そのむかし、ライトアジを教えていた親子がいました。
お子さんは6歳でお父さんはわたしと同い年ぐらいです。
船釣りにチャレンジするときのニーズはいろいろなのですが、このお父さんの場合「これから道具もどんどん買って、スキルアップしたいんです」という希望でした。
そこで「ちなみに子供用の船竿ってないんですか?」と聞かれたのを覚えています。
その時は「比較的軽い道具としてライトゲームロッドというジャンルはあるんですが、子供用というのはないですねー」と回答したのを覚えています。
月日は経ち、先日、kids用の貸竿に「マルイカBB82 140」を買ったら、子供ちゃんには軽くて、穂先絡みが見やすくて良さげだったんですね。
今日もライトアジ。クロダイを2枚釣った人が。これから沖根周りでよく釣れるシーズンですね。kids用の竿にマルイカBB82 140を買ったら子供ちゃんには軽くて、穂先絡みが見やすくて良さげ。「子供用の船竿は無い」と前いったことがあるけど、こういうのが子供用なのかもと思った。 pic.twitter.com/2IbNzJOooB
— ひらっさん@ORETSURI (@tsuyoshi_hirata) October 16, 2022
そのあたりを記事にまとめていきます。
※注意※
「子供用の船竿ってないの?」お子さんのライトアジデビュー戦ならマルイカ短竿がおすすめですよ!
というタイトルですが、はじめて船釣りをやる系の親子は、親御さんが子の竿の面倒までみれるわけではないので、ふつーに船宿の貸竿を借りた方がよいです。
親御さんが釣り慣れている場合を想定した内容を書いています。
子供が船宿貸竿をつかうことの難しさ
みんな最初はお世話になる船宿の貸竿。丈夫で手ぶらでよいのがありがたい存在
当たり前ですが、どの船宿でも貸竿は資産です。
すぐ竿を折られたり、リールが壊れたりしていては、いつまでたっても経営は楽になりません。
穂先折れも詰めて修復すればいいと思いきや、ガイドの付け替え工数などを考えると、それなりに手間です。
そのため、ロッドは1ピースのグラスソリッドロッドになるわけですね。かなり重いが、小物釣りであれば折れようがないスペックです。
では、リールはどうなるかというと、やっぱり頑丈なシマノのチタノスや小船あたりになってきます。
ビギナーはよく、クラッチを切りながらハンドルを巻いてしまうのでクラッチ故障も頻発します。
ダイワのプリードなどはクラッチユニットの不良になりやすい印象で、そのあたり、チタノスや小船あたりは相当長くつかえるのでしょう。
ジャンルによって小型両軸はゲンプウが多くつかわれているのも見ます。
ちなみに、よくあるグラスの1ピースロッドに「チタノス」や「小船」を組み合わせると、合計重量が、約600g(※)になります。
※例:ワンダーショット80-180(252g)+チタノス船GT2000 (360g)=612g(小船800なら+5g)
ペットボトル1本強ですね。
ちなみに、ライトゲームX・ライトゲームBB・ライトゲームFT(それぞれ約100~110g)のような汎用竿にゲンプウやフネXのような小型両軸リール(約200g)を合わせると約300g。
1本目のマイタックルに多いセッティングですね。
だいたい船宿貸竿セットは「ライトゲーム系マイタックルの2倍ぐらいの重さ」というのは間違っていません。
チタノス船や小船は筐体が大きく、リールを包み込むようなパーミングがしづらいのです。
なので、手が小さな女性や子供はリールシート前のロッド部EVAやバットを握って持つことになります。
この持ち方にライトアジであれば40号ビシをつけてしゃくるわけですが、まーキツイ。
いろんな子供をみていると、握力が20kg前後になりはじめる小学生高学年くらいから中学生になってやっと取り回せる感があります。
ライトゲームロッドは「軽いくて感度はよい」が子供には長い
190㎝のライトゲームロッド。子供でも十分つかえるが長くて取り回しがよくない
重さを考えると、お子さんのライトアジのデビュー戦では親御さんのライトゲームロッドを貸すのが一般的。
竿とリールでトータル300gぐらいのセッティングで、リールも小型なので持ちやすいですね。
そこで、一つ課題が出てきます。
ライトゲームロッドに多い1.9m程度の長さは子供にとってかなり長く感じるという点です。
大人からすれば、船釣りに多い「穂先がらみ」は手を伸ばせば楽に外せますが、子供からすると竿をかなり引かないと届かず、億劫。
そうなると、穂先の管理がおろそかになり、穂先がらみのまま巻いたり、しゃくるので穂先折れが頻発するわけですね。
マルイカの短竿は軽くて穂先も見やすい
マルイカ竿はkidsでも軽々と扱える。軽く竿を引けば竿先に手が届く
で、登場するのがマルイカ竿です。
マルイカ竿にもいろいろあるわけですが、1.5m前後のモデルは、取り回しもよくライトアジには最適です。
