東京湾を中心に根強い人気がある天秤タチウオ釣り。
片天秤に2m程度のハリスをとり、タチウオ専用針をつかって狙います。
この針は釣果UPにつながる大きな要素。
今回は「天秤タチウオ」用フックの選び方を解説し、オススメの針を紹介します!
天秤太刀魚におけるフック選びの重要性とは?
どの釣りでもそうですが、魚と一番距離が近くなる針は釣果を上げるために大切な要素です。
天秤タチウオでは、サバやコノシロの身餌を使います。
<天秤タチウオの針に求められる要素>
- 身餌がズレにくい
- 身餌の全長に合っている
- タチウオがかかったときにたやすく折れない
- 針を飲み込まれにくいサイズや形状
これらの要素を踏まえた針は、餌タチウオ専用針が最適です。
サイズ選びのポイント
まずタチウオ針のサイズ選びから解説します。
天秤タチウオで使用する針はしばしば「フック」と呼ばれます。
これまもともとタチウオ針がワームフック由来のものであった名残です。
ワームフックの特徴で、サイズは通常の○号表記ではなく、1/0、2/0のように区別されます。(通称:イチゼロ、ニーゼロ)
メーカーによっても線径や大きさは異なるのですが、だいたい以下のように考えておきましょう。
<例:東京湾の天秤餌タチウオ>
- 1/0:小型の多い夏タチウオ中心で使用するサイズ。飲まれ、ハリス切れが増える。餌は自然に漂うが、軽いため餌の動きは控えめ
- 2/0:天秤タチウオで一番使用される標準的サイズ。迷ったらこれ。メーターオーバーの場合は飲まれて切られる可能性も
- 3/0:やや大型サイズ。メーターオーバーを専門に狙う場合は最低3/0以上を用意したい。誘いが合えば小型もとれる
- 4/0:120㎝以上など超大型のタチウオを狙うときのサイズ。テンヤタチウオと同船で大型狙いで身餌を重ね付けするときにもおすすめ
1/0サイズは飲まれが増え、チモトが傷つきやすい(活性と誘い方にもよる)
針が大きすぎると、身切れの原因となることがあります(ただし、活性と誘い方による)
ケンの有無・位置・数
続いて大切な要素が「ケン」です。
針の軸についているカエシで、メーカーによりますが、1~3個程度ついています。
むかしのタチウオ針はこのケンがついていないものもあったのですが、現在はほぼすべてのタチウオ針でケン付が販売されています。
ケンが大きいほど、身餌が皮目でしっかり固定できズレません。
またケンの位置も大切です。
ケン付のデメリットは針の剛性が弱くなることです。
特に細めの軸をもつ針は、ケンの位置によって折れやすいと覚えておきましょう。
刺さりやすさ
針先が外側に開くタイプは即掛けしやすい(強度が落ちるので先径がやや太目)
続いて大切なのが刺さりやすさです。
タチウオが餌を見つけた際に、いきなり丸呑みすることはあまりありません。
身餌を生きたイワシなどと勘違いしたタチウオは、よわらせるために噛みつきます。
このとき、活性が低いと甘噛みのような状態がつづき、深く食い込みません。
針先が甘いと掛かりづらくなるわけです。
現行のメーカー品はすべて化学研磨針なので、鋭いわけですが、表面の塗装やフッ素樹脂コート等によって刺さりに差が出てきます。
上あごへのクリティカルヒットはバレづらいが針先も弱りやすいので注意
タチウオの上あごは固いのですが、なん尾も上あごにフッキングさせていると針先が劣化し、かかりが悪くなります。
随時針を交換していきましょう。
耐久性
天秤タチウオの針で次に大切なのは耐久性です。
折れにくさ曲がりにくさに加えて、針先の強さが大切です。
ワームフック由来の長い針にケンがついているため、軸(ケン)部分に負荷が集中し折れやすいのです。
また、細軸すぎる針は、ハリ外しの際にタチウオが暴れて曲がってしまうこともしばしば。
軽さと耐久性は相反するものですので、釣況により試行錯誤しながら針を変えていきましょう。
ちなみに、タチウオ針はトリプルフックと異なり使い捨てることがほとんど。
錆びにくさはあまり重要ではありません。
軽い針、細い針は当然折れたり曲がりやすい
色
タチウオ針は色によって工夫もできます。
- 黒系カラー:目立ちにくくスレづらいカラーです
- 赤:魚食魚は赤に反応するとされ、赤針で釣果が伸びるかもしれません
- ケイムラ:紫外線に反応し、タチウオから発見されやすくなるかもしれません
- ホログラム:フラッシング効果により、タチウオから発見されやすくなるかもしれません
