どうもー、平田です。
東京湾の船釣りでも「スミイカ」こと「コウイカ」は比較的マニアックな釣り物ですね。そこに「テンヤ」釣りという条件が付くとさらにマニアック度が増し、敬遠している人も多いんじゃないでしょうか。
テンヤスミイカで出船している船宿はかなり少ないですしね。
同じテンヤでもメーカーが力を入れている「テンヤタチウオ」とは大違いなんですが、しゃくって合わせたときの衝撃的なアタリにはテンヤタチウオに匹敵、いや勝るような面白さがあります。
2020年は湧きの少なさからか、比較的遅めにスタートしたテンヤスミイカ釣行にいってきました。
船宿は、金沢八景・一之瀬丸さんです。
一之瀬丸さんの場合は、マゴチ船長の渡辺直人さんがスミイカも担当しているので、マゴチが終わる秋ごろからスミイカ、スミイカが終わる3月頃からマゴチという具合なんですね。
今年は聞いてみたら、「マゴチをロングランでやります」とのことだったんですが、11月29日待望スタート。
さて、釣果と釣況はどうだったんでしょう。
2020年のスミイカ釣況についての所感
10月中旬、中ノ瀬での釣果@弁天屋。最大300gほど。小型が目立ち、生育は遅そう
その前に、2020年秋冬シーズンのスミイカ釣行について釣況を振り返ってみます。
10月中旬に弁天屋さんから午後餌木スミイカでスッテ&ダウンショットでチャレンジしてきた時の釣果は6杯(全部コウイカ)。竿頭は7杯でした。
周りが中オモリ&エギで船下オンリーで狙う中、ただ一人遠投して広く探って6杯だったので、湧きはそれほどじゃないんでしょう。
11月中旬、野島防波堤付近での釣果@相川ボート。平均300gほど。スッテはコウイカ率100%
その後、11月初旬に八景の通称「港前」、野島防波堤付近のポイントを船外機付きボート(相川ボート)+スッテ&ダウンショットを3人でチャレンジしたときは4杯(全部コウイカ)。
全体ではコウイカ5杯&アオリイカ1杯だったので、これも日が悪かったということもありながらも、湧きの少なさを物語っているかなと。
ということで、2020年~21年は1日やって10杯超!というはもちろんなく、がんばって6、7杯釣れれば大釣り。
3、4杯釣ってまずまず、という感じなのでしょう。
もちろん乗合船の場合、釣り座や潮下にいる人の技量にもよってくるとは思います。
スミイカを釣る方法の違いと釣りやすさ
とにかくスミイカ&モンゴウイカを釣りたいんだったらダウンショット&スッテが最強
個人的な所感として、スミイカを釣りやすい方法は以下の通り。
- ダウンショット&スッテ:スッテに反応するイカが多いときは最強。遠投できれば威勢のいいモンゴウイカがイージーに釣れる
- テンヤ&スッテ:テンヤ竿での「ズシン!」を味わいたい人はこちら。遠投はダウンショットに劣る
- テンヤ単体:スッテに反応する威勢のいいイカが多いときは沈黙しがち。遠投性はスッテをつけないので高い
- 中オモリ&エギ:船下の釣りのみなので、湧きが少ないときは苦戦しがち。アオリイカも反応しやすい
ざっくりですが、こんな感じかなと。
とはいえ、船宿の乗合ルールはもちろん、釣り人ごとに自分の好みがありますしね。
それぞれ、ルールの範囲内でやりたい釣り方を楽しめばよいのだと思います。
とはいえ、もしこれからはじめるのであれば、ダウンショット&スッテが一番簡単です。道具もやや硬めのカワハギ竿や先調子のライトゲームロッドなどが流用できるのでオススメ。
ダウンショットの場合、基本的に以下のようにすれば釣れます。
- できれば投げる(飛距離と釣果は比例)
- オモリを着底させたまま、竿先でスッテをゆする
- ラインをたるませて数秒待つ
- ラインを張ってしゃくる=空アワセ(ここでズン!)
