葉山鐙摺港のたいぞう丸さんでタイラバの乗合船がはじまったときいて、釣果をみていたら大鯛がチラホラつれていたりして、これはいきたいなーと思っていたんです。
すると、金沢八景一之瀬丸のはるとくんといきましょうということになって、平日釣行をしてみました。
タイラバの「ドテラ流し」をなめてはいかんぞ
タイラバ自体、それほど経験が深いわけではないんですね。東京湾の久里浜やら走水沖やらのタイラバを経験しただけであって。
むしろよく考えたらこれが3回目という。だからこそあんまり慣れていない釣りで新鮮に楽しめるところもあるなと。
そういえば、タイラバは道具はそろえたけども、2回目の釣行で満足していたんです。
タイラバには流し方が2つあって、一つ目が両舷をつかってスパンカーで流していくタイプ。これは東京湾の船宿でメインにやっている方法で、乗船人数を増やすことができるのがポイント。全国的には特殊とのこと。
一方、全国的にはドテラと呼ばれる船の片舷をつかって流していくのが一般的とのこと。
これは、ドテラで横に流した方がラインが横に長く出ることで、マダイのヒットゾーンを長く引けるという点があるようで。
ほかには、浅場の場合、船のエンジン音を嫌うマダイから、船を離して釣りができるからヒット確率があがるとも言われてます。
ほーん。なるほどねー。
とはいっても、これはあとから知ったのです。
釣行前はあんまり調べないでいってみたんです。とはいえ、道具だけは聞いておこうと教えてもらったのが「タイラバは150~200gもってきてください」という点。
そんで、いそいそ買ってきたのがこちら。
ダイワの紅牙 ベイラバー フリー α。前日になんとかいった釣具店が東京湾向けの品ぞろえだったので、100gまでのタイラバヘッドが多く、150gがこれだけだったんですよね。
まー、だいたいタイラバはアカキンとオレンジがあれば釣れるからなー。おっけーっしょ。2回しかやってねーけど。
そんでもって、「リールにはPE1号以下を最低200m、できれば300m巻いてきてください!」とのことだったので、タナトル4or8のPE1号を300m買って巻こうと思ったら、Amazonプライムでも釣行日まで間に合わず。
ううむ。どうしよ。
ってことで、レッドマックスに巻いてあった高切れしたことのある1号のPEラインをバルケッタに巻いてみることに。さて、どれぐらいあるかな?えーっと、長さは130m程度ってかおい。
うーん、さすがにちょっとこれはキツイかもね。
水深100mぐらいは、ふつーにやるっていうし、まー予備用ということで持参しよう。リーダーは4号を10mつけておき、長さをすこし割り増しておくことに。だいたいタイラバのリーダーは3~5m程度なんですよね。
もう一つのリールはバルケッタプレミアム。
アマダイの釣りでメインにつかっていたものの、これには1.5号がおそらく195mぐらいは巻いてある。ならば、こちらをメインにすれば大丈夫だろうと。フォールレバーもついてるしね。
やや太いし、タイラバで1.5号使う人なんてほぼいないんだけど、平日だし、時期が時期だし、釣り客も少ないだろうなと。ならばオマツリもしにくいだろうし、PE1.5号で多少潮受けしてもまーおけ丸でしょ。
って、思ったんですよね。
確かに思った。
このときは余裕綽々でマダイが釣れると思っていたんだ。
そんで、あとで気づくのが「ドテラ流しをなめてはいけない」ってことなんです。
では先に進めますぞ。
三浦半島西部(亀城根界隈?)から流す
葉山港を出航した船は、三浦半島を左舷にみながら南下。
いいね。船は。これだよこれ。潮風、波の砕ける音。
ロマンだな、ロマンだよ。
最初は、佐島の沖あたりにある亀城根(かめぎね)というポイント(たぶん)へ。
亀城根はシッタカしておくと、カワハギ釣りでも有名なポイントだったような。
まずは購入したばかりの紅牙のタイラバ150gアカキンからスタート。