筆者の考えでは目立って釣果に変化があるとは感じられません。
一方、アタリが少ないときに、気分転換もかねて、針の色を変更してみるのも一つです。
おすすめのフック4選
Twitterでアンケートをとってみたところ、天秤タチウオで一番よく使用されているメーカーは「がまかつ」でした。
天秤餌タチウオで使用している針のメーカーについて教えてください!(理由や、その他メーカーの場合はリプでどうぞ。)
— ひらっさん (@tsuyoshi_hirata) August 29, 2023
がまかつ・ケン付タチウオ ST-R(赤・ナノスムースコート・リアルケイムラ)
ケン付タチウオ ST-Rには、刺さりの特によいナノスムースコートの黒針と、赤針がありました。
その後、新しくリアルケイムラカラーが追加されました。
全体的に強度が高く設計され大型のタチウオでも針折れが少ないのが特長です。
がまかつテスターの影響もあり、おそらく船上で一番使われているタチウオ針です。
筆者も中大型狙いではメインで使っています。
▼食い渋り時に掛けやすいワイドタイプが追加されました
オーナー・太刀魚サーベルX(WX・ケイムラ)とHG(ホログラム)
オーナーの太刀魚サーベルXは長く人気のアイテムで、軸の太さもちょうどよいアイテム。
カラーパターンがケイムラとホログラムと多彩です。
WXは軸が太いタイプで大型狙いに向いています。
筆者は夏タチウオ等の高活性時にはホログラムタイプのHGをよくつかっています。
▼WXは高強度タイプ
▼ケイムラカラー
▼HGはホログラム
ヤマシタ・タチ魚針 WHT
ヤマシタのタチ魚針 WHTは現行のタチウオ針の中で唯一、管なし叩き針です
軽量のため、餌が自然にフォールしやすく、メーカー横断で食い渋り時に最適。
軸が細めのため破断しやすいというリスクも高めのため、大型狙いでは使用しないほうが無難です。
プライヤーでの針外しと気にも針が破損しがち。
どちらかというと指4本クラスまでの数釣に向いています。
筆者は低活性時にタチ魚針 WHTの2/0か3/0をよく使います。
ダイワ・D-MAX 船タチウオ SS
ダイワ・D-MAX 船タチウオ SSは、フッ素系コーティングにより刺さりが抜群のタチウオ針。
ケンが3つあり、様々な刺し方に対応しています。
愛用者も多い針で、改善型もリリースされています。
天秤餌タチウオ釣果向上のための餌付テクニック
次に天秤タチウオで釣果を上げるための餌付けテクニックを紹介します。
タチウオは餌のつけ方でアタリの出方が倍増します。
雑なつけ方ではアタリが激減するので注意しましょう。
以下の点に考慮して針掛けします。
<天秤餌タチウオの餌付テクニック>
- 身餌の端を平行に切りそろえる
- 身が厚めな場合はハサミで薄くそぐ(特にアタリが出づらい場合)
- 針を刺したときに、餌の余りが3,4㎝程度出るような部位をつかう
- 初期カッティングの状況、部位によるが、基本的に皮がめくれづらい腹側から針をいれる(特にサバ餌)
- コノシロは身側から針を入れる(皮側に鱗が残るため)
- 最初に針先をいれるときは切りそろえた端から5mm程度にする。ハリを入れる場所が端から離れると潮受けしやすくなる
- 余分な身餌はクーラーにしまいながら、劣化しないようにつかう
- 投入時は身餌を目視確認し、回転したりチモトの潮受けが強いものはつけかえる
餌が配られたら一方の端を水平に切りそろえる
端から5mm以内にハリをいれる
コノシロ餌は身側から針をいれる
活性によって餌を細目にカッティングする(写真は塩締めなしのタチウオ身餌)
身餌が回転しないように凹凸が少ないようにする(特にチモト側)
針のメンテナンスと保管方法のアドバイス
太刀魚針の再利用はしないほうが無難
基本的に実釣で使用した針はまとめておき廃棄しましょう。
化学研磨針は市販のシャープナー1種で新品時の鋭さに戻すことは不可能です。
1本でもタチウオをかけていれば針先が劣化しています。
保管は販売時の袋がベストです。
プラケースに入れては運ぶと針先が劣化する可能性があります。
まとめ
今回は東京湾を中心に根強い人気がある天秤タチウオ釣りの針の選び方を解説しました。
おすすめの針を参考にしていただき、さらなる釣果UPを目指しましょう!
関連アイテム
▼釣りあげたタチウオはしっかりつかめるグリップやハサミがおすすめ。ハリ外しはルアー・餌ともにシマノのADプライヤーがベスト