島人が今語る。沖縄ルアー釣り遠征でおすすめのターゲット7選と攻略法解説!

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オニヒラアジ 釣り
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こんにちは。沖縄在住のアングラーsacomと申します。

空梅雨気味の沖縄は観光シーズンに突入。

釣りをふくめた遠征をされる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、個人的にオススメな沖縄の陸っぱりルアーターゲットを紹介します。

目次

①オニヒラアジ

シラスパターンで釣ったオニヒラアジ

沖縄といえば70kgに達するロウニンアジ(GT=ジャイアントトレバリー)が有名ですが、個人的に好きなヒラアジはオニヒラアジです。

ロウニンアジはカッコイイし大きいのですが、陸っぱりでは「掛かってもなかなか捕れない」魚なのです。

一方、オニヒラアジに関してはアベレージサイズが70cm・3kg前後で、エギングタックルで釣り上げることも可能です。

また、比較的個体数が多いことや、バキューム型の口でベイトフィッシュを偏食しているので、ポイントが絞りやすいでというメリットもあります。

バキューム型の口を持つオニヒラアジ

夏場のオニヒラアジはシラスを食べているため、鳥山を探すことが一番の近道で、ルアーはシラスを意識した極小メタルジグやジグヘッド+透明のソフトルアーの組み合わせが基本です。

彼らはバキューム力が強く吐き出す力も強いので、シングルフックを用いたアシストフックよりもトレブルフックのほうがフッキングに持ち込みやすいと感じています。

ロウニンアジほど強くはないとはいえファイトは強烈なので、軸の太いフックは必須です(最低でもカルティバST46

こちらは、シラスパターンでの胃の内容物。ミズスルルというカタクチイワシの仲間がよく出てきます。

冬場はミズン(ミジュン)という小魚に付きやすく、明け方、夕方にミズンの群れが大移動するときにボイルを起こします。

ミズンパターンではオニヒラアジ以外にも、ヒレナガカンパチやイソマグロ、キハダマグロなどがヒットする場合もあります。時合いは通常5分以内と極端に短いのが特徴です。

こちらは、秋から春にかけてのベイトはミズン。


筆者はミズン型のリップレスミノーを自作しており、地元メーカーより量産型として発売予定です。

沖縄のフィールドでは必ずや捕食対象となるミジュン(イワシの仲間)。 そのミジュンを捕食対象にしているヒラアジ系や大型のフエダイ狙いに高嶺氏のハンドメイドルアーとして圧倒的な人気を誇る。 Boggyとコラボで少量ではあるが量産化に成功。 ショアからはコノシロパターンのシーバス狙いや磯場のヒラスズキ、青物狙いに、オフショアではカツオ、シイラ、マグロ狙いに効果絶大。

出典:http://boggy-japan.co.jp/lure_mz10.html

②ゴマフエダイ

「ゴマフエダイ」写真提供:だいちゃん(@daiki_kokuba

ゴマフエダイは、英名の「マングローブジャック」が示すとおり、マングローブ帯がある汽水域に多く見られる魚です。

最大10kgに達し、大型魚は外洋に多いと言えます。

メッキ狙いの外道としてヒットすることもありますが、メッキとは一味違うトルクのあるファイトを楽しめます。

汽水域に生えるマングローブ

ゴマフエダイと言えば、マングローブ林で釣るイメージかもしれませんが、マングローブがない市街地の河川でもヒットします。

ルアーはあまりえり好みしない魚ですが、スレているところではミノーやスプーンなど、周辺の小魚を観察しながら、マッチザベイトを意識した丁寧な釣りをしたほうが良いです。

コツとしては、ストラクチャーまわりを狙うことで、潮が当たる大きな岩や急カーブ、流木、不法投棄された粗大ゴミなどのまわりを丁寧に狙うと、高い確率でヒットします。

魚類研究者の話では40cmクラスで7歳ほどと成長が遅い魚とのことで、近年のルアーブームで都市河川ではかなり数を減らしている感があります。

一方で、ゴマフエダイはタグ&リリースでの再捕獲率が高い魚とも言われるので、丁寧なリリースをしていただければと思います。

どの魚もそうですが、釣りつくすのではなく、資源保護も意識しながら中長期的に楽しみたいですね。

③オオクチユゴイ

ミノーにヒットしたオオクチユゴイ

沖縄の渓魚オオクチユゴイは、ゲームフィッシュとして最高の魚だと思います。

昆虫から小魚まで何でも食べる雑食な魚なので、その時々の食性にあわせた5cm程度のポッパーやペンシルベイト、バスフィッシングで用いられる虫系のルアーが大活躍します。

タックルはルアーにあわせてライトなものを選びます。バスタックルなどもよいでしょう。

特にトップウォーターに激しく出る魚なので、トップしばりの釣りが楽めます。

小魚が多く遡上するポイントや時期には、ミノーやシャッド系ルアーも有効です。

一方、オオクチユゴイは恐ろしく神経質な魚でもあり、1ポイント3キャスト以内できめないと、そのポイントの釣りは難しくなります。よってラン&ガンの釣りが基本です。

オオクチユゴイ及びユゴイはかつては清流の魚と呼ばれていましたが、近年の水質改善により那覇市内をはじめ都市河川でも見られるようになりました。

④ハマフエフキ(タマン)