タイラバ釣行2回目で、ワームを仰山つけるよりは、スカートオンリーのほうが自然に流れて、違和感なくバイトを誘えるような気がしていて、それを踏襲して、ノーワームスタイル。
自然体で攻めたい。
となりのはるとくんをみると、ワームをつけている模様。ほーん。
船下にタイラバを落として、サミングもしくはフォールレバーをつかいながら、一定テンションをかけて落としていく。
北風が強めで、船はどんどん南側に移動。
よーし、そろそろ着底かなと思っても、あれ?一切着底しない件について。ってやつです。
これはあれです。
わたしの算術の力をお見せしたほうがよさそうですね。
いいでしょう。
計算はGoogleだより。たしか1.5ノットぐらいで動いてると船長が言っていたような
たとえば水深が60mで、仮に着底までにたとえば40秒かかるとする。
そこに船がビューっと風に吹かれて、1秒で70cm以上動く。なので、ざっくり40秒×70cm=2800cm=28m動いているわけです。
しかも船は動き続けているので、一瞬着底してラインが緩んでも、ぼーっと気づかないとさらにどんどんPEラインがスプールから吐き出されるという。
あれ、もう着底したはずだけど、スプールがとまんねーぞおいとか思ってると、いつの間にやら、100mラインが引き出され、気づいたら150m出されているという。
あードテラ流しって、こういう釣りなのね。なるほどー。
と、実地で気づきながらも、この状況下でPE1.5号は潮受け面でちょいキツイ。なんどか着底していくとすぐにスプールが見えてしまうという。
ここでまぐれ太郎で大鯛なんか来たら、速攻でPEラインをだされてジ・エンドだな。
そんなこんなで朝のチャンスタイムは、勝手をつかむまでの練習時間になりました。
真剣な、はるとくん
聞いてみると、はるとくんも「俺も、そんなにタイラバ経験はないっすよ」とのこと。
ほーん。
だいたい釣り人ってのは、そういうこと言うんだよな。が、わたしの眼は君のクリアケースにある大量のタイラバのヘッド・スカートなどをチェック済みで候。ラインも、当然1号以下ですよ。
それにしても、底がとれない。
タイラバは底がとれないと、巻き上げスタートするタイミングがとれないので、まーキツメイシというやつです。
キツメイシはケツメイシの仲間なんですが、キツメだと思ってください。
真鯛ってのは浮いてるのもいるけど、多くは底付近にいて、落ちてくるタイラバを目視して、海底に落ちたものをチェックしにいくわけなんです。
が、タイラバがとっくのとうに底についたことがわからず、ぼんやりしていると、底上にタイラバが不自然にとどまることになる。すると、真鯛的にも「ちょ、これは餌じゃないな」ってことがわかってしまう。
なので、タイラバが底についた瞬間に気づき、スピードはいろいろあれどすぐに巻き上げるのがセオリーなわけです。
つーか、やべーな。
ぜんぜん、底取れない件について。
と、まごまとしていると船長の丈史くんが「平田さん、もしあれだったら200gにしちゃったほうがいいかもです」とのこと。
おほほ、その言葉待ってました。
ってことで、200gのヘッドに交換。
こちらね。
これは、丈史船長から借りたもので、200gなど重めのタイラバを持ってないひとでも相談すれば貸してもらえるようです。東京湾だけでタイラバをやっている人は100gぐらいがメインだと思うんで、200gは持っていないはず。で、釣具店にいっても、東京湾を中心に展開している店は200gとか売ってないんだな。
そうこうして、時刻は8時過ぎ。
いくつかポイントを移動するなかで、風と潮がゆるむ。
タイラバ自体も重くなったことにより底がとれるようになったそのとき。
ふー。
着底。
巻き巻き巻き(だいたいシマノのデジタルカウンターでは「2」か「3」で巻いてました)
ググーン。
む。
軽いけど、なんか来たな。
明らかに真鯛じゃないけどね。左隣りの人がちょうどホウボウ釣ったから、ホウボウかなー・・・?
