長く続くコロナ禍。それでも季節は順々に巡り、あわせて「釣り物」も変化していきますね。
釣りを通して四季を感じられる。とても素晴らしいことだと思います。
さて、ここ数年、釣り具の需要供給バランスが崩れています。
みなさんも感じ取っているのではないでしょうか。
今回は「釣具難民」にならないようにするという話です。
釣りにいきたいけど釣具が手に入らない「釣具難民」
釣具店・船宿にとってはコロナ禍はバブル時代
いきなりですが、「釣り具難民」という言葉をご存知でしょうか?
・・・
はい、今作りました。
要は、釣り具を買いたいんだけど、釣具店に売ってないからどうしようもないという釣り人を指します。
長引くコロナ禍により、生産国ごとの労働力の低下や物流システムのハードルが上がりました。
そういった事情により、メーカー側の生産体制が安定していないため、ニーズがある釣り具が店頭に並ばなくなったり、販売タイミングが遅延しています。
ほかに、所謂「密」をさけて釣りをはじめる人が増えたとも言われています。
データでいえば、Googleトレンドをチェックすると、コロナ禍以後の釣り関連検索数は増えています。
実際にはコロナ禍以前から、釣りブームの到来を予想される検索数増加が起きているようです。
これはもともとあったキャンプ・山登り・BBQなどのレジャーからくるアウトドア志向なのかもしれません。
Googleトレンドではコロナ禍前からアウトドア志向からか、釣り関連の検索数は増えている
関連キーワードとして、釣り関連の情報を探すために「釣りブログ」等の検索数が急増している
釣り場や船宿に人が増えている。
データで見なくても、みなさんは体感値で感じているはずです。
釣り場や船宿に人が増える。
そうなると当然、釣り具の購入が比例して増え、店舗で在庫薄になっていっているわけです。
「釣具難民」にならないために押さえておきたい5つのポイント
さて、せっかくの余暇で釣りを楽しむとき、釣具難民にならないためにはどうしたらよいのでしょうか。
5つの対策を考えました。
①メジャーでない釣りに力を入れてみる
当たり年のカワハギ船は予約がとれないほど
釣具難民対策の一つ目は、メジャーでない釣りをするという対策です。
マーケティングでいえば、「レッドオーシャンを避けましょう」ということですね。
たとえば、船カワハギ釣りはメーカーの企業努力から、かなりメジャーな釣り物になりました。
釣り自体は奥深く面白いし、食べて旨いとなると、誰もがやるわけです。
高難易度で選択肢が多い釣り物程、メーカーも多くの釣り具を展開できることもあり、最大リソースを割きます。
そのため道具は洗練され、釣り人からみても欲しい道具がどんどん増えていきます。
そこで、多くの人が釣り具屋でカワハギ道具を買うようになって、ほしい釣り具が手に入らなくなる。
特に1万円強のスタンダードクラスの竿や、仕掛け類は品不足になりがちです。
そういった過密地帯を避けてみるのも一つかもしれません。
でも、マイナーすぎる釣りに「好調」という「トレンド」が加わるとやや競争率が増してきます。
たとえば、東京湾にはテンヤスミイカというジャンルがあるのですが、かなりマイナーです。
これは勘ですが、現役でテンヤスミイカをやっている釣り人の合計数は東京湾近郊で~500名程しかいないような気がします。
そんなテンヤスミイカについても2021年~2022年はやや好調で、秋シーズンは瞬発的にチャレンジャーが増えて、テンヤスミイカ専用竿が市場から姿を消しました。
とはいえ、仕掛け自体はシンプルで、テンヤやスッテはそれなりに手に入るので貸竿がつかえれば問題なく釣りができるレベルです。
②既存の釣り具を活用する
2つ目は、既存の釣り具を活用するという方法です。
仕掛けをふくめて、すぐに専用道具を買わず、自分が持っているタックルをフル活用して臨むということです。
実際に専用タックルがほぼ必要ない釣り物もあります。
たとえば、アマダイ釣りなどはアマダイ竿がなくても全く問題なく成立します。
毎回釣り物ごとに道具を新規購入している人も、一度立ち止まって本当にその道具・仕掛けが必要か考えてみるのも一つです。
ルール上、特定の道具を使わなくてはいけない釣り物も多いのですが、意外と流用できる仕掛けなどがありますよ。
③季節の釣り物用アイテムを先取りする
様々な釣り物がロングシーズン化している昨今。
とはいえ、どんな釣り物でも盛期というものがあります。
いざ盛期に入ってしまうと、あっという間に店頭から該当釣り物用の竿や仕掛け・ルアーがなくなってしまうことも。
在庫があるのであれば、シーズンをみこしてあらかじめ釣行計画を立てて、アイテム購入をしていくのも一つです。
④中古釣具店の活用
新品で釣り具が買えないときは中古釣具店も積極的に活用していくとよいでしょう。