多くの釣り物に活かせるわけではないですが、これほど子供用ライトアジ竿に適した竿はないかもしれません。
ライトアジkidsという名称で売っても良いぐらい。
~60・80・100号オモリ負荷程度のため、40号ビシをかついでも操作できます。
モデルによりますが、穂先が固すぎずアジのアタリを弾かず、胴がしっかりしているので、ちゃんとビシもしゃくれます。
硬めでアタリをはじいたりバレやすい場合は、天秤と仕掛けのスナップ部に中太天然ゴムをいれれば十分よくなります。
そしてなにより子供が手を伸ばしてすぐに穂先に届くのがよいですね。穂先も見やすい。
さらに合計重量が軽い。
たとえば、シマノの「マルイカBB82 140」であれば短いこともあり、竿だけで75g。
ゲンプウ200PGの190gと合わせても265gしかありません。
短竿のため持ち重り感もなく、すぐに疲れたり、巻き上げを諦めてしまうお子さんには最適ですね。
ライトアジ以外につかえるかというと、もともとのマルイカ以外にはエギスミイカ・夜アナゴ・バーチカルアジングぐらいでしょうか。
中古のマルイカ竿は在庫数がめちゃくちゃ多い
さて、マルイカ竿を新品で探すと、入門スペックでも「そこそこのお値段」なことに気づくはずです。
そんなときは中古で探しましょう。
マルイカは竿にこだわる人が多く、比較的中古流通数が多い印象です。
つまりとりあえず買ったものの、自分の好みじゃなかったり、シーズンごとに買い替える人が多いわけです。
特にスタンダードクラスを買うと、すぐに穂先の感度(先径の細さや素材)などでハイスペック機種に目がうつりがち。
すると、マルイカXやマルイカBBのようなモデルの在庫数が増えるわけです。
みていると、これは新古品ではというアイテムもしばしば。
中古釣具のパイオニア「タックルベリー」にもマルイカ竿がいっぱい
出典:タックルベリー
試しにタックルベリーで検索してみたら、ダイワやシマノのマルイカ竿でも5,000円くらいからみつかりました。
マルイカ竿全般に先径が細く、穂先折れリスクは高いわけですが、5,000円くらいならハートブレイクすることもすくないんじゃないでしょうか。
穂先がグラスで繊細すぎず、胴がしっかりしているマルイカ竿が良い
ここまでkidsのライトアジにはマルイカ竿がいいという話をしてきました。
実際どんなマルイカ竿がライトアジに適しているかというと、以下の通りです。
- 150㎝程度(小学校低学年の場合140㎝ならばさらにグッド)
- グラスソリッドティップ(カーボンソリッドは感度は良いですが、折れやすいので避けましょう)
- 穂先がハリすぎず、しなやかで、負荷をかけるとちゃんと曲がるもの
- バット部がシャキッとしていて、ビシをふりぬけるもの
個人的にカーボンソリッドティップの胴があまり曲がらないものを使ったこともあるのですが、中太天然ゴムをかませたとしてもちょっと釣りづらいです。
釣趣もあまりよくありません。
ダイワだったら「マルイカX 73 M-140・R」 、シマノなら「マルイカBB 73 145or82 140 」を買っておきましょう。
どちらかというとマルイカBBのほうが先径が細いので感度は高いものの、穂先折れリスクは高いです。
その他ブランドにこだわらない人は、やや重量が増しますが、プロマリンからもマルイカ竿があります。
新品でも安いので、中古がいやだけど安価に済ませたい場合は検討するとよいですね。
リールは利き腕巻きのパワーギアのモデルを合わせるとベスト
スティーレSS。160gという軽さ
次に子供がライトアジをやるときのリールについてです。
40号ビシや良型アジやサバがかかった時の巻き負荷は大人でもそれなり。
小さい子供が巻くとなるとかなりの負荷です。
「パパ巻けないよー」
と、巻くのをとめてしまったり、巻きがぎこちなくなってしまうこともよく見ます。
ここで、子供、ライトアジという2つの条件で考えるならばパワーギアの小型両軸リールが最適だと思います。
ハンドルは間違いなく、力を入れやすい利き腕巻きがべスト。
そういった条件を考えると、ゲンプウ200PG・ゲンプウXT200PG・フネXT150Pの3つがおすすめです。
もっと投資できる方はスティーレSS150PGがあると、お子さんはさらに快適だと思います。
まとめ
自分で釣った魚はさらに興味深い存在
今回は子供用のライトアジ竿としてマルイカ竿とパワーギアの小型両軸リールのセットが最適という話をしました。
調子と長さがあっているマルイカ竿は大人がつかっても手返しが良くなり、ライトアジの釣果UPにつながります。
大人が使う場合はハイギアのリールをあわせることでさらに手返しがあがりますよ。
関連アイテム
▼子供は竿を落とす生き物なので尻手ロープをつけましょう。船べりの簡易固定はシマノの竿受けかダイワのロッドホルダーがよいです。