わたし「ちっさいホウボウかも」
・・・
・・・
・・・
ジギングやタイラバでアタリがあると高確率でエソ類がくることも
わ、貴殿でしたか(たぶんワニエソ)
マエソとワニエソって見分けがつかないんですが、尾びれの下半分が黒いのがワニエソでマエソより大きくなるようで。
一瞬リリースしようかなと思いながらも、エソ自体は煮付けやなめろうで旨いし、このアタリの出なさを考えると最悪ボウズになる可能性もぼんやり漂ってきているなと思い、キープ。有難くいただきますよ。
中盤戦にかけて、PE1号を巻いたタックルにチェンジ
だんだん風も弱まる。いいぞいいぞ。
それにしても凪で釣り日和ながらも、アタリはない状態。タイラバってこんなにむずいんだっけか、なんらか根魚あたりは釣れるもんじゃないのかな。
と、水深が60mほどと、やや浅くなる。
ここで、PE1号を130m程度巻いたノーマルバルケッタ+ライトゲームSSにチェンジ。
するとね、流されるスピードが遅くなったというのもありながらも、やっぱりPE1号のほうが潮受けせず、底のタッチもわかるわけです。あたりまえなんですがね。
底のタッチをラインのゆるみと手感度で的確に把握し、すぐさま巻き上げる。
この巻き上げ時について、鯛の活性がしぶいときはPG(パワーギア)でより同じ層を巻いてくるほうがアタリが出やすいとされているんですが、まーわたしのバルケッタはハイギアです。
回収が速いながらも、巻くのに腕力が必要という。
バルケッタプレミアムのエクストラハイギアで巻いていたら、どうしても巻きが重かったですよ。好みはあるようなんですが、パワーギアがいいんでしょうねー。タイラバは。
今度はPE1号が300m以上敗けるパワーギアのリールを準備して臨もう。
そう思っていたら、ゆるゆるのドラグが、ギー。
すわ、マダイか!?
・・・
・・・
・・・
うーん、明らかに引きが弱いし、根魚だなこれ。
・・・
カサゴ系???
・・・
・・・
ホウボウ。
うれしいゲストですね。
身にハリがあるメスのホウボウ
丈史船長が、神経締めと血抜きを完了させてからクーラーにいれてくれました。ありがたや。
釣り人は「城ヶ島沖に大鯛が潜む」と言った
船は、11時前ごろに城ヶ島沖へ。
船中みんななんらか釣っている中、はるとくんだけ釣れていない
城ヶ島っていうとなんとなく、大物がいそうな雰囲気なんですよね。アマダイでも50cmを超える大型がいるし。
しかも根周りという。
「根周り」ってのは「なぶら」同様、釣り人のテンションをあげるような効果がある気がします。魚は根が好きで、集まってるからそこを釣れば釣れるじゃんという。
が、あんちゃん、そう簡単に釣れねーんだなこれが。
左舷ミヨシの方がアヤメカサゴを釣った以外は音沙汰なし。とはいえ、船の流れもゆるくなりはじめ、釣りやすい状態。雰囲気はあるよねー。
水深100m程度。
ここで、ぼーっと巻いていると、なんかあたった気がするなーと。で、巻き続ける。すると丈史くんが「今、なんかあたってませんでしたか?」と聞いてくるので、ぼーとしながら巻き続ける。
「うん、たしかになんかあたったような気がするんだよね…」
・・・
ん?
