昨今の船釣りシーンで主流のライトゲーム。
軽いオモリに比較的短い竿をつかうのですが、使用する船竿は「ライトゲームロッド」と呼ばれます。
意味合いは「軽量でゲーム性高く楽しめる竿」というようなものだと思ってください。
今回は、ライトゲームロッドの選び方とおすすめの船竿を紹介します。
あれこれ選択肢が多く悩みがちですが、これですっきりするはず。
▼【結論】筆者のおすすめライトゲームロッドは以下の通り!
- ダイワ「ライトゲームX 73 MMH-190 」(ビギナーやkidsにありがちな穂先折れしづらい)
- シマノ「ライトゲームBB 73 MH195 」(穂先が繊細なので、より細かいアタリをとりやすい)
- アルファタックル「ライトゲームFT 73-190M」(よりリーズナブル。必要十分なスペックで穂先の視認性が高い)
船釣りで使用するライトゲームロッドの特徴
貸竿と異なりマイロッドは手にしっくりくるはず
オモリ負荷
船釣りでよく用いられる六角オモリ
「オモリ負荷」とは、船竿がどれくらいのオモリを扱えるかを表す数値です。
最小値と最大値の目安で表現されます。
エサ釣りメインの船竿ではオモリは「g」ではなく「号数」で表され、ライトゲームロッドではおおよそ、15号~100号程度まで扱えます。
メーカーによってことなりますが、以下のような区分けがあります。
- M(ミディアム):15号~60号(シマノ)、20号~60号(ダイワ)、20号~80号(アルファタックル)
- MH(ミディアムハード):20号~80号(シマノ)、30号~80号or100号(ダイワ)、25号~100号(アルファタックル)
- H(ハード):30号~100号(シマノ)、40号~100号(ダイワ)、30号~120号(アルファタックル)
各社のライトゲームロッドのうち、一番汎用性が高いのが「MH」クラスのライトゲームロッドです。
なぜ万能なのかというと、沿岸部で水深100m程度の釣りであれば、だいたい20~80号程度のオモリで楽しめるからです。
※オモリ負荷は目安なので、規定以下や以上のオモリでも扱うことはできます。一方、極端に底取りをしづらくなったり、アタリがわかりにくくなったり、アクションをつけづらくなります。また、重すぎるオモリをつかうと、破損リスクも高まります。
※オモリ負荷はMAX値に多少余裕を持たせて使用した方が、竿の力を活かせます。たとえば、20号~60号の竿ではMAX60号のオモリよりは~40号程度のオモリをつかったほうが扱いやすいです。
▼船竿のオモリ号数と対応する東京湾や相模湾での対象魚について紹介
調子
7:3調子のライトゲームロッド
船竿で言う「調子」は大きく分けて以下の通りです。
- 64(ロクヨン)=6:4調子(胴調子・ムーチング)
- 73(ナナサン)=7:3調子(先調子)
- 82(ハチニー)=8:2調子(先調子)
- 91(キューイチ)=9:1調子(極先調子)
数字の意味は竿全体を10としたときに、どの部分から竿が曲がるかを指しています。
たとえば、「73=7:3調子」であれば、全体に対して、おおよそ先端の3割の部分から曲がるように設計されています。
竿の調子には狙う魚や釣り人の好む釣り方によって向き不向きがあります。
最初の一本は一番汎用性が高い「73=7:3調子」を買っておけば問題ありません。
- 64(ロクヨン)=6:4調子:ヒラメの置き竿やメバルで多点がけする場合。タイラバのようにクッション性が高い竿が求められる場合
- 82(ハチニー)=8:2調子:天秤餌タチウオで積極的にかけにいく場合。アマダイ、カレイ、タコなどで小突きが多い釣り
- 91(キューイチ)=9:1調子:カワハギやフグなど繊細なアタリを感じてかけにいく場合
このように、釣り物やシーンによっては「73=7:3調子」で対応しづらいこともでてきます。
狙うターゲットによって他の調子を選ぶことはもちろん、「専用竿」と呼ばれる、釣り物に適した専用ロッドを検討していきましょう。
長さ
長竿をつかうメリットもあるが、最初は190㎝程度が軽量で扱いやすい
ライトゲームロッドは軽量で扱いやすくつくられています。
多くが190㎝~200㎝程度です。
最初に選ぶ場合は190㎝程度のものを選ぶのがおすすめです。
200㎝を超える竿もありますが、長さを活かす釣り物で使用する以外は、全体重量も増え、船上での取り回しも悪くなります。
<長竿のメリット>
- 置き竿にした際に、船の揺れを吸収しやすい(ヒラメなど)
- 長い仕掛けを扱いやすい(エビメバルなど)
- リールを使わず底取りしやすい(マゴチなど)
- 少ない力でアワセを入れやすい
オススメの船用ライトゲームロッド3選
ここからは筆者が実際につかってみてオススメのライトゲームロッドを紹介していきます。
いろんな船竿があるのですが、選択肢は3つと考えると楽です。
現行のアイテムでは2大メーカー「ダイワ(ライトゲームX)」と「シマノ(ライトゲームBB)」から選べば間違いありません。
それぞれ1万数千円で最初の1本を手に入れることができます。
初期費用を下げたい場合は、「アルファタックル(ライトゲームFT)」がおすすめです。1万円程度で手に入れることもできます。
それぞれ2P(ツーピース)といって2本継ぎなのですが、仕舞寸法が2m前後と持ち運びしやすいモデルです。
