船釣りで「LTアジ」「ライトアジ」といえば、30~40号程度のビシと手軽で子供や女性でも簡単に楽しむことができます。
今回はLTアジに適した船竿の選び方とオススメを解説します。
※LT(エルティー)はライトタックルの略称です。
ライトアジに適した竿の対応オモリ負荷は?
はじめにオモリ号数の話をします。
ライトアジであれば、基本的に40号のビシ、船宿によっては30号のビシを使用します。
40号ビシを快適につかえる竿の対応オモリ号数はダイワ・シマノの船竿であればM(ミディアム)・MH(ミディアムハード)クラスです。
それぞれ、15号(20号)~60号、20号~80号のオモリ負荷に対応しています。
Mクラスの方が低活性時の繊細なアタリも捉えられ、釣趣もよいのですが、MHクラスのほうがその他の釣り物への応用が効きます。
H(ハード)クラスでも問題なくアジは釣れますが、やや硬いため、微妙なアタリが取りづらくなり、ヒット後の釣趣も劣ります。
▼ビシはライトアジで用いられるコマセカゴを指します
ライトアジで先調子の竿(9:1or8:2調子)はどうなの?
本牧沖。ライトアジの主要ポイント
ライトアジ釣りで、カワハギ竿のように先調子すぎる竿(9:1調子)はあまり適していません。
アジはアカタンやアオイソメなどの餌を海水ごと吸い込んで食べるのですが、竿が硬いと違和感を持たれて吐き出されやすい傾向にあります。
また、アジが針がかりしたあとも、竿によるショック吸収力が弱いため、口切れなどのバレの原因になりやすいと言えます。
「アタリがあっても食い込みにくい」
「バレやすい」
この2点を考慮すると、先調子の竿では釣果は上げにくいと言えます。
適度な先調子竿をつかうメリットは、コントロール性が高いのでビシをシャクリやすいという点です。
もし、手持ちに極先調子竿(9:1調子)しかない場合は、以下の方法がおすすめ。
- PEラインの先糸にナイロンライン4号を1.5~2mほどつける
- ハリス手前にクッションゴムをつける
- ナイロンハリスの仕掛けをつかう
こうするとアジの食い込みが良くなり、バレも少なくなります。
※アジの活性が低い際に、積極的にエサを動かし、微妙なあたりをかけていくような釣りでは8:2調子の竿が適しています。
▼定番のライトアジ用クッションゴム
ライトアジに一番適しているのは先調子の竿(7:3調子)
アジはやや曇った日で潮が濁った方が釣れやすい
先調子(7:3)の竿は、バランスがよくライトアジに一番適している竿です。
操作性も高いため、ビシをシャクリやすく、かつ穂先も適度な繊細さをもっているので食い込みやすいという特徴があります。
手持ちだけでなく、置き竿にした場合もアタリを弾きづらく、適度に食い込みます。
ライトゲームロッドでは一番使われている調子で、ライトアジ以外にも流用しやすい調子と言えます。
食い込みが悪いときはショックリーダーをつけるか、ナイロンハリスの仕掛けをつかうとよいでしょう。
食い込みが各段にあがります。
胴調子の竿(6:4調子)は置き竿でも食い込みがいい
胴調子(6:4)の竿は、食い込みの良さやバレにくさでは優れた竿です。
一方、ビシのシャクリやすさという点では、竿が力を吸収してしまうため、初心者のうちは使いづらさも出てくるかもしれません。
竿が胴から曲がってしまうため、7:3調子の竿より大きく動かしてシャクル必要があります。
仕掛けの安定性が高いため、置き竿や泳がせ釣りへの流用する場合はメリットがあります。
胴調子の竿では、クッションゴムなどをつかわなくても十分バレにくいという点も覚えておきましょう。
あまり積極的に誘わず、置き竿主体ならば胴調子が最適です。
ライトアジ釣りと竿の長さについて
ライトアジ釣りで釣果を伸ばすためには竿の長さが重要です。
ライトゲームロッドでは全体的に2m前後の竿がほとんどですが、これより長くなればなるほど手返しが悪くなり、結果釣果も伸びません。
手返しをさらによくするためには1.9mより短い、1.7m前後の竿を使用します。
ライトアジ専用ロッドのほか、マルイカなどの専用竿が適しています。
<熟練度と竿の長さ>
- ビギナー:1.9~2m
- ベテラン:1.7~1.8m
ライトアジでは市販仕掛けのハリス長が2mの仕掛けが多く、ビギナーは一般的なライトゲームロッドをつかったほうが快適です。
玄人は短竿をつかうことでさらに手返しをあげることができます。
一般的に短い竿ほど軽量なため、疲労感も下げられます。
ライトアジにおすすめの竿8選
ライトアジ専用竿なら、さらに上の釣趣
誰でも安定して釣れるアジでも「とことんテクニックを極めたい!」なら、専用竿がおすすめ!
低価格帯の場合、シマノの竿はカーボン含有率が多めでややハリがありより軽量、ダイワの竿はカーボン含有率が少なめで粘りがある仕上がりです。
メーカー横断で一番ハイスペックなのは、ダイワの極鋭ライトアジで、低活性時の微妙なもたれアタリなども感じ取ることができます。
自分でアタリを創りだしたい人におすすめ。
とにかく釣果を上げたい人は専用竿ですね。
▼ダイワやアルファタックルから販売されているライトアジ専用竿は食い込みがよく、小型のアジでも引き味を感じられる。ヒット後にバレにくいので、多点掛けも狙いやすい。
ライトゲームロッドでも十分対応可能
▼ライトゲームロッドでは、7:3調子のMクラスがおすすめ。汎用性ならば、MHクラスを選択。「アジだし、適度に釣れればよいから、専用竿を買うまでもないよなー」と思う人は汎用ロッドを買った方が、低コストでいろんな釣りに応用できる。ダイワのハイエンドライトゲームロッドもライトアジには最適。リーディングならカーボントップで微妙なアタリも感じやすい。
子供の場合はマルイカ竿もおすすめ
6~10歳ぐらいのお子さんの場合、腕の長さや腕力からいってマルイカ竿があっている場合もあります。
ライトゲームロッド+小型両軸リールのセットをつかわせたときに、竿の長さがやりづらそうであれば検討してみるのも一つです。
あまり先径が細すぎるアイテムは穂先折れにつながるので控えましょう。
まとめ
今回は東京湾で人気のLTアジ(ライトアジ)に適した船竿の選び方を解説し、おすすめの竿を紹介しました。
釣具メーカーの動向として、「ライトアジも向こうアワセの釣りから掛けにいく釣り」を提唱している昨今。
釣果をさらに伸ばし、より釣趣を感じられるLTアジ専用竿も登場しています。
多くの竿を用意できない場合は、汎用性にすぐれたライトゲームロッドの7:3調子のMクラスやMHクラスを使い、釣況によって、クッションゴムを使うなど工夫すると釣果が伸びるはずです。