江之浦漁港は神奈川県小田原市にある相模湾に面した釣り場です。
潮通しがよく、青物・アオリイカ・ヤリイカなど1年を通して多くの魚種を狙えます。
今回は江之浦漁港の釣り場を解説します!
※施設情報・駐車場情報・周辺の釣具・釣り餌店・コンビニは記事後半で紹介します。
江之浦漁港のロケーション・アクセス
江之浦漁港は小田原市西方にある
ロケーションと釣り場概要
江之浦漁港は相模湾に面し、東は小田原市街、西は真鶴町に挟まれた場所に位置しています。
やや奥まっていますが、潮通しは良好で、青物、根魚、アオリイカ、ヤリイカなど、1年中多くの魚種が狙えます。
アクセス
- 車:品川から約2時間
- 電車:JR根府川駅から徒歩約25分程度(バス本数が少ないため徒歩がおすすめ)
駅から遠い点と、バス本数が極端に少ないため、車やバイクで釣行する釣り人がほとんどです。
江之浦漁港のポイント解説(釣り場の特徴)
江之浦漁港のポイントを4つのエリアにわけて紹介します。
A:港内内側のポイント
<メリット>
- 海面まで2m以内なのでやり取りしやすい
- 防波堤の壁を背にできるので南西風にやや強い
<デメリット>
- 潮通しがよくない
- 浅いので日中は魚が抜ける
<適した釣り>
- ふかせ釣り
- エギング(特に秋)
- ヘチ釣り
- のべ竿での浮き釣り・サビキ釣り
ポイントAは、駐車場からすぐのエリアです。
ここは低い堤防で、サビキ釣りや浮き釣りが主要な方法です。
水深が浅いのですが、朝夕のまずめ時には小鯵や小サバなどが多く回遊します。
潮位が高いときにはメジナも狙えますが、やはり大型は先端部近くやテトラ側のほうが有利です。
クロダイも港内の岸壁際を回遊しています。
秋は波もすくなく、ベイトがたまるため、アオリイカも多く浮いています。
砂底のため、ちょい投げでキスなどを狙うのも一つです。
B:港内先端部内側のポイント
先端部角を確保できればほぼ「勝ち」が確定
<メリット>
- 潮通し抜群
- 先端部は広く投げられる(特にむかって左角)
<デメリット>
- 釣座によって網のブイが目のまえにあることがあり、キャストしづらい
- 高さがあるため、大型はタモ入れに注意(潮位より最大5~6m)
<適した釣り>
- ショアジギング
- ふかせ釣り
- エギング
- 電気ウキでの餌スッテ(ヤリイカ)
- アオリイカ狙いのヤエン
- 遠投カゴ釣り
- ウキ流しでの泳がせ釣り
- ヘチ釣り
ポイントBは江之浦漁港で最も人気のある釣りスポットです。
Aのポイントより足場が高く、海面まで5mほどあるのですが、潮通しがよく、より多くの釣果が期待できます。
先端部の左端の角は、探りやすく釣果も良いですが、人気が高いため、釣り座を確保するのは難しいことがあります。
回遊する青物やアオリイカ・ヤリイカを狙えますが、先端部沖目には頻繁に網が仕掛けられることから、しばしばキャストできる範囲が狭くなります。
水深は50mほど投げれば10m以上の深さあり、比較的急深です。
防波堤中ほどの釣り座からもアオリイカやヤリイカは狙え、足元のヘチ狙いではカサゴが狙えます。
また立ち入り禁止の防波堤周辺にも根があり、カサゴが濃いエリアです。
C:西側テトラ帯のポイント
<メリット>
- 広く探れる
- 根魚が豊富
<デメリット>
- 落水リスクが高まる
- 岩礁帯(&海藻)のため根がかりリスクが高い
- 背後のテトラの存在から長竿は扱いにくい
<適した釣り>
- ショアジギング
- ふかせ釣り
- エギング
- 電気ウキでの餌スッテ(ヤリイカ)
- アオリイカ狙いのヤエン
- 穴釣り
ポイントCは江之浦漁港西側に広がる大型のテトラ帯です。
立ち入り禁止が明示されていないため、乗って釣りをすることもできます。
波打ち際には、ややフラットな釣り座に適した場所が数カ所あります。
人気なのはやはり先端部付近で、アオリイカ・ヤリイカ・青物狙いなどがよく釣れます。
岸と並行に投げると底上は岩礁帯のため、中層までがメインのタナです。
夜間は25㎝以上の良型メバルも狙えます。
テトラ内側や岸壁との間にある隙間ではカサゴやムラソイがよく釣れます。
※テトラでの釣りは大変危険です。単独釣行・夜間・釣り慣れていない場合・装備不足の場合は控えましょう
※テトラ付け根側はダイビングのエントリー場所です。釣りは自粛しましょう
D:ゴロタ場のポイント
港内で釣り座が確保できない場合もゴロタの穴釣りは空いている
<メリット>
- 釣座が必ず確保できる
- 根魚が豊富
<デメリット>
- ランガン主体のため疲労が高い
- 転倒リスクが高まる
- 秋から春は海藻が繁茂し釣りづらくなる
- 浅い
<適した釣り>
- メバリング
- エギング
- 穴釣り
ポイントDは江之浦漁港外側の東西に広がるゴロタ場です。
ここでは主に根魚が狙えます。
カサゴも釣れますが、水深が浅いため、ムラソイが主なターゲットです。
投げるというよりも、コンパクトロッドを使い、足元から2m以内の穴を狙って穴釣をしましょう。
ゴロタ場は秋~春にかけては海藻が繁茂するため、根がかりが頻発するため釣りづらくなるエリアです。
夜間は大型のメバルも狙えますが、根がかりも多いため、太目の仕掛けがおすすめ。
西側のゴロタ場には沈みテトラ帯があり、大量の根魚をストックしています。
足元の岩のすきまにはムラソイやギンポが多く生息している
江之浦漁港で釣れる魚
釣り物ごとの可能性とORETSURI的おすすめ度を紹介!
