本記事では地域差はあるものの、9月・10月に海の船釣りで釣れる魚について解説します。
魚種は随時追加していきますのでお楽しみに!
9月・10月の海の状況は?
9月・10月の海は台風さえこなければ釣りやすい海。
9月になると毎年台風が数多く通り過ぎます。
9月中旬以降~10月になると台風の本数が落ち着き、晴れ間が多くなってきて絶好の釣り日和になることもしばしば。
もはや秋ですが9月中は気温も30度に近づくこともあり、紫外線は強いので日焼け対策は必要です。
この時期の釣りは、浅場に回遊するベイトについた魚食性の高い魚と、深場に落ちていく前に群れをつくる魚を狙うのがメインです。
1.ややタナが深くなる「秋タチウオ」
タチウオの仲間は温暖な海に生息しているのですが、近年の平均海水温上昇で生息域が拡大しています。
元々東京湾では、秋冬は観音崎・走水海域・下浦沖のやや深めのエリア(水深50~100m程度)がポイントでした。
一方、近年は真冬でも湾奥の東京・墨田川河口付近までタチウオがカタクチイワシなどのベイトを追って回遊することも増えています。
とはいえ、全体的には「浅場主体の夏の釣りから、やや深場に主戦場がうつる」と考えておきましょう。
水深は50m~100m前後を狙うことが増えてきます。
手巻きリールでもハイギヤモデルを選べば十分チャレンジできますが、手返しを考えると電動タックルが有利です。
またヒットしてから巻き上げるまでに時間があるため、ハリス切れやPEラインからの高切れも起きやすい時期でもあります。
船宿のごとのオモリやラインの号数指定を守りつつ楽しみましょう。
フックは2/0以上、チモトのハリスガードも効果的になってくる時期です。
深場で潮の濁りや天候によって暗いときは、水中ライトやケミホタル類を用いるのも効果的です。
また、状況によっては水深30m以深も探ることがあるのでオモリ号数は船宿に確認しつつ複数用意しておきましょう。
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2.「マゴチ」は9月10月は釣りやすくなる
水深20m以深で主に釣れるマゴチ。東京湾を中心に人気の釣り物です。
マゴチは餌となるシロギスやメゴチが浅場から姿を消すのとあわせて「浅場から深場へ徐々に移動していく」とされてきました。
一方、実際はボケジャコや小型の蟹など、甲殻類を捕食しながら、浅場に1年中とどまっている個体もいます。
東京湾の釣り船でも、以前は夏の釣り物でしたが、現在は3月~11月ぐらいまでのロングシーズンで出船しています。
周年出船の船宿もあります。
9月10月は、台風の通過や長雨の影響で海水が入れ替わり、マゴチの活性も上がりがちです。
アタリも頻発になり、春と並んで数釣りが可能になります。
2月にアカメフグのゲストで釣れたマゴチ(野島沖、水深20m前後)
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3.肝パンの「カワハギ」が狙える
9月以降、水温が下がるにつれて、浅場の砂地に散っていたカワハギがツブ根(砂地に点在する根)に固まりはじめます。
この時期は1年でもっともカワハギを数釣りできるチャンスでもあります。
ボートの場合、ボート店スタッフにポイントをよく聞きつつ、海底地形に注意しながら釣りをするとよいでしょう。
小型の魚探があるとさらに安心です。
釣り船の場合は常に船長がポイントを移動してくれるため、新鮮なポイントを狙うことができます。
一方、ボート釣りでは、自分で移動する以外に、ツブ根付近でコマセを撒きつつカワハギを寄せながら釣りをするのもよいでしょう。
アミコマセをもちいたライト五目仕掛けを1本落としておき、反対側でカワハギを釣ると効果的です。
コマセをつかわず、ポイントもわからない場合はボウズになることもあるので、まずはカワハギが固まっているツブ根まわりを探しましょう。
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4.高級魚「アマダイ」のシーズンイン!
