんだけど、川も独占しててな、一般人が入ると大変なことになるんだよー。川の管轄は国交省だし、保全活動や放流事業は俺ら漁協がやってんだけどな、あっこのオーナーは川も自分のモノだって役所にまで主張してて、いろいろあんだー。料金はそこそこ高いみたいだけど、魚は釣れるみたいだからそういう釣りしたいならちゃんと申し込んで行けばいいが、そうでないんなら入らないでな。まぁ、ここまで来て管理釣り場いくなら、同じくらいの料金で群馬漁協の年券買えるから、買って、いっぱい釣って、いっぱい楽しんでいってよ!群馬漁協は範囲が広いから色々な釣りができて面白いぞー」

「じゃあ・・・」
「では・・・」

と、3、4回中座する機会を伺ったが、なんだかんだと40分近く話し込んでしまった。

足は棒になるし、濡れた体は冷えるし散々であったが、まっこと楽しき釣り談義でした。

こんな山奥で楽しく釣りトークできるとは、釣りって楽しいなー。

まだ3投くらいしか釣りしてないけども。さっ、年券買っちゃおう!

【大谷メモ】営業されるのが好き

小中川堰堤下は天国!?地獄!?

群馬漁協のおじさんが「ルアー釣りならここ!!」というマル秘ポイントである小中川へ転戦。

国道122号線を東京方面へ行き、小中大滝入り口の看板がある交差点を右折。100メートルくらい進むと左側に河川敷に降りられる細い道がある。消防小屋の前あたりに車を停めてよいとのこと。

ここで、私もルアー竿に持ち替えた。

群馬漁協のおじさん:「車停めたら、少し上流のところに門があるから、そっから入って。門閉まっていたら鍵開けていいから。そんでその先のフェンス越えたら梯子段があるからそっから降りろ。重めのルアーで堰堤下の泡めがけて遠投しろ!すっごいヤツが出てくっから!しかも数もでるから!」

堰堤と堰堤の間のプールがこの時期だけのマル秘ポイントで、昨年の解禁日にも、ここでそれはもう爆釣したとのこと。

「すっごいヤツ」
「数も出る」

という魅力的なフレーズだけ都合よーく耳に入ってきて、「お兄ちゃんたち若かあないけど、まあ、まだ若いから大丈夫だろ。まあ、行けっぺよ?」と、おじさんがいっていた言葉の意味が現地についてやっと脳に届いた。

断崖絶壁。

迂回路を探したり、勇気と安全の計算をしたり、「お前が先に行け!」「いや、お前が先に行け!」という不毛なやり取りを10分ほどした。だが、妙案などというものは存在せず、意を決して10メートルほどの堰堤の壁に備え付けられている手すりの梯子段を下った。

E氏は奥。私は手前の落ち込みに分かれる。

魚が溜まっているとの情報であるが、さすがに何投もしたらスレるだろうから、ここはエーススプーン(イトウクラフト:蝦夷スプーン5g)を装着。

遠投し、丹念に攻める。

ところが、E氏ともどもバイトも追いもなく、魚影を見ることはついぞ一度もなかった。

漁協のおじさんを信じ、自分の勇気を信じる人でしたらいってみてください。実績はあるそうです。

駐車スペース付近にはフキノトウがたくさん顔を出していた。魚が釣れていたら、ここでフキノトウを摘んで帰宅しただろうが、今日は転戦することにした。

小中大滝下と先行者絶対優先南極条約交渉

(出典:みどり市観光ガイド)

せっかく小中川まできたので大滝までいってみることにした。

道路は舗装されてまあまあ綺麗だが、落石がゴロゴロ。注意が必要な道である。小中大滝駐車場まで来ると、観光客の姿も目にできた。

ちょうど上がってきたエサ釣り師氏から話しかけられたが、残念ながら1匹も出なかったとのこと。

準備をして川に向かうと、男性二人組のルアーマンもちょうど釣りにいくところであった。

順番で言うのならば、タッチの差であったが我々のほうが先行者であったこともあり、ルアーマンのお一人より「どちらにいきますか?」「お先にどうぞ。」と声を掛けられた。

おお、「先行者絶対優先南極条約」や。

律儀な人だ。

どちらの沢筋を攻めるかの予定もなかったので、気持ちよく譲って下さったルアーマンに大滝下の一級ポイントをお譲りして「ありがとうございます。では、右の支流の方へ行きますね。」と伝え、健闘を祈った。

