浅場を中心とした船釣りで人気の汎用ライトゲームロッド。
今回は安価で高品質の船竿を広くリリースしているアルファタックルから発売された「ライトゲームFT」を紹介します。
旧製品や競合製品との比較を含めて解説するので、お買い物前の参考にどうぞ。
ライトゲームFTとは
ライトゲームFTはアルファタックルブランドを提供するエイテックから販売されたライトゲームロッドです。
FTシリーズは以下の7種を含め8ジャンルでリリースされています。
- テンヤマダイ FT
- ビシアジ FT
- ライトアジ FT
- フグカットウ FT
- 湾フグ FT
- タチウオ FT
- 喰わせヒラメ FT
ライトゲームFTの基本的なスペック等は以下の通り。
出典:アルファタックル
全7モデルで6:4と8:2調子が2種類ずつ、7:3調子が3種リリースされています。
長さは8:2調子が操作性重視の1.8m、7:3調子は1.9mで、6:4調子はわずかに長めの1.95mです。
先径(竿先部の太さ)は1.0~1.1mmと、やや細目に設計されています。
富士工業のハード系ガイド(OリングをTOPガイドを含めて)採用。
実売価格は11,500~12,000円程度です。
フネタツライトゲーム(旧製品)からの改善点
旧製品のフネタツライトゲーム
ライトゲームFTはフネタツライトゲームのアップデート製品です。
フネタツライトゲームは船小物釣り全般に必要十分な性能を持ちつつ、実売価格1万円を下回る安価な点で人気でした。
ライトゲームFTへのアップデートで改善・変更された点は大きくわけて以下の3つです。
- 全体デザインの変更(白と黒系カラーからグレー+青+オレンジ穂先へ。リールシートのナット部)
- モデルの集約(8→7※記事UP時点)
- カーボンとグラス使用率変更(ややグラス使用率が増え、全体的に丈夫に。カーボン98%→77~80%へ)
ライトゲームFT73-190M
デザイン面についてはフネタツライトゲームが白系主体だったのですが、ライトゲームFTではグレー主体でより落ち着いた色合いです。
また、リールシートのナット部分もデザインが向上し、穂先は白とオレンジの2パターンで視認性も高くなっています。
モデル数はMクラス(20-80号負荷)の82調子が販売されていないため、1種類少ないのが特徴。
カーボンとグラス使用率の変更(カーボン98%→77~80%へ)については好みですが、ややグラス使用率が増えています。
全体的に丈夫になっているものの、やや重量も増しています。
▼旧製品フネタツライトゲームのインプレ
ライトゲームFTの実機インプレ
次にライトゲームFTの実機インプレを紹介します。
ラインナップのなかで、一番汎用性が高いライトゲームFT73-190M(20~80号オモリ負荷対応)を紹介していきます。
はじめに、総評です。
- 性能:〇(必要十分)
- つかいやすさ:〇(必要十分)
- 価格:〇(主要メーカーではやや手に入れやすい)
全体的にグレー系カラーがベース。
ガイド固定スレッドに青系カラーが入り、穂先はブランクと同色ではなく、白とオレンジ系カラーの2パターン。
グリップ部はリア側がやや伸び、リールシート固定用ボルトのデザインが向上しています。
それ以外はフネタツライトゲームとほぼ同様。
トリガー部分もフネタツライトゲーム同様ショートトリガーで、様々な持ち方に対応しています。
このショートトリガーは釣り物、シーズンによっては、竿落下につながりやすいというデメリットもあります。
不安な人は尻手ロープをつかうとよいでしょう。
このようにパーミングもしやすいです。
指をしっかりかけないようなソフトな持ち方(例:ソフトにパーミングし、もう一方の手でバットをさわりつつ維持する)もしやすいです。
筐体がグレーシルバー系のリール(写真はスティーレSS)と合わせると、特に調和すると思います。
差し色がブルー系だと最適。
汎用性は低いですが、ステファーノSSあたりの色合いはベストマッチ。
グリップ上のネーム部分については、フネタツライトゲームはちょっとチープなシール&コーティングでした。
その点、高級感がでています。
ブランク自体はX状カーボンテープなどの補強はないシンプルタイプ。
穂先のソリッドティップ部は白とオレンジ系カラー。
白一色やオレンジ一色でもよいですが、2色にわけているところはデザイン上のこだわりなのでしょう。
白単色が一番見やすい気がしますが、人によっては白とオレンジのコントラストが好きな人もいると思います。
次に調子を見ていきましょう。
はじめにバランスシンカー15号から。
主に東京湾の餌マゴチ釣りで用いられている軽めの号数ですが、ちょうどよく曲がり、微妙な前アタリもとらえられる穂先です。
続いて六角40号。
40号といえば、ライトアジ、ライトタチウオ、ライトヒラメ、ライトアマダイなどで用いられます。
体感ですが、素材の構成から、旧型のフネタツライトゲームより重めのオモリに対して安定感が増している気がします。
続いてスカリー60号。
タチウオ、ライトヒラメ、ライトアマダイなどで用いられる号数です。
MAX80号負荷のモデルなので、比較的安定感をもって扱えます。
バットにしっかりハリがありつつ、穂先が柔軟なつくりです
出典:アルファタックル
しっかりコマセをまけて、曲がりもスムーズ
こちらはライトアジでライトゲームFT73 190Mを使用したときの曲がりです。
全体的に張りがあり、柔らか目な竿と比較すると、よりしっかりコマセを出すことができます。
