シマノから販売されている船用カウンター付き両軸リール「バルケッタ」。
便利で丈夫なリールなのですが、つかいはじめて約5年がたちました。まだまだ現役なのですが、使用感や発売後増えているバルケッタのラインナップについて紹介します。
実際の使用感や、ネガティブ情報などを購入する際の参考にどうぞ。
革新的な両軸リール「バルケッタ」について
シマノが誇るカウンター付軽量リールがバルケッタなのですが、その名前は、どうやらイタリア語で「小舟」を意味する「Barchetta」に由来しているみたいですね。おしゃれ。
2017年に登場してから、それまでのカウンター付き両軸リールの常識(重量や自分で電池交換可能など)を一新した革新的なリールです。(正確には筐体は一緒の「バルケッタCI4+」というモデルが存在)。
当時、ダイワにも「ライトゲームICV」や「ライトゲームX ICV」などのカウンター付きリールがありました。
一方、それらの機種と比較すると、バルケッタに数字でわかる点を中心に合理的な競合優位性があったわけです。圧倒的な軽さ・電池交換可能・ドラク力などはライトゲームを快適に楽しむためには魅力的でした。
これらの点で比較してバルケッタを選んだ人も多いんじゃないでしょうか。
見た目もスタイリッシュで5年たった今も色あせず。カウンター付き小型両軸リールというカテゴリーにおける「デザイン」と「機能」をつきつめた結果で、もはや完成された感がある気もします。
スマフォの世界では、iPhoneがデファクトスタンダードになって進化していきましたが、カウンター付き小型両軸リールはバルケッタを中心に考えられていくんじゃないかと思っています。
これは想像ですが、リニューアルしたダイワの「タナセンサー」も、このバルケッタの洗練された形状を意識してデザインされたのではないかなと思います。実際似てますしね。
やっぱり、パーミング性もふくめて突き詰めると、同じような型になってしまうんでしょう。
バルケッタを約5年つかってみた感想とオススメのポイント
バルケッタを選んだ理由
まずバルケッタを選んだ理由なのですが、以下の通りです。
- 重量が-75g
- 電池交換がユーザー側で可能
- ドラグ力が+500g(バルケッタBBだと+1キロ)
- デザインの洗練さ(これだけ主観ですね)
価格は、当時で+4000円~5000円程度だったんですが、店舗で実機比較をしたときに、圧倒的な軽さとカッコよさ、パーミングのしやすさからバルケッタをその場で買ったことをよく覚えています。
※ライトゲームX ICV 150Hとノーマルバルケッタ300HGとの比較
これまでにバルケッタでチャレンジした釣り物
購入してから約5年、一番最前線で使ったリールだなと。
LTアジから、タチウオ、アマダイ、マゴチ、泳がせ釣り、タイラバ、テンヤスミイカなどなど様々な釣りにつかってきました。
使用感
筐体は「CI4+」というカーボン系素材なのですが、ライトゲーム全般の釣りであれば剛性に難は全くないです。5キロのワラサや15キロぐらいはありそうなアカエイも釣りあげています。
故障はあったか?
ローラクラッチの故障によるハンドルの逆転→修理が2年目あたりに、一度だけありました。
これは、むかしクラッチを切りながら、ハンドルを回してしまいクラッチ部分にダメージを与えてしまったことが何度もあったから起きたものかなと。ちゃんとつかっていれば、もっと長持ちすると思います。
ここが変わればよいなという点
ドラグ力
ノーマルバルケッタは300モデルでドラグ力が4.5キロなのですが、ドラゴン級のタチウオだったり、ワラサあたりはフルドラグでもゴリゴリ巻き上げられるというわけではないです。
バルケッタBBの300モデルがドラグ力5キロなので、今後の進化の方向性としてはバルケッタの300モデルもドラグ力5キロあるとよいかもしれません。大物狙いならバルケッタBBの600モデルを買えっていう話になってしまうかもしれませんが。
糸巻き量
バルケッタの300モデルはPE1.5号が200m巻けるのですが、これが新型ゲンプウのようにPE2号200m巻けるとさらに釣り物の幅が広がるなーと思います。
バルケッタのラインナップ
バルケッタシリーズについては、2017年当初はバルケッタとバルケッタBBだけのラインナップだったのですが、それぞれPG(パワーギア)モデルや600モデルが加わっています。その他のモデルについても紹介します。
バルケッタ200・300(HG・PG)
バルケッタについては、300番台でのPGモデル(ドラグ力5kg)が加わりました。前述のドラゴンタチウオをゴリゴリ釣りたいなどの場合は300PGがよいのだと思います。