右の沢は少しいくとすぐに小規模の堰堤に出くわす。途中の竿抜けポイントは捨てて、堰堤に向かった。

【大谷メモ】竿抜けポイント:先行者が釣りをしていないポイント。小場所であったり、木がオーバーハングしていたりで釣りにくかったりするため、魚が残っている可能性が高い。

堰堤は小さいが、堰堤下は掘れていて水深が2メートルほどある。実は昨年、私はここでイワナをバラしている。

私は仕掛けを作らねばならなかったので、E氏に先を譲った。E氏は右岸側から堰堤下の白泡を横切るように得意のスピナーを通す。

バコン!

E氏の竿が水面方向に食い込まれた。

と、思った瞬間、はじき返されて元に戻ってしまった。

フッキングしなかった。

E氏「あーーーー乗らなかった。もったいねーーー。」

私「イワナならまだ食ってくるかも!やってみよう!」と、二人で堰堤下を投げるが、その後魚の姿は見えなかった。

ここの堰堤はイワナが居ついているので早朝か雨が降って増水したときはチャンスだと思う。駐車場から5分なので試してみる価値はありそうです。

堰堤を高巻きして、ムリして斜面を登ったが、堰堤より先はチャラ瀬が続き当面釣りにならなそうであった。

道路を歩いて駐車場に向かうと、先ほどのルアーマンが小中大滝下を攻めていた。5分ほど橋上から眺めていたが、見ていた短い時間はノーバイトであった。

ふと後方を見ると、他の2名組が釣り上がってきており、大滝の順番待ちをしていた。漁協のおじさんの実績はありますが、人気ポイントなので早朝の一番乗りで試すべきポイントでしょう。

美しい渓装・柱戸川

草木ダム方面に引返し、草木橋を渡り右折。国民宿舎サンレイク草木の少し先が柱戸川である。

グーグルマップでは黒坂石川や小さく書かれているが、黒坂石川よりも水量があり、大石からの落ち込みが連続する美しい渓装の川である。

川は道路沿いを流れており、こちらも入渓は容易だが、多くの場所で斜面を下りなくてはいけない点が少し難易度は高い。

この道路は林道三鏡線といい、唯一山向こうの桐生川まで続いているとの漁協おじさんの情報であるが、当然ケータイの電波はない。

不意な落石や倒木などで通れず、長いバック走行を強いられたり、タイヤのパンクの可能性もあるので、知識のない人の単独での峠越えは避けたい。また予備タイヤは必ず積んでおきたい。

林道三鏡線と柱戸川は平行に走っており、唯一の橋までは車で舗装路を走って遡行できる。

その途中もポイントは満載であるが、竿抜けを狙いで大釣りしたいならば、橋の手前に車を停めて自分の足で歩かなくてはならない。

当日はもうすでに正午を過ぎていたことと、水の少ない源流域ではルアー釣りは難しく、E氏が水量のあるポイントを望んだので、橋より下の渓谷を釣った。

どこでイワナが飛び出してきてもよさそうなポイントばかりであったが、アタリもなく、魚が走ることもなかった。

また、このポイントではエサ釣りをしようと、1年前に買った瓶詰めイクラとキンパク(川虫の一種)の真空パックを開封したが、既にイクラはカチカチになっており、キンパクはカラッカラに干からびていた。

干しシイタケのように、干からびたキンパクを一度水に漬けて戻したら何とか針に刺せるようになったが、エサ持ちはすこぶる悪く、使いものにならなかった。イクラもカチカチでまるでルアーのようであった。

もしエサが最適なものであったなら魚は出たのであろうか?

トラブル発生!!!