手に入れにくいスミイカテンヤも専用竿もいらないですしね。かなりお手軽です。
じゃあ、なぜわざわざテンヤ単体もしくはテンヤ&スッテでやるかというと、極先調子専用竿による「アワセの衝撃」を愛してやまない人がいるからだと思います。
テンヤ&スッテの場合、スッテを併用している点でダウンショット&スッテと、さほど釣り方は変らないわけですが、釣趣という点で衝撃度合いがやはり格段に違うんですよね。
大貫沖(富津岬&第二海堡南)からスタート
この日は、中潮。スミイカは中潮か大潮が釣れ気がします。そう言われていますし、実際に釣果が伸びるよなと。
当日は、神保町にあるBAR「しゃれこうべ」の杉浦真衣さんとの釣行だったんですね。杉浦さんもORETSURIイベントにも毎回参加&いろんな釣りにいっているので釣り人はぜひ顔を出してみるとよいと思います!
ええ、そんな杉浦さんをテンヤスミイカ沼に引き込もうかなと画策していたわけですよ。
開幕戦&日曜日ということもあり、たぶんORETSURI寄稿者のjomoさんもたぶんいるよなー、メイビー。と思っていたら。なんと隣であったという(笑)。
我々は左舷ミヨシから2番と3番だったんですが、4番目がjomoさんだったんです。
これは楽しい!
テンヤスミイカは誘いなどが特殊なので、マンツーで教えるよりは両隣から逐次アドバイスできたほうがよいですしね。
南斗スミイカ拳奥義!遊動ビーズ仕掛け!
ということで出船。
今回の餌はシャコではなく、サイマキ。
シャコはもうずっと不漁で、いろんなところから船宿も集めてテンヤスミイカを成立させていたわけですが、今年はさらにきつそうで、サイマキを使用とのこと。
テンヤ単体を好む常連の方は、冷凍したシャコを持参してましたね。
サイマキをシャコテンヤにつける場合、座りが悪く、土台から回転しがちなのがやや使いづらいところかもしれません。
角の付け根あたり、胴の真ん中あたりにゴムを巻くのがコツで、あまり角側にゴムを巻くと尾との接続部が開いてしまったり。逆に尾側にゴムを掛けるとそこで身が分離しちゃいますしね。
みんな誰に教えられるでもなく、サイマキをセッティングして釣ってたので、慣れているんでしょうかね。
ポイントは、千葉側の大貫沖へ。航程は30分ほど。
富津岬と第一海堡・第二海堡ラインから南側の浅場です。水深20弱mといったところ。
マゴチのポイントでもあるんですが、スミイカ・モンゴウイカとマゴチは釣り場が一緒なわけです。
到着後、杉浦さんにレクチャー。
1投目で30mほど軽くキャスト。「じゃーやってみるので見ておいてください」ってな具合に自分の竿でシャクリなどを解説しようとしたわけです。
「えーっと、まず着底したら、竿先を上げてラインを出してテンヤを動かさない。それで数秒間をおいて、ラインを9時ぐらいまで巻き取り、11時ぐらいまでこうやってしゃくる」
▼これ別のタイミングですが、こんな感じのシャクリです。
テンヤスミイカはこんな釣りです。
シャクリは人それぞれ違ったり。 pic.twitter.com/jMinPeaW3N— 平田剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) November 29, 2020
ズシン!
あ、来てしまった(笑)。
なんと一投目という。
運の良さよ。
にしては、重いな、これモンゴウかなー・・・。
モンゴウイカが連続ヒット。これはツ抜け待ったなしだな
えー、モンゴウでした。
あとで計測したら1.2キロないぐらいのサイズ。
なんとまあ、一之瀬丸シーズン初スミイカをゲットしてしまうとは。
その後も、目線は杉浦さんのシャクリだったりPEラインの張りやたるみ具合をみながら。
そんなやや雑な誘いでもモンゴウイカが連続ヒット。
時刻は8時25分。
これはまさか、ツ抜けしちゃうんじゃ。
jomoさん「平田さん、その言葉を言うと失速しちゃいますよ(笑)」
わはは。
8時44分、三杯目。
やばいなこれ、TOP独走なんじゃないか。ミヨシとトモの常連のみなさんもほぼ釣れてないぞおい。
こんな簡単に釣れてよいのか。
うぶなモンゴウイカが多くスッテにすぐに反応する状態
それにしても杉浦さんにも釣らせたい。
この釣り、たぶん初回にイカをゲットしないと心が折れて二度と行かなくなる確率80%を超えると思うですよね。
それと、シャクリのやり方やステイなどを都度教えてるものの、やっぱりこれで釣れる!という水準までいくのって時間がかかるんですよね。
最後に人を選ぶ「テンヤスミイカ」に初参加の神保町しゃれこうべ(https://t.co/GsCwhrLkdU)杉浦さんのシャクリ。3度アタリ(一度は身切れ)があるも、これはボウズか?仕方ないよなーと思いきや、海堡北でラストシリヤケイカをゲット。おっさん2名の喜びたるや。またやりたいとのことで、安堵。 https://t.co/HTFdWNFMLu pic.twitter.com/L6Mo9AdaAE
— 平田剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) November 30, 2020
そんな杉浦さんも、「これは釣れるだろうな」というシャクリに変わってきて。
と、杉浦さんが「あ、バレた」と。
どれどれ。
む、確かにハリに何かついてる!
