実はエギタコでもオモリは重要な役割を果たしています。
最適な号数や形状ごとのメリット・デメリットを知ってより快適な釣りを楽しみましょう。
※船釣り・岸釣りのエギタコの両方に対応した記事です。
エギタコにおけるオモリの役目
船エギタコではエギ付属のオモリだけで釣ることはない
はじめにエギタコにおけるオモリの役目を整理しておきます。
- タコエギを沈め海底で安定させる
- タコエギを的確に動かすときのアシスト
- 色、光、音でタコを寄せる(集寄的側面)
だいたい3つの役目があると覚えておきましょう。
堤防と船(地域)によって異なる指定オモリの号数
オモリの持ち運びは重いので、指定オモリを間違えないようにしたい
次に指定オモリの号数について。
一口にエギタコといっても堤防と船では異なります。
また船釣りの場合、地域・船宿によってオモリの号数は異なると覚えておきましょう。
例えば船エギタコの場合、東京湾であれば25~30号程度の指定が一般的ですが、深場狙い、潮が速い、乗船人数との兼ね合いなどから50~80号程度のオモリを使う地域もあります。
東京湾でも船宿によって40~50号程度のオモリを使う場合もあります。
船エギタコ釣行のまえに、指定オモリの号数をしっかり確認しておきましょう。
筆者のおすすめでは以下の通りです。
- 25号:標準。荒根エリアでは根にハマりやすいので注意
- 30号:平場の遠投用。富岡沖・中ノ瀬・八景沖では有効
- 40~50号:早潮時の平場で潮尻側で引っ張られるとき。富岡沖・中ノ瀬・八景沖では有効
- 5~20号:川崎~横浜の岸壁エリアでの根がかり対策で有効。20号未満は潮、釣り客の間隔などによって調整しながら使用
※原則、船宿指定に従いつつ、人が少ない場合などは工夫すると根がかりによるロストが減少します。
オモリは集寄。色・光・音によるタコの抱きは違う
無垢オモリでも問題なくタコは釣れる
鉛無垢のオモリでも問題なくタコは釣れます。
根がかり時のコストも低いので、一番よく使われています。
一方、色や音の有無によってタコの抱きが変わるのも事実です。
▼タコが夜光オモリをめがけて何度も抱く様子
釣り人が竿でアクションするとき、タコエギはもちろん動くのですが、オモリ(六角オモリ等)も海底から起きたり倒れたりとパタパタと動きます。
タコはオモリ自体の動きや色の変化をみて餌や好奇心から抱き着くこともあるのです。
タコ釣り以外で、赤・金・白・夜光系オモリの胴突き仕掛けの釣りをしているとします。
この場合、鉛無垢のオモリをつかっているより、タコが仕掛けに誘われてからみついてくる率が高まります。
筆者も色付きジグヘッドやメタルジグをつかった釣り、ライトアジの貸しビシ(赤く塗装)、カサゴ狙いの胴突き仕掛け(ナス型オモリが赤かった)でタコが釣れたことがあります。
このようにオモリ自体が集寄であるということは無視できない要素です。
ビニール素材に覆われた夜光オモリは質感やクリーム系の色合いからか昼間でもタコが好む
メッキカラーはフラッシングによりタコを寄せる。快適シンカーS RVはラトル入りで高アピール。センサーアイで底質の変化も感じやすい
オモリ形状によるメリット・デメリット
次にオモリの形状によるメリット・デメリットについて考えてみましょう。
オモリの形状によって根がかりのしやすさ、餌木の動きやすさなどが変わります。
それぞれの形状を見ていきます。
※各オモリのアクションは記事末に動画を紹介します。是非チェックください。
六角オモリ(船エギタコでは基本の形)
六角オモリは小田原オモリとも呼ばれ、船釣りでよく利用されるオモリです。
多角形かつ平面があるため、オモリが底上で安定しやすいのが特徴です。
六角オモリは手に入れやすいため、エギタコでも一番よく利用されています。
荒根から平場まで問題なくつかえます。
<六角オモリでの餌木の動き>
- オモリの長さから、餌木は動きやすい
<六角オモリのメリット>
- オモリを底上で起こしたり、倒す基本アクションを行いやすい
- 平らな面があるブロックや根上で穴に落ちず、静止しやすい
- 集寄系オモリの場合、側面が幅広くアピール度が高い
