みなさんは『アジガラス』をご存知だろうか。
沖縄の珍味スクガラスをマネして、豆アジを塩漬け・発酵した珍味だ。
アイゴの幼魚をとることは難しいが、豆アジであれば堤防などでとることができるし、なんらかの漁獲に混じったものがスーパーでも売られていることがある。
ORETSURIではこのアジガラスをつくってからいくつか料理を作ってきたが、やはり一番合うのは冷奴だと思うにいたった。
<アジガラス関連の過去記事>
今回はそんなアジガラスの冷奴を1年2か月ほどの長期熟成後に食べてみることにする。
1年2か月たったアジガラス(豆アジの塩漬け)の様子は
こちらが冷蔵庫からだしてみたアジガラス。最初に仕込んだのが2017年5月末ぐらいあったので、1年2か月ぐらいの月日がたった。
月日が過ぎるのって本当に早いよなーと、おっさんおきまりの嘆きをしてみるが、これが本当に早くてびっくりする。なんだこれは。
瓶の外側から見るかぎりは、さらに熟成が進んで、水分がさらにでていて豆アジの身は柔らかくなっているように見える。
蓋をあける。
・・・
固い。
おそらく塩が噛んで固着している模様。
が、そこは根性で開けてみる。
・・・
・・・
ぱかん。
これが1年2か月我が家で熟成したアジガラスだ。
ぽわーん。発酵食品独特の香気が漂う。
いいねー。君、発酵がすすんでいるようだねー。
でもって、豆腐にのせてみる。
この豆腐、鮎魚醤の記事でご紹介した逗子のとちぎやの豆腐だ。半分残しておいたのだ。
これがうまいんですよ。
これだけでもうまい。
が、
今回は、趣向をかえて東南アジア風にいこうということに。
豆腐+アジガラス+ごま油+コリアンダーパウダー+薬味にパクチー(コリアンダー)
レモンをしぼって食べてみる。
お。
さらにアジガラスの発酵がすすんでいる。塩辛の味といえばわかりやすいけども、まーそんな味だ。
くさみなく、海の味。アミノ酸の旨みがじんわりとひろがる。
よくわからないがたんぱく質が分解されていく過程でさらに柔らかくなっている気がする。
今回は、豆腐半丁にアジガラスを3尾乗せてみたが、かなり塩辛いのでこれぐらいがちょうどいいと思う。
豆アジを唐揚げ以外で食べる時はアジガラス
豆アジは、漁業で網の目を大きくしてもどうしても入ってしまったりすることがあるそうだ。
豆アジに申し訳ない――捨てていた魚が海鮮居酒屋の人気メニューに
こんなニュースをみた。
市場でも買い手がつかず、飼料として格安で売られたり売れないので廃棄されることもあるそう。
個人的にこのアジガラスという発酵食品はかなり気に入っていて、みんななぜやらないのかと思っている。
もしスーパーで売られていた場合は捨て値で100~200円ぐらいなのだけど、塩漬けにすれば1年以上こうして美味しくいただける。
みなさんももし豆アジを見たらやってみてほしい。
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