マゴチについて
マゴチは、日本近海で釣れるコチ類としては最大級の魚。50センチ前後から60センチ程度が一般的で、水深30メートル程度までの浅場の海底に生息している(マゴチについてのより詳しい情報)
おかっぱりからのマゴチ釣りについて
もともと、夏が旬といわれていた釣り船によるマゴチ釣りは東京湾では、ほぼ周年の釣りになってきているか感があります。
おかっぱりこと岸からの釣りでは、ヒラメ釣りとエリアが重なることもあり、サーフでのルアーフィッシングがよく知られています。
その他、堤防や岸壁から活きエサをつかって狙うマゴチの愛好家も多くいます。
堤防・岸壁からマゴチが釣れる季節
地域や水深によってことなりますが、海水温があがり、マゴチが接岸している5月~10月ぐらいまでがシーズンです。それ以外の季節でも釣れますが、狙って釣るためには、初夏から秋ぐらいまでを目安としておきましょう。
堤防・岸壁からマゴチが釣れるポイントの特徴
マゴチは海底にじっとしていることがほとんどで頻繁に回遊している魚ではありません。おかっぱりの釣りでは、釣り船やボートの釣りと異なり、仕掛けをキャストして広く狙う必要があります。
このとき、根が荒すぎるポイントは根がかりが頻発するため、この釣りには適していません。
基本的に、根がかりしにくい砂底・砂泥底のポイントを選びましょう。(根が点在する場合や根際はベイトフィッシュが多いため好ポイントです。)
堤防・岸壁からマゴチを釣るときのタックルと仕掛け・餌
ロッド
高さがある岸壁では投げ竿を使って釣ると便利ではありますが、オススメは2メートル強のシーバスロッドやエギングロッドです。30グラム程度のオモリに対して余裕をもってキャストできるロッドを用意しましょう。ミディアム~ミディアムヘビー程度の強度が適しています。
リール
30グラム程度の比較的軽めのオモリを繰り返しキャストする釣りですのでトラブルが少ないスピニングリールが適しています。ロッドとのバランスを考えると、3,000番程度のサイズがオススメです。仕掛け自体の耐久力もあるため、国産メーカーの汎用スピニングリールを用意しておけば問題ありません。
ラインやリーダー
ラインは感度と飛距離を考慮してPEラインがオススメです。1号から1.5号程度を100メートル程度巻いておけば十分です。飛距離を考えると1号がベストですが、根の状況等によっては1.5号をチョイスしたほうが良い場所もあります。
この釣りでは活餌を使うためフルキャストすることはありません。平均的な飛距離は40メートル程度のため、高切れした場合も100メートルラインがあれば問題なく釣りを継続できます。
フロロカーボンなどのリーダーについては不要です。PEラインはスナップサルカンなどに直結します。
仕掛け類の解説
オモリをつけて海底を引ける仕掛けであればなんでもよいのですが、オススメは以下の二つの仕掛けです
ジェット天秤
言わずもがなの定番商品、富士工業のジェット天秤。
おかっぱり釣り愛好家であればきっと複数もっていることでしょう。
狙う距離と潮流の速さによって、6号(23g)~10号( 38g)を使いわけるのがオススメです。
<仕掛けのセッティング方法>
- 道糸のPEライン
- スナップサルカン(ジェット天秤への直結でも可能。金属リング部分に傷がないことを確認しておく)
- ジェット天秤
- ハリス&針(フロロカーボン5号1~2m、管付チヌ6号・管付丸セイゴ16号)
中通しオモリ
丸玉オモリもしくはナツメ=長型のものを利用します。オモリが自由に行き来できる遊動にするためにはゴム管で中通し部分がガードされたものを使うと細めのPEラインを痛めにくいのでオススメです。遊動仕掛けにすることにより、根がかりをした際の回避性能があがります。
鯉・鰻・穴子などをブッコミ釣りで狙うときに使用するオタフクオモリは、根がかりの回避性能が低いため避けたほうがよいでしょう。(投げて放置する釣りの場合、仕掛けが潮流等で移動しにくいので優れているオモリです!)
