船釣りをはじめると、天秤をつかった釣りがたくさんありますね。
釣り物や狙う魚のサイズ、自分の好みによって天秤を変えていくのですが、たくさんあって選び方がわからないという人も多いはず。
今回は船釣りで使用される天秤の種類・選び方・おすすめ商品を解説します。
船用天秤の形状の違いについて
船釣りで使用される天秤の形状は、大きくわけて弓型とストレート型の2つです。
弓型
弓型天秤は、全体的に腕部が曲線を描いているタイプです。
あらかじめ曲がりがあるため、魚が餌をついばむ際にクッション効果があり、違和感をもたれにくいのが特徴です。
コマセとつけエサを同調させやすく、針がかったあとは魚の強い引きをいなしやすく、身切れを避けることもできます。
シャクリにより曲線部分が反発して、付けエサを跳ねさせるという特徴もあります。
上記の特徴から、おもにコマセをつかった釣りに適しています。
<特に適している釣り物>
- ライトアジ
- ライト五目(コマセ五目)
- ウィリー五目
- コマセ真鯛
<おすすめの弓型天秤>
▼ヤマシタ ライトテンビン
ヤマシタのライトテンビンは安価で、ライトゲームにおける弓型天秤でもっともポピュラーなアイテム。船宿の貸道具としても多く使われています。
1.2㎜、30㎝が汎用性が高いのですが、ライトアジ等であれば20㎝、25cmでも十分。
ライトゲーム用のため、線材が細い仕様です。
どうしても長年使用していたり、大型魚やタチウオのように高負荷の魚を狙う場合、オモリ固定部分付け根(仕掛け側)が破断しやすいので注意しましょう。
また仕掛け固定側のセーフティスナップが小型で開きやすい点も要チェックです。
<特徴>
- 線材の太さはすべて1.2㎜
- 長さは20、25、30、35、40㎝
▼ヤマシタ 船テンビンK型
ヤマシタの船テンビンK型は、同社のライトテンビンが太く長くなったものと考えておきましょう。
ライトテンビンでは強度的に心もとない釣り物でも、船テンビンK型であれば安心して釣ることができます。
コマセ釣りでも大型魚狙い、シャクリの負荷が強くかかる釣り物に向いています。
<特徴>
- 線材の太さは1.6、1.8、2、2.3、2.5mm
- 長さは25、35、40、50、60、70㎝
▼ヤマシタ 船テンビンK型遊動
船テンビンK型遊動は、船テンビンK型をベースにオモリ固定部分が半遊動式の天秤です。
オニカサゴ、渋めのタチウオ等で使用するとアタリがより敏感に獲れるようになり、魚に違和感をもたれづらくなり、食い込みがよくなります。
<特徴>
- 線材の太さは1.8、2mm
- 長さは35、40㎝
▼ダイワ 快適天秤 アーチ
快適天秤アーチは、人気の快適天秤シリーズに新しく加わったラインナップです。
弓型天秤は多くありますが、道糸側が腕に対して垂直になっているのが特徴。
仕掛けが底を這いづらいため、底物狙いにも有効です。
アーチ型部分により、シャクリによって餌も跳ねさせやすい仕様です。
<特徴>
- 線材の太さは1.2、1.5、1.8、2mm
- 長さは25、35、40、50㎝
ストレート型
ストレート型天秤は、全体的に天秤の腕部分がまっすぐなタイプです。
曲がり部分がないため、仕掛けの操作に対して餌を動かしやすく、アタリもダイレクトにでるため掛けるような釣りに向いています。
<特に適している釣り物>
- タチウオ
- アマダイ
- ウィリー五目
<おすすめのストレート型天秤>
▼ダイワ 快適天秤マルチ
ダイワの快適天秤マルチは、ストレート天秤で多くの釣り人に選ばれているアイテム。
熱収縮パイプの黄色が海面でも目立ちやすく、スナップ部分の強度も十分な天秤です。
特にタチウオでの使用率が高く、線材が太目のΦ1.6-300が人気。
<特徴>
- 線材の太さは1.2、1.4、1.6mm
- 長さは20、25、30㎝
▼ヤマシタ 船テンビンY型
船天秤で定評のあるヤマシタからもストレート型天秤が販売されています。
オモリ固定部分にスナップのみついているので、タチウオのようなシャクリの釣りでオモリが暴れにくいのが特徴。
デメリットは同オモリ固定部のスナップ強度が弱いためオモリが抜けてしまうリスクが高めである点です。
<特徴>
- 線材の太さは1.4、1.6mm
- 長さは20、30㎝
船用天秤の素材の違いについて
次に船用天秤の素材について解説していきます。
大きくわけてステンレス製・形状記憶合金製・合成樹脂製があります
ステンレス製
ステンレス製の天秤は今日最も使用されているアイテムです。
安価で強度もあり錆びにくいのが特徴。
線材が細いものは、腕の接続部分(オモリから仕掛け側)が金属疲労で破断しやすいので消耗品として考えましょう。
形状記憶合金製(チタン合金製)
形状記憶合金と呼ばれるチタン合金製の天秤も船釣りでよく用いられています。
特徴は以下の通り。
- 高価
- 誘いに対して餌が自然に動きやすい
- しなやかに曲がるため、アタリを弾きにくく、魚の引きをいなしやすい
ステンレス部位との接続部位から折れやすく、折り曲げての保管や持ち運びには注意が必要です。
<おすすめの形状記憶合金製天秤>
▼サニー商事 ハイブリッド天秤シリーズ
サニーカゴ・ビシで有名なサニー商事からはアイデア商品ハイブリッド天秤シリーズが販売されています。
ステンレス部分と形状記憶合金部分の接続がしっかりして破損しづらいのが特徴。
コマセ釣り用、コマセマグロ用、オニカサゴ用、シロギス用などラインナップも豊富です。
合成樹脂製
ハゼやキスなど、比較的小型の魚を狙う天秤には合成樹脂製のアイテムもあります。
強度はそれほど高くありませんが、安価で天秤本来の性能を取り入れることできるため、選んでみるのも一つです。
船用天秤の長さと太さ(線材の直径)の選び方
次に天秤の腕長や太さ(線材の直径)はどうやって選ぶのでしょうか?
各メーカーから型番ごとに適した釣物が紹介されていますね。
これは主に仕掛けの全長によって選びます。
長い仕掛けをつかうような釣りは短い天秤では絡みやすいため、50㎝、60㎝と長めの腕が必要です。
反対にシロギスのように1m以内の仕掛けを使う場合は、全長20㎝以内で十分。
次に、太さですが、これは釣り物によってかかる負荷を考えていきましょう。
<高負荷の釣り物>
- タチウオ
- コマセ真鯛やワラサ釣り
- その他重めのビシやコマセカゴをつかう釣り物
天秤の形状・長さ・素材により負荷のかかり方は異なりますが、大物狙いの釣りでは線材の太さが最低1.5㎜はほしいところです。
たとえば、タチウオの釣りで1.2mmの天秤を使用すると、簡単に曲げられてしまいます。
曲げられた天秤をなんども折り曲げて直していると、同じ個所が疲労しやすく、折れやすくなってしまいます。
まとめ
タチウオでは餌をしっかりうごかせるストレート天秤が有利
今回は船釣りで使用される天秤の種類・選び方・おすすめ商品を解説しました。
形状は釣りやすさに関わるのですが、線材の太さは破断リスクが高まるので慎重に選ぶ必要があります。
自分好みの天秤を探していきましょう!