- 安価
<六角オモリのデメリット>
- エギのカンナと底の距離が短いため根がかりしやすい
ナス型オモリ(堤防エギタコでは基本の形)
ナス型オモリは六角オモリ同様下膨れの形状ですが、角が落としてある形状です。
比較的軽い号数で使用されるという点や形状から、海底のオモリは六角オモリより安定せず動きます。
特に平場の場合、潮によってはエギが転がります。
堤防からのエギタコは比較的軽めのオモリでやることが多く、5号前後のナス型オモリが好まれます。
<ナス型オモリでの餌木の動き>
- オモリの形状から餌木は動きやすい。停止時にも潮によっては流されやすい
<ナス型オモリのメリット>
- オモリを底上で起こしたり、倒す基本アクションを行いやすい(六角オモリよりはやりにくい)
- 安価
- 20号以下の小型のナス型オモリは六角に比べて手に入れやすい
<ナス型オモリのデメリット>
- エギのカンナと底の距離が短いため根がかりしやすい
- 平面がないため、根上で静止しづらい
胴突きオモリ(深場、エギをよく動かすときに使用)
細長く下膨れ状のオモリは胴突き仕掛けに使用されることが多く「胴突きオモリ」とも呼ばれます。
棒オモリは縦に長いため、沈下速度が速く、深場向き。
エギタコの基本小突き(オモリを倒したり起こしたり)ではオモリの長さからエギがとくに動きやすいのが特徴です。
また棒状のため、根に「はまりづらい」のもメリットです。
<胴突きオモリでの餌木の動き>
- オモリの長さから、餌木がかなり動きやすい
<胴突きオモリのメリット>
- エギを派手に動かせるためアピール度が高い
- 根がかりしづらい
<胴突きオモリのデメリット>
- 六角オモリよりはややコストが高い
ホゴオモリ(荒根、エギをよく動かすときに使用)
ホゴオモリは「ホゴ(カサゴの地方名)」を狙うための細長い棒状のオモリ類を指します。
根がかりに極めて強いのが最大の特徴です。
形状によりスティックシンカー(根魚狙いのルアーで用いられる)とも呼ばれます。
<ホゴオモリでの餌木の動き>
- オモリの長さから、餌木がかなり動きやすい。
<棒オモリのメリット>
- エギを派手に動かせるためアピール度が高い
- かなり根がかりしづらい
<棒オモリのデメリット>
- 六角オモリよりはややコストが高い
- 潮受けしやすい
丸型オモリ(平場でのすり抜け性能高し。宙釣りでは根とのコンタクト差がない)
丸型オモリ。右側の平面がある形状は、平面部でオモリが安定します
丸型オモリは球体のオモリです。
完全な球体の場合、海底で安定せず、潮やアクションによって移動しやすいのが特徴です。
粒根でのずる引きでは根を回避しやすいのですが、オモリの高さがないため、エギ自体の動きは控えめになります。
荒根で5~10㎝程度底上から上げて宙釣りをする際は、オモリと根の接触感覚がわかりやすいく、上げすぎず下げすぎないアクションが可能です。
完全な球体はオモリを立てて倒すということができず、高さもないため、基本アクションではタコエギが動きづらい
<丸型オモリでの餌木の動き>
- オモリが倒れないため、餌木は底上に這いやすく、上下に動きづらい。ずる引き時は底上から離れず、すり抜け性能が高いためトレースしやすい
<丸型オモリのメリット>
- 根がかりの少ないガラ場(平場の貝殻や小岩などが集積した場所)で広く探りやすい
- エギをあまり上下させたくないときにつかいやすい
- オモリ自体が根をすり抜けやすい(荒根というよりも粒根)
<丸型オモリのデメリット>
- エギタコになれていない場合、エギを操作するイメージ(オモリを立てたり起こしたり)を持ちにくい
- 荒根では根上でオモリが止まらないため、根の奥にエギごとハマりやすい
- 集寄オモリの場合、側面がコンパクトなためフラッシング効果は下がる
- 六角オモリよりやや高め
エギタコの裏技オモリ
多くの人がやっているわけではないのですが、エギタコにおける裏技的なオモリを紹介します。
メタルジグオモリ(集寄や根がかり対策にもなるが、潮受けに注意)
メタルジグをルアーではなくオモリとして扱うことを「メタルジグオモリ」と名付けました。