退渓時に、山の斜面を歩いているときのこと。

なんと、右足がズボっと股関節まで埋まってしまい抜け出せなくなった。

特に雪庇や、それと同じように落ち葉がオーバーハングしているようなところを歩いたわけでなかったが、落とし穴にズッポリはまり、抜け出せなくなった。

【大谷メモMEMO】雪庇(せっぴ)・・・崖の上に雪が積もり庇状になった状態のこと。この上を歩くと、雪が崩れて滑落する。雪でなく、枯れ葉や土が庇状になっているものもあり、同じくその上を歩くと地面が崩れて滑落する。要注意ポイント

E氏に助けを求めたが、

「俺は世界のAO木~~~♪」

と、急に脈絡もなくとんねるず石橋貴明さんが、ゴルフの青木功プロを真似て作ったオリジナルキャラの真似をして、助けてくれるどころか、大爆笑して動画撮影をはじめた

右足の膝を痛めていたが、AO木さんはそんなことなど、つゆ知らず大爆笑しているだけなので、渾身の力を振り絞って右足をなんとか抜き出し、ほうほうの体で退渓した。

山も幼馴染みも油断大敵であることを知った。

レトロにSNS映えしたい人必見の「お蕎麦スタンド」へ

国道122号線を降りていく、蕎麦、うどん、ラーメン、サンドイッチの販売機だけを集めたサービスエリアがあり、ライダー達で賑わっていたので寄ってみることにした。

種類はたくさんあったが、蕎麦にした。蕎麦の価格は250円。激安である。

立ち食いソバ屋よりは少し小さめであるが、逆にちょうどよい。

E氏いわく、近くの蕎麦屋さんが作っているので、インスタントでなく味がイイらしい。

【大谷メモ】E氏情報網は広いが信憑性は不明。自己判断で。

私は『てんぷら蕎麦の青唐辛子入り』を注文。

注意書きを読むと、なんでも特典があるらしい。なんと、通常のかき揚げに加えて、特賞は海老天が入っていたりと、おまけがつくとのこと。

日ごろ・・・ていうか今日の行いが悪いE氏はスタンダードかき揚げであったが、私にはシイタケのてんぷらが1個おまけされていた。

そのことをE氏に告げると、

E氏「よかったじゃん。魚釣れないし、川に落ちるし、落とし穴にはまるし、1個くらいいいことないとツライもんな」

と逆に優しい言葉を掛けられた。

悪態をつかれるよりも心にダメージをおった。

最終戦・小黒川~渡良瀬川合流ポイント!

わたらせ渓谷鉄道・花輪駅付近の渡良瀬川は小さなダムのようになっている。

その下流で小黒川が渡良瀬川本流に合流する。

ダムで越冬した大型魚が、エサを追いに小黒川合流ポイントに出てきているのではないかと考え、ここを最終決戦場とした。

小黒川はチャラ瀬で釣りには向かなったが、川幅は広く、水も綺麗。

時期になれば川虫がたくさん採れそうな河川であった。

日が昇って暖かくなったの虫はハッチしていたが、合流上のプールを見渡してもライズしている魚はいなった。

【大谷メモ】ハッチ:カゲロウや蚊の仲間などの羽虫が羽化したりして飛び回ること。ライズ・・・ハッチした虫を食べようと水面直下に魚がやってきて波紋を出していたり、跳ねていたりすること。フライ(毛バリ)釣りの絶好のチャンスタイムとなる。

魚は沈んでいると考え、合流下のポイントに入った。

流れは強く、水深も2mほどある。

エサ釣りに適したポイントであったが、当日はエサに不安があったので、ルアー釣りをすることにした。

スプーン、ミノー、スピナーなどありとあらゆるルアーを流し方を変えつつ投げまくり、ロスト覚悟で岩陰や木の下に投げ入れた。

結果は、ルアーを2個ロストしただけで、魚からのコンタクトはなかった。

夕焼けチャイムが鳴ったのを契機に、「最後の1投」を10回くらいして、16時40分納竿。

魚が釣れなかったことはもちろん悔しかったが、久しぶりの釣りで心地よい疲れの中に身を置けることが、なんだかとても嬉しかった。

「また来よう」

そう、心でつぶやいて、川を後にした。

帰りは東北道周りで、自宅の大宮で下してもらった。

日曜日であったが、道路は混雑していなかった。

釣りをして帰った家の近くは、なんだかとても懐かしい感じがする。

こんな感じも久しぶりだ。
さあ、次は何釣ろうか?

大谷 賢史

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