テンヤの針先は新品でもほぼ100%針先が甘いので、ダイヤモンドシャープナーで砥ぎましょう。これ重要
これは!
間違いなくイカの切れ端。
テンヤの針先は出船時に一緒に研いで確認したので問題なさそう。
だけども、シャクリがソフトすぎるのと、瞬間的な追いアワセ(2段アワセ)はかなり意識していないとできないわけで、こういう所謂「チップ(かすり)」的なことが3回ほど起きてたんですよね。
浅場だから強くしゃくりすぎてテンヤを浮かすのもよくないけど、あんまりそわーっとソフトにしゃくっても、乗らないという。
正確にはテンヤに乗ってはいるものの、カンナで掛けるところまでは至らないわけです。
これはもう、もっと鋭くしゃくってみましょう。としかアドバイスできないんですけどね。
こちらは遊動ビーズ仕掛け。
原型は、或る老スミイカ氏に教えていただいたもの。
今回は、ケイムラ・パール・オーロラ・ピーコックビーズを使用。ビーズは大型を4つぐらいが潮受けもせずちょうどよいかなと。
派手めなビーズを誘導式で枝ステンヤ間に数個つけて、シャクリとフォール時にこのビーズが上下に揺れるのが甲殻類っぽく見えたらいいなという仕掛けです。動き以外にも音がでるところもポイント。
浅場でのコウイカの餌は蟹やシャコだけでなく小型のエビ類だったりもするですよね。以前さばいたイカの胃袋にもびっしり小型エビの殻が入っていたり。
前半戦は、怒涛の攻勢だったので、一定の効果もあったんでしょう。
ただし、サバフグなどフグ類にも察知されやすくなるので、なんどかハリスが噛まれて傷んでましたね。ビーズ部分を噛むから、完全にハリス切れにはならなかったものの、そのあたりは諸刃の剣です。
あと、大貫沖の浅場はそうでもないですが、第二海堡付近までいって潮が速いエリアなどはオマツリの原因になることも。状況によって試してみてください。
それと、軽めのテンヤ。
テンヤスミイカはオモリ25号標準で、浅場は20号なわけですが、さらに軽めのテンヤをつかってフォールスピードを下げるというのも状況によっては効果的だったり。
テンヤのヘッドの形状や、フォールさせるときの竿先への負荷のかけかたによってもフォールスピードは調整できますが、やっぱり重さで変わることもありますね。
▼このあたりアークス根岸店石田店長のテンヤが号数豊富ですごく良いです。自分で作る時間がない人は買いましょう。
前半から中盤までは、この大貫沖(第二海堡南)あたりのいろんな筋を。
ムキムキなjomoさんは浅場でもテンヤを底から離しすぎないように繊細なシャクリで。
ORETSURIフィールドレポーターjomoさんのテンヤスミイカシャクリはこちら。底上30センチくらいを意識した繊細なシャクリ。このとき浅場でテンヤのハネすぎが気になったとのこと。アタリは多く出ていたんですが、アワセにくいとのこと。 https://t.co/5GA50nDs2c pic.twitter.com/VoMJD1spza
— 平田剛士|ORETSURI(俺釣) (@tsuyoshi_hirata) November 30, 2020
だんだんとサイマキのセッティングも慣れてきて。
全体では、サイマキを13尾使用しましたね。夏秋のマゴチより消耗が少なくてなにより。
と、ここいらで時刻は11時半。
アタリがでないなーとテンヤを上げてくると、アレ?