<仕掛けのセッティング方法>
- 道糸のPEライン
- 中通しオモリ(ゴム管付きがオススメ。ゴム部分でサルカンに固定も可)固定する場合は爪楊枝やウキゴム等を利用
- サルカン類(スナップがついていない小型の物が強度・根がかり回避性能が高くオススメ)
- ハリス&針(フロロカーボン5号1~2m、管付チヌ6号・管付丸セイゴ16号)
仕掛け(ハリス&針について)
堤防や岸壁からマゴチを狙うために仕掛けは市販品として専門アイテムはありません。
つくり自体がシンプルなため、自作するのが基本ですが、ハリスは感度を考えてヨレにくいフロロカーボンラインを利用することをオススメします。マゴチの口はやすり状でバイトがあったあとのラインはかなり擦れるため、耐摩耗性があるものがオススメです。
針は初心者の場合、管付きの針がクリンチノット等で簡単に結べるので便利です。
<ハリスと釣り鈎の構成>
ハリス&針(フロロカーボン5号1~2m、管付チヌ6号or管付丸セイゴ16号)
※使う針は好みですが、チヌ針のほうがやや針先のネムリがあるので根がかりはしにくく、マゴチのヒット時に口のわきにかかりやすいという特徴があります。線材が細すぎるものは、マゴチの強烈な引きにより伸ばされることがあるので注意しましょう。
おかっぱりマゴチ釣りに適したエサ
この釣りでは以下のエサがオススメです。
- ハゼ(購入すると1尾100円程度)
- シロギス・メゴチ(基本的に現地調達)
- 銀白ことウグイの幼魚(購入すると1尾100円程度)
- ザリガニ(小型。購入すると1尾100円程度)
魚類を餌として扱う際は、濡らした手で優しくつかみ、上あごに針を刺します。観賞魚用のネットを持参すると、暴れる魚を効率よくつかまえ針がけできます。
孫針をつけることによって、バイト時の針がかり自体はよくなりますが、エサが弱りやすくなり、動きや全体的なフォルムに違和感がでるためバイト数が目に見えて落ちます。マゴチ釣りの場合は一本針で、食い込ませる間によって勝負することをオススメします。
小型のザリガニもマゴチ釣りの有効な餌です。ハサミをとって、頭部に針がけしましょうサイズによっては、マゴチ針(スズキ針)を用いたほうがしっかり装着できます。
7月以降は、河口域付近でマハゼの幼魚も釣れるため、事前に数を釣ってエアレーション等で活かしておき持ち込むのもい良いでしょう。
シロギスやメゴチは、5月~9月程度までマゴチがいる釣り場でチョイ投げ等で釣ることができますが、確保できるかどうかはその日の状況によるため、リスクを減らすためには、釣り餌点でハゼやウグイを購入してから釣り場に向かうのがよいでしょう。
ザリガニは、確保してからバケツでも活かしておけるため、まとめてつかまえておく餌としてもすぐれています。
おかっぱりからのマゴチの釣り方
餌付けはやさしく、かつしっかりと
まず、エサは、しっかりかつ弱らないようにしましょう。
弱った餌や死んだ餌でもマゴチがまったくバイトしないというわけではないですが、活きの良い餌の動きに反応しやすいのは言うまでもありません。
キャストはやさしく、可能な限り遠くへ
次にキャストですが、ルアー釣りのように、反発力を駆使してロッドに負荷を与えて投げると餌が弱り飛んで行ってしまいます。
トップガイド部分からの垂らしを1メートル程度と長めにとり、竿の弾力はあまり利用せず、オモリの重さでやさしくキャストするようにしましょう。
着水から着底まで
うまくキャストできれば40メートル程度は飛ぶはずです。
オモリが着水したら軽くサミングをしつつ糸ふけをおさえて着底を待ちます。
着底後、オモリの重さを感じながらタテ、もしくは横方向にさびいてきます。ただのずる引きだけでも、活餌が動くためマゴチはバイトしてきますが、ときおり、意識してオモリを跳ね上げ、ハリスの先の活餌が同調して跳ね上がり、フォールする間を作ります。