ギィィィィィィィィ。
久しぶりにきく、バルケッタの勢いがいいドラグ音。
やべーなこれ。重い。
あー真鯛だこれ。
俺にはわかるよ。うん。
5キロ以上ありそう。とかなんとか言いながら、冷静に考えてみると、このリールはPE1号でハリス4号、しかもPEラインは130mぐらいか巻いてない。
が、リールのカウンターをみると115mとか指してるぞ。
おい、このままじゃ高切れしまうぜ。
って、いう件を丈史船長に伝えると、「すみませーんみんな竿しまってください」というアナウンスで全員が静観してくれることに。みんなありがとう。
なんとかとりたい。
そんで、すんごい引くんだこれが。
ドラグを締めたら高切れしそうなんで、ゆるゆるで100mぐらい巻き上げてくるのはかなりしんどい。最近運動不足だし、釣りもしてないから釣り筋(リールを巻く筋肉)が衰えているなこれ。
と、10分ぐらいかけて巻いてきて、船下に入られそうになったら操船によって回避。ああ、船っていいよね。
ということで上がってきたのは、8キロを超える大マダイ・・・
・・・
・・・
・・・
と、見せかけて、ワラサでした。
うほほ。
いや、これはうれしい。
みるからに脂が乗っている様子。
はるとくんがビール缶をあててくれて、わかる太さ。写真でみるより太いんだこれが。
東京湾とか相模湾じゃあ、いいサイズなわけです。
ドヤ。
5キロでしたー。
こないだボート釣りで釣ったワラサが3キロちょっとだったのでかなり重量は更新。
いやーよかった。この時点で、満足感が高まり、獲物も調達できたのでよいかなーと思いながらも、やはり真鯛は釣りたい。
船中みんななんらか釣っている中、はるとくんだけ釣れていない件
おや、はるとくんがすごい頻繁にラバーとかスカートを変えているけど、この笑顔だぞ。
船中みんななんらか釣っている中、はるとくんだけ釣れていない件
楽しそうだねー。うひひ。
もう一度深場に入り、流れも強くなったので、ラインに余裕がある(とはいっても190m)PE1.5号のバルケッタプレミアムに変更。
さて、はるとくんが大鯛を釣るか?
釣っちゃうのかー?
って、よくみたらいたら、タイラバなのにイカ釣りのTシャツきてるぞ。
釣れそうではある。が、釣れない。
と、思ったら、根周りでわたしにオニカサゴ(フサカサゴ)がヒット。
おーし、あとは真鯛だけだ。
はるとくんも、何度もタイラバのヘッドとスカートを交換し微調整しながらラストスパート。性格が伺えます。
それに引き換え、わたしときたら、ラバーは1種類ヘッドは150gと借りた200gしか使っていないというズボラぶり。
最後に、でるか、大鯛!
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
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はい、しまっていきまーす。
※船中では左舷ミヨシの方が3キロぐらいの真鯛をゲットしてました。電動タックルいいなー。ドテラだと電動もよさそうですね。
まとめ
葉山鐙摺港に隣接する小浜。鈴木ボートがある
ということで、あんまり準備せずチャレンジした相模湾~城ヶ島のタイラバ釣行。
はじめてのドテラ流しの洗礼を受けながらも、ボウズは逃れ、たんぱく源も豊富にゲットできました。
ドテラ流しの場合、やっぱりPE1号以下じゃないと潮受けしてきついし、ラインも300mあったほうがゼッタイ有利。
あと、シーズン的なところもあり100m程度までさぐっていくので、水圧や潮受けを考えるとエクストラハイギアのリールは巻くのがつらかったなと。非力には。
安定して深場から200gのタイラバを巻いてくるには、パワーギア一択なんじゃないかなと。あとはダブルハンドルより、パワー系のシングルハンドルがよいのかもしれません。
パワーギアは、巻き上げスピードが遅くなるので着底から巻き上げのカーブもハイギアよりもゆるやかになり、マダイがバイトしてくるチャンスも増えるんだろうなと。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
<使用タックル>
- ロッド:シマノ ライトゲームSS TYPE73 M200
- リール:シマノ バルケッタ 300 HG
- ライン:シマノ タナトル4(1号)