メタルジグ自体がアピールを目的に作られているため、平面部のフラッシング効果はオモリ以上に高アピールでタコを寄せます。
スロー系ジグ以外は全体に棒状で扁平なため、オモリとエギを離しやすく、エギ自体の根がかりも軽減できます。
またメタルジグ自体も障害物をすり抜けやすいので、オモリが根に完全にハマることも少なくなります。
基本的にグラム数を指定号数に合わせるのですが、形状やバランス的に潮受けしやすい場面もあるので使用に注意が必要です。
オマツリが連続するような場面では使用を控えるのが無難です。
<メタルジグオモリのメリット>
- 餌木の根がかりが減る
- フラッシングにより高アピール
- 棒オモリ同様、餌木が派手に動きやすい
- オモリ自体が根をすり抜けやすい
<メタルジグオモリのデメリット>
- 潮受けするため道糸が流れやすく操作性が下がる(特にセンターバランスのメタルジグ)
- 水深、潮速、混雑度、熟練度によってはオマツリの原因となりやすい
- 一般的なオモリより高コスト
メタルジグの重心を下に置いた場合、底上でオモリがしずかに動きます(写真のモデルはテール側が重い)
メタルジグの重心を上に置いた場合、底上でオモリが激しく動き餌木の動きも大きくなります
他に30g程度のメタルジグを2から3つほどつけるとメタルジグ同士が強い音を立てるためアピール度がさらに高くなります。
一般的なオモリほど根がかりませんが、使い古しのメタルジグがあれば、試してみるのも一つです。
ニンジャくんオモリ(初心者におすすめのかんたん根がかり対策)
「ニンジャくんオモリ」は、根がかりに苦しむエギタコ初心者向けに考えたORETSURI推奨の六角オモリの根がかり対策チューンです。
エギタコに慣れた人であれば、本格的な根がかりになるまえに察知し、回避できるはずです。
一方、初めてのうちは、いつの間にかオモリが根の奥にはまり、回収不能になってしまうことも。
ニンジャくんオモリでは、六角オモリに結束バンドを十字に結び固定することで、オモリが根にはまることが格段に減ります。
ノーマルオモリよりは潮受けしやすいので、使用するときは、まわりの状況をみて行いましょう。
結束バンドの長さや太さによって、潮受けと根がかり回避のバランスが変わります。
また、ニンジャくんオモリは海底でオモリが倒れないため、六角オモリ特有のオモリを起こして倒すアクションはやれなくなります。
ほかに、結束バンドの先が根やゴミにひっかかる感触と、蛸の触りがよく似ているので慣れが必要です。
結束バンドを長くすればするほど根がかりしづらくなりますが、潮受けも増え、触りの判断がしづらくなります。
エギタコオモリの簡易集寄カスタマイズ
次にエギタコ用オモリの簡単なカスタマイズを紹介します。
できるだけオモリにコストをかけたくない人向けです。
白く塗る
油性マーカーや油性のカラースプレーで白く塗るだけで、ただのオモリが高アピールオモリに変身します。
数度重ね塗りをし、クリアコーティングをすることで塗装もはがれにくくなります。
ケイムラコーティングをするのも一つです。
曇天時や夜間の釣りでは夜行塗料(蓄光)を塗るのもよいでしょう。
テープを貼る
オモリに白・赤・ビニールテープやホログラムシールを貼るのも簡単なチューニングです。
注意点はテープやシールははがれやすいので、あらかじめオモリの汚れを取ってから隙間がないように貼るという点です。
できれば自宅で貼ってからクリアコートをしておくとよいでしょう。
貼るだけでただのオモリが高アピール
まとめ
今回はエギタコのオモリについて詳しく解説しました。
形状ごとのメリット・デメリットを知ることで根がかりの回避性は上がり、手返しもよくなるので釣果にも直結してきます。
エギタコのオモリ選びの参考にしていただければ幸いです。
▼オモリで変わるタコエギの動き動画はこちら!
▼水中でタコエギの動きはこちら
▼エギタコのオモリについて学んだあとは、根がかり半減法について学ぼう!
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