週末や長期休暇でいつもの釣り場より遠征を企画する人もいることと思います。
今回は、首都圏に住んでいる方が比較的挑戦しやすい遠征先である伊豆諸島への釣行に関してのノウハウをまとめました。
離島遠征の玄人にとっては知っていることも多いかもしれませんが、筆者が実際に経験して気づいたことこれから遠征する人にはきっと役に立つはずです!
伊豆諸島遠征前のノウハウ
宿よりレンタカーの予約が重要
遠征時は、まずレンタカーをの予約をしてから宿を押さえるとよいです。
それぞれ予約数が少ないというのはもちろんあるのですが、釣りが可能なレンタカー自体の台数は宿の数より限られているのが伊豆諸島です。
まず、レンタカーをおさえておけば、最悪、堤防車中泊という手段も取れます。
レンタカーがない場合、一か所での釣りになりがちですが、風向きや潮によってかなり釣りづらい状況があった場合にポイント移動しにくいというデメリットがあります。
釣りの途中にバス移動をする場合はアミコマセを持ち運んでいると乗車拒否される可能性がありますので注意しておきましょう。(こぼれたり、ニオイで他の乗客の迷惑になるためです)
ウェブを駆使して釣り物を調べておく
渡航前にその時釣れている釣り物を調べておきましょう。
便利な手段は以下の通りです。
- Twitterやインスタグラムを利用する
- Facebookの釣り関連グループできいてみる
- 現地釣具店、民宿のブログ等をチェック
- 昨年同時期の釣況を調べる
即時性の高い調査方法としては、Twitterやインスタグラムのハッシュタグを駆使しながら調べる方法です。
なるべく多くの人が参加していて排他的でなくアクティブに活動されている人が多いFacebookのグループで聞いてみるのもよいでしょう。
ORETSURIでは『釣りトーク by ORETSURI』という読者が集う場を用意しています。参加して質問してみれば、誰かが回答してくれることでしょう。ぜひ試してみてください。
他に現地の釣具店や民宿のブログをチェックしてみてもよいでしょう。
いずれにせよ1週間前ぐらいから釣況をチェックして当日の釣り物を考えてタックルなどの準備に活かすと失敗の可能性をさげることができます。
当日のスケジュールは大筋で組んでおく
いきあたりばったりの遠征は、残念な釣果になることもしばしばです。
大筋でよいので、以下のスケジュールをきめておきましょう
- 到着してからレンタカーを借りて餌を購入・確保する
- どの釣り場から釣りはじめるか(風や波を考慮)
- 朝、昼、晩の食事をどうするか(店舗の場合は営業時間が短い)
- 宿のチェックインタイミング
- 温泉等の営業時間
- 夜釣りをする場合の場所と時間(いつどの場所で何時まで釣るのか)
- 帰りの便までに納竿とする時間(少なくとも出船1時間前には納竿としておくことをオススメします)
尚、当日のスケジュールは、現地での状況(天候・釣況)によって変更の必要性が生じるため、臨機応変に対応できるように余裕をもって組んでおきましょう。
伊豆諸島遠征で狙える釣り物
次に、各釣法で岸から狙える魚を紹介します。
離島だけに魅力的な釣り物が多いですが、すべて狙えるわけではありません。
何をメインに狙い、状況によって代替ターゲットして何を狙うかを決めておきましょう。
この選択で、持参するタックルの数や種類が変わります。
遠投カゴ釣り、ウキフカセ、サビキ、へチ釣り
基本的にアミコマセを使って魚を寄せ、オキアミのつけエサで釣る釣りです。堤防からの釣りでもタナや仕掛けの投入距離等により、多種多様な魚を狙うことができます。
- メジナ、ブダイ
- イサキ
- イスズミ
- メバル
- サバ
- タカベ
- スズメダイ
- ブダイ
- ニザダイ
- トビウオ
- オジサン
- ベラ系
- カワハギ
泳がせ釣り、ぶっこみ釣り、ルアー
主に、魚食性の高い魚を狙う釣りです。
- ウツボ
- アカハタ
- カサゴ
- ハマフエフキ(タマン)
- カンパチ
- ヒラマサ
- ワラサ
- イナダ
- ソーダガツオ
- マグロ(キハダ・クロ)
- アオリイカ
遠征時の釣り餌について