カワハギやフグなど細糸を使う場合は200番台。筐体の重量は300番台と変わりません。
バルケッタBB300・600(HG・PG)
バルケッタの購入を検討する際に気になるのが、BBとノーマルバルケッタの違いですね。
実は、シマノにおける「BB」というのは「ブラッドブラザー」という意味で、ノーマルの製品の基本性能を保ちつつコストダウンしているラインナップです。
ノーマルのバルケッタと比較しても、ボールベアリング数が変わるわけではないので、重量や色合いの違いだけの問題とおもっても過言ではないです。そのあたりは大差があるかというとそうでもないので好みですね。
バルケッタの場合、ノーマル製品と比較して、300モデルで筐体重量が-30g、ドラグ力が+500gなのと600番台があるのが特徴です。300番台では、ダブルハンドルモデルとシングルハンドルモデルでわかれています。
重量よりはドラグ力が高いほうがよい場合、600番台(PE2号が300m巻ける)が必要な場合はバルケッタBBを選びましょう。
▼21バルケッタBBのインプレ
バルケッタSC
出典:シマノ
バルケッタSCの「SC」は、太陽電池(SOLAR CELL)です。
船宿のレンタルタックルにもつかわれていることが多い、「小船」のSCモデルのカラーリングが黒くなり、バルケッタシリーズにまとまったものです。型番は800、1000、2000、3000の4種類があります。
PE3号以上を巻きたい場合は、バルケッタBB600ではなくて、バルケッタSCをモデルを選ぶとよいでしょう。
使用シーンとしては電動リールを使う人が多いですが、中深場やら、ビシアジ、大物狙いの泳がせ釣りあたりかなと。
バルケッタプレミアム
バルケッタプレミアムは、その名の通り、バルケッタシリーズの最高峰です。
バルケッタに以下の点が加わったと思えばよいです。
- 筐体が金属に(重量は増すが剛性はバッチリ)
- マイクロモジュールギア採用で巻きが滑らか
- ボールベアリングが+5(対ノーマルバルケッタ)
- フォールレバー付き
- フォールスピード表示
盛りだくさんですね。
バルケッタFカスタム
出典:シマノ
バルケッタFカスタムは、バルケッタプレミアムの基本性能を引き継いでコストを下げたものです。おそらく「F」は「フォールレバー」を差すのでしょう。
ボールベアリング数は変わらないのですが、ハガネボディ以外にCI4+(カーボン素材)が組み込まれ、マイクロモジュールギアは非搭載です。
購入する際にバルケッタプレミアムと悩むかもしれないですが、以下の記事で考察しているので参考にしてみてください。個人的には、先行してバルケッタプレミアムを購入したものの、バルケッタFカスタム推しです!
まとめ
今回は、シマノが誇るカウンター付き小型両軸シリーズ「バルケッタ」について約5年使用した使用感と各シリーズの説明をしてきました。
バルケッタは、ここ5年間の船ライトゲームをささえてくれたアイテムで、心から人にオススメしたいリールです。
これから、カウンター付きの船用両軸リールを購入する際はかなりオススメです。
ぜひ、参考にしてみてください。
使用感の追記<2021-05-23>
バルケッタ300HGは今も使用しています。
上位モデルである、オシアコンクエスト、スティーレSS、ベイゲームなどの使用感と比較すると以下のような違いがあります。
- SVS(シマノの遠心力ブレーキ)がないのでキャストには不向き
- 深場からの巻き上げ時や大型の魚の巻き上げ時にボディがたわむ(パワーロス)
- ダブルハンドルでハンドル軸も短く(51mm)、ハンドルノブも小さいので力を入れづらい
特にテンヤスミイカ・テンヤタチウオ・アマダイなど負荷がかかりやすい釣りでは、より剛性が高い上位機種を選ぶと、飛躍的に快適になります。
NEWバルケッタの登場について
2021年にバルケッタのNEWモデルが登場しました。
以下の点が変更されています。
- 価格が安価になった
- バルケッタに300番(旧バルケッタBB600番相当)が登場
- カラーリングの変更
- ハンドル長の変更
- ハンドルノブの変更
- シングルハンドルモデルの登場
- クラッチ部分の変更
関連アイテム
▼バルケッタの登場後、各メーカーも小型のICカウンター搭載リールを販売しはじめました。ダイワは比較的低価格路線でリリース、アブ・ガルシアは、バルケッタBBクラスの価格帯で販売しています。電池交換の容易さも含めて選ぶとよいでしょう。