多くのバイトは、この餌の跳ね上がり前後に起きるため、とくに意識を集中しておきましょう。
アタリの取り方と合わせ方
カーボン含有量が多いロッドとPEラインの組み合わせであれば、マゴチが餌を食ったときのアタリは明確に穂先と手元に伝わります。(重めのグラスロッド+ナイロンラインだと微妙なアタリがわからないことも)
アタリがあった場合、ラインをはらずゆるめずの状態にしてロッドの穂先でゆっくり聞き上げましょう。
この時、張り詰めたテンションがなくなった場合は、一旦その場から餌を動かさず30秒ほど放置します。
穂先で聞いたときに張り詰めたテンションがさらに引き込まれた場合、リールを一気に巻きながら長いストロークで強く合わせましょう。
このとき、リールの糸ふけを巻き取らなかったり、短い合わせをするとマゴチの固いアゴにしっかり針がかりしません。
ヒットしてから釣り上げるまで
マゴチがヒットすると、釣り竿の胴部分まで重さがしっかり感じられるようなり、首振りするような引きがつたわってきます。
ヒットしたあとは、テンションを緩めないように、早めにリールを巻き取り足元まで引き寄せます。
ハリスが細い場合などラインが破断することを懸念してゆっくりなやりとりになりますが、PEライン1号以上でハリスが5号以上あれば、ドラグなしに寄せてくることが可能です。
ハリスが5号の場合でも、針がかりが食道部分だった場合など、ゆっくり巻いてくるとマゴチの口でハリスが切れてしまうことがあります。
なるべく早く寄せることを常に意識しておきましょう。
ランディングは、抜き上げではなく、タモ網を使うことをオススメします。抜き上げる場合、マゴチが頭を左右にふるため、このときにハリスが切れる可能性が高まります。
釣ったあとのマゴチの処理
神経締めと血抜きをするのがベストですが、道具がない場合は、濡れたタオルでしっかり魚体を押さえ、脳天をナイフ・調理ばさみ・プライヤー等で貫通させ、エラ蓋の動画の付け根をカットしたあとに水汲みバケツ等で放血させたあと、クーラーボックス等で冷やして持ち帰りましょう。
お帰りの際には、堤防についた血糊等はしっかり洗い流しておくのがマナーです。
キャスト時のクロスにご注意を
人気の釣り場の場合、隣の釣り座と数メートルの間もない場合があります。
マゴチのブッコミ釣りで餌に魚類を使う場合は、少なからず餌が左右に泳ぐ可能性があります。このときに、隣の釣り人とオマツリする可能性が高まりますので以下の点に注意しておきましょう。
- 隣近所の釣り人にはきちんと挨拶をしておく(どんな釣りをしている確認する)
- まっすぐ投げる(キャストミスをした場合は、巻き上げて投げ直す)
- 仕掛けを置き竿等で放置せず、手持ちでテンションをかけながら釣る
- 状況によってハリスの長さやオモリの重さを調整する
おかっぱりからのマゴチ釣りのゲスト
マゴチのほかには主に以下の魚がヒットします。
- イシモチ
- アナゴ、クロアナゴ
- ワニゴチ
- スズキ(シーバス)
- カサゴ、ソイ類
釣れるゲストも食味がよいものばかりです。
堤防・岸壁からマゴチが狙える釣り場(東京・神奈川周辺)
- 浮島釣り公園
- 東扇島西公園
- 福浦岸壁
- 横須賀うみかぜ公園
- 横須賀海辺つり公園
- 三春町岸壁
どの釣り場でも、自分のゴミは必ず持ち帰り、余裕があれば周りのゴミも拾うなど配慮して楽しみましょう。
最後に
東京湾を中心にオフショアでのマゴチ釣りが人気です。
一方、マゴチは、高水温期を中心に身近な堤防からも狙うことができるターゲットです。
それほど連発して釣れるターゲットではないですが、おかっぱりから釣る1本は、貴重ですし、釣ればまわりがざわつくこと間違いなしです。
堤防チョイ投げ釣り等と組み合わせて狙ってみましょう。
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