デザイン性が高く丈夫な「ダイワ・ライトゲームX・R」
ダイワの「ライトゲームX・R」は2020年に登場したライトゲームロッドです。
旧型「ライトゲームX」と比較すると、ネーム部分やグリップ部分のデザイン性が増し、入門モデルにもかかわらず高級感を感じられる仕上がり。
ラインナップも10種類に拡大し、より広いライトゲームに対応できるようになりました。
設計思想からか、ダイワの入門竿は比較的カーボン含有率が低めで、「感度」よりも「粘り」や「強度」が重視されています。
特に先径(穂先)が太目につくられていて、ビギナーや子供がつかっても「折れづらい」のが特長です。
また、手にもつと柔軟性を感じます。
▼ライトゲームX・Rで最も汎用性が高い「73 MH-190 」or「73 MMH-190 」。最初の一本ならこれ
※Amazon等では旧型が継続して販売されています。注意しましょう。
▼「ライトゲームX・R」の詳しいスペック解説・競合との違い
「感度」「軽さ」「強度」を兼ね備えた「シマノ・ライトゲームBB」
シマノの「ライトゲームBB」は2019年に登場したライトゲームロッドです。
旧型「ライトゲームBB」と比較すると、全体のカラーが変更になり、グリップ部分当のデザイン性が高まっています。
ラインナップは10種類。
シマノの入門竿は比較的カーボン含有率が高めに設定され、「感度」と「軽さ」が重視されています。
手にもつとシャキッとした感覚。
竿の剛性を高める「X状のカーボンテープ加工」がダイワのライトゲームX・R」と異なり、穂先手前まで施されているのも特徴の一つです。
入門竿にもかかわらず高レベルの「感度」「軽さ」「強度」を兼ね備えています。
デメリットは先径が細めなので、釣り慣れない人が使うと、穂先を破損する可能性がダイワ・ライトゲームXより高いという点です。
▼最初の一本なら汎用性が高いライトゲームBB「TYPE73 MH195」がおすすめ
▼「ライトゲームBB」の詳しいスペック解説・競合比較
「感度」「軽さ」「価格」が魅力の「アルファタックル・ライトゲームFT」
アルファタックルの「ライトゲームFT」は安価な価格設定が特徴のライトゲームロッドです。
以前はフネタツライトゲームという商品がありましたが、その後継機と考えておきましょう。
アルファタックルの竿はダイワやシマノほど認知されていませんが、専門性の高い竿が比較的低価格なので愛用者もいます。
カーボン含有率が高めに設定され、「感度」と「軽さ」が重視されています。
- TOPガイドがSiCでない(剛性がやや落ちるが船釣りの一般的な使用ならば問題はない)
- 竿の剛性を高める「X状のカーボンテープ加工」がない
以上のネガティブポイントがあるのですが、総じて軽くて扱いやすく感度がよい竿です。
ECサイトでは1万円少々で購入できるのが魅力的。
できるだけ初期コストをおさえつつ、ちゃんと使えるライトゲームロッドがほしいとおもったらライトゲームFTです。
▼ライトゲームFTでもっとも汎用的なのが73-190M
船ライトゲームロッドの「パックロッド」ってどうなの?
船用のライトゲームロッドは2P(ツーピース)で仕舞寸法も1m前後で持ち運びしやすいのが特徴です。
ライトゲームロッドにも「パックロッド」があるので紹介していきます。
電車釣行などで防水リュックなどにいれてさらにコンパクトに持ち運びたいというニーズもあるはず。
クーラーボックスの代わりにクーラーバッグを持ち込めばさらにお手軽です。
ダイワ・モバイル X
出典:ダイワ
モバイルXはダイワからリリースされている4Pのパックロッド。全長は180㎝で仕舞寸法は50㎝。
73調子と83調子があり、5モデルが販売されています。
実売価格16,000~17,000円程度とやや高め。
バイク釣行には便利ですが、電車釣行ならば2ピースのアイテムがお得です。
▼モバイルXでもっとも汎用的なのが73MH-180
アルファタックル・FUNETATSU MOBILLY(フネタツ モバイリー)
フネタツ モバイリーはアルファタックルからリリースされている4Pのパックロッド。全長は195㎝で仕舞寸法は53 ㎝。
73調子のみで、2モデルが販売されています。
実売価格10,000円台とお手頃価格。
まとめ
今回は船釣りシーンで大活躍のライトゲームロッドの選び方とおすすめを3本紹介しました。
各メーカー、様々なモデルが販売されていて迷いがちですが、最初の1本であれば選ぶべきモデルはだいたい決まっています。
予算に余裕があればダイワのライトゲームX・Rか、シマノのライトゲームBB。
より安価にそろえたい場合は、ライトゲームFTがおすすめです。
▼筆者のおすすめライトゲームロッドは以下の通り
- ダイワ「ライトゲームX 73 MMH-190 」(ビギナーやkidsにありがちな穂先折れしづらい)
- シマノ「ライトゲームBB 73 MH195 」(穂先が繊細なので、より細かいアタリをとりやすい)
- アルファタックル「ライトゲームFT 73-190M」(よりリーズナブル。必要十分なスペックで穂先の視認性が高い)
それぞれのメーカーごとの詳しい特徴は詳細解説記事を参考に検討ください。
平田(@tsuyoshi_hirata)