イソメ好きの人はあらかじめ買っておこう
イソメなどの虫餌類は販売されていないので、釣行前日までに購入しておくとよいでしょう。
特に、へチ釣りで、カワハギなどを狙う場合、購入できるオキアミでは太刀打ちできないこともしばしばです。餌切れのときを想定して、ガルプのサンドワームやパワーイソメも忍ばせておくのもよいでしょう。
サバやサンマの切り身を塩で締めて水分を切った状態で持参するのもオススメです。
アミコマセの解凍予約をしておくとすぐに釣りができる
アミコマセは1泊2日の釣りで1人2~3キロあれば問題ありません。
季節にもよりますが、アミコマセはブロック状に冷凍されています。カチカチのアミコマセは海水をかけたとしても、なかなか溶けません。
こうなると、溶かすためにハンマーでたたくというような作業が発生するので、可能であれば現地釣具・釣餌店に解凍予約しておくとよいでしょう。
刺し餌は不凍品がつかいやすい
刺し餌は冷凍品を回答してもよいですが、解凍品は身が柔かいものがほとんどなので、針持ちが悪いことがしばしばです。コストはあがりますが、パックされた不凍品(生イキクンやGクリル)がしっかりしているのでオススメです。
オキアミのサイズはウキフカセやへチつりであればMサイズ以上、遠投かご釣り等で、大物を狙う際はLサイズ以上をつかうとよいでしょう。状況によって、頭をとって使うなど工夫することで釣果があがります。
アミコマセを入れるバケツをもって渡航しよう
写真は5リットル程度のバケツ。100均での購入がオススメ。
初めて遠征する場合に、行って気づくことが多いのが、アミコマセを入れるバケツです。
これは100均等で渡航前に購入しておいたほうがよいでしょう。現地の釣具店で専用品(深い)の買うのは割高です。
折りたためる水汲みバケツを利用するの持ち運びに便利ですが、容量的に少なく感じるのもしばしばです。
また、サビキ等でタカベやイワシなどを釣ったあと、泳がせ釣りにつかう場合、活かしバケツ(エアレーションがあると便利)としても、複数必要なものです。チームで遠征する場合は、誰がどの道具を持ってくるか事前に相談しておくとよいでしょう。
網エビをカゴなどに入れやすいスコップもあると手が汚れず手返しもよくなります。
根がかりをうまくさけることが重要
伊豆諸島は火山活動によって隆起している島々で構成されています。
どの堤防際も溶岩をメインに構成された根が発達しています。地形に慣れないうちに、ブッコミ釣りやルアーでボトムを狙うと、高確率で根がかり、ロストが連続してしまいます。
根がかりの可能性を少なくするためには、以下の方法をとるとよいでしょう。
- なれない場所では、まず、フックをつけずオモリのみで地形を確認する
- 地元の釣り人に挨拶がてら地形について聞いてみる
- オモリ部分を遊動仕掛けにする(中通しオモリを道糸側で固定しない仕掛けがオススメです)
- ムツ針などのネムリ針を使う(針部分が根や海藻に食い込みにくくなります)
- 根がかりを感じたら無理に引っ張らず、ラインを緩めてから瞬間的にオモリを跳ねさせて回避する
ウツボとうまく渡り合うのが重要
伊豆諸島の堤防周りで、ブッコミ釣りや泳がせ釣りをすると高確率でウツボが釣れます。
切り身、死んだ魚、活餌、このすべてでウツボがヒットします。
底を狙う限りこのウツボは避けられないため、以下のことに注意しておきましょう。
- 手返しよく外してリリースする(ムツ針だと飲み込まれないため手返しがよい。プライヤーも必須)
- ブッコミ釣りをする場合は、生きた魚を使いハリスが底上1メートル以上を漂うようにする(昼夜問わず底べったりの切り身や死んだ魚はウツボの餌食です。)遊動の浮力体を通しておくとよいでしょう
- ハリスは一回ごとに交換できるようにしておく(余分なハリスを用意しておく)
- 泳がせ釣りは、胴付きよりはウキをつけて潮流で流す(青物狙いはこちらがメインです)
道糸やハリスは考えている以上に太目に
本土側で釣りをしているとシビアな場所が多いためハリスを細目にしがちですね。
一方、離島の場合は前述の通り、溶岩で構成された海底がほとんどです。