アマダイは、主に潮が澄みはじめる秋から春までの期間狙われる釣り物です。
実際は1年中水深60~100m程度の砂泥地で釣れるのですが、釣り船の釣り物が少なくなる時期に特に人気ターゲットとなります。
底荒れすると極端に食いが悪くなり、タナもズレやすれやすくなるので、台風などの時化後の釣行は控えたほうが無難です。
水深は60mから110m程度まで狙うことが多いですが、電動リールでなくてもハイギアの手巻き両軸リールでも十分チャレンジ可能です。
この釣りで重要なのは、穂先が繊細なロッドを利用することです。
小突き主体の釣りでは、8:2の先調子竿も効果的。
ゲストやアマダイによって、空針状態になったり餌がズレると極端にあたりが減ります。
常に、エサの存在を気にかけつつ、5分に1回は餌のオキアミを交換していくと、結果的に釣果が伸びます。
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7:3よりは8:2のライトゲームロッドが有利。また食い込みがよい形状記憶合金の天秤が人気。夜光や発光系のオモリも人気。
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5.イワシをおって回遊する「カツオ」「キハダ」を狙う
秋のカツオは、エサを豊富に食べて丸々と太っています。
相模湾を中心にカツオやキハダ(キメジ)を狙う船は9月以降も出船しています。
群れを捕捉して狙う能力は船宿(船長)、連携している漁港単位で異なるため、船宿ごとの釣果を数日見定めながら予約しましょう。
タックルはヘビーなもので、深場釣りへの応用以外はあまりきかないため、最初はレンタルタックルで挑戦するのがオススメです。
6.「ライト五目」は色んな魚が釣れておもしろい
コマセをつかった五目釣りは、以下の呼び名で呼ばれます。
- ライト五目
- ライトタックル五目、
- LT五目
- ウィリー五目
- アミ五目
アミコマセを撒き餌にして、ウィリー仕掛けもしくは、一部つけエサをオキアミにして浅場を狙う釣り物です。
船宿ごとに、ポイントのレパートリーがあります。
- アジやイサキなどの居着き個体
- イナダなどの回遊魚
- イシダイ・ハナダイ
など、複数個所のポイントをめぐってくれるため、季節によって根魚から回遊魚まで多種多様な魚が釣れます。
ライトアジ釣りなどのライトゲームロッドで併用できる気軽な釣りものなので、ぜひチャレンジしてみましょう。
食味も引きも最高峰のイシダイ
秋によく釣れるイナダ。連発することも。ときおりワラサクラスも混じる。
アジ(マアジ・マルアジ)やサバもよく釣れるシーズン。特に脂乗りがよくなった大サバが美味。
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7:3の竿が比較的使いやすい。
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7.ヒラメが美味しくなってくる季節
夏のヒラメは比較的数釣りができるものの食味ではまずまず。
秋から冬になってくると大型個体の肉づきもよくなってきます。
イワシやアジなどのベイトがたまる海底でじっとしているだけでなく、状況が良い場合は、ベイトを積極的に追い回しているヒラメもいます。
秋シーズンはワラサなど回遊魚も多いため、しっかりとした仕掛けが必要です。
基本的に胴付きで、遊漁船の場合はオマツリをさけて枝スを1m前後にするのが一般的。
相模湾や東京湾のLT五目船、アジ船によっては、混雑状況によってはヒラメやワラサの泳がせ釣りができる可能性もあります。
希望する場合船長に相談して許可を得ておきましょう。
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8.テンヤ・タイラバやコマセで狙う真鯛五目
秋以降、水温が下がるにつれて真鯛も深場に落ちていきます。
9月、10月は1年でも真鯛がまとまりやすく、釣りやすいシーズンといえます。
東京湾の場合、もともとコマセで狙う真鯛が有名でしたが、近年は一つテンヤやタイラバを楽しめる船も増えています。
テンヤやタイラバは単に底をとって仕掛けを上下させて真鯛のバイトを誘う釣りと思われがち。
一方、巻き上げのスピードや、底上での挙動など、微妙なアレンジが釣果にも繋がるので玄人好みの釣り物でもあります。