カサゴ・メバル・ムラソイ釣り:★★★★ 周年釣れる
イワシ・アジ・小鯖釣り:★★★★ 初夏~秋
メジナ:★★★★
イシダイ;★★ 小型は釣れるが良型を釣るのは至難の業
クロダイ:★★ 周年釣れる
キス:★ 初夏~秋
カワハギ:★★ 夏~秋
カマス:★★★ 夏~秋
ウミタナゴ:★★★
アジングとメバリング:★★★ 初夏から秋(アジ)秋~春(メバル)
青物(大サバ・イナダ・ソーダガツオ)釣り:★★★★ 夏~秋
スズキ:★★
アオリイカ:★★★★ 秋(新子) 春(大型)
ヤリイカ:★★★★ 冬
次に、釣り方やターゲットごとの解説を進めていきます。
サビキ釣り
ウルメイワシ
江之浦漁港でサビキ釣りにおすすめのシーズンは高水温期にあたる5月~10月頃です。
港内にイワシ(ウルメ、カタクチ主体)・小鯖・小あじが多く入ってくるため、ポイントAで十分釣れます。
ただし日中は釣りづらくなるので、朝夕のまずめ時を狙いましょう。
秋以降の冬場でも、海の荒れや青物に追いこまれて群れが多く入っているタイミングもあります。
▼おすすめの仕掛けはトリックサビキやパニックサビキです
カサゴ・メバル・ムラソイ釣り
ブラクリで釣れたカサゴ
ゴロタ場はムラソイの宝庫
江之浦漁港周辺は岩礁帯が多く、カサゴやムラソイの好ポイントです。
両者は水深によって棲み分けがなされていて、ゴロタ場などの浅場がムラソイの住処です。
カサゴは港内岸壁際や沖根周りやテトラ帯を狙ってみましょう。
餌はイソメでもよいですが、魚の寄りはサンマの身餌がベストです。
ブラクリがおすすめ
サンマの身餌を小さくカットして使う
沖目の根まわりはホゴオモリタイプがおすすめ
▼ブラクリ仕掛けや虫ヘッドがおすすめ
▼沖目を狙う場合はネムリ針など根がかりが少ない仕掛けで
キス釣り
江之浦漁港内の砂地にはキスが生息しています。
ちょい投げでイソメ餌で狙ってみましょう。
6月~9月までがおすすめです。
青物釣り
江之浦漁港の夏から秋は先端部を中心に青物狙いの釣り客でにぎわいます。
- ワカシ、イナダ
- カンパチ(ショゴサイズがメイン)
- ソーダガツオ
- サバ
- シイラ
これらの魚が狙えます。
餌釣りでは、遠投カゴ釣りやウキを使った泳がせ釣りがおすすめ。
ルアー釣りでは30g程度のメタルジグで狙ってみましょう。
岸近くにベイトがよる朝夕のまずめときがおすすめです。
▼メインベイトであるイワシカラーのメタルジグが人気
メジナ(グレ)釣り
江之浦漁港はメジナ釣りの好ポイントでもあります。
潮位が高いときは港内側でも釣れますが、堤防先端やテトラ側が人気です。
カマス釣り
夏から秋にかけて江之浦漁港周辺にはイワシ(シラス)を追ってカマスの群れが大量に接岸することがあります。
港外はシルエットの小さい小型のメタルジグやジグサビキがおすすめ。
港内にカマスが入っているときはすれていることが多いので、ジグ単にストレートワームで狙ってみましょう。
アジング・メバリング
江之浦漁港は中・大型のアジがまとまってよることは少ないのでアジングは成立しづらいのですが、メバリングにはおすすめです。
港外のゴロタ場の沖目をフロートリグをつかってねらってみましょう。
25~30㎝以上の大型も釣れることがあります。
アオリイカ釣り
江之浦漁港は秋と春にはアオリイカ狙いの釣り人でにぎわいます。
餌釣りではヤエンで狙う人もいますが、大半がエギングで狙っています。
港内・港外・テトラ側のどの場所でも狙えます。
秋は港内でも浮いている個体が見えます。
※小型のアオリイカはリリース推奨です。
▼潮位や釣り座によるが、ギャフの柄は5mは必要
ヤリイカ釣り
江之浦漁港周辺は岩礁帯に海藻が生え、厳冬期(1~3月)にはヤリイカが産卵のため接岸します。
水温が14度以下に下がるころ合いをねらって、釣行しましょう。
港内側まで入ってくることは少なく、防波堤先端部がポイントの中心です。
電気ウキでの餌巻きスッテや、メバリングロッドに小型のエギで狙ってみましょう。
▼餌巻きスッテには、きびなご・塩締めサバ/サンマ/ささみなどをまきます。