おい海面下にウミガメみたいなのがいるぞ。
って、モンゴウイカが、海面まで追いかけてきたわけですよ。浅場特有なのかも。
巻いているときは重さを感じなかったので、フッキングや抱いていたわけではなくて、追いかけてきたんでしょう。
そこで、スッテ付きのテンヤを海面か1.5mぐらいまで落とす。
すると、すかさずモンゴウイカもスッテ&テンヤを捕捉して沈下。
さて、スッテとテンヤどっちを抱くのか。
・・・
・・・
・・・
あ、スッテが消えたぞ!
でも、竿先にアタリって感じないんですよね。
みていると、モンゴウ君はスッテを抱いたまま船下の方に入っていくので、ここでアワセ!
ズシン!
つ、釣れた!
やはりテンヤより視認性が高いスッテを抱くのかも
そのまま回転しながら墨を噴射しながら上がってくるという。
時折、その墨が海面を突き抜けて飛んでくるんですね。
これ海底から釣るときは海面までに墨をある程度吐くんだと思うんですが、海面で釣ると、もうすごい噴射するんですよ。
第二海堡北、ラストの流しで杉浦さんにもイカヒット!
ここまでで3アタリ、0ヒットの杉浦さん。
やっぱりここはなんとな釣る楽しみを味わってほしいところ。
ポイントは海堡北付近。
渡辺直人船長「はい、この流しで最後になるんで」
・・・
・・・
・・・
と、杉浦さんがなんだか巻いているぞ!
竿先に数百グラムのテンションがかかっている様子。
すかさず、たも網を確保。
おお、イカだ。
わ、尻から褐色の液が!
まわりでスミイカが釣れているからスミイカだとおもったら、シリヤケイカ。
シリヤケイカはお尻から茶褐色の分泌液を出す
めでたい。
やりましたねー!
両隣のおっさん2名で「おお!!」「やった!!」とか盛りあがっていたわけですが、杉浦さんも、「すっごく楽しい。またやりたい!」といっていてなにより。
シリヤケイカといえば、もっと湾奥に多いもんですが、このあたりもいるんですねー。とはいっても千葉側の岸にも近いし、いるか。
ここで、タイムアップ。
まとめ
ということで、2020年秋冬シーズン初のテンヤスミイカ釣行。
釣果はモンゴウイカ5杯。竿頭は6杯だったとのこと。後半伸びず、一切アタリを出せなかったんですが、なんだかんだで健闘したのかも。
今年の春に三喜丸さんからの釣行したときもそうだったわけですが、大貫沖~竹岡界隈はモンゴウ率が高いのかもですね。
jomoさんの釣果は以下の通り。
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この秋冬はテンヤスミイカ&カワハギ&アマダイ&ライト五目・泳がせ一色になりそうな予感です。
モンゴウもうれしいけど、次回はスミイカ(コウイカ)を釣りたいところ。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)
<参考情報>
- 杉浦真衣さんが店長をやってる神保町にあるBAR「しゃれこうべ」のFacebook
- jomoさんのインスタグラム
使用タックル
- ロッド:櫻井釣漁具 金剛大潮スミイカ竿 2.25m
- リール:シマノ オシアコンクエスト200HG
- ライン:シマノ タナトル8(1.5号)
- 仕掛け:船ハリス4号。枝ス20㎝、下糸50㎝
お世話になった船宿
関連アイテム
▼テンヤは20号・25号に加えて、15号があるとさらによいと思います。
▼スッテはウルトラスッテDXのピンク&レッドヘッドがあればOK。サイズはMでもSでもよいんですが、カンナは丸針を選んでおきましょう。モンゴウイカが多いです。
▼リーダーは4号がオススメ。PE高切れはしばしばあるんですが、ハリス切れになることはほぼないので、ガイド通りがいい4号がよいです。
▼PEラインは1号だと高切れ&バックラッシュ回復不可になったりするので、1.5号~2号がオススメ。2号だとキャストミスでの高切れがほぼなくなります。