40号ビシをつるしたタイミングでは操作性が高く、魚が掛かると綺麗に全体が曲がり、バレを防止するような調子です。
競合ライトゲームロッド(ライトゲームX・ライトゲームBB)との比較
次にライトゲームFTと競合ライトゲームロッドとの比較をしていきます。
購入検討で、大多数の方が比べるのはダイワのライトゲームXかシマノのライトゲームBBのはずです。
ダイワ・ライトゲームXとの比較
※以下ライトゲームFTが優勢な点を〇とします。あまり変わらない点を△、劣っている点を×とします。ただし、カーボン使用率や先径の細さにはメリット・デメリットがあるため一概には優劣は言えません。デザイン性についても、好みの問題ですが、筆者の主観でわかりやすく表記しています。
<ライトゲームXとの比較>
総評:デザイン性を除けば「手感度・目感度に優れ」やや「リーズナブル」なのがライトゲームFTです。
- △デザイン性:ライトゲームXがやや上(好み)
- 〇先径:ライトゲームXが8:2調子以外1.5mmもしくは1.6mmで統一されているのでやや太目
- 〇カーボン使用率:ライトゲームXがより低く抑えられている(カーボン63%から74%)
- ×ブランク補強:「BRAIDING X」X状カーボンテープ補強があるため、ねじれに強く操作性が上
- 〇穂先:視認性は単色黒+スレッドのオレンジのライトゲームXより白+オレンジのライトゲームFTが上
- ×ガイド:ライトゲームXはTOPガイドのみSiCガイドでより丈夫
- 〇価格:実売価格面ではライトゲームXがやや高い(+1,500~2,000円)
それぞれ解説します。
デザイン面は好みの問題ですが、ライトゲームXはティップ部とブランク全体のカラーが統一されていて、ネーム部がおしゃれです。
設計思想の差ですが、ライトゲームXは全体的にビギナーでも穂先破損などの心配がないように、丈夫さに割り振られています。
筆者も後述のシマノ・ライトゲームBBは人に貸して何度か穂先を破損を経験しているのですが、ダイワのライトゲームXは穂先破損をまだ経験していません。
先径とカーボン使用率も考えると、全体的な感度(手感度・目感度)ではライトゲームFTが優れ、丈夫さやデザイン性ではライトゲームXが上と考えるとよいでしょう。
先径の細さとソリッドティップ部の視認性からライトゲームFTのほうが目感度(穂先でアタリをとる)は高いです。
TOPガイドはライトゲームXはSiC採用で、サルカン巻き込み等での破損に対してより丈夫。
▼ライトゲームXのインプレ
シマノ・ライトゲームBBとの比較
<ライトゲームBBとの比較>
総評:デザイン性を除けば、ライトゲームBB(特に旧型)に近しく、手感度・目感度重視でよりリーズナブルなのがライトゲームFT
- △デザイン性:ライトゲームFTがやや上(好み)
- △先径:ライトゲームBB1.0mmで統一されているのでやや細目(ライトゲームFTはモデルにより1.0mmで同様)
- △カーボン使用率:ライトゲームBBがやや上(ライトゲームBB73 MH195で81.6%。ライトゲームFT73 190 Mで73%)
- ×ブランク補強:「ハイパワーX」X状のカーボンテープ補強がソリッドティップ下まであるため、ねじれに強く操作性が上
- 〇穂先:視認性はシルバー系のライトゲームBBより白+オレンジのライトゲームFTが上
- ×ガイド:ライトゲームBBはTOPガイドのみSiCガイドでより丈夫
- 〇価格:実売価格面ではライトゲームBBがやや高い(+1,500~2,000円)
それぞれ解説します。
デザイン面は好みの問題ですが、ライトゲームBBはグリップからネーム部分にクセがあります。
全体的に落ち着いた色使いのライトゲームFTのほうがクール(穂先以外)という印象です。
ライトゲームBBは全体的に感度と操作性に重きが置かれているため、先径が1.0mm統一と細く、ダイワ・ライトゲームXと比較すれば穂先破損などはしやすいです。
これはライトゲームFTもモデルによっては同じです。
先径とカーボン使用率も考えると、全体的な感度(手感度・目感度)ではライトゲームBBが上で、丈夫さやデザイン性ではややライトゲームFTが上と考えてもよいでしょう。
ソリッドティップ部の視認性はオレンジと白と目立つカラーのライトゲームFTのほうが上です。
TOPガイドはライトゲームBBはSiC採用で、サルカン巻き込み等での破損に対してより丈夫。
<ライトゲームBBのインプレ>
ライトゲームFTは実際「買い」なの?
今回はアルファタックルから新しく発売されたライトゲームFTを紹介しました。
まとめると、どういった釣り人に適したロッドなのでしょうか。
- ライトゲームXやライトゲームBBより安価にカーボン主体のライトゲームロッドを購入したい(ダイワやシマノでなければというこだわりがない)
- 丈夫さより、手感度や目感度が良い方がよい(対ライトゲームX)
- 落ち着いたデザインの竿が欲しい(穂先以外はスマートな色使い)
この3点に集約されると思います。
- TOPガイドにSiCガイドがほしい場合
- X状テープ補強がほしい場合
- 長竿(2m以上)が欲しい場合
こういったニーズがあれば、ライトゲームXやライトゲームBBを選ぶとよいでしょう。
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▼最初の一本には73-190Mがおすすめです。