▼エギはナオリーの夜光タイプがおすすめ
江之浦漁港の釣り場ルール・マナー・注意点
子供連れの釣りについて
江之浦漁港は一般の漁港施設のため柵はありません。
子供連れの場合、夜釣りを避け、ライフジャケットを着用させ堤防内側で釣りをしましょう。
夜釣りについて
江之浦漁港は時間による入場制限ルールがないため、夜釣りも可能です。
落水リスクを考え単独釣行は避けましょう。
(まわりに人がいる状況で釣りをする)
毒魚について
江之浦漁港では以下のような刺毒魚が釣れます。
取り扱いに注意しましょう。
- アイゴ(ふかせ釣りでよく釣れる)
- ゴンズイ(サビキや胴突きでのカサゴのゲスト)
漁業者の邪魔をしない
頻繁に職漁船が行き来します。
釣り人に配慮して操船してくれていますが、釣り人側もキャストしていたらすぐに仕掛けを回収するなど気を付けましょう。
また、ブイの下には網が設置されているため周辺にキャストするのは控えましょう。
ヌカカに注意
堤防上をふくめて肌を露出して釣りをすると知らない間にヌカカの餌食になります。
肌を隠すか、虫よけ対策をしましょう。
その他ルール
- 東側堤防への立ち入り禁止
- タコやイセエビの採捕禁止(間違って釣れたら速やかにリリース)
江之浦漁港の施設概要(営業時間・駐車場・トイレ)
営業時間・利用料
- 24時間釣りができます
- 利用料はありません
駐車場
- 「清掃協力金」として1日1,000円を漁協関係者に支払う必要があります(駐車場まで集金に来るのでどこかに出向く必要はない)
※夕方から早朝までは集金がなく、支払う必要はありません。
トイレ
駐車場に隣接して清潔なトイレがあります。
周辺施設
釣具店
<釣侍 小田原店>
- 〒250-0024 神奈川県小田原市根府川224-1
- 0465-29-0373
- http://www.turizamurai.com/app/view/shop/id/1
- https://twitter.com/turizamuraiodaw(Twitterで釣果情報更新)
- 年中無休24時間営業(荒天時休業あり)
根府川方面から最初にある釣具店が釣侍小田原店です。
生餌が豊富で周辺で使用する仕掛けもバッチリ手に入ります。
氷ももちろん手に入ります。
<小田原マリンターミナル>
- 〒250-0025 神奈川県小田原市江之浦184
- 0465-29-0239
- https://odawara-marin.com/
- 年中無休24時間営業
小田原マリンターミナルは江之浦漁港入口にある釣具店です。
生餌・仕掛け・氷まですべて手に入ります。
現地で釣りをしていて餌を足したいときなどはこちらがおすすめ!
コンビニ
<ローソン 西湘江之浦店>
付近にコンビニは一つだけです。
夜間などの物資調達はこちら!
- 〒250-0025 神奈川県小田原市江之浦118-4
- 0465-29-1560
まとめ
今回は江之浦漁港の釣り場を解説しました。
絵にかいたような好ポイントで、堤防・岩礁帯・砂地などが複合した釣りがいのあるポイントです。
現状、漁業者・ダイビング関連の人々・釣り人が協調して釣り場が成り立っています。
小田原市としては、江之浦漁港を海釣り施設化するような検討(※)もしているようです。
トラブルを起こすことなく、ルールやマナーをまもって楽しみましょう!
※参考:令和3年度小田原漁港釣り護岸に関する検討会 議事録 、令和4年度釣り施設に関する検討会 議事録
▼当日の海況は江之浦ダイビングサービス アクアランドのサイトやSNSがわかりやすい。
9月22日(金) 6:50現在
#江之浦海洋情報
【穏やか/潜水可能オープン⭕️】
透明度:5〜8m(今朝)
水温:25°前後
水面:穏やかです。
水中:透明度は5〜8mです。
江之浦漁港での釣りに便利なアイテム
▼シエナコンボがあれば、ヘチ釣り、浮き釣り、サビキ釣りはバッチリ
▼たも網は6mあると安心
▼刺毒魚であるアイゴ・ゴンズイなどがよく釣れるのでフィッシュグリップとプライヤーを持参
▼ライフジャケットやゲームベストをつけると安心