チェーン型リアル店舗型の場合、店舗によって強いジャンルが異なります。
どの店舗がどのジャンルに強いか把握しておきましょう。
<例>
- エリアトラウトやバスに強い
- ルアー釣りに強い
- 船釣りに強い
⑤メルカリ・ヤフオク等の活用
中古釣具店と合わせて視野にいれておくとよいのがメルカリ・ヤフオク等での個人売買です。
個人間取引のため、リスクも高まりますが、低リスクのアイテムのみ購入するというようなルールを設けておけば失敗も少なくなります。
<高リスク>
- リール
- 竿
<低リスク>
- 仕掛け
- ルアー
釣具不足になりがちな釣り物(船)
「季節の釣り物用アイテムを先取りする」という話をしましたが、ここ数年では以下の釣り物が品薄になりがちです。
カワハギ
2021年~2022年にかけては、完全に釣り具の需要供給バランスが崩れていた船カワハギ。
メーカー側も来シーズンにむけて生産増をしていくことは明白ですね。
とはいえ、盛期になると人気アイテムは品薄になりがちです。
来シーズンも釣行するのであれば、秋のシーズンインのまえに、タックルや仕掛けなどを増やしておくとよいでしょう。
<売り切れがちなタックル>
エギタコ
テンヤで狙うタコに対して、餌木タコは年々広まっています。
メーカーもロッド類を増産して現在は店舗に在庫も多く見られます。
東京湾湾奥であれば6月からシーズンインになるわけですが、これからエギタコをやる人も増えることが想定されます。
- テンヤをやっていたがエギタコをはじめる人
- タコ釣り自体をはじめる人
竿・リール・仕掛け等でほしいものが手に入るとは限りません。
またエギタコ竿は穂先の破損リスクも比較的高いため、竿の買い替えや追加ニーズをもって人も多いはず。
なるべく早めに装備を足しておいたほうがよさそうです。
<売り切れがちなタックル>
夜アナゴ
東京湾では、4月下旬から6月にかけて夜釣りで小型のマアナゴを数釣りする「夜アナゴ」というジャンルがあります。
アナゴの個体数は毎年あまり多くはないのですが、年により「ややよく釣れる」というシーズンがあります。
専用竿をつかうことにより釣果を伸ばしやすいという点と、同じ竿やリールを2セットそろえる2刀流が盛んなため、比較的タックルが売り切れることが多いのが特徴です。
専用竿2本×小型両軸リール2個というスタイルを検討している人は、できるだけ早めにタックルをそろえておいた方がよいでしょう。
<売り切れがちなタックル>
サワラキャスティング
秋以降ベイトを追って湾奥にやってくるサワラをルアーキャスティングで狙う「キャスティングサワラ」も年々人気になってきています。
東京湾界隈では、専用竿や代用できる竿が品薄になりがち。
また使用するルアーも傷がつきやすかったり、リーダーカットによるロストという可能性が高い釣り物です。
これからチャレンジしたい人や、代用竿をつかっていて専用竿に変えたい人は、店舗やECサイトで随時チェックしておくとよいでしょう。
盛期にむけて、人気ルアー(カラー)もあらかじめ複数個用意しておくと安心です。
<売り切れがちなタックル>
メジャークラフトやアブのオフショアキャスティングロッドやボートシーバスロッドが品薄になりがち。
餌マゴチやタチウオ
マゴチやタチウオは人気魚種です。
それぞれ、汎用タックルで狙う人も多いのと、竿は比較的在庫が多い印象です。
一方、特定針やテンヤの号数/色が盛期になると店舗で見つからなくなる状態もでてきます。
たとえば、餌マゴチの場合、がまかつのマゴチ針の17号(非改良版)は比較的愛用しているユーザーが多いので在庫が少ない印象です。
ハリは消耗品なので、シーズン分まとめて買っておくのも一つです。
<売り切れがちなタックル>
ライトゲームロッドは在庫薄になりがちなので即買いする
入門者が増えるにあたり、最初の一本として選ばれがちなライトゲームロッドもなにかと在庫薄になりがちです。
特に以下のラインナップはすぐに売り切れになるので、欲しいときに買っておくのがおすすめです。
<シマノ>
- ライトゲームBB
- ライトゲームSS
<ダイワ>
- ライトゲームX
- アナリスターライトゲーム
それぞれ20~80号負荷程度のM(ミディアム)クラス・MH(ミディアムハード)クラスが人気です。
<売り切れがちなタックル>
まとめ
今回はシーズン盛期に「釣具難民」にならないようにするノウハウを紹介しました。
釣果が目立つと瞬間風速的に競技人口が多くなる釣り物と、毎年競技人口が多いのデフォルトの釣り物があります。
いずれせよ満足いくタックルで勝負したい場合は、年間の釣行計画をたてて、道具も先んじてそろえていくとよいでしょう。
これを書いていて、わたしも買うものが決まりました。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)