「ハマフエフキ」写真提供:だいちゃん(@daiki_kokuba

ハマフエフキは、名前のとおり浜に多いフエフキダイで、糸満市の市魚に選定されています。

沖縄三大高級魚にも数えられ、最大80cmを超えます。

ちなみに沖縄の三大高級魚は本種タマン、アカジン(スジアラ:アカジンは赤い銭の意味)、マクブ(シロクラベラ)の三種です。

ハマフエフキは餌釣りでも人気魚種で、沖縄では専用の投げ竿(タマン竿)を用いたブッコミスタイルの夜釣りが盛んに行われています。

水深50mくらいの沖釣りで釣れることもあれば、膝下くらいの藻場にもいる魚なのですが、ルアーフィッシングでは基本的に昼間の干潮時、ウェーディングで狙います。

タックルは最低でもエギングタックル以上(PE0.8号+リーダー20ポンドクラス以上)で、根が荒いポイントでは底から引き離し優位にファイトを進めるためオフショアシイラ用タックルが必要になる場合もあります。

ルアーは10cm以下のシンキングペンシルやスプーンで、特に沖縄のアングラーが手がける「蛙スプーン」はタマンの実績が多くあります。

フックはバランスを崩さない範囲で太軸のものを選ぶと良いでしょう。柔なフックは強いアゴとファイトですぐに曲げられてしまいます。

なお、タマン釣師の間では気圧が下がると餌を食わなくことが知られており、気圧計を持ち歩いているタマン釣師も多いです。

これは海が荒れそうになるとウニトゲや小石を胃袋内に貯める習性があるためで、胃もたれ状態になっているので口を使いにくくなります。このような状況ではより小さなシルエットのルアーを用いた「デザートは別腹作戦」が有効です。(※沖縄=大きいルアーという謎の幻想は捨てましょう)

⑤その他のフエフキ類(マトフエフキ・イソフエフキ)

マトフエフキ

イソフエフキ

また、ハマフエフキの仲間としてより沿岸近くに多いマトフエフキ、潮が当たるリーフで狙えるイソフエフキがいます。

イソフエフキは他魚種に比べかなり筋肉質で、同じサイズならハマフエフキよりパワーがあります。おまけにザクザクの根まわりに多く、ガチンコのパワーファイトが必要です。

ウェーディングでフエフキ類が掛かったら、ポンピングなどはせずにゆっくりバックして根の無い砂浜や藻場に誘導したあとに刺激を与えてファイト開始、疲れさせてランディングすると良いとのことです。

私のボートガイド時代の経験としては、ドラグが出ようが出まいが、一定の力でリーリングを続ける方法でランディング率が高くなりました。根から剥がすことが重要、これは常に覚えておきましょう。

⑥ティラピア類

唇が特徴的なモザンビークティラピア

沖縄の河川ならどこにでもいる外来魚で、いわゆるシクリッドの仲間です。

シクリッド(カワスズメ)科の魚は1200種類以上とされていますが、その中でもモザンビークティラピアとナイルティラピアが食用として持ち込まれ、逃げ出した個体が各地の河川に定着しています。

モザンビーク、ナイル以外にはジルティラピアや観賞魚アーリーなども確認されています。

また、モザンビークとナイルの交雑個体も生まれています。耐塩性が強く汽水域や海岸でも見ることがあり、海を渡って生息域を広げているようです。

どこにでもいる魚なのでルアーフィッシングの練習に最適ですが、藻なども食べる雑食なので、ルアーで食わせることは以外にも難しいです。

都市部の水路で群れるティラピア類

また、生息環境によって習性にかなりの差がある魚でもあります。

都市部の河川で残飯やパンなどで餌付けされているポイントでは、ルアーを投げこんだだけで奪い合って簡単にヒットしますし、渓流のようなところでは姿を見せるだけで逃げてしまうので、草陰から静かに狙わないといけないという側面もあります。

汽水域の個体はクレーター状の巣を作ったオスがおり、巣の中に落ちたゴミを模して食わす方法もあります。そうしたポイントでは、管釣り用の小さなスプーンや、ジグヘッド+小型のソフトルアーなどでボトムノックして狙います。

何も釣れないときは、ティラピア狙いを楽しむこともありますが、ファイトはモタモタしており、他魚種に比べると釣り味は良くないです。

⑦パシフィックターポン(イセゴイ)

「パシフィックターポン(イセゴイ)」写真提供:だいちゃん(@daiki_kokuba

大西洋でフライフィッシングのターゲットになっている巨魚ターポンの近縁種です。

食味は最悪で私が食べた個体は雑巾風味でした。。。

そのせいか、沖縄では固定された方言名がなく、市場に出回ることもありません。

ルアーでは20cmくらいの個体から70cmくらいまでがターゲットになっています。

この魚は極小のベイトフィッシュを追っているので、ターポンリングと呼ばれる独特の波紋を探しての釣りがメインです。

水面直下で反転食いをする習性があり、湧き水のような独特の波紋を残します。

また、夜間の港湾周りでは壁沿いの光と影の境目に潜んでいることが知られ、極小ベイトを捕食しているので極小ジグヘッド+ソフトルアーを用いて壁撃ちしても狙えます。

使用ルアーの都合で、タックルはアジングやメバリングで使うものが良いかもしれません。

口の周りが硬くフッキングしずらいので、フックに関しては軸の太さより刺さりの良さで選ぶと良いと思います。ハマフエフキやオニヒラアジのように力づくでフックをねじ曲げるタイプの魚ではありません。

ファイトは空中戦になることが多く、本家大西洋ターポンのような派手なジャンプを見せてくれます。

最後に

今回は、観光シーズンに沖縄のルアーターゲットとして楽しめる魚と特徴などを紹介しました。

特に、オニヒラアジ、ゴマフエダイ、オオクチユゴイの釣りに関しては拙著「ラッキーキャッツルアーフィッシングスクール」で描いていますので、沖縄遠征をお考えの皆様はぜひお手にとっていただけますと幸いです。

また、当記事の寄稿にあたり写真提供いただいた、だいちゃん@daiki_kokubaありがとうございました!

sacom(@luckycatslfs

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