泳がせ釣りなどは、フロロやナイロンのハリスで16号(55lb )~20号(70lb)程度あったほうが安心です。これは、対象魚の重さに対してというよりも根ずれを回避するためです。さらに大型魚などを狙う場合は、PEは6号以上、ハリスは20号以上を使うとよいでしょう。
ハリスが太いと喰い渋りなどが想定されますが、かかって取れない状況はかなり悲しいので、チャンスを最大限に生かせる仕掛け構成を考えておきましょう。
底ものを狙う際にハリス5号などを使うと瞬断されることもしばしばです。
サルカンはスイベル型を使うのがオススメ
スナップサルカン類はスナップ部分の強度が弱いためスナップがついていないものを選ぶとよいでしょう。破断強度を確認して強力なものを準備しておきます。
フックは、ムツ針等の太軸のネムリ針がオススメ
次にフックですが、初心者ほど管付きが結びやすくしっかりした結びが完成するのでオススメです。
ウツボや根がかりが連発する場合、針先も劣化するため都度新しい針に結びかえる必要があります。夜間の釣りも考慮して管付がよいでしょう。
またムツ針のように針先がネムっている(内側に曲がっている)ものを使うことにより根がかりの確率をさげ、鋭い歯を持つウツボやハタ類に飲み込まれてハリスを切られる可能性をさげることができます。
たも網かギャフの必要性
釣り物にもよりますが、堤防からも大型の魚が釣れる伊豆諸島では、たも網やギャフが必須といってもよいでしょう。周りの人に相談して借りるという方法もありますが、自分一人のときに大物がかかった場合、足場の高い堤防では到底釣り上げることができません。
常に、大物が釣れたときのことを想定して、強度の高いたも網やギャフを準備しておく必要があります。高さは堤防や磯によって異なりますが、5メートル以上のものを用意しておくと便利です。
竿から目を離したら悲しい思いをする
こちらの記事で書きましたが、伊豆諸島の堤防での置き竿はかなり危険です。ウツボの場合は引き込まれることは少ないですが、青物やハタ類の場合、引きの強さから海中にタックル一式が引き込まれることもしばしばです。
ドラグを、ゆるゆるに、ゆるめておけば大丈夫でしょ、と思っても、バックラッシュによってロック状態になり、そのまま引き込まれてしまうこともあるようです。
以下に配慮しておくことをオススメします。
- ドラグをゆるめておけば大丈夫というのは嘘(スピニング・両軸ともにバックラッシュ&ロックで引き込まれます)
- ワイヤー入りの尻手ロープが必要
- 軽めのクーラーボックスやボートバッグに結ぶと引き込まれるので延長ロープなどで波止や車に結ぶ。地元の方は鉄筋などに結んでいます
- 竿は1本。置き竿にしないで手持ちにする(これがベスト)
- ラインアラーム付きの両軸リールを使う
クーラーボックス等のアイテム
離島の場合、本土より釣果もあがることがしばしばです。魚を釣ってからどうしようと迷わないように、大き目のクーラーボックスを用意しておくとよいでしょう。青物を専門に狙う場合はそれ相応のサイズが必要です。
氷は現地でも購入できる(400前後)ものの、ペットボトル氷(500ml~2l)を複数持参して、追加で板氷を購入するのがオススメです。
また、釣り具はリュック等ではなく船バッグなどにいれておくと雨や波からも防ぐことができます。
これらをまとめておけるキャリーがあると持ち運びも便利です。
ロッド類は、船や現地での車の移動で破損する可能性があります。ロッドケースにいれて穂先には常に注意して移動しましょう。
大物釣りなどは危険がつきものですので、ライフジャケットなどを装備してできるだけ複数人で釣行しましょう。
最後に
伊豆諸島といえば東京近郊から気軽にいけて、大物も狙える釣り場です。
厳冬期以外は、堤防からもかなりの魚影がみえ、ロケーションもよくとても楽しめる釣り場です。
一方、一回の遠征で数万円以上のコストがかかるわけですので、できるだけ効率よく楽しみたいものですね。
今回は、ここ数年毎年伊豆諸島に遠征しているときに気づいたノウハウをまとめてみました。
一つでも参考になることがあればこれ幸いです。
ではでは。
平田(@tsuyoshi_hirata)