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タイラバでは一定速度で巻き上げるという基本動作が重要になってきます。専用リールでは巻き上げ速度がデジタルにわかるものもあり、より精確なリーリングが可能です。
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9.コウイカ(スミイカ)が10月頃からはじまる
10月頃から小型のスミイカ(コウイカ)を狙う釣り船が出船します。
特に東京湾ではおいしいターゲットとして知られていて、刺身のほかに、天ぷらがオススメです。
釣り方は以下の通り。
- 中オモリ×エギ:2号、3号のエギを使い、10号前後の中オモリをつけて基本的に底上付近を狙う
- ダウンショットスッテ:20号程度のオモリをつけたダウンショットリグでスッテを遠投して狙う
- テンヤ:テンヤにシャコをつけて狙う。11月以降
スミイカはエギで狙うほか、テンヤにシャコをつけて釣る方法もあります。
船によっては両方楽しむことができるのでチェックしてみましょう。
10.「落とし込み釣り」で大型の魚を狙う
九州では特に人気な落とし込み釣り。
太ハリスのサビキで、アジやイワシ・小鯖等を食わせ、そのままフィッシュイーターがいるタナまでおとして、ワラサ、ヒラメ、ハタなどの大型の魚を狙っていく釣りです。
関東では、出船している船宿が少ないですが、相模湾で秋から冬のベイトがまとまるシーズンに複数の釣り船が出船しています。
本場九州では10~20㎏のヒラマサやハタ類をはじめとした大型の魚が釣れるため、ハリスは最低でも10号が必用。
相模湾の場合はワラサ以下のクラスや中型ヒラメメインの釣りのため、ハリスは10号以下が良く用いられています。
船宿によってはハリス5号程度のサビキを利用してイナダをメインに狙うことも。
その日その日で狙う魚や仕掛けが変動するのでよく確認して臨みましょう。基本的に指示通りにスピーディーに上げ下げする必要があり、電動リールタックル必須です。
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11.イイダコは餌なしのテンヤで釣れる手軽なターゲット
頭部を中央から見たとき、脚の付け根に◎印があるのがイイダコ
東京湾でも神奈川側は専門に狙う船が少なくなってきたイイダコ。
専門に狙う場合は、金沢八景や金田湾など三浦半島のボート店から出船するとよいでしょう。
仕掛けはイイダコテンヤもしくは小型のエギで、シロギス釣り等のライトタックルが併用できます。
ボート釣りでは、イイダコだけ専門に狙うよりは、ボート下にテンヤを落としておき、カワハギ釣りやライト五目とあわせて狙うと釣果に落胆しないですみます。
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9月・10月の船・ボート釣りのまとめ
台風が過ぎるごとに地上は涼しくなりますが、まだ海は夏といった状況なのが9月、10月。
釣り船は船に限りがあるため、シーズンごとにもっとも釣れる旬の魚を狙っていきます。
ボート釣りでは、釣り船のメインターゲットから外れていく魚もまだまだ狙うことができます。
初心者の場合、釣り船であればライト五目がもっともチャレンジしやすく、まぐれでイシダイなどの高級魚も顔を出すかもしれません。
釣果は、どのポイントを回っているかによって変わってきます。
船宿のSNSアカウントをフォローするなどして、連日の釣果を見守っておくとよいでしょう。
9月頃からシーズンインする釣り物としては、近年特にアマダイやカワハギが人気です。
食味もよいですし、釣りとしての魅力も奥深いので、いろいろと研究して足を運んでみましょう。
夏の暑さで釣行を控えていた釣り人も動き始めるシーズンですので、週末の釣行を予定している場合はしっかり船宿の予約をして釣り座を確保することをおすすめします。
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もう夏もさったとおもっていると、かなり日焼けをしてしまうのが秋。紫外線対策はしっかりして釣りに臨みましょう。
10月後半からは、サンダル系だと足元が寒くなってくるため、